凍て刺す零氷の刀使   作:レイ1020

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始まりの章も残り少なくなってきました。



そろそろ本編のシナリオを考えないとですね。


親衛隊への勧誘

 

 

「いや〜......負けたよ〜......まさかここまで強いなんて思わなかったよ」

 

 

 

「うんほんと......。可奈美ちゃんがまるで歯が立たなかったなんて......」

 

 

 

立ち会いが終わった後、無事にプリンを奪還した私は、2人と一緒に寮に戻っていた。その道中、2人はずっと今回の立ち会いの感想を言い合っていた。

 

 

 

「全く......こういう事は今後絶対やらないでよ?」

 

 

 

「だって〜、紫音ちゃんの強さが知りたかったんだもーん!」

 

 

 

「それなら、可奈美がもう少し強くなってからまた挑戦してきなよ。気分にもよるけどその時にはちゃんと相手するから」

 

 

 

「え!?ほんと!?」

 

 

 

「うん、ほんと」

 

 

 

「わかった!もっと鍛錬して、次こそは紫音ちゃんに勝つ!だから、それまで待ってて!」

 

 

 

「わかった。約束!」

 

 

 

私たちはお互いに指切りをした。次の再戦はいつになるかわからないけど、次に戦う時には今日の比ではない事はこの時悟った。まぁ......たまにはこういうのも悪くないよね......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寮の近くまで来たあと、可奈美たちは用があるからとその場で別れた。私も戻ろうと寮の方へ足を向けた時だった。

 

 

 

「ちょっといいかい?」

 

 

 

後ろから声をかけられた。振り返ってみるとそこに居たのはーーー

 

 

 

「あれ?確か親衛隊の......」

 

 

 

「獅童真希だ」

 

 

 

「あ〜そうそう!獅童さんだ!」

 

 

 

なぜか親衛隊の獅童さんが居た。なんでこの人が?今は鎌倉にいるんじゃ......?

 

 

 

「あの〜今日はどう言ったご用件で?また荒魂が出ましたか?」

 

 

 

「いや、今日は君に用があって来たんだ」

 

 

 

「用......ですか?」

 

 

 

そう言う獅童さんに私は戸惑いを覚えた。親衛隊の人がわざわざこっちにまで来てまで私に用があるなんて一体どんな用があるんだ?もしかしてこの前の荒魂討伐の件かな?

 

 

 

「ああ、まず単刀直入に言おう」

 

 

 

だが、その私の予想はハズレだった。

 

 

 

「君に()()()()()()()()()()たいんだが、いいかな?」

 

 

 

「......」

 

 

 

......はい?今なんて言ったこの人?親衛隊に入って欲しい?この私が?......何で!?

 

 

 

「はぁ!?親衛隊!?私が!?何で?どうしてですか!?」

 

 

 

「何でもどうしても、これは紫様のご命令なんだ。”芹代紫音を親衛隊に迎え入れるように”という......」

 

 

 

「へ!?......御当主様が?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことの発端は2日前まで遡る。紫音の試合結果を知った真希は、その報告を折神家当主、折神紫にしに部屋に向かっていた。

 

 

 

「失礼します」

 

 

 

「入れ」

 

 

 

ノックをし、中に紫がいることを確認した真希は静かに中に入った。

 

 

 

「獅童、早速だが......お前が報告したいことというのは何だ?」

 

 

 

「はい、先の荒魂討伐の報告をすでに紫様は受けていると思われますが......」

 

 

 

「ああ、一人の刀使がその荒魂を討伐したそうだな」

 

 

 

「はい、それでそこまでの腕をしているのに御前試合では名前がなかったので不審に思い、先ほど彼女の試合結果を確認したのですが......」

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

「......彼女は予選一回戦を”棄権”していました」

 

 

 

「ほう......?」

 

 

 

真希の言いたいことが何と無く理解出来たのか、紫は少し目を見開いて答えた。

 

 

 

「なるほどな。棄権しているのであればその刀使の実力が知られていないのは当然。そしてその刀使は単に立ち会いが苦手なのか、もしくは何か他の理由があって棄権したのではないか?......だが実力はある。.....そう言いたいのか?」

 

 

 

「はい......おっしゃる通りです」

 

 

 

「その刀使の名前は?」

 

 

 

「芹代紫音です」

 

 

 

「”芹代”......」

 

 

 

紫はその名字を聞いた途端、何やら考え込むようにしたがすぐに何か答えが出たのか視線を真希に向けた。

 

 

 

「......獅童」

 

 

 

「はっ」

 

 

 

「その刀使、”芹代紫音を我が親衛隊に入隊”させろ。......もっとも、お前は最初からそのつもりでここに来たようだがな......」

 

 

 

「はは......紫様には何もかもお見通しですね。承りました!」

 

 

 

「手続きはこちらで済ませておく。お前は芹代を説得するだけでいい」

 

 

 

「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至る。こうなった経緯を獅童さんに聞かされた私は、正直頭の中がグルグル回っていた。そんなの当たり前じゃん!急に押しかけて来ていきなり御当主様の命令だから親衛隊に入れなんて言われたら誰だってそうなるでしょ!

 

 

 

「しかもその話だと、獅童さんも私を親衛隊に入れたがってたみたいじゃないですか?」

 

 

 

「ああ、それは事実だよ。君のその実力ならきっと僕達の......いや、紫様の力になれるって思ったからね」

 

 

 

「買いかぶりすぎですよ?それに私が御刀を振るうのは荒魂だけですから......。それ以外には決して抜きません。なので警護も任務の親衛隊には向かないと思いますけど?」

 

 

 

「そう言ってる割にはさっきは立ち合いをしていたじゃないか?」

 

 

 

「え!?」

 

 

 

さっきの立ち会い?それって可奈美とやったあの......?......え!?まさか......。

 

 

 

「見てたんですか!?」

 

 

 

「ああ、外から見させてもらったよ。最初から全部ね」

 

 

 

「見なかった事には......」

 

 

 

「出来ないね。むしろあの立ち合いを見た事でさらに君の実力が知れたんだ。余計に君が欲しくなってしまったよ」

 

 

 

「うぅ〜〜......」

 

 

 

まさか見られてるとは思わなかったな〜。......それにしても親衛隊か〜。選ばれた刀使のみが配属されている最強の隊。刀使ならばここに配属されるのを夢見てる人も少なく無い。私もその一人だった。そんな親衛隊からスカウトが来たんだ。何をためらう必要がある!って思うんだけど、今はまだ頭の整理が追いついていないからこうなってるだけなんだ。とりあえず一旦整理したいからーーー

 

 

 

「すいません。1日待ってもらえませんか?少し頭の整理をしたいんで.....」

 

 

 

「ああ、構わないよ。では、明日の朝にまた来る。いい返事を期待してるよ!」

 

 

 

そう言って、獅童さんはその場を後にした。残された私は、そのまま獅童さんの姿をボーッと見送っていた。

 

 

 

「親衛隊か〜......」




次回【紫音の決意】


お楽しみに!
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