最強国家 大日本皇国召喚   作:鬼武者

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大変長らくお待たせしました‼︎前回の投稿から一ヶ月も待たせてしまい、申し訳ありません‼︎最近リアルの仕事が忙しくて死にかけてたり、アズレンのイベントやったり、サイバーパンクやったりと忙しかったんです。許してください。これからは多分、二週間一本に戻ると思います。


第二章フィルアデス大陸大戦争編
第七話アルタラス王国との出会い


日本出発より二週間後、神谷と川山はシウス王国経由でパーパルディア皇国に入った。向かうは文明圏外国担当の外務局、第3外務局*1である。

「にしても、ベネチアみたいな街並みだな」

 

「ボートでもありゃ、完全にベネチアだ」

 

街並みが完全にベネチアであり、二人で雑談しながら外務局に向かう。途中神谷がジョジョの真似をしたりとか、川山がルパンの真似をしたりとまあまあ楽しんでいた。

 

 

 

第3外務局庁舎

「こ、これが第3外務局か」

 

神谷がたじろぐのも無理はない。目の前の庁舎は如何にも「我が国の国力凄えだろ?え?え?」みたいに、建物から煽ってるように見える程に曇りなく磨かれてたり、なんか高そうな調度品があったりするのである。

 

「今の世界は大体どこもかしこもこんなだ。中はもっと凄いから、まあ覚悟しとけ」

 

「ウィー」

 

中に入るや否や、大量の書類の山を運ぶ職員が前を通る。誰が見ても忙しいのがわかるが、川山は気にせず受付に話しかける。

 

「(忙しそー)」

 

他人事のように神谷が心の中で呟くが、それを自分にも向ける羽目となる。携帯のバイブが鳴り、取り敢えずトイレの大便器に駆け込む。

 

「俺だ」

 

『長官、先程宇宙軍より連絡が入りました。フェン王国にほど近い、アルタラス王国がパーパルディア皇国軍と思われる武装勢力の攻撃を受け、現在首都が火の海となっているそうです』

 

「了解した。念の為、警戒レベル4に移行せよ」

 

『了解‼︎』

 

「忙しい原因はこれか.......」

 

そう呟き、トイレを出る。外に出ると川山が外務局員と並んで待っていた。

 

「トイレか?」

 

「すまんな。局員さんも待たせて申し訳ない」

 

「いえ。では、行きましょうか」

 

行く途中、川山に小声でアルタラス王国の事を話す。

 

「とすると、今回の交渉で「お膳」は運ばれないかもな」

 

「だな。こっちに攻め込んできてもなんらおかしくないし、正直仕事は増えてほしくない」

 

そんな話をしていると、外務局員の足が止まる。

 

「此方です。ここで自己紹介をして下さい」

 

「あ、はい」

 

二人は局員に言われるがまま、自己紹介を始める。

 

「大日本皇国外務省、特別外交官の川山です。こちらは」

 

「大日本皇国統合軍、総司令長官の神谷です」

 

その場の全員が少し驚くが直ぐに真顔になる。

 

「どうぞかけて下さい」

 

最奥の男が声をかけ、二人は席につく。瞬間、二人して思った事を言っておこう。

 

「「((これ、面接じゃね?))」」

 

パーパルディア皇国の面子も自己紹介を始める。どういう訳か外交担当でも相当権力を持った者たちが、見事なまでに勢揃いである。

陣容は以下の通り。

・第3外務局長

・東部担当部長

・東部島国担当課長

・北東部島国担当係長

・群島担当主任

 

 第3外務局長カイオスが口を開く。

 

「貴方たちが日本国の使者か.......最近貴国は有名ですな。して、今回は何用で皇国に来られたのだ?」

 

「はい、私たちは、不幸な行き違いから衝突してしまいました。よって、その関係修復と国交樹立の可能性の模索に参りました。」

 

東部島国担当課長が急に立ち上がる。

 

「なんだと‼︎不幸な行き違いだぁ⁉︎監査軍に攻撃を仕掛けておいて、何事も無かったかのようなその言動、タダで済むと思っているのか‼︎」

 

課長はいつも文明圏外国家の使者に対して行うのと同じ口調で日本人を叱責する。二人は慣れてしまっているので顔色一つ変えず、「あーはいはい、テンプレ通りの返しですね」程度にしか思っていない。

 

「いいえ、先に攻撃してきたのはあなた方です。我々は、降りかかる火の粉を叩いたに過ぎません」

 

「栄えある皇国監査軍を火の粉だとぉ⁉︎」

 

課長の目は血走る。それを局長カイオスが課長を手で制し、座らせる。因みに神谷が笑いそうになった事は内緒である。

 

「なるほど、関係修復ですか」

 

 局長カイオスは考え込む。

 

「うむ。私はもとより、このパーパルディア皇国の者は、誰も貴方たち日本の事はよく知らない。まずは貴方たちの国がどういった国なのか、それを教えていただきたい。我々と国交を結ぶに値する国なのか、私は知りたいですな」

 

川山は得意の営業スマイルを浮かべる。

 

「ペーパーしかありませんが、写真付きです。我が国を紹介するためのレジュメです」

 

各人に資料を配布し、面々がその資料を見る。フィルアデス大陸共通語で書かれており、文はしっかりと読める。

 

「は?」

 

東部担当部長が顔を上げる。国土面積は大した事無く、中規模国家程度である。しかし、人口が3億9000万人と、皇国の7千万人よりも多い。

文明圏外国家でもロウリア王国のように、人口だけは多い国もあるので、この人口に対して特別に驚いた訳では無いが、こんなにも人口の多い国がこれほどまでに近くにあったのに、今までの歴史上1度も気がつかなかったのがおかしい。さらに資料を読み進める。

 

「国ごと転移だと!?」

 

ロウリア王国とクワ・トイネ公国との戦争の少し前、中央暦1639年に国ごとこの世界に転移してきたと記載してある。突然の転移であれば、皇国がこれまでの歴史上1度も認知していなかった事実につじつまが合う。しかし、ムーの神話や古の魔帝の未来への国家転移の神話以外に、国ごとの転移など聞いたことが無い。第3外務局からすると、彼らが戯言を言っているようにしか聞こえない。

 

「馬鹿馬鹿しい‼︎そんな国ごと転移などあるわけがない‼︎おまえたちは皇国をからかっているのか?」

 

東部担当課長が声を荒らげるが、予想されたことなので腹も立たない。

 

「転移については、我が国でも、原因がまだ解っておりません。全力で調査中ではありますが、正直お手上げというのが現状です。貴方がたと同じように、我が国においても「国ごと転移」なんて事は聞いた事ありません。伝説や物語に出てくるのが関の山です」

 

その後も色々説明して、日本側の説明が一通り終わる。

 

「最後に、特使を一度日本に派遣していただきたいと思います。パーパルディア皇国大使の目で現実の日本を感じていただきたいのです」

 

今回の皇国への配布資料には、敢えて日本の軍事力や、圧倒的な技術格差、車の台数や、首都の圧倒的な写真等は載せていない。差し障りの無い位置情報や人口、特産物等の情報が記載してある。皇国は危険でプライドが高い国と聞いていたので、相手の国を落とすような技術的優位性については、日本から伝えるよりも大使から自国民から伝わった方が効果的との判断による。又、特使さえ送らない国であれば、正常な国家関係が築ける訳も無く、このような判断に至った。東部担当部長が話し始める。

 

「第3文明圏最強の国であり、世界5列強に名を連ねるパーパルディア皇国が、文明圏外の蛮族に使者を送るだと⁉︎少し質の高い軍を持っているようだが、お前たちが戦ったのは旧式兵器を持った軍だ‼︎本軍の装備と規模であれば、こうはいかんぞ⁉︎」

 

局長カイオスは、東部担当部長を睨みつける。

 

「おい、言い過ぎだ。日本との関係は、皇帝陛下の御意思も入っている事を忘れるな」

 

「は、申し訳ありません」

 

東部担当課長は着席する。

 

「ところで、日本の方々よ、我が国には文明圏内に5カ国、文明圏外に67国、大小の差はあるが計72カ国、おっと、最近アルタラス王国が加えられたので、計73カ国の属国があるが、日本は何カ国属国をお持ちか?」

 

「属国ですか。属国は日本国にはありません」

 

「ほほほほほ」

「あはははは」

「ぬふふふふ」

 

 パーパルディア皇国の面子が笑い始める。

 

「こらこら、日本の方々に失礼だぞ。属国が1カ国も持っていないからといって、そんなに笑うものではない。ここは外交交渉の場ぞ」

 

カイオスが皆をたしなめる。

 

「失礼。ところで、皇国から日本への人員派遣については、2ヶ月ほど待っていただけますか?こちらも色々と内部事情がありますので、2ヶ月後にまた第3外務局へ来ていただけますか?」

 

「はい、解りました」

 

「では、2ヵ月後が楽しみですな」

 

こうして、日本のパーパルディア皇国との最初の会談は終了した。連絡員を残し、二人は一度帰国する事にして、来た道をそのまま戻ったのだった。ところがシオス王国から横須賀へ帰る途中、向上から連絡が入った。

 

「今度はどうした?」

 

『例のアルタラス王国王女が我が国に亡命を申し出てきました』

 

その言葉に思わず飲んでたコーヒーを吹き出す。

 

「ゲホッゴホッ、つ、つまりアレか?トンデモなく面倒な地獄の片道切符が来たって事か⁉︎」

 

『端的に言えばそうなります』

 

「健太郎は何って言ってる?」

 

『いえ、まだ総理から返答はありません。それより問題なのは、こっちに来た状態ですよ』

 

「どういう事だ?」

 

『王女は船で来たのですか、要らぬオマケが付いていたのです』

 

「なーんか予想つくが説明しろ」

 

『はい』

 

では時をここで、この電話の二時間前に戻そう。

 

 

 

沖の鳥島、沖大東島の中間地点

この日、第一防衛艦隊は演習の為、この海域まで進出し演習を行なっていた。因みに元の世界ではEEZで演習等は出来ないが、転移した事で周辺国が覇権国が多い事から法改正が行われて、旧来のEEZも一領海としている。

 

「演習の成果はどうだ?」

 

司令官が副官に尋ねる。

 

「まあ、概ね可という所でしょう。砲術やミサイルはいいとして、やはり航空機に関しては練度がイマイチです」

 

「まあ、洋上の艦から飛行機を飛ばす事自体が狂気でもある。もっとも、かれこれ一世紀半近くやってる訳だがな」

 

「そうですな」

 

「司令‼︎鷲目より通報です‼︎本艦隊西方、約800km地点に所属不明の帆船を確認。さらにその後方10kmに武装した帆船2隻を確認。恐らく、10km地点の帆船は前の帆船を追っていると思われます‼︎」

 

「わかった。本国に通報しろ。これより本艦隊は演習を中止し、不明船との接触を試みる。取り舵90、最大戦速‼︎僚艦にも伝えい‼︎」

 

「とーりかーじ‼︎」

「最大戦そーく‼︎」

 

「副官、駆逐艦2隻を先行させろ。各艦に海猫の発艦を下令。それから念には念を入れて、対空装備の艦載機も出せ」

 

「駆逐艦には立入検査隊を出すよう命じますか?」

 

「頼む。ただし、先に海猫の警告からだ」

 

「アイ・サー‼︎」

 

この命令より数十分後、先行した駆逐艦2隻が不明船を捕捉。同時に立入検査隊もSH13海鳥に搭乗し、不明船に急行する。先頭の船が所がいつのまにか後方の2隻に追い付かれて、左右から砲撃を加えられていたのである。

 

「おい軍曹、これは俺の見間違いか?」

 

「いえ曹長。どうやら我々は、トンデモなく面倒な事に首を突っ込むようです。砲撃してる船の国籍章、アレ多分パーパルディア皇国ですもん」

 

「こりゃ上層部の奴らが胃潰瘍になるぞ」

 

「神谷大将あたりが危ないですね」

 

「まあ現場の俺達がボヤいたって意味がない。給料分の仕事はするぞ‼︎」

 

「ウィルコ‼︎」

 

軍曹がマイクを手に取り、警告を行う。

 

 

「此方は大日本皇国海軍、第一防衛艦隊である。砲撃中のパーパルディア皇国船舶へ警告する。直ちに砲撃を止め、武装をロックし、こちらの指示に従え。繰り返す、直ちに砲撃を止め、武装をロックし、こちらの指示に従え。抵抗する場合は、武力行使により強制的に停船させる」

 

 

この警告への返答は、海猫への攻撃であった。と言っても弓矢とマスケット銃で撃たれただけである。ところが運悪く海猫のバルカン砲の回転部分に露出している配線にあたり、コードが断線したため機関砲が使えなくなったのである。

 

「機関砲にエラー発生‼︎射撃不能‼︎」

 

「何⁉︎」

 

「矢が配線を傷つけたのでしょう」

 

「俺達は引くぞ‼︎残りの奴らに任せよう」

 

そのまま被弾した機体は高度を取って離脱し、残りの機体が穴埋めを行う。

 

「撃て‼︎」

 

三銃身20mmバルカン砲より、レーザーの如く弾丸が発射される。木造船では20mm弾に耐える事は出来ず、帆等の甲板構造物が破壊されていく。

 

「腕が、俺の腕がぁ‼︎」

「マストが折れるぞ‼︎逃げろ‼︎」

「誰か助けてくれ‼︎足が挟まったんだ‼︎ヤバい、うわァァァァァァ‼︎」

 

マストが倒れてくるわ、甲板は穴だらけになるわ、ついでに腕や足が吹っ飛ぶわで地獄の様相を呈する。更に追い討ちをかけるように、立入検査隊もラペリング降下してくる。

 

「武器を捨てろ‼︎」

 

「蛮族如きにやられるか‼︎」

 

兵士の中には拳銃サイズのマスケットを撃ってくるが、機動甲冑を着ているため効かない。

 

「じゅ、銃が効かない‼︎」

 

「抵抗の意思あり、射殺する」

 

隊員が37式で射殺する。他の隊員も各々の兵器を使って甲板上の抵抗してくる者を殺していく。水兵達は健気にもカトラスや弓、マスケット銃を持って果敢に挑んでくる。だが7.62mm弾クラスですら弾く機動甲冑を前に、そんなのは無意味である。果ては残骸の木材で殴ってきたりもするが、呆気なく殺される。十分もしない内に2隻の武装船を制圧し、40人程度の捕虜も取れた。ラッキーな事に、その中には船長も居たのである。一方、攻撃されていた船はと言うと

 

「大日本皇国海軍、立入検査隊である。両手を頭の後ろで組んで、跪け‼︎」

 

「こ、殺さないでくれ‼︎」

 

「抵抗しなければ殺すどころか、危害も加えない。とにかく此方の指示に従ってくれさえすれば、生命の安全を保障し、直ぐに楽な姿勢にもなれる」

 

「わ、わかった」

 

此方は基本的穏やかに進む。身体検査が終われば、命令口調から敬語にもなるし、丁寧に質問する。

 

「では、貴船の航行目的をお尋ねします」

 

「その前に確認させてください。貴方達は本当に、日本という国の軍隊なのですね?」

 

「そうですよ」

 

「では、此方に来てください」

 

そう言うと、艦尾の船室に通される。本棚を押すと本棚が移動し、隠し部屋が出てくる。

 

「こういう仕掛けって、マジであるんだ」

「だな」

 

隊員らも思わずそう零す。

 

「この部屋に座すはアルタラス王国国王、ターラ14世陛下が娘、アルタラス王国王女、ルミエス殿下であらせられます」

 

「マジかい」

「嘘だろ」

「こりゃ本国は大騒ぎだ」

 

流石に兵士達も驚きである。そして2隻に追いかけられていたのも、納得できたのである。

 

「お願いです、どうか我が国をお救いください」

 

震えながら頭を深々と下げる王女に一同困惑である。

 

「あ、えーとですね。我々は立入検査隊と言いまして、外交交渉を行う権限は与えられていないのです。暫定処置としまして、我々の所属する艦隊の旗艦にお連れ致しますので、此方の乗り物にお乗りください」

 

そんな訳で海猫で旗艦に連れていく。因みに初めて見るヘリコプターに、ルミエス達が内心恐怖してたのは言うまでもない。

程なくして旗艦に海猫が着艦する。ドアを開けると、

 

「捧げぇ銃‼︎」

 

礼服を着用した兵士達が整列し、銃を構えていた。

 

「アルタラス王国王女、ルミエス様に敬礼‼︎」

 

一糸乱れず、完璧に揃った動きで栄誉礼を行う。目の前の光景にルミエスは理解が追いつかないが、取り敢えず最大限の敬意が払われたのがわかったため、堂々と真ん中を歩き敬礼をする老齢の男の前まで進む。

 

「ルミエス王女殿下、我々は貴女の来訪を心より歓迎いたします。貴女の来訪の目的を教えて頂くため、会談の場を設けさせていただきました。其方までご案内致します」

 

副官がエスコートして会議室に通す。そして中の艦隊司令と面会し、色々と話し合う事となった。

 

 

 

『と、いう訳でして。あ、今総理から返答が来ました。川山さんを連れてこのまま官邸まで来いとの事です。ルミエス王女についても、空路で直接官邸に向かってもらうそうです。ヘリを手配しますので、お早く』

 

「わかった」

 

「なんだって?」

 

「慎太郎、仕事追加だ」

 

「マジで?」

 

「しかも今度のお相手は、パーパルディア皇国に滅ばされたアルタラス王国の王女様だと」

 

「ご入国目的は?」

 

「多分亡命」

 

川山の顔が何かを悟った顔になる。そんな川山を連れて迎えに来たヘリに乗り、一路官邸へ向かう。

 

 

 

首相官邸、会議室

「入るぞ」

 

「来たか」

 

健太郎が二人を出迎える。

 

「一色様、こちらの方々は?」

 

「私の親友達ですよ」

 

「お初にお目にかかります、ルミエス王女殿下。大日本皇国外務省、特別外交官の川山慎太郎です」

 

「大日本皇国統合軍総司令長官、神谷浩三です。まあ、軍の総大将だと思って頂ければ大丈夫です」

 

「アルタラス王国王女、ルミエスです。今回は救いの手を差し伸べて頂き、感謝の念に堪えません」

 

カーテシーをして、優雅に礼をするルミエス。綺麗な動作に三人とも見惚れる。

 

「さて、本題に入りましょうか。まず貴女の来訪目的は、第一護衛艦隊からの報告通り、我が国への亡命で宜しいですね?」

 

健太郎が優しく問いかける。

 

「はい。それともう一つ、頼みがあるのです」

 

「頼み、とは?」

 

健太郎も初耳なのか、首を傾げながら聞く。

 

「お願いです‼︎どうか、どうかアルタラスを救ってください‼︎無茶なのは分かっています‼︎たとえこの身がどうなろうと、凌辱されようと構いません‼︎ですのでどうか、民をお救いください‼︎」

 

勢いよく頭を下げるルミエス。三人はまさかの発言に固まる。しばしの沈黙が部屋を支配するが、そんな空気を神谷がぶち破る。

 

「殿下、今の発言は我が国としては受け入れられないでしょう。貴女も承知の通り、パーパルディア皇国と事を構えてもメリットはありません」

 

「そこをどうかお願いします‼︎日本はとても強いとお聞きしました‼︎お願いです‼︎」

 

「フフフ、殿下。確かに私は無理と言いましたが、あくまで国が表立って支援できないと言ったのです。個人的、私が個人的にやれば問題はないのですよ」

 

「個人的、ですか?」

 

「浩三、どうするつもりだ?」

 

健太郎が聞く。

 

「俺直属の部隊、義経*2を使えば良いだろ?」

 

「いや待て。ここは俺と健太郎のプランを使おう」

 

川山と一色がドス黒い笑みを浮かべる。

 

「お前ら絶対ロクな事考えてないだろ」

 

「作戦は簡単、相手方に無礼を働いてもらって挑発、煽りに煽って彼方から攻めてもらう。後は、な?」

 

一色の説明に考え込む神谷。

 

「しかし、その案は本当にできるのでしょうか?」

 

ルミエスが疑問を呈す。

 

「実を言うと、これは第二のプランです。私の個人的な予測では、パーパルディアは言ってしまえば見栄と欲の塊ですから、そんな国が格下の第三文明権外国に三回も負かされたのなら、そろそろ何かしらのアクションはあると思います。例えば「懲罰だ」とかなんとか言っての襲撃ですね」

 

外交官としての経験からの行動を予測する川山。今度はそれに神谷が付け加える。

 

「それに奴さんの兵器は、確かワイバーンの強化種と戦列艦。上陸して陸上戦を展開しても、骨董品のマスケットとカトラスや弓、後は地竜とかいう火しか吐けない鈍重な化け物。対して此方は、熱田型初め、戦列艦如きにはオーバーキルな兵器を搭載した艦艇に、これまたオーバーキルな航空機や戦車を多数保有してます。ど素人が指揮しても勝てますとも」

 

軍事的な視点からの次、つまり最後に一色から政治家としての意見を述べる。

 

「それに襲撃してくれるなら、こちらは宣戦布告として受け取れますから大手を振って戦争を仕掛けられる。その過程の中でアルタラス王国を始め、他の属国も解放できるでしょう。それに「襲撃された」という理由がある以上、うるさい老害共や共産連中もマトモな反撃ができない。結論、こちらとしては襲撃が遭った方が貴女を助けられる訳ですよ。あ、助けた見返りは特産品の免税特権とかでお願いしますよ?この場の三人とも、貴女の体をどうこうする気もありませんし、そもそもこの国にそんな野蛮人は、多分居ません」

 

「本当に、助けてくださるんですか?」

 

「勿論です」

 

一色の言葉に、涙を流して歓喜するルミエス。その光景を見て三人は誓った。「パーパルディア皇国には制裁を加えてやる」と。

 

 

 

 

 

 

 

*1
第3外務局とは皇国にある3つ目の外務局である。フェン王国を襲って第一揚陸艦隊により返り討ちに会った、国家監察軍を有する。因みに第1外務局は列強国、第2外務局は文明圏内国を担当している。

*2
神谷直属の特殊部隊。その存在は非公式であり、高度に政治的な問題に介入できる。命令とあらば爆破、殺人、暗殺、誘拐、襲撃と何でもやる激ヤバ部隊。

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