紫音が荒魂と戦いを始めようとしている中、とあるヘリの中ではーーー
「今回の荒魂の出現は、まさかと言った感じでしたわね?」
「ああ、僕が話を聞いたところでは今回の荒魂は地中深くに長年潜んでいたみたいで、今まで力を蓄えていたらしい。それが今になって地上に現れたという事だ」
「なるほど......では、最悪
「......そうだね」
2人の刀使が今回現れた荒魂について話し合っていた。
「それにしても、今回は別に
「いえ、
「......」
寿々花の過保護なその一言に、少々困った顔をした真希。そう、この2人こそ今回の荒魂討伐に駆り出された親衛隊なのだ。
一人は
もう一人は
「現在は現場の近くにいる刀使達に対処をお願いしているが、正直言って今回は相手が悪い。その場にいる刀使だけで対応するのは少し難儀だ」
「だからこそ私たちの出番な訳ですわね。真希さん...私たちも気を引き締めないといけませんわね」
「ああ......」
改めて気を引き締めなおした数十分後、ヘリはようやく目的の場所に到着した。
「さて......真希さん。現状はどうなっています?」
「報告によれば、人々の避難は完了しているそうだ。怪我人の報告も受けて無い......ただ......」
「ただ?」
真希は先ほど現場にいた刀使の報告の中で、頭を抱えそうなことを聞いた。それをどう寿々花に説明していいのか分からなくなってしまい言い澱んでしまう。
「先ほどの刀使......衛藤と言ったか?彼女から話を聞いたところ、どうも彼女の友達が荒魂を足止めしているらしいんだ......」
「はぁ!?たった一人でですか!?」
「ああ、それも置き去りにしたとかではなくて本人がそれを望んでした行為らしい」
「何て無茶を......真希さん!」
現場を離れた可奈美達は親衛隊と合流していた。その可奈美から報告を受けた2人はすぐに形相を変え、現場に急行した。
「ああ!行くぞ寿々花!」
その速度は一般の人々では決して真似できない速さだった。
「着いた!荒魂は............っ!?」
「......え?」
ようやく現場についた2人が見たのは......
「君は......?」
数分前、私は目の前の荒魂と戦っていた。【写シ】を張った後、蒼月を振りかぶり、荒魂の足を斬るべく突進した。
「ギャァァォォォーーー!!!」
もちろんそうはさせないと残ったもう一つの腕を荒魂は私に向かって振り下ろして来た。あれをまともに受けたらただでは済まないだろう。でも......私には
「対処は簡単っと!」
私は最も簡単にその腕をかわし、そのままカウンターで腕を斬り落とした。
「グギャァァァ〜〜〜!!」
「今日の私の蒼月も眼も絶好調だね!」
腕を斬られ叫び声を上げる荒魂を尻目に私は蒼月を撫でた。この
眼のことに関しては私にも分からない。いつの間にか戦ってるときに相手の次の手が読めるようになってたり、少し先の未来が見えるようになってたりしてたんだ。いつ使えるようになったかも分からないけど......まぁ、でも今はーーー
「こいつを倒さないとね!......やぁっ!!!」
撫でるのをやめた私は、未だに呻き声を上げている荒魂に向かって蒼月を横薙ぎに薙ぎ払った。蒼月が荒魂の身体に触れたかと思うと、そのまま荒魂を......真っ二つに斬り落としてしまった。呻き声を上げていた荒魂は、体が斬られた途端呻き声が叫び声に変わり、自分の体がずり落ちていくのを確認したまま......絶命した。
「よし!これにて一件落着だね!」
そういいながら私は御刀を納め、一息ついた。この後どうしようか......まずこの荒魂のノロを回収して......それからーーー
「ん?」
後ろに人の気配がしたから振り返ってみると、そこにいたのはーーー
「「......」」
私は知らない2人の女の人がその場で驚いた表情で立っていた。
次回【討伐完了!】
お楽しみに!
【写シ】
刀使の基本戦術であり、最大の防御術。御刀を媒介として肉体を一時的にエネルギー体に変質させ、運動機能も向上させる。使用中は痛みと精神疲労を代償に実体へのダメージを肩代わりできるが、ダメージを受けるとその部分は消失し身体機能も奪われていく。短時間の間に使える回数は刀使によって異なる。