凍て刺す零氷の刀使   作:レイ1020

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二日空きました。理由は単に忙しかったからです......。すいません。


激戦のその後

 

 

「撤退......ですか?」

 

 

 

 

夜見さんから言われたその一言に少なからず私は驚いた。急に撤退なんて言われれば誰でも驚く。もちろんそれは美炎達も同じだった。

 

 

 

 

「はい、先ほどこちらに綾小路の相楽学長と......長船の真庭学長から連絡がありまして......調査隊とは事を構えるなと言う指示を受けましたから......」

 

 

 

「......そうですか。でも、それなら私たちはこのまま先ほど逃げた二人を追いかければいいんじゃ無いですか?そちらは関係がないですよね?」

 

 

 

納得できなかったのがまさにそれ。調査隊と戦わないのなら、そのまま二人の追跡に移れば良いだけの話......。それなのに何故撤退しなくちゃいけないのか理解できなかった。

 

 

 

「それが......どうにも先ほど、二人を発見した獅童さんと此花さんが予想外の反撃を受け、取り逃した上手傷を負ってしまったとの報告がありまして......。対象を見失った以上......これ以上の捜索は無意味という判断が下され、撤退という命令が......下されました」

 

 

 

「あのお二人が......取り逃した?」

 

 

 

少なからず驚いた私だった。あのお二人の強さは自分がよく理解してる。並大抵の腕では相手にすらならない人達なのに可奈美達はなんとか退けた。その事実に私は動揺し切っていた。そして、その動揺が私の体に響いたのか、再び強い頭痛が襲って来た。

 

 

 

「っ......」

 

 

 

「紫音......?大丈夫?」

 

 

 

「うん......なんとか......」

 

 

 

肩を貸して貰ってる美炎に、そう言ったけど正直結構キツかった。さっきまであった妙な寒気みたいなのはもう無くなってるけど、頭痛は今もなお続いてる。幸い、歩けないほどでは無かった為帰る分には申し分なかった。これは......早く帰ったほうがいいね。

 

 

 

「芹代さんは......大丈夫ですか?」

 

 

 

「大丈夫です。一人で歩けますので......美炎、もう大丈夫だから......」

 

 

 

「......そう?まだ顔色が悪いみたいだけど?」

 

 

 

「そんなに脆く無いよ......とは言ったけど正直まだ辛いから、帰ったらすぐに横になるとするよ......」

 

 

 

その後、私たちは調査隊と共に真希さんと寿々花さん達と合流した。二人は報告にあった通り、軽い手傷を負っていたけど、特に問題なく話せていた為任務に支障は出なさそうだった。会った際、二人とも悔しさを滲ませながら何か言ってたけど、そこは踏み込むのは良く無いと思いそっとしておき、私は他のみんなと共に鎌倉に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......ねえ、紫音?」

 

 

 

「......?どうかした?」

 

 

 

鎌倉に帰る道中の車の中、隣に座っていた美炎が何か聞きたそうな顔でこちらを見ていた。

 

 

 

「さっきはどうしたの?急に頭を押さえて......それに、今も痛いんでしょ?頭......」

 

 

 

「......」

 

 

 

聞きたいことはそれか......。それは、逆に私が聞きたいことなんだよね......。

 

 

 

「私にも良くわかんないんだよ......聞くけどさ?あの時、私たちの他に誰かの声が聞こえた?」

 

 

 

「声?......いや、聞こえなかったけど?」

 

 

 

その美炎の答えにやはりか......と納得した。やっぱりあの声は私にしか聞こえてなかったんだ......。

 

 

 

「私には聞こえたんだよその声が。その声が聞こえたと思ったら......急に身体中が寒くなって、眼まで制御が出来なくなって物凄い量の未来を私に見せて来て......そのせいで今までに無いくらいの強い頭痛が襲って来たんだ......」

 

 

 

「未来?......眼?どういうこと?」

 

 

 

未だに話が理解できてない様子の美炎。これは、説明が必要そうだね。

 

 

 

「簡単に言うと、私には前から不定期で未来が視える眼があったの。なんでその眼が使えるのかは分かんないんだけど、とにかくその眼を今までは何とか抑えることが出来てたの。私が必要と思った情報だけを脳に送る......みたいな。でも......さっきはそれが出来なくって......」

 

 

 

「なるほどね......だからさっき、紫音の右目が......金色に変わってたのか......」

 

 

 

「へ?......金色?」

 

 

 

「うん。右目が金色に変わってたよ?......不気味に」

 

 

 

......初めて知ったよそんなこと。眼の色が変わるなんて......そんな事例聞いたことないよ?

 

 

 

「私の体......どうなってるんだろ?さっき頭の中に響いて来た声も気になるし......」

 

 

 

「......なんて言ってたの?」

 

 

 

「『余と同質の者が現れるとはな?』......って言ってたかな?ちょうど美炎が変化を見せた時だよ......」

 

 

 

「変化って言っても......あの時の記憶はあんまりないんだよね。みんなを守りたい......力が欲しい、そう願ったら自然と体の中から熱が込み上げて来て......力が溢れ出てくる感覚があったってくらいしか思い出せない......」

 

 

 

「そっか......」

 

 

 

私の体の異常もそうだけど、さっきの美炎の変わりようにも何かあるとしか思えない。あの力はとても美炎の力とは思えないし、力もどんどん大きくなっていた。あの力が暴走してしまったら......と考えてしまうと、背筋が凍る......。

 

 

 

 

「何もわからない以上......様子を見るしかないね?」

 

 

 

「うん......そうだね......」

 

 

 

結局明確な答えが出ないまま、私たちは会話を終えた。この問題が解決するのはまだまだ先みたいだね......。




次回【やり切れない悔しさ】



お楽しみに!
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