戦姫絶唱シンフォギア~First kiss tastes like iron~ 作:六界の魔術師
反省は少ししているが、後悔はしていない。
奏が目を覚まし、翼と話してたのと同じ頃
「うふふ。」
カーテンの隙間から漏れる光以外の光源を無くしたある屋敷の一室で、一人の女性が服を一切纏わず、高級そうなチェアに身体を預けながら、上機嫌でワインを楽しんでいた。
「想定外のことも起きたが、ようやく手に入った。」
今にも鼻歌でも唄いそうなぐらいに上機嫌な彼
女は、そう呟きながら立ち上がると、胸にたわわに実った果実を揺らしながらパソコンの置いてあるデスクへ、ワインを片手に近づいた。
髪を後ろへ払いながら覗きこむ様に前屈みになり、ワインと胸を波打たせながらマウスを動かすと、パソコンがスリープモードから再起動し、画面には盗まれたネフシュタンの鎧が写しだされた。
それを見ながら彼女はもう一度笑みを浮かべ、パソコンを操作して、その画像を最小化すると、その下には別の画像があり、そこには五枚の写真が写っていた。
五枚の写真の内の二枚ーー天羽 奏と風鳴 翼の写真を見つめながら、ゆっくりと指でなぞると、今度は嘲笑する様な笑みを浮かべる。
「…………まさか、二人共生き残るとはな。
正直な所、どちらかは始末しときたかったが、まあいい。
それならそれで、使い道はいくらでもある。
それよりも今は、この
そう言いながら彼女は、視線と指を残り三枚の内の一枚ーー銀髪の少女の写真へと移すと、同じ様に指でなぞる。
「この
…………とは言え、計画の実行には、まだまだ時間がかかるだろうがな。
まあ、面白そうな観察対象も見つかったことだし、焦る必要はなかろう。」
そう言って彼女は四枚目の写真ーー先日、胸に傷を負った少女の写真を見つめながら身体を起こし、左手を右肘に添えながらワインに口をつける。
暫しの間、笑みを浮かべながらワインを口の中で転がしていた彼女であったが、次の瞬間には目を細めながら五枚目の写真ーー先日現れた中折れ帽を被った青年に目を向けていた。
その写真は他のと違い、監視カメラで撮られたのを無理矢理引き延ばしたかの様な画像の粗さだった。
「…………この男は、トランプのジョーカーの様な存在。。
……判断するにも、情報があまりにも少ない。
さて、どうしたものか。」
そう言いながらグラスを揺らし、中のワインを回るのを暫く見つめていたが、唐突に笑みを浮かべて揺らすのを止める。
「ふっ、わからないことをいくら考えても仕方あるまい、か。
仮に邪魔になったならば、消せば良い。
ただ、それだけの話か。」
自分の出した答えに納得したのか、うんうんと頷いてグラスに残ったワインを飲み干すと、デスクに空のグラスを置き、程よく括れた腰と安産型の臀部を揺らしながらカーテンまで近づいていく。
そして、カーテンとカーテンの間に手を入れると、両側へ勢いよく開け、男好きするような身体を惜し気もなく、むしろ見せつけるかの様に、月光の下に晒した。
「…………ーー様。
必ずや、あなたの元へ。」
そう言いながら彼女は、胸に当てていた手をぎゅっと握り締め、今までとは違う柔らかな微笑みを浮かべた。
その表情は、恋慕する少女のそれであった。
こうして、彼女達と青年のファーストコンタクトは終わりを迎える。
青年の加入により、起きるはずだったことが起きなかったり、その逆に、起きなかったことが起きてしまっていた。
また、彼との出逢いは、彼女達の心にも少なくない影響を与え、変化させていく。
彼のもたらした事柄が、世界にどのような変化を与えていくのか。
それはまだ、誰も知らない。