最強国家 大日本皇国召喚   作:鬼武者

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や、やっとできたーーー‼︎
そんな訳で艦これの方がひと段落ついたので、やっと戻って来ました‼︎以降は交互に投稿していきますので、大体二週間に一本程度を予定しています。


第五話ムーとの国交と大波乱の軍祭

あ号作戦より2日後、第二主力艦隊は中継港のマイハークを目指し航行していた。この日、医務室に収容されている一人の武人が目を覚ます。

 

「ここは、一体..............」

 

「あ、目を覚ましましたね。そのままで少々お待ちください」

 

パタジン。ロウリア王国の将軍であり、あ号作戦で捕虜にされた数少ない人物である。

 

(女?何故、女子がここに居る?私は死んだのか?)

 

程なくして医者とさっきの看護師が入ってくる。

 

「お目覚めですね。声は出せますか?」

 

「あ、あぁ」

 

「何処か痛い所や、前と違う場所、違和感等はありませんか?」

 

「特に無いな」

 

「左様ですか」

 

「一つお尋ねしたい。ここは天国なのか?それとも地獄なのか?」

 

「ハハハ、残念ながら此処はそのどちらでもありません。そう、強いて言えばここは「アウターヘブン」だ‼︎」

 

「ハ?」

 

「軍医、唐突なメタルギアネタはやめろ。異世界人に通じる訳ねーだろ」

 

「え?あ‼︎か、閣下‼︎」

 

軍医と看護師が敬礼する。

 

「将軍、此処はアウターヘブンではなく現実、死んじゃいない」

 

「貴様は?」

 

「大日本皇国統合軍総司令長官、神谷浩三。階級は大将だ」

 

「つまり私は、敵の捕虜という事か」

 

「残念。捕虜ではないんだよ」

 

「何?」

 

「まあ、書類とかの名目では面倒だから捕虜って事にしてるが、扱い自体は国賓だ」

 

「どういう事だ?」

 

パタジンは現在の状況に混乱する。捕虜と言いながら国賓とも言われ、何がどうなっているのか理解できない。

 

「それじゃ、現在のアンタの祖国について話そうか。現在ロウリア王国には我が国の陸軍と海軍陸戦隊が進駐し、各地の軍の武装解除と治安維持を行なっている。あ、略奪や強姦してる奴はいないから安心してほしい。居たとしても、ソイツは即刻処刑されるからご心配なく」

 

この時点で驚きである。略奪や強姦はこの世界では、兵の士気を保つのには効率の一番良い物であり、列強含めた大体の国で推奨されている。そんな中で、日本軍がしないと言ったのだから驚きでしか無い。

 

「でもって今後の流れなんだが、ハーク・ロウリア34世をクワ・トイネ公国に引き渡した後、アンタとヤミレイを我が国に招待する。アンタら二人とシャークンで、今後のロウリア王国の流れを決めてほしい」

 

「占領しないのか?」

 

「しない」

 

「何故だ?我が国の国土は文明圏外の中でもズバ抜けて大きいし、民の人数も他より勝っているんだぞ?」

 

「まあ普通なら占領するなり何なりするんだろうけど、ウチの国にとってロウリアを占領したところで利点がないんだよな。むしろ維持するための予算とかで赤字待ったなしだし」

 

パタジンの脳はかつて無い驚きで、フリーズしている。一応パタジンの祖国ロウリアは文明圏外国としては一番広大な国土を持ち、人口もその分多い。だが、それだけ(・・・・)なのである。

文明レベルも例に漏れず中世ヨーロッパ程度だし、資源もあるがクイラ王国のような資源チート国家では無い。それなら「占領して国民奴隷にして、鉱山で労働させれば良い」と思うかもしれないが、この政策をする事はない。憲法で基本的人権の尊重は明記されている上、仮に無視してやっても国民と奴隷達の反感を買い、更には他国との外交にも影を落としかねず「メリットに見えるデメリットの塊」でしかないのである。

 

「あ、そうだ。ついでに今後のロウリア王国についても話しておく。まだ計画段階だが、我が国の王、天皇陛下は貴国との同盟を結びたいと思っておられる」

 

「私は貴様らを信じて良いんだな?」

 

「良いんじゃない?知らんけど」

 

これより二日後、ハーク・ロウリア34世の引き渡しの後、第二主力艦隊の母港である横須賀に帰還し、パタジンとヤミレイを官邸に招待した。そこでシャークンとも再会し、一色との今後についての会談が行われた。

すんなりと交渉は行われ、結果としてこのような形で決着した。

・諸侯の独立を認め、自治区ないし州として自立させる。

・貿易時の免税特権

・亜人奴隷の解放

・王国全体の近代化

・全体的な軍備増強(規模としてはベトナム戦争程度まで)

・皇国軍の国境往来の自由

・皇国軍の駐屯の容認

・日本への武器使用料分の資金の支払い

で決着した。ここで読者諸君は思った事だろう。「なんで軍備増強させてんの?普通は軍縮じゃね?打ち間違えた?」と。これは来るかもしれない他国との軍事衝突や、諸侯達の反乱が起きた際に防衛するためである。

簡単に言えばGHQが日本に「俺達朝鮮行ってくるから、日本守るために警察予備隊作って」と頼んだアレみたいな感じと思ってほしい。

 

 

 

 

そして時は経ち、戦争終結より三ヶ月後の事。この日、神谷は横須賀海軍工廠の地下にある「秘匿船舶工廠」に来ていた。

 

「工廠長、例の進捗はどうだ?」

 

「おや閣下。えぇ、順調ですよ。唯、やはり骨が折れますな」

 

工廠長が窓の外を眺めながら、神谷に語る。その眼下に広がるのは、巨大な船体である。

 

「武装はいつ積めそうだ?」

 

「まだまだ先ですな。いかんせん皇国の威信を、そのまんま具現化したような艦です。体積、武装、速力、防御力共に熱田型が赤子に見えてくる程の規模ですので、慎重に慎重を期す必要はあるでしょうからな」

 

「進水はいつになりそうだ?」

 

「早くて再来年、ですが正直わかりません」

 

「早くコイツにも名を付けてやりたいものだ」

 

「秘匿艦とはいえど「仮称513号艦」では、最強の戦艦には味気なさ過ぎますからな」

 

「あぁ。君達も事故には十分気をつけて、最強を産み出してくれ」

 

「了解であります‼︎」

 

ピリリリ、ピリリリ、ピリリリ

 

工廠を出たところで電話が鳴る。総理大臣である一色からの電話だった。

 

「どしたー?」

 

『浩三、大変な事になったぞ』

 

「どうしたよ、そんなに慌てて」

 

『それがだな、列強国からウチに使節団が来ることになって、ウチからも使節団出すことになった』

 

「え⁉︎どこから⁉︎」

 

『ムーという、列強二番手の国だ。この国は他国と比べて、我々に近い価値観を持っているらしい』

 

「というと?」

 

『永世中立国を宣言していて、他の国みたいに殿様商売を自分達からはしないそうだ』

 

「へー。そりゃ楽で良さそうだ」

 

『慎太郎も「最近ハードワークすぎてキツい」って愚痴ってたからな』

 

「その点は俺達も変わらないな。お前もロウリアの件で根回し大変だっただろ?」

 

『まさか「ロウリアを共産主義に‼︎」って言ってくるとは思わなかった。オブラートに包んでいたがな』

 

「すっげ」

 

『ホントあのGGIとBBA共は、どういう思考回路してんだ?』

 

「知らね。で?いつ来るんだ?」

 

『三週間後だそうだ。飛行機で来るそうだから、護衛兼誘導役の部隊を作っておいてくれ。因みに着陸予定は成田だそうだ』

 

「了解。総理大臣殿?」

 

『では頼むぞ、長官君?』

 

「『プッ』」

 

「どういうキャラだw」

 

『しーらね‼︎あ、そうそう。ムー行きは任した』

 

「了か、え⁉︎ちょ、は⁉︎どど、どういうこと⁉︎」

 

『そのまんまの意味。じゃ、ヨロピコ‼︎』

 

と言って電話切られる。

 

「おい‼︎もしもし‼︎もしもーし‼︎」

 

「(あの野郎、今度あったら殺す‼︎)」

 

という訳でムーから使節団が派遣され、日本からは神谷と川山のコンビと向上が派遣された。二人は飛行機で一路、ムーへと向かう。

 

 

「あー、どうしてこうなったかな」

 

「そればっかだな」

 

「外交は苦手なんだよぉ」

 

「軍人だもんな」

 

「そうだとも」

 

愚痴ってる間にムーの空港へ着く。そのままホテルに通され、少し待たされる。

 

 

「お待たせを。ご紹介致します。我が国の技術士官、マイラス君です」

 

外交官の男が軍服を纏った青年を紹介する。

 

「マイラスです。はじめまして」

 

「大日本皇国外務省特別外交官、川山慎太郎です」

 

「大日本皇国統合軍総司令長官、神谷浩三です」

 

「大日本皇国統合軍少佐、向上六郎です」

 

神谷の自己紹介に、ムー側は固まる。そりゃ、いきなり大将首が登場しているのだから当然である。

 

「と、統合軍総司令長官とおっしゃいますと、ぐ、軍の最高指揮官でしょうか?」

 

外交官が言葉を絞り出しながら聞いてくる。

 

「えぇ。そう捉えてもらって大丈夫ですよ」

 

にこやかに語る神谷に、より一層緊張感が増す。

 

「な、何故、使節団にそんな大物が?」

 

「総長は我が国で唯一「剣聖」の称号を得ており、軍内で一番強い兵士です。ですので、護衛兼軍事知識の専門家として同行しているのです」

 

向上の説明に少しだけ安心する。てっきり、軍事力を背景に脅してくるかと思っていたのだから当然である。

 

「では、以降の予定を簡単にご説明します。会談は四日後ですので、それまでは我が国を視察してもらいます。川山さんは私が、神谷さんと向上さんはマイラス君がご案内します」

 

「あ、お待ちください。向上は川山の方に着けてもよろしいですか?連絡役が居ないと、色々不便なので」

 

「わかりました」

 

外交官が決めていく内容に、マイラスとしては気が気じゃない。このままでは、祖国より強いかもしれない国の軍のトップを案内するのだから地獄である。もしかしたら、何かのミスがきっかけで戦争状態になるかもしれないのだから。しかし、マイラスが口を出すのは御門違いであるので、言うに言えない。

 

(頼むから、何事もなく終わってくれ‼︎というか、2人きりで回りたくない‼︎)

 

しかしそんな願いは叶わず

 

「では、お願いします」

 

「は、はい」

 

一緒に回る事となる。車内は何とも言えない空気になっており、これをどう打開するかを頭をフル回転させて考える。ところが神谷の方が、その空気を破壊してくれたのである。

 

「あー、あんまり堅くならないでください。別に我が国は軍事力を背景に、貴国から何をしようという訳ではありません。マイラスさんからすれば、未知の国の軍のトップを案内するという大役で緊張するのもわかりますが、私としてはそういうの苦手なんですよ」

 

「は、はぁ」

 

「私は福岡の生まれで、こういう堅いのダメなんですよ」

 

「そうですか」

 

「ところで先ずは、何を見せてくれるんです?」

 

 

「マリンという、複葉機です。見れば分かると思います」

 

空軍基地の格納庫には、そのマリンという戦闘機が鎮座していた。

 

 

「うーん、零観を固定脚にした感じか。武装は7.92mm口径の機銃二挺ってところか?」

 

(な、何故、こうも武装を言い当てられるんだ⁉︎)

 

「速度は400行かないくらいか?」

 

「あ、あの、何故そうも機体性能が分かるのですか?」

 

「この機体、昔の我が国の航空機と似ているんですよ」

 

「どのくらい昔ですか?」

 

「えーと、配備開始が1940年だから、ざっと110年前ですね」

 

ムーの最新鋭戦闘機が、日本では100年も前の機体という事実に目が点である。

 

「で、では、貴国にも戦闘機があるのですか?」

 

「ありますよ。攻撃機含めて、7種類ありますね」

 

「性能はどの程度でしょうか?」

 

「機体により差はありますが、どの機体も音速を超えることが可能です」

 

「お、音速⁉︎」

 

「詳しい事は国交開設まで申せませんが、そちらの戦闘機程度なら余裕で殲滅可能です」

 

その後、色々格納庫を見て回ったが、その全てにおいて祖国が劣っている事を痛感させられるマイラスであった。最後の方は、最早顔面蒼白で死に掛けており、中々に面白い事になっていた。次の日は海軍基地に行く事となり、最新鋭艦を見せてもらった。

 

 

「アレが我が国の最新鋭戦艦、ラ・カサミ級になります」

 

「こりゃ驚いた。三笠と瓜二つだ」

 

「やはり其方にも存在するんですね?」

 

「我が国では約150年前に建造され、現在も横須賀という所で記念艦として残っていますよ。機会があれば、是非行ってみてください」

 

「ところで、貴国に戦艦は居るのですか?」

 

「えぇ。大和型前衛武装戦艦、伊吹型航空戦艦、熱田型指揮戦略級超戦艦の3種類が在籍しています。戦艦は我が国では「男の浪漫」とされており、非常に高い人気を誇っています」

 

「一度、見てみたいものです」

 

「観艦式にでも行けば、一般人でも見れますし、運が良ければ乗艦できますよ」

 

「国交開設してくれれば、幾らでも見に行くんだがなぁ」

 

「そればっかりは、政府と相談ですね。まあ我が国はアイツが乗り気ですから、多分大丈夫ですよ」

 

「アイツ?」

 

「首相の一色健太郎です」

 

「首相をアイツ呼びとは、中々ですね」

 

「健太郎と慎太郎、そして私は共に親友なんですよ。普通に休みの日は家に行って、遊んだりとかしますし」

 

何気にサラッとすごい事を言っているが、この国に常識が通用しないとわかったため、軽く流す。

 

「その内、あの艦も観艦式に来るのかなぁ」

 

「ならば其方の戦艦の三笠?の横に並べましょうか?」

 

「名案ですね‼︎」

 

「やっぱり」

 

「戦艦は」

 

「「男の浪漫‼︎」」

 

ガシッと固い握手をする二人。戦艦への愛が、二人を結びつけたのか?それから二日後に会談が行われ、両国は国交を開設した。ただ、安全保障条約についてはムーが永世中立国であるため、結ばれる事はなく、不可侵条約のみとなった。そして帰りの飛行機に乗ろうとした時、もう一機飛行機が着陸してきたのである。

 

 

『もしもーし、聞こえてる?』

 

「健太郎⁉︎」

 

慎太郎の電話から一色の声が届く。

 

『急遽、お前だけフェン王国にも行ってもらう事になったから、行ってらっしゃい‼︎じゃ‼︎』

 

「何だって?」

 

「今度は俺だけフェン王国に行く事になりました」

 

「ご愁傷様..............」

 

合掌する神谷を尻目に、新しく来た飛行機に連行される川山。川山の目は虚ろで、なんか「ドナドナ」でもBGMで流れてそうである。

 

「アイツ、マジで殺す」

 

そんな訳で帰国して直ぐに官邸に直行し、土産と称してある飲み物を渡す。

 

 

「浩三、コレ何?」

 

「紅茶みたいな物らしい。飲んでみろ」

 

「へー。じゃあ」

 

グビッ

 

神谷はドス黒い笑みを浮かべる。この紅茶はムー産の激辛紅茶であり、罰ゲームとして飲まされるらしい。デスソースなりに辛いのだが、さらにハバネロとデスソースを加えて毒物レベルにまで上げたのを渡したのである。結果

 

「ボファァァァ‼︎さちこぬけらたりかてけしえや‼︎」

 

なんかもう、言葉になってない悲鳴を上げている。

 

「復讐完了」

 

そう言い残し去っていく。因みに、一色のSPにも手を回しているので問題ない。

翌朝、お返しに激苦チョコが送られてきて、苦さで神谷が死に掛け、それ以降ちょっとした戦争をしていたのは別の話。

さてさて、時はまた経ち二週間後。今度はフェン王国に艦隊を派遣する事となった。何とも珍しいのだが、国交開設の交渉に行ったら「国の在り方を見るには、武を見るのが一番」という剣王シハンの持論により、急遽王国の軍祭に第一揚陸艦隊と第七海兵師団が派遣されたのである。

 

 

 

一人の男が巨大なドラゴンに騎乗、というよりかは頭の上で座禅組んで浮いている。その男が叫ぶ。

 

「なんだありゃ⁉︎デカすぎるだろ⁉︎あれが、大日本皇国自慢の軍艦か⁉︎」

 

この男の名はスサノウ。ガハラ神国の騎士であり、今回参加している風龍隊の隊長である。

 

『まぶしいな』

 

相棒の風竜が念話を使って話しかけてくる。この風竜という種族は知能が高く、念話により人と会話することも可能なのである。因みにワイバーンよりも上位個体である。

 

「あ?ああ、今日は快晴だからな」

 

スサノウは空を見渡して返事をした。実際、今日は雲1つない快晴である。

 

『いや、違う。太陽ではない。あの下の巨大な船、あそこから線状の光が、あちこちに向けて照射されているのだ』

 

「光?そんなもの見えないぞ?」

 

『フッ。人間には分かるまい。我々が遠方の同胞と会話する時に使う光があるが、下の船から出ている光はそれに似ている。人間には見えぬ光だ。それを使えば、何が飛んでいるのか分かったりもする』

 

「飛ぶ竜が分かるのか?どのくらい遠くまで?」

 

『個体により差がある。わしは120キロくらい先まで感じることができる。だが、あの艦達は一番長い物で半径1000キロは視えている。さらに高さも約60キロまでは視えているようだ』

 

「つまり、我々の想像を遥かに超える地点の敵も探知できると?」

 

『そうだ。もしかしたら、それを攻撃できる術もあるやもしれん』

 

「何故そう思う?」

 

『探知できたとしても、それが海の真ん中であれば自分で攻撃するしかないだろ?ならば、探知距離に応じた攻撃手段があると考えてもいい筈だ』

 

「大日本皇国、凄い国だな.......」

 

『スサノウよ。後ろから、何か速い物が来る』

 

「速い物?」

 

風龍の横に一機の震電IIが飛んでくる。突然の事に戸惑うスサノウだが、これがムーと同じ飛行機械と気付く。震電IIのパイロットは風龍を少し見ると、スサノウに対し敬礼を送る。敬礼を知らないスサノウは困惑するが、敬意を払っているのは何か分かったため、軽く頭を下げる。

それを見ると震電IIのパイロットは敬礼を前に勢いよくスライドさせ、機体の腹を風龍に向けて、そのまま降下しながら180度大きく半円を描きながら飛び去る。

 

「一体何だったのだ」

 

 

これより数時間後、デモンストレーションとして廃棄予定の帆船四隻を沈めるべく、行動を開始する。

では今回のデモンストレーションに際して行われる、大日本皇国海軍と海軍陸戦隊の余興をご説明しよう。今回は廃棄予定の帆船を敵勢力と仮定して攻撃した後、第七海兵師団による上陸演習も行われる。

 

『ご来場の皆様、これより大日本皇国統合軍によるデモンストレーションを行います』

 

軍の広報部の兵士がマイクを片手に、観覧に来ている各国の武官が注目する。

 

『それでは、前方の黒い壁をご覧ください』

 

黒い壁、もとい中継モニターである。今回は演習地と距離が空いているので艦、海軍陸戦隊の兵士、戦闘機、ヘリコプターにカメラを搭載してリアルタイムで流す事になっているのである。

画面に『フェン王国軍祭、大日本皇国統合軍デモンストレーション』が映し出され、その後ろには陸、海、空、海軍陸戦隊、特殊戦術打撃隊の兵器が映し出される。カラー映像に全員が驚き、ザワつく。

 

『では、今回の演習の想定をご説明いたします。今回は武装勢力により占領された基地の奪還と、要人の保護を想定しております。只今、準備完了との連絡が入りましたので、早速開始いたします』

 

モニターに第一揚陸艦隊の映像が映し出される。

 

 

「主砲、攻撃用意‼︎」

 

「撃ち方、はじめ‼︎」

 

「撃ちー方始め‼︎」

 

浦風型三隻が放つ砲撃により、正面の約4キロ地点の帆船を粉砕する。言うまでもないが、4キロ程度の距離なら外す訳なく、一隻につき一発である。

 

「敵艦の排除完了。上陸部隊、出陣‼︎」

 

出雲型からはLCAC、日向型からはLCACとLCU、それから33式と28式が続々と発進する。これに合わせてB型震電II、薩摩、天神が発艦し輸送と護衛につく。

目の前の光景に半ば呆れつつも、各国の武官は目の前で繰り広げられる光景に目を回す。上陸した様々な地竜(戦車や装甲車の事)から杖(銃)を持った兵士達が続々と現れ、途方もない火力で敵に見立てた案山子や的を破壊していく。さらには飛行機械からも何かが落とされたり、飛んで行ったりしては爆発していく様に、武官達の脳内ではその武力が自国に向けられた時の事を考えていた。なす術無く蹂躙されていく兵士。泣き叫ぶ女子供。破壊され崩れ落ちる建物等、地獄のような光景である。

そんな武官達を尻目に、第七海兵師団は基地の奪還と要人の保護を完了し、全行程の完了を宣言して演習は終了した。次々と現れる兵器達に剣王は常に目を輝かせており、結構な爺ちゃんだが少年のように目をキラキラしていて家臣達から「マジですか」という顔を向けられていた。

 

「レーダーに感‼︎敵艦22、敵航空機120‼︎こちらに侵攻してきます‼︎」

 

「フェン王国と本国に通報‼︎海軍陸戦隊の収容急げ‼︎対空、対水上戦闘用意‼︎こちらからの発砲は禁ずるが、向こうから撃ってきたら容赦なく撃て‼︎」

 

司令が次々に指示を飛ばす。

 

「司令、意見具申」

 

「艦長、どうした?」

 

「海軍陸戦隊の航空機を優先的に収容し、対空装備に換装して出撃させるのはどうでしょう?」

 

「確かに国籍ぐらいは調べる必要があるしな。よし。各艦に下令‼︎海猫を発艦させ、敵航空機への偵察を開始せよ‼︎揚陸艦は海軍陸戦隊の航空機を収容後、補給と対空兵装への換装の後、迎撃行動に移れ‼︎」

 

「「「「了解‼︎」」」」」

 

この事は日本の統合参謀本部にも伝わり、神谷が独断で「敵攻撃時の全兵装使用自由」が宣言した。これにより、即座の迎撃行動が可能である。

 

 

「こちら海猫一号機、司令部聞こえるか?」

 

『こちら司令部、感度良好』

 

「現在敵会敵予測ポイントにて待機中。恐らく、数分後には目視にて確認できる」

 

『了解した。くれぐれも、こちらからは攻撃するな』

 

「ウィルコ」

 

数分後、ワイバーンが目視にて確認される。

 

「目視にて視認‼︎国籍証は、パーパルディア皇国‼︎」

 

 

「司令‼︎」

 

「フェン王国からはパーパルディア皇国の越境は、許可されていないことが確認済みだ」

 

「わかりました。通信兵‼︎」

 

「はい‼︎」

『了解。警告を実施せよ』

 

「了解‼︎」

 

ガンナー席の部下に機長がスピーカーで警告するよう命じる。

 

「こちらは大日本皇国海軍である。貴飛行隊は、現在フェン王国の国境を越えている。直ちに引き返し、この空域より退去せよ。さもなくば武力行使を行う」

 

しかしパーパルディア皇国側は、ワイバーンによる火炎放射攻撃で火炙りにしようとしてくる。

 

「嘘だろ⁉︎」

 

ギリギリのところで翼角を90°にして急上昇したため、当たる事は無かったが危なかったのは危なかった。

 

「こちら海猫一号機‼︎攻撃を受けた‼︎反撃するので許可求む‼︎」

 

『了解。攻撃許可、オールウェポンズフリー‼︎』

 

「ガンナー‼︎」

 

「撃ちます‼︎」

 

三銃身の20mmバルカン砲が弾幕を展開する。初っ端から最後尾のワイバーン10騎を破砕し、パーパルディア皇国側は混乱する。しかし直ぐに散開して、攻撃を仕掛けようとするが

 

『海猫二号機、攻撃開始‼︎』

 

雲の中に隠れていた海猫、総数5機が烈風とバルカン砲を発射。回り込んで来ていた40騎近くを一気に掃討する。ワイバーン隊の隊長は艦隊に現状を通報し、この空域より離脱。攻撃目標であるフェン王国に向かおうとしていた。

ところがどっこい通報までは出来たものの、離脱しようとした瞬間、ある物が行手を阻んだ。

 

『ギャッツ隊推参‼︎攻撃開始だ‼︎』

 

震電II四機からなる航空隊である。たかが300キロ程度のワイバーンと、マッハ2.2のステルス戦闘機では勝負するまでもない。導力火炎弾*1程度ではダメージが入るわけもなく、というかそもそも当たるどころか掠りもせず、一方的に機関砲とミサイルの餌食となる。この時間、僅か5分。尚、こちらのダメージは言うまでも無くゼロである。

 

『こちらギャッツ隊。敵は片付けた』

 

 

「司令、敵ワイバーン全騎撃墜しました‼︎」

 

「よし、我々も攻撃開始だ‼︎各艦に下令‼︎主砲砲撃戦、撃ち方始め‼︎」

 

司令官の号令により、各艦の主砲が一斉に発射される。一番小さい物でも100mmあるため、帆船には防ぐ事はできない。なんなら至近弾でも吹っ飛ばせる。そんな威力の砲弾が、雨のように降ってきたらどうなるだろうか?

全滅以外の未来はない。そんな訳で、たった数分の砲撃で片がついた。一応ヘリコプターで沈没海域を偵察に行ってもらったが、海面には旗と木片が散乱してるだけであり生存者はいなかった。後に「フェン王国沖海戦」として記録される海戦は、呆気なく終結した。しかし、この戦いが後に悲劇となって返ってくる事は誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

*1
ワイバーン種が使う技であり、体内の粘性のある燃焼性の化学物質に火炎魔法で点火し、炎を風魔法で包み込むというもの。この際は首と胴体を一直線に伸ばす必要があり、そのため横や後方には短射程な火炎放射しかできないという欠点がある他、威力が極端に低い。火炎魔法で発動する火炎放射に比べれば威力は有り、弾速は遅いが生身の人間に当たれば黒焦げにはなる。だが、機動甲冑を着ていれば表面が焦げるだけで死ぬ事はない。

因みに風龍は圧縮空気弾と言うのを放つ。

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