最強国家 大日本皇国召喚   作:鬼武者

15 / 141
第六話魔王VS皇国軍

パーパルディア皇国との戦闘より一週間後、統合参謀本部では幕僚達を集めての緊急会議が行われていた。

 

「諸君、今回集まってもらったのは他でも無い。6時間前にフェン王国の軍祭に派遣していた、第一揚陸艦隊と第八海兵師団がパーパルディア皇国との戦闘行動が確認された。海軍陸戦隊総隊長、詳しい状況を報告してくれ」

 

「はい。まず申し上げておくのは、この戦闘はあくまでも国防法の第七章の第八十六条及び第九十条*1に定められた範囲内である事です。これを見てください」

 

部屋が暗くなり、テーブルに立体映像にファン王国沖の海図と日本軍とパーパルディア皇国軍の戦力が投影される。内容に関しては前回の戦闘の記録を垂れ流していくだけなので、箇条書きで済まさせてもらう。

①パーパルディア皇国のワイバーン部隊と艦隊を、レーダーで探知し海猫が警告に向かう。

 

②警告したのに、無視して火炎放射しやがる。

 

③勿論応戦して、ワイバーンを殲滅する。

 

④艦隊も当然殲滅する。

流れ的にはこんな感じである。

 

「さて、ではJMIB*2長官、パーパルディア皇国について報告を」

 

「はい。情報を精査させたところ、今回襲撃してきたのはパーパルディア皇国で間違いありません。しかし国軍ではなく、監察軍と呼ばれる軍が担当したようです。ICIBの諜報員から裏も取れていると報告が上がっています」

 

「長官、監察軍とは何なのでしょうか?」

 

海軍長官が質問する。周りの人間も同様にうなづいている。

 

「パーパルディア皇国には3つの外務局があり、第一は列強国、第二は文明国と列強の保護国、第三は文明圏外国をそれぞれ担当しています。監察軍とは第三外務局傘下の組織であり、脅迫外交と搾取の為に武力での脅し、いえ攻撃を仕掛ける部隊です」

 

「脅しではないのですか?」

 

陸軍長官が驚きながら聞く。

 

「脅しと言うと、皆さんは領空や防空識別圏に戦闘機を飛ばすとか、海軍艦艇を派遣するとかを想像すると思います。しかしこの国の場合は、普通に軍隊で攻撃するのです。言ってしまえば北朝鮮で見せしめに公開処刑してるのを、そのまま規模を大きくしたようなものです。奴さんは文明圏外国を文字通りの「その辺の小石」程度にしか思っておらず「蹴ろうが投げようが川に落とそうが俺達の勝手」という認識なのです」

 

JMIB長官の言葉に、全員が驚愕を隠せない。常識が通用しないというのは分かっていたが、まさかモラルのへったくれもないレベルでヒドイとは想定していなかったのである。

 

「諸君、恐らく遠くない内に戦争となるだろう。勿論まだ向こうから何のアクションが無い以上、俺の勝手な推測に過ぎないがプライドの塊みたいな国が文明圏外国認識してる国の軍に返り討ちにされたとあっては、まあ予想できるよな?」

 

全員の脳裏にトンデモなく面倒な絵が広がる。日本が負ける事が無いので問題ないとして、問題なのは交渉や捕虜の扱われ方である。多分韓国よりも話が通じず、拷問や処刑が当たり前のテロ集団レベルの扱いしかされない事は目に見えている。

 

「会議中に失礼します‼︎総理から「至急官邸に来てほしい」との事です‼︎」

 

向上が入ってくるなり、なんか面倒な事になりそうなセリフを言っている。

 

「絶対なんかあったやん。取り敢えず、会議終了。各自適当に解散」

 

浩三の予想はバッチリ当たっていた。では、時系列は会議開始頃の首相官邸に戻そう。

 

 

「秘書官、午後の予定は?」

 

「はい。本日13時から18時まで執務の後、19時より大臣を招いての会食となっております」

 

「ありがとう」

 

午前の仕事が終わり、昼ご飯も食べて秘書官から午後の予定を聞いていた時、執務室にクワ・トイネ公国からのホットラインが掛かってくる。

 

「もしもし」

 

『一色首相、カナタです。いきなりで悪いのですが、貴国のお力をお貸しいただけませんか?』

 

「穏やかじゃないですね。何がありました?」

 

『トーパ王国という国をご存知でしょうか?』

 

「確かフィルアデス大陸の北方にある文明圏外国でしたね。文明国水準の陸軍を保有し、世界の扉を守護しているとか」

 

『その世界の扉が破られたそうです』

 

「私はその辺りに疎いのですが、多分それは国家存亡レベルで結構まずい事なのでは?」

 

『おっしゃる通りです。世界の扉はグラメウス大陸からの魔物の侵攻を防ぐ壁であり、世界一頑丈な建造物です。それが破られたとなると、大量の魔物や魔王の再臨も視野に入ってきます』

 

「話が見えてきましたよ。つまりは「魔物退治してくれ」って事ですね?」

 

『話が早くて助かります』

 

「わかりました。浩三に連絡しますので、そちらもトーパ王国大使を呼んでください。一時間後、テレビ会議を行いますがよろしいですね?」

 

『異存ありません』

 

「では」

 

「総理」

 

「あぁ。向上少佐に頼むとしよう」

 

という事があったのである。そんな訳で官邸執務室でテレビ会議が行われたのであった。

 

『トーパ王国大使、コーエンである』

 

「大日本皇国首相、一色です」

 

「大日本皇国統合軍総司令長官、神谷です」

 

『早速だが、本題に入らせて頂く。現在世界の扉h』

 

「大丈夫です。既に我が国の偵察衛星により、敵勢力の規模、位置、装備、それから戦闘地域となる世界の扉周辺の地形、世界の扉の損壊具合、トーパ王国軍の動きに至るまで全て把握しております」

 

浩三がコーエンの話を遮り、当然ですと言わんばかりに爆弾発言を投下する。

 

『い、今なんと?』

 

「ですから、情報は全て知っていると言ってるのです」

 

「(ちょっと浩三さん、どういう事だってばよ⁉︎)」

 

「(三日前に変なのが衛星に映ってたから、第七海兵師団を演習後に近海に派遣する事にしてた)」

 

「(祖国の力、恐るべし)」

 

『で、では援軍は?』

 

「それについては既に派遣済みです」

 

『なんですと⁉︎』

 

「勿論派遣はそちらの要請を受けてからですが、フェン王国で軍祭があったのはご存知でしょうか?」

 

『毎年の事ですな』

 

「三日前に動きを探知していたため、軍祭に派遣していた部隊を貴国の近海に動かす事にしていたのですよ」

 

『なんと.......』

 

「規模としては兵力19,000名。34式戦車40両、36式機動戦車20両、その他諸々の戦力ですね。他にもバックアップ部隊として、我が国の特殊戦術打撃隊より空中母機白鳳を派遣しております」

 

此方に馴染みの無い単語が次々と並べられ、何が何なのか理解できないコーエン。取り敢えず援軍が来る事は分かったので、適当なところで話をつけて会議を終えた。軍祭より5日後、トーパ王国首都のベルンゲンに第一揚陸艦隊は入港した。そこで第七海兵師団を降ろして艦隊は海路、第七海兵師団は陸路で城塞都市トルメスを目指す。

 

 

 

城塞都市トルメス

 

騎士モアと傭兵ガイは、騎士団の命により、城塞都市トルメスの南門へ、間もなく到着する日本軍の案内のために来ていた。統合軍は王国軍騎士団の護衛により、南門に到着する。南門から城まではモアとガイが案内し、その後自分たちは日本軍に観戦武官として同行する予定だった。

 

「なあモア?俺たちが案内する大日本皇国軍って、どんななんだ?師団規模しか来ないって聞いたが、そんな少数の援軍って意味あんのか?」

 

「大規模な援軍なら嬉しいが小規模な部隊が来て、しかも指揮権も異なっていれば混乱を招くだけのような気もするが、彼らの力が噂どおりだと、すごいことになるな。ただ、内容が内容だけに、私は半信半疑だが........」

 

「噂って何だ?」

 

「ロデニウス大陸でロウリア王国の大軍を超短時間の猛烈な爆裂魔法の投射で滅し、そして列強パーパルディア皇国の竜騎士団22騎と、魔導船が消滅した。この全戦いにおいて、大日本皇国軍の死者が無いというものだ」

 

「うーん、そりゃウソだな。自国を強く見せようとするための情報操作ってやつだぜ」

 

「そ、そう思うか?やはり」

 

 歴戦をこなしてきた傭兵ガイは断定したように話し始める。

 

「俺は幾多の戦場を見てきた。圧倒的に強い軍もいたが、いくら武具や戦略、策略が優れていても、死者数に大きな差は出ることはあれど、ゼロなんて数は聞いたことがない。いくら技術を持とうが、戦略を駆使しようが、最前線で兵が死なないなんてありえないんだ。

その国はロウリアやパーパルディア皇国に局地戦で勝った事はあったんだろう?まあ、列強に一部勝つだけでも十分強大な国だが、1人も死者が出ないなんて盛りすぎだな。そんな国きらいだぜ。見た目を重んじる国なら、どうせ先遣隊も金ぴかな鎧で来るんじゃねえか?」

 

「うーむ、そうか......しかしまあ国賓のようなものだから、嫌いであってもくれぐれも失礼のないようにな」

 

「へっ、解ってらぁ」

 

旧友で戦友の二人が日本軍について話していると、城門の見張り台の衛兵が日本軍を見つける。

 

「モア様、見えました‼︎日本国軍の方が来られました‼︎」

 

「来たか.......」

 

雪煙を上げて近づく一団を二人も見つける。最初は馬や馬車が舞あげた雪と思っていたが、近づくにつれて馬や馬車とは似つかない、聞いたことも無い「キュラキュラ」という音が聞こえてくる。

 

「モア、何か音が馬にしちゃおかしくないか?」

 

「お前もそう思うか?」

 

「ああ」

 

更に近づいて気がつく。日本軍が連れてきたのは馬や馬車ではなく、真っ白な鋼鉄の魔獣だったのである。モアとガイの前で一団は停車し、日本軍を先導してきた国軍の騎士が馬から降り、モアに近づく。

 

「こちらが大日本皇国軍の方々だ。後の案内を頼む」

 

「はい‼︎」

 

話をしているうちに、日本の鉄龍のうちの1つの扉が開き、中から変な格好をした者が降りてくる。

ただ丸いだけの何の装飾も無い兜をかぶり、真っ白な服を着ている。鎧は着ていないため、おそらく戦になったら装着するのだろう。モアの想像する騎士の格式や、華のある姿の欠片も無い。一言で表すなら、蛮族である。蛮族は、モアのほうへ近づいてくる。

 

「大日本皇国海軍陸戦隊第七師団、師団長です。ご案内感謝いたします。よろしくお願いします」

 

他の兵士と同じ格好の男が、指揮官というのに驚きつつも挨拶を交わす。

 

「トーパ王国世界の扉守護騎士のモアです。これよりトルメス城にご案内した後に、あなた方日本国軍へ同行いたします。よろしくお願いします」

 

突然だが、ここで第七海兵師団の解説を簡単にしておこう。第七海兵師団は日本最北端の稚内が本拠地となっており、冬季レンジャーも多く在籍している海軍陸戦隊の中でも異質の「雪山や雪上での戦闘に特化した部隊」なのである。トーパ王国は北海道に似た気候で、今も雪が降り積もっており、適任な部隊なのである。

 

 

 

トルメス城

モアの後をついて何度か角を曲がった後、隊長のいる部屋の前に到着する。重厚な扉を前に、モアは扉をノックする。

 

「入れ」

 

「失礼します。日本の方々をお連れしました」

 

中へ入ると円卓があり、その1番奥の男が立ち上がる。年齢40歳くらい、身長180cmくらい、筋肉質で白色短髪、白い髭、銀色の鎧を着装し、赤いマントを羽織り、帯剣している「ザ・騎士団長」な男性が立ち上がる。

 

「おお、日本の方々よくぞ来て下さった。私はトーパ王国魔王討伐隊隊長のアジズです。」 

 

「大日本皇国海軍陸戦隊第七師団、師団長です。よろしくお願いします」

 

挨拶を交わす。一同は円卓に座り、状況の確認を行い始める。要約するとこんな感じ。

・魔王軍はボスの魔王ノスグーラ、側近のブルーオーガ、レッドオーガ含め総勢約八万。

・城塞都市トルメスの北側に位置するミナイサ地区に侵攻し陥落。

・これより先の侵攻を被害を出しながら食い止めており、現在は拮抗状態となっている。

・魔王はミナイサ地区の領主の館を使用し、外には出てきていない。

・ミナイサ地区には、まだ逃げ遅れた民間人約600名がおり彼らはミナイサ地区中心部の広場に、昼間に一度集められ毎日数人がつれていかれ魔王その他の餌にされている。

・そのため、当初600名いた逃げ送れた民間人もその数を減らし、現在は200名まで減っている。

・魔王軍に与えた被害はゴブリン約3,000体、オーク10体であり、こちらの損害は騎士約2,000名がすでに死亡している。

・3回ほどミナイサ地区の人質救出作戦が行われたが、広場に至る大通りには必ずレッドオーガもしくはブルーオーガのどちらか1体がおり、多大な損害を受け撤退、細道を行った騎士は各個撃破され戦線は硬直している。

・人質は毎日食されており、早く助けなければならない。

とまあ、控えめに言って地獄の様相を呈している。

 

「思ってたより酷いな」

 

「一応我々独自の戦略は立てたのですが、何分そちらの鋼鉄の魔獣と飛竜の性能等は皆目見当もわかりませなんだ。其方で策があるのならお聞かせ願いたい」

 

「わかりました。おい」

 

「ハッ‼︎」

 

師団長が副長に命じ、タブレット端末を円卓の中心に置く。

 

「照明を落とさせて頂きます」

 

照明、といっても蝋燭の灯りだけだが一度火を消す。そしてタブレットから立体映像と周辺の地形が映し出される。

 

「なんだこれは⁉︎」

「魔法か⁉︎」

「こんな魔法見た事ない‼︎」

 

「立体映像です。こちらの映像を使いながら説明致しますので、想像しやすいと思われます。我々の作戦としては、まずOH8風磨による敵上偵察を行い、魔王軍の正確な位置と重要拠点を洗い出します。判明次第、我が軍の機甲部隊、皆様の言う「鋼鉄の魔獣」を使って陽動を行います。その間に我が軍の歩兵が上水道から潜入し守備役を無力化、さらに二足歩行兵器とAH32薩摩を投入し内部の敵の誘導と一掃をしつつ、民間人を解放します。

ブルーオーガ、レッドオーガ、魔王ノスグーラについては第一揚陸艦隊と空中母機白鳳からの支援攻撃を用いて殲滅致します。以上が我々の戦略となります」

 

「我々は何処を手伝えばよろしいか?」

 

「そうですね、では機甲部隊にこの辺りの地理に詳しい者を数名、潜入部隊に手練れの精鋭部隊を割り当ててもらえれば嬉しいです」

 

「あいわかった。そのように手配致す」

 

協力を取り付けたところで会議終了の筈が、思わぬ来客がやって来る。

 

「会議中失礼致します‼︎師団長‼︎第一揚陸艦隊より、此方に近づく飛行物体有りとの通報が入りました‼︎」

 

「数は?」

 

「単独で、毎時240キロで接近中との事‼︎ワイバーンにしては反応が小さく、大体人間と変わらないサイズだそうです‼︎到達まで後15分です‼︎」

 

「アジズ殿、その敵は我々が倒しても宜しいですね?」

 

「頼みます」

 

「各員戦闘準備‼︎薩摩と49式を用意しろ‼︎」

 

「ハッ‼︎」

 

慌ただしく準備に入る皇国軍兵士達、そしてそれを「何事?」と野次馬となって見に来るトーパ王国の兵士達という光景が広がる。

 

「対空戦闘用意完了‼︎」

 

「射程に入り次第、即時発砲‼︎ただし機銃でやれよ」

 

49式の中で車長が指示を飛ばす。

 

「レーダー、後どのくらいだ?」

 

「大体4、5分で射程ですね」

 

「よし」

 

 

「人間の頭を討ち取るために、我が足を運ばねばならぬとはな」

 

一応魔王側近のマラストラスが呟く。現在接近しているのはコイツであり、空軍戦力を持たないトーパ王国は一方的にコイツの攻撃でボコボコになっていた。

 

「射程入りました‼︎」

 

「撃て‼︎」

 

耳をつんざく轟音と共に、6門の35mmバルカン砲から何千発という弾丸が発射される。目の前の空の色が変わるほどの弾幕と、魔法で塞いだとしても、それを一発でぶち破ってくる威力にあっさりやられる。

 

「目標撃墜‼︎」

 

「師団長、目標撃墜しました」

 

「よろしい。アジズ殿、其方の騎士数名を確認に向かわせて下さい。もしかしたら魔王軍の者かもしれませんので」

 

「あいわかった」

 

そんな訳で確認したところ、仲間の仇であるマラストラスだったのだから驚きである。その報告がアジズにも行き、やっぱり驚かれる。他の兵士達も皇国軍の強さを知り、味方になってくれた事に感謝していた。そして二日後、作戦名「ももたろう」は開始された。

 

 

『此方忍び1。人質は広場に全員集められている。監視はオーク20、ゴブリン多数。当初の作戦のまま進めて大丈夫なものと判断する』

 

「本部了解。忍び1はそのまま弾着観測に移行されたし」

 

『ウィルコ』

 

「師団長‼︎」

 

「これよりオペレーションももたろうを開始する‼︎進撃せよ‼︎」

 

師団長の号令が掛かり、機甲部隊が前進する。大地をその巨体で踏み締めながら、後続の味方部隊の道を切り開かんと進む。ヘリコプターも随時離陸を開始し、潜入部隊も40式と44式イ型に分乗して上水道の入り口へ向かう。

 

『此方忍び1。砲兵部隊へ。敵対空陣地補足。至急支援砲撃求む。座標はエリア35Aから58D』

 

『よしきた。砲弾の飛び込み販売を開始する』

 

対空陣地と言っても投石器四台なのだが、一応それを破壊しておく。

そんな最中、ミナイサ地区で飯屋を営んでいたエレイは恐怖に震えていた。魔王の侵攻で生き残った者たちは、昼間に一旦広場に集められ夜には魔物に管理された建物内へ移動させられる。広場では周囲を魔物が警戒し、逃げ出せない。現に逃げようとした人はいたが、すぐに捕まり民衆の前につれてこられ、その場で料理されてしまった。魔物たちは料理される被害者を指差して「生き踊り、はっはっは」などと笑っていた。毎日、何人かが料理のために連れて行かれた。

実際、隣に住んでいた幼馴染の少女メニアも昨日連れて行かれた。メニアの両親は娘をつてれいかれまいと、必死に戦ったが3人そろって連れて行かれてしまった。

何回か、王国騎士たちが助けに来ようとしたけど、今広場と城門を結ぶ大通りに立っているレッドオーガにやられてしまった。昔話では、魔王軍とエルフの戦いで、エルフの神の祈りを聞き届けた太陽神がその使いをこの世に降臨させたとあった。私はエルフだ。神ではないけれど、祈ろう。神様!神様!どうか皆を、そして私たちを助けて下さい。魔を滅して下さい!!再び太陽神の使いを降臨させて下さい。お願いします!!

祈るが何も起きない。

 

「ええと、今日の肉はと.......」

 

また、魔物が料理のために各種族を見ている。

 

「魔王様はあっさりしたものがいいと言っていたな」

 

「今日は野菜をメインにして.......」

 

皆に安堵の雰囲気が流れる。

 

「味付け程度に、エルフの女くらいが丁度いいだろう。おばえな」

 

魔物がエレイの右手を掴む。

 

「イヤァァァァァァァァァ神様ァァァ助けてぇぇぇぇぇぇ‼︎‼︎‼︎」

 

「ゴラ、暴れんな‼︎」

 

その瞬間、空から何かが降ってくる。地面の石を破壊し、直立する。

 

「ブモォォォォォ‼︎」

 

ベチャ‼︎

 

魔物が巨大な足に踏み潰される。

 

「な、何?」

 

他の至る所に同じような何かが降ってくる。そして監視役の魔物の下に、上についた黒い筒から弾ける音を出しながら殲滅していく。

もう、何が来たかお分かりだろう。月光である。

 

「突撃‼︎かかれ‼︎」

 

他にも小さな鉄の塊も降ってきて、背中に人を乗せて戦っている。今度は噴水から白い服を着た兵士と、騎士達が飛び上がって魔物を殲滅していく。

 

「撃て撃て‼︎リアルモンスターハンターだ‼︎」

「素材集めですか⁉︎」

「そういうこった‼︎オラオラどした‼︎」

「皇国軍のお通りじゃい‼︎頭が高いわ‼︎」

 

完全にテンションバグってる皇国軍によって、次々と倒れていく雑魚魔物。月光、極光と連携して殲滅していき、広場全域をセーフエリアとする。

 

「こちら突入班。広場の解放完了‼︎すぐに回収班を‼︎」

 

『こちら回収班。すぐに向かう。師団長に頼んで飯と風呂も用意しておいたぞ』

 

「そりゃ住民が喜ぶな」

 

住民を大鳥や44式に乗せて、次々と送っていく。しかし途中でブルーオーガとレッドオーガが襲ってくる。

 

「ブルーオーガにレッドオーガだぁぁぁ‼︎」

 

ブルーオーガが攻撃しようとした瞬間、数十機の無人機が現れ機銃掃射とミサイルで撃破する。

 

「ブルー‼︎」

 

民衆の誰かが空を見上げて、そのまま固まる。他の民衆も空を見上げると、この世の物とは思えない光景があった。巨大な鉄の鳥が居たのである。

 

「あれが、ブルーの仇か‼︎」

 

しかし次の動きをする前に、紫色の光に貫かれて倒れる。アーセナルバじゃなかった、白鵬の機首部分に搭載された戦略レーザーシステム、通称TLSによって貫かれたのである。最早、断末魔の悲鳴一つも挙げることすら叶わず崩れ落ちる二体。民衆と騎士達は呆気に取られ、目の前の光景に理解が追いつかない。皇国軍は見慣れてるため、なんとも思っておらず黙々と誘導していく。

数時間後には本部のある地区へ完全に誘導が完了し、温かい風呂と食事が振る舞われた。現在の自衛隊がそうであるように、皇国軍の食事はどの軍であっても物凄く美味い。調理兵達はそれぞれ伝統の味を先輩から引き継ぎ、それを後輩達に伝授していく。そんな料理が振る舞われたため、民衆達は喜んでがっついていた。一時の平和な時間が流れるが、翌朝それは破られる。マジギレした魔王が単身で広場に現れ、既に貴族アポン率いる騎士200名が文字通りの消し炭となっている。おまけに「エンシェントカイザーゴーレム」とかいう強いゴーレム×40まで繰り出してきており、トーパ王国軍に絶望が襲いかかる。というのも、ゴーレムは単体であっても大軍が必要であり、ましてその超強化版のゴーレムが40体もあるのだから、絶望もする。しかし、コイツらは違った。

 

 

「戦闘用意‼︎戦車前へ‼︎」

 

第七海兵師団は海軍陸戦隊であるが、旧軍のとある部隊に敬意を評している。旧大日本帝國陸軍第七師団、もっとわかりやすく言うなら北鎮部隊である。アニメ第三期も制作されたゴールデンカムイにも登場する部隊であり、旅順攻略や203高地の戦いにも参戦して勝利を収めた部隊である。そんな凄い部隊に敬意を評するならば撤退(・・)の二文字は存在しない。

 

「APFSDS装填‼︎次弾も同じ‼︎撃て‼︎」

 

20両の戦車から放たれるAPFSDSは、正確にゴーレムの唯一の弱点であるコアを撃ち抜く。続く二射目で全体を破壊。勿論損害はゼロである。

 

「太陽神の使いめ‼︎またしても我を邪魔立てするか‼︎」

 

「艦隊に連絡。支援攻撃を頼め」

 

「ハッ‼︎」

 

第七海兵師団からの要請を受け、艦隊は桜島I型を発射する。その数、実に80。80発のミサイルはGPSによる超精密誘導により、魔王にマッハ10で迫る。そして

 

 

ドゴーーーーーーン

 

 

着弾の後起爆。魔王を文字通り消し飛ばす。断末魔の悲鳴も上がらず、肉体のカケラも残す事なく絶命した。目の前の神話すらも凌駕する戦いぶりに、トーパ王国の兵士達と住民は歓喜の声を挙げる。

今回の魔王軍侵攻で、魔王軍は離散したが、トーパ王国軍も死者3千人と、多大な戦死者を出した。

しかし守りきった。民衆は、フィルアデス大陸に至る前に、魔王の侵攻を防ぎ魔王軍を滅した。恐怖からの解放と、やり遂げた達成感。その日の出来事はトーパ王国の歴史書に大きく大きく掲載されるのであった。

因みに夜には戦勝の宴が催され、皇国軍の活躍はトーパ王国民に大きく報道された。トーパ王国の民の対日感情はとてつもなく良いものになり、トーパ王国は日本にとって極めて友好的な国となった。

 

 

 

大日本皇国、横浜港

「あぁ、了解した」

 

この日、神谷はパーパルディア皇国へ向かう川山の護衛兼武官として出立する事となっていた。そしてちょうど、作戦成功の報告が出発直前に舞い込んだのである。

 

「どうかしたか?」

 

「トーパ王国に派遣した部隊から魔王を倒したって報告が来た」

 

「よもや先祖達も、魔王と軍が一戦を交える事が現実に起こるとは思わなかったろうな」

 

「多分、知ったらひっくり返るだろ」

 

「ハハハ、かもな」

 

「で、だ」

 

「パーパルディア皇国、だろ?」

 

「そんな無理して行く必要あるのか?」

 

「一応謝罪してもらわんと、国家の体裁が保てんだろ?」

 

「まあ、それもそうか」

 

「尤も、嫌な予感しかしないからな」

 

「あぁ」

 

この時の二人は知る由もない。このパーパルディア皇国こそが、日本を最大限にガチギレさせる国になることを。

 

 

 

 

*1
こっちで言うところ自衛隊法にあたる法律。第七章は交戦規定について書かれている。

第八十六条 明確な敵対行動を取る武装集団については、統合軍兵士の個々の判断において、必要最低限の武力を行使できる物とする。

第九十条 尚、全ての状況において天皇、内閣総理大臣、もしくは両名に任ぜられた者に攻撃度合いを指示された場合は、その限りではない。

*2
統合軍諜報局の略称。CIAで言う所の準軍事工作担当官、所謂パラミリ部隊を持つ組織であり爆破、暗殺、拷問、誘拐etcとエグい事をしてる組織。主な任務は屋外での潜伏、統合軍の誘導、暗殺等の秘密作戦である。現在は各列強国に派遣しており、もしもの場合は行動を起こせる。

因みに皇国中央諜報局ICIBというのもあり、こちらは潜入、まあ「ザ・スパイ」な仕事をしている

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。