城塞都市エジェイの城の中で、責任者のノウは広場を見て独り言を言っていた。
「そそり立つ堅牢な壁、千万無量の備蓄、騎兵3,000、弓兵7,000、歩兵20,000、さらに対空特化の精鋭飛竜隊50騎。まさに鉄壁‼︎まさに完璧‼︎」
「ノウ将軍、大日本皇国陸軍の方々が到着されました」
「ふん、少し待ちぼうけを食らわせてやれ。我らの庭先に駐屯地など築きおって」
「いえ、それがですね。エルフの避難民を一緒に連れておりまして」
「何?どういう事だ?」
「どうやら疎開中にロウリアの騎馬隊に襲われたらしく、駐屯地に配備する予定の陸軍部隊が偶々通りかかり、エルフ疎開団の救援に駆けつけ、そのまま護衛しつつヘリコプターなる空飛ぶ乗り物に乗せてやって来たそうです」
「うーむ、ならば指揮官として謝辞を述べる必要があるか」
「はい」
「通してやれ」
皇国陸軍第八師団の師団長である大内田は、幹部二人を連れて広間に通された。
「これはこれは、よくおいでくださった。日本国のえーーと、なんであったか」
「大日本皇国陸軍第八師団、師団長大内田です」
(見ろ。なんだあの、まだら模様のみすぼらしい服は)
(おやめください‼︎聞こえてしまいます‼︎)
「貴公も武人であればお分かりかと思うが、ここエジェイは完璧な城塞都市。我らの誇りにかけてロウリア軍を退ける。エルフ避難民の件は感謝しているが、貴公らは駐屯地から出る必要は、ない‼︎」
「あぁ、言ってしまった」
「外交問題になるぞ」
「いいでしょう。我々は駐屯地内からの後方支援を主任務とします。しかしながら、偵察員と観測員は置かせていただきたい」
「了解した。貴公らも本国に、戦局を報告する義務があるだろう。許可する」
「では失礼します。そうそう、指揮官として一つ御忠告いたします。この世に完璧は存在しない。完璧を自負してそれに自惚れるのは、いずれ破滅への片道切符へと変貌し仲間を巻き込んで盛大に自爆する。お忘れなきよう」
「な⁉︎」
言わなくても分かるだろうが、大内田はノウ将軍の態度にイラッと来たのである。まあ、ささやかな仕返しと言ったところだろうか?
「団長、アレ外交問題になりませんかね?」
「ん?アレは閣下直々にOKを貰ってるんだ」
「マジですか」
「なんでも軍務卿に「日本国の戦術や戦略を現場指揮官にも教えてほしい」と言われたそうだ。だから、多分大丈夫だろ」
「まあ、中々にイラつく御仁でしたからね。本当に後方支援でいいのですか?」
「手の内を曝け出すのが最小限なのはいい事だ。もしかしたら、敵に他国のスパイとか観戦武官がいるかもしれないしな」
「あぁ、なるほど」
「何はともあれ、砲撃の準備をしておかないとな」
「ですな」
これより二日後、ロウリア王国東部諸侯軍は前線基地化したギムより、総勢2万の兵を率いて、エジェイ攻略に出陣した。これを早々に探知した日本軍は、自走砲の配備や簡単な陣地構築を行い万全の態勢を整えつつあった。ノウも知らせを受け籠城の準備を開始。さらに念には念を入れて戦車部隊と歩兵部隊を、エジェイ支援のためにいつでも動けるようにはしてあった。三日後にロウリア王国東部諸侯軍がエジェイに到達し、煽りを開始する。簡単に言うと毎晩毎晩、弓の届かない位置で色々ボロクソに言うのである。「オラオラ撃ってみろや」とか「金玉ついとんのかワレぇ⁉︎」とかである。結構イライラしてくるヤツな為、守備兵の士気も下がってくる。弓は届かないし、撃たせるのが敵の狙い。これをわかっていても、イライラするのは変わらない。この煽りがかれこれ三日続き、流石に我慢の限界が迫りつつあった。
「ノウ将軍、日本軍より連絡が入りました」
「読め」
「ハッ‼︎ 「エジェイ西側5km付近に布陣する軍は、ロウリア軍で間違いないか?ロウリアであるなら、支援攻撃を行なってよろしいか?又、攻撃にクワトイネ兵を巻き込んではいけないため、ロウリア軍から半径2km以内にクワトイネ軍はいないか確認したい」との事であります」
「基地から出るなと言っているのに、結局は手柄がほしいのだな。まあ良い。日本軍がどんな戦いをするか、高みの見物をするとするか。許可する旨伝えろ!」
攻撃の許可を得て、駐屯地内が慌ただしくなる。本国より持ち込んだ、アレを出していた。
「うひゃぁ、やっぱデカイな」
「だな。これこそ「男のロマン」って兵器だ」
「今考えたらさ、ウチの軍ってロマンもしっかり追い求めてるよな」
「確かにな。ロマンを追い求めつつも、それを実用可能にするから技術陣には頭があがらんな」
目の前に鎮座するのは、51式510mm自走砲。設定集でも書いたが、何をとち狂ったか大和型の主砲を流用しやがった兵器であり、今回支援攻撃の為に、合計四両が投入されたのである。
「隊長、砲撃準備整いました」
「わかった。一斉砲撃で行くぞ‼︎砲撃よーい、砲撃班と被害対策班以外は退避‼︎」
「退避完了‼︎」
「撃てぇ‼︎」
ドォォォォォォォォン
四両の51式より発射された榴弾は、耳をつんざく轟音と共に撃ち出されロウリア東部諸侯軍の野営地へ飛ぶ。この音にエジェイも野営地も「噴火でもしたのか⁉︎」とパニックになり掛けていた。しかし野営地はパニックになる前に、510mm榴弾四発を食らって跡形もなく消し飛んだ。突然だが、この砲の威力について簡単にご説明しよう。専門家でないため、何故そうなるかはわからないが、単純に考えると砲弾の威力は砲の口径の3乗に比例するらしい。旧大日本帝国海軍の軽巡に多く使われた14cm砲と、重巡に多く使われた20.3cm砲を例にすると、それぞれ約2744と8365になる。帝国海軍の大和型の主砲である46cm砲は97336であり、51cm砲は132651となる。大和の威力を超える砲弾が四発も命中すればどうなるか?最早、核MODの核を爆破した後のマイクラよりも酷いことになる。
「な、何が起こった⁉︎」
「の、ノウ将軍、ロウリアの軍勢が消滅しました.......」
「なんだと⁉︎」
ノウの眼下に広がったのは、ロウリアの野営地があった平原だったものであった。平原の上にあった野営地のテントや旗が消えた代わりに、そこには巨大なクレーターが出来ていた。クレーターの中や周りには、人のいた痕跡という痕跡は無く、唯々ポッカリと大穴が開いているだけであった。
「こ、これが.......日本国の、あの男の力だと言うのか.......」
ノウ将軍は初めて会った時の言葉を思い出し、彼の方が武人として遥か先に行っていることを痛感した。これより二日後、政治部会に日本軍の戦いをよく見た者が集められ報告会が行われた。しかし、どれもこれも常識外れもいい所のトンデモない戦果であり、報告された側も理解するのに時間を要した。この席でカナタが「日本軍よりギム奪還の提案が来て、既に準備は完了しており判断を貴方がたに委ねる、と言われた」というのを話し、出席者も「まあ、日本軍が勝手にやってくれるなら、こっちとしては損はないんじゃね?」って事になり、全会一致で攻撃は許可された。この報を受け、駐屯地では戦闘機が出撃態勢に入っていた。参加兵力は以下の通りである。
陸軍
・第三十八歩兵連隊第一、二、三、四大隊 2,000名
・第六十八対戦車ヘリコプター隊(使用機 AH32薩摩)12機
空軍
・第五○七、五○八、五○九近接攻撃航空隊(使用機 A10彗星)60機
・第二○一制空航空隊(使用機 F3心神)20機
・第六○一警戒航空隊(使用機 E787早期警戒管制機)1機
以上の部隊がギム奪還に向けて出撃した。第三十八歩兵連隊隷下の第一から四までの大隊は、ヘリコプターを装備しており大鳥と天神に分乗して進撃している。彗星には誘導能力を重視して、旋風を搭載しており歩兵の支援を行う予定となっている。この頃ギムにはエジェイ攻略のために、ロウリアの将軍パンドールが来ていた。会議を終えて現地指揮官のアデムに、支援要請を請うために王城へ遣わせたところだった。因みにこのアデムは、ギムでの虐殺の首謀者である。パンドールが馬に跨がり、「これだけの飛竜が警戒してるなら大丈夫だろう」というフラグを建てた直後の事。空中の飛竜が爆発して落ちてきたのである。
「攻撃隊へ。岩戸は開く。繰り返す、岩戸は開く」
『了解。戦闘機隊へ、支援感謝する。たらふく食ってくるよ』
「戦闘機隊了解。陸軍にも食い物を残してやれよ?」
『気が向いたら、な‼︎』
旋風が地上の馬車や、歩兵の密集している場所へ命中する。音速を超えるミサイルに迎撃や対処する術はなく、何が起きたか分からぬまま死んでいく。飛竜の飛行場も破壊し、大隊も降下する。
「行くぞ‼︎」
「「「「「「「「「「「「「「「「天皇陛下、バンザーーーーーイ‼︎」」」」」」」」」」」」」」」」
お約束のセリフを発しながら敵に弾幕を食らわせる。ロウリア軍は謎の飛竜の来襲と、奇襲攻撃で吹っ飛んだ部隊との交信不能で混乱しておりマトモに反撃できない。まあマトモに反撃したところで槍やら剣では、皇国軍の戦闘服である機動甲冑にはダメージは与えられないが。中には突撃する勇敢な兵もいたが、弾幕により肉塊となる。パンドールはどうにかギムからは脱出したものの、一機の薩摩に捕捉されてしまう。
「機長、逃亡兵ですね」
「あらホント。取り敢えず、殺っちゃうか」
「ですね」
「撃ちます‼︎」
ブォォォォォォォォォォォ
40mmバルカン砲がパンドールと付き人を吹き飛ばす。人間の形すら保てず、見事なミンチ肉に加工される。その後もギムでの「お掃除」は続き、突入より二時間でロウリア兵の駆逐が完了した。投降した者は捕虜としたが、虐殺に関わっていた者(と言うか、ほぼ全員)はしっかり処刑されている。作戦成功の報はクワ・トイネと日本に連絡され、クワ・トイネは歓喜に包まれた。一方日本軍では、神谷が「あ号作戦」の準備を発令した。この作戦を一言で言うと「ロウリア王国王都制圧作戦」である。交渉は川山に任せて、神谷は参加兵力の選定を行なっていた。結果としては
陸軍
・第8戦車師団
・第3砲兵師団
・第8歩兵師団
・第38装甲歩兵師団
・第3空挺団
・第68、69対戦車ヘリコプター隊
海軍
・第四主力艦隊
・第三、四揚陸艦隊
空軍
・第501〜511航空隊
・第201〜203航空隊
・第707航空隊
・第1001〜1005輸送航空隊
・第901、902輸送航空隊
海軍陸戦隊
・第3、4海兵師団 20,000名
この規模である。作戦も説明しておこう。本作戦は三つの進路から、ロウリア王国首都ジン・ハークを攻撃するものである。一つ目が海軍陸戦隊が上陸する軍港ピカイアからのコース。二つ目が第三砲兵師団と第八歩兵師団が使う、ビールズを経由するコース。三つ目が首都ジン・ハークに直接降下する第三十八歩兵連隊、第三空挺団、第八戦車師団のコースである。この三つのコースでロウリア王国の継戦能力を根底から奪うという作戦であり、三つ目の部隊は神谷直々に指揮を取る。
川山の交渉により作戦は認可され、一色も了承したため、作戦はギム奪還の一週間後に発令された。まずは第一目標となっているピカイア攻略である。
「ん?なんだありゃ?」
「どうかしたのか?」
「いえ、今日入港予定の船ってあります?」
「確か輸送船団が来るな」
「そうですか」
「なんでそんな事を聞いたんだ?」
「いえ、あそこに船だ――」
いい終わる前に、彼らの乗っていた船と周りの数十隻が纏めて吹き飛ぶ。若き水兵が見つけたのは輸送船団ではなく、皇国海軍の第四主力艦隊と第三、四揚陸艦隊の連合艦隊だったのである。港湾施設を破壊し、飛竜飛行場も航空隊が破壊した。海軍陸戦隊は何の妨害もなく訓練よりも遥かに簡単に上陸し、装甲車や戦車に乗って一路、ジン・ハークを目指した。翌日、ビールズを経由するコースを取る部隊もダイタル平野駐屯地を出発した。こちらは伏兵の妨害はあったが、ものの数分で撃退し進撃した。そして二日後にはジン・ハークに両隊とも到達し、完全に包囲していた。
「報告します‼︎敵影を捕捉するも、奇妙な魔獣しか見当たらず兵力は分かりませんが、現在王都近くに迫っています‼︎」
「飛竜隊離陸準備‼︎」
まあ、そんな事をさせる訳もなく。
「食らってみやがれ‼︎」
第五○七飛行隊による爆撃で、全ての飛竜が飛び立つ事なく倒された。これにより、ロウリアの航空戦力は殲滅されたのである。ロウリアの防衛騎士団将軍のパタジンもコレには絶句していた。
「パタジン将軍‼︎飛竜隊が竜舎ごと殲滅されました‼︎」
「なんだと.......」
「報告によりますと、鉄竜が何かを落とし、飛行場が爆発。それに出撃しようとしていた飛竜が巻き込まれたそうです」
「なんたる事だ‼︎」
「将軍、どうしますか?」
「敵の位置は⁉︎」
「我が王都より、4キロ手前で静止しています。どうやら、大型の魔獣(44式装甲車の事)を連れているようです」
「騎兵400にて対応‼︎ただし、あくまでも偵察だ。敵の攻撃方法や力を探ってくれればいいから、無理はしなくていい‼︎」
「わかりました‼︎」
「我ら一番槍の栄誉を授かった‼︎勝機は速さに有り‼︎全力でただ駆けよ‼︎」
一番槍の栄誉もあって、士気は高い。コレが普通の軍隊なら、倒せたかもしれない。ところが可哀想なことに、敵が普通じゃないのである。
ズドドドドド、ズドドドドド、ズドドドドド
弾幕を張って、難なく撃退する。そりゃただ馬で突撃してくるのだから、弾幕張れば撃退できる。結果400の騎兵は、たった一人しか生き残っていなかった。
「ほ、報告します。敵は礫のような高威力の光弾を発射していました。我が軍の騎兵の鎧は、敵の前では無力でした」
「ご苦労。よく生きて帰った。すぐに治療を」
「は、い」
しかし、この騎兵も報告が終わると力尽きてしまう。
「なんてことだ‼︎」
この報告を受けて立てた作戦は、重装歩兵で敵を引き付けて他の門より他の兵力を出動させる算段である。
「守ります。我が子、我が家、我が国家。ロウリア重装歩兵大隊、これより参戦‼︎」
時を同じくして他の門からも出てくるが、風景に偽装していた海軍陸戦隊が弾幕を浴びせ殲滅する。重装歩兵大隊もなす術無く殲滅される。というか重装歩兵大隊に関しては、戦法が集団で固まるというものであるため、いい的でしか無いのである。しかも銃弾を防げない上に、重装備で機敏な動きもできないので、モロに的でしか無いのである。
「重装歩兵でもダメか‼︎」
「パタジン将軍、私が行きます」
パタジンの前に防衛騎士団第3騎兵隊大隊長カルシオが現れる。
「カルシオ、お前も見ていただろう?全くもって歯が立たない」
「確かに日本軍は未知です。しかし奴らとて人の子、休息は必要です。それに序盤ですが勝利しているので、宴を催すと思われます」
「そこを奇襲するわけか。いいだろう、ただし生きて帰れよ」
「はい」
カルシオ、別名「夜目のカルシオ」は夜中に闇夜に乗じて野営地へ進撃する。しかし、これはお見通しであった。
「圧倒的兵力を見せつけられ、尽く敗れたのなら、次なる手は夜襲って相場が決まってるんだよ」
ある兵士の呟きと同時に、照明弾が発射される。一気に昼間並みの明るさとなり、第3騎兵隊は丸裸にされる。そして安定の弾幕で、カルシオ含め撃退される。時を同じくして、ダイダル平野の滑走路から巨人機が離陸する。それに続いて大鳥や天神、雀と風磨も離陸する。明朝、朝日の中から無数の黒点が現れる。
「なんだ、アレは?」
「飛竜か?」
パタジンと王宮魔術師のヤミレイが太陽を見つめる。しかしそれは、飛竜などではなかった。
「コンボイ一番機、コース良し、コース良し、よーいよーいよーい、降下降下降下‼︎」
「降下‼︎」
第三空挺団の乗った鍾馗と
「さーて、デカ物を落とすぞ‼︎」
第八戦車師団を乗せた屠龍である。因みに第八戦車師団の降下は「圧巻」の一言であり、巨大パラシュートで降下して、途中でロケットブースターが点火し減速&着地という、中々ロマン溢れる着地の仕方である。
「パタジン、ありゃ敵じゃ‼︎」
「敵が空から降ってくるのか.......」
着地した部隊と合流し、総攻撃を開始する。46式が正門を破壊し、中に突撃。それに他の車両も続き、文字通り首都に雪崩れ込む。さらに他の門からも、海軍陸戦隊が突撃し見事に敵を混乱に陥れている。さらに月光と極光によって、混乱に拍車もかかっていた。しかしここでパタジンとヤミレイが出る。普通なら弾幕で死ぬ、砲弾で消し飛ぶ、轢かれるの三択になるが、この二人は麻酔弾を撃たれて眠らされ回収されたのである。この理由は後々わかってくるので、今は触れないでおこう。場面はちょっと変わって、ロウリア王国の王城。ここに第三十八歩兵連隊が舞い降りる。完全武装の中に一人だけ、背中に金で「皇国剣聖」と書かれた真っ黒な羽織を纏い、刀を差してヘリから飛び降りる男がいた。大日本皇国統合軍総司令長官、神谷浩三である。
「目標はただ一つ‼︎ハーク・ロウリア34世の首のみ‼︎続け‼︎」
「「「「「「「応‼︎」」」」」」」
その場にいる兵士達を従えて、王城内部に突撃する。出会った近衛兵は問答無用で斬り捨てる。一気に謁見の間に駆け上がり、そこでメイドと何故か会う。
「何⁉︎」
「こ、殺さないで.......」
「お願い、殺さないで.......」
「やはりか。ギムでの行為に対する非難と宣戦布告、工業都市ビーズルを通る事なく迂回し、北の港の被害も軍事施設と軍船のみ。どこか引っかかっていたが、ようやく謎が解けた。日本の軍人は民間人への戦火の拡大を禁止されている、そうだろ?」
パチパチパチパチ
「ご名答。その通りだ」
「ほー、堂々と認めるか」
「別にここまで来ちまった以上、隠したところで意味ねーし」
「確かに。して、貴様の名は?」
「大日本皇国統合軍総司令長官、神谷浩三大将。アンタらで言ったら、軍の総大将ってところか?」
「つまり、大将首がノコノコやってきたと?」
「そうなるな。取り敢えずさ、降伏しない?」
「な⁉︎何を言っている⁉︎」
「アンタの気持ちもよくわかるよ。国に、王に、忠義を尽くす心意気。でも、もうここまで来てしまった。アンタが死ぬのは勝手だが、死んだ後に国王が殺されたら、この国はどうなる?」
「.......」
「言っておくが、俺達を柱の裏や壁の裏に隠してる兵に殺させたところで、部隊はまだまだいる。俺を殺したところで、また後任の奴がいる。結論、アンタがここで死んでも利益がなくて、不利益しかない」
「一つ問いたい。やはり王を殺すのか?」
「知らね。あくまで俺達はクワ・トイネに代わって、ハーク・ロウリア34世を逮捕するために来た。捕まえた後はあっちに引き渡して、俺達はノータッチ」
「そうか。降伏しよう。第一近衛隊、第ゼロ近衛隊、降伏せよ」
「貴方の勇気ある行動に、我々は敬意を表します。さて、お前達。仕上げだ‼︎」
そう言って内部に突入し、ハーク・ロウリア34世を逮捕する。これによりギムでの虐殺から始まった、異世界での初の戦争は日本軍の完全勝利という形で終戦した。この戦争における死傷者は0人であり、負傷者も骨折程度くらいしか居ない。文字通り、完全な勝利と言えるだろう。しかし、この戦争はあくまで序章であり、これから日本は苦難の旅路を歩き続ける事になるのを、今はまだ知る由もない。
さてさて、では計画通りに一度更新をストップさせ、艦これの方を書いていきます。題名は「最強提督のブラック鎮守府立て直し」です‼︎以降は艦これを七話分くらい書いて、そこから二つの作品を交互に書いていくと思います。