凍て刺す零氷の刀使   作:レイ1020

15 / 26
姫和と可奈美が逃げた......。



紫音達親衛隊はどのような対応をするか?




ちなみに言っておくと、胎動編では紫音は終盤まで可奈美達と敵対してます。彼女の立場もあるのですが、変に可奈美達の仲間にするよりは敵対して徐々に可奈美に協力して行くというスタイルの方が良いと考えた為このような設定にしました。あらかじめご了承ください。


襲撃犯達の追跡

 

 

「今、同じ学院の柳瀬舞衣と岩倉早苗の聴取を終えた。どうやら二人ともこのことに関しては知らなかったようだ」

 

 

 

可奈美と十条さんが逃げ出してから数十分、折神家は何か心当たりがないか、同じ学院の刀使である舞衣と岩倉さんに事情聴取をしていた。結果として二人は白、無関係だった。

 

 

 

「それにしても......何で紫様は追いかけるのを止めたんでしょうか?あそこで逃してしまっては......」

 

 

 

「紫様のお考えは分からないが、そう命令されたのだから僕たちは従う他ないよ」

 

 

 

「......そうですわね」

 

 

 

私たちは今、紫様の警護命令が出ているため、屋敷内の待機室にいる。率直にいえば、次の命令を待ってる状態でいつでも出動できるように装備は整えていた。

 

 

 

「......ん?......紫様からだ」

 

 

 

しばらく待っていると、部屋内に真希さんの携帯の音が鳴り響いた。

 

 

 

「はい、獅童です......そうですか。わかりました、直ちに知らせます」

 

 

 

「紫様からですか?何と?」

 

 

 

「警護命令は解除、只今より捜索を開始せよ......とのことだ」

 

 

 

「......」

 

 

 

ようやくか......。心の中でそう呟いた。現在可奈美達がどこにいるかは分かんないらしいけど、情報が集まり次第親衛隊にも伝わるようにするらしい。

 

 

 

「......場所が分からない以上、捜索場所を限定することはできませんね」

 

 

 

「とりあえずはこの周辺を捜索せよとのことだ。僕たち親衛隊は手分けして捜索する範囲を決めて捜索に当たろう。みんな......それで良いかい?」

 

 

 

「問題ないですわ」「了解しました」「はい」

 

 

 

方針は決まった。後は実行あるのみだけど、その前にずっと気になってることがある。

 

 

 

「結芽は何でいないんですか?」

 

 

 

「結芽には部屋に戻ってもらってますわ。あの子が外に出たら無駄な血を流させてしまいますから」

 

 

 

「ああ〜......確かに......」

 

 

 

その言葉だけで理由がわかってしまう辺り、私も親衛隊の皆さんのことをよく理解してるんだなぁと改めて理解できた......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もぉ〜、どこにいるの?可奈美......」

 

 

 

あの後、私たち親衛隊は捜索範囲を決め、各自で捜索に移っていた。私は練武場の西側、真希さんは東側、寿々花さんは南側、夜見さんは北側を捜索していた。それでも、私たちは可奈美達を見つけることはできなかった......。

 

 

 

 

「やっぱり手がかりがないんじゃ......あれ?」

 

 

 

再び捜索を始めようとした矢先、私の目に映ったのは、何やら運転手に話をつけて車に乗ろうとしている舞衣の姿だった。

 

 

 

「(何で舞衣がここに......?......もしかして!)」

 

 

 

何か思い当たった私は、舞衣が車に乗り込む前に止めようと舞衣に向かって走った。

 

 

 

「舞衣!ちょっと待って!」

 

 

 

「......え?紫音...ちゃん?」

 

 

 

「何でここに?それと......どこに行くつもり?」

 

 

 

「それは......」

 

 

 

私の登場が予想外だったのか。しどろもどろになってる舞衣。私の予想が正しいなら舞衣は多分......。

 

 

 

「もしかして......可奈美達の居場所が分かった?」

 

 

 

「っ!!?」

 

 

 

......どうやら図星だったみたいだね。相変わらず隠し事は苦手みたいだね舞衣は......。

 

 

 

「......」

 

 

 

「その反応は肯定してるってことで良いよね?それで?舞衣は可奈美達に会ってどうするつもりなの?」

 

 

 

「......」

 

 

 

私の問いかけにも無反応を貫いてる舞衣。

 

 

 

「黙ってちゃ分かんないよ?」

 

 

 

「紫音ちゃんにはお見通しみたいだね......。私は......何で可奈美ちゃんがあんな事をしたのか知りたいの。事前までそんな素振り全く見せてなかったし、あの子(十条さん)とも知り合いとも思えない。だから知りたいの、可奈美ちゃんの真意を!」

 

 

 

「......そっか」

 

 

 

舞衣の言葉は私の心の中に深く浸透して来た。その気持ち......私にはわかるよ?だって......私も同じ気持ちだから!

 

 

 

「舞衣の気持ちはよくわかった。でも、いるのは可奈美だけじゃなくて襲撃犯の十条さんもいる。一人で行くのは危険だよ」

 

 

 

「そうだけどっ!」

 

 

 

「だから、私もついていくよ。私も可奈美のことは気になってるけど、その前に私は親衛隊。襲撃犯を捕らえるのが今回の任務だから居場所が分かった以上、行かないわけにはいかないんだ」

 

 

 

「紫音ちゃん......」

 

 

 

「分かって、舞衣」

 

 

 

舞衣は少し考えてたけど、考えがついたのか私の方を見て言った。

 

 

 

「分かった!行こう!紫音ちゃん!」

 

 

 

「......決まりだね。そうなれば......」

 

 

 

私はそっと耳のイヤホンに手をあて、無線機能をオンにし、親衛隊に連絡をした。

 

 

 

「襲撃犯の居場所が判明しました。私は先に向かい、捜索を始めます。居場所は今から伝えますのでそれから他の皆さんは警備隊を率いて応援に来てください。お願いします!」

 

 

 

『分かった。直ちに向かう』『承りました』『分かりましたわ』

 

 

 

 

親衛隊に居場所を伝えた後、舞衣の車に乗り、可奈美達の居場所、()()()()に向かった。待っててよ?可奈美......。洗いざらい全て吐かせてあげるから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......いた?」

 

 

 

「可奈美ちゃん達が泊まってる部屋に入ってみたんだけど、既にいなくなってて......」

 

 

 

「......そっか。......感づかれたか」

 

 

 

鎌倉を出発したのが結構遅い時間だったこともあって、東京の台東区に着いたのは明け方だった。車の中で軽い睡眠を取った私たちは、台東区に存在する宿を片っ端から当たってみた。何軒か当たってみて、ようやく二人が止まってる宿を特定できたんだけど、感づいたのか既に部屋はもぬけの殻になってたみたいだった。

 

 

 

「次は、ここら辺の店を当たって目撃情報がないか聞いてみよう」

 

 

 

「うん、分かった」

 

 

 

ここら辺を通っているはずなんだ、誰か一人くらいは見た人もいるだろう。そう期待を膨らませながら商店街に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「舞衣、そっちはどうだった?」

 

 

 

「ごめん、こっちは手掛かり無しだよ......」

 

 

 

「そっちもか〜......。私の方も収穫は無し。......困ったな......」

 

 

 

商店街の店の人や街中の人たちにも話を聞いてみたけど誰も、知らない知らないの一点張りだった。これじゃキリがないよ〜......。

 

 

 

「親衛隊の皆さんが来るのはもう少しかかるし......もう少し話を聞いて......」

 

 

 

気持ちをもう一度引き締め直して、再び捜索に入ろうとした時、私の無線機が鳴った。私はすぐに無線機能をオンにして耳に手を当てた。

 

 

 

「どうしました?」

 

 

 

『紫音。君のいる台東区に荒魂の出現が確認された。僕たちが行くまで紫音には人々の避難と荒魂の討伐を任せたいんだけど良いかい?』

 

 

 

「はぁ......?それは構いませんけど、捜索の方はどうしますか?」

 

 

 

『そちらは後回しで構わない。行動が遅れて人々に被害が出ては遅いからな。紫音、今すぐ行動に移れ』

 

 

 

「了解、直ちに向かいます」

 

 

 

無線を切り、私は舞衣の方を向いた。

 

 

 

「舞衣、近くで荒魂が出現したみたい。私は一旦捜索を中断してそっちに向かうけど、舞衣はどうする?」

 

 

 

「私も行くよ。刀使の使命は荒魂を祓うこと。それを優先しなくちゃ!」

 

 

 

「よし、じゃあ早速向かおう。私について来て!」

 

 

 

話がつき、私は舞衣を連れて荒魂の出現が確認された現場に向かった。場所はここから約1km離れた神社みたいだ。急いで向かおう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで合ってるの?紫音ちゃん?」

 

 

 

「うん、間違いないよ」

 

 

 

数分後、私達は避難の指示を周りの人々に出しつつ、現場の神社に到着することができた。近くに大きな鳥居があり、随分とインパクトのある神社だな〜......と心の中で呑気な事を考えていた。

 

 

 

「スペクトラムファインダーは、もう少し北を指してる......。ってことはもう少し奥にいるってことか......」

 

 

 

「もう少し行ってみようよ?紫音ちゃ............!!?」

 

 

 

「ん?どうかし......た?」

 

 

 

何かに驚いた舞衣に怪訝な反応をした私は、そのまま自分の視線を舞衣の視線の先に向けた。その先にいた()()()人物に私も目を疑った。そこにいたのはーーー

 

 

 

「可奈美......?」

 

 

 

「!?舞衣ちゃんと......紫音ちゃ......ん?」

 

 

 

今現在逃走中で、私達親衛隊が行方を追っている衛藤可奈美と十条姫和が......私達の目の前にいた。




次回【譲れない想い】



お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。