最強国家 大日本皇国召喚   作:鬼武者

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今回少しアンケート機能の試運転も兼ねて、アンケートを作ろうと思います。詳しくは後書きに書きますので、最後までご覧ください。


第十一話フェン王国決戦 前編

出港より二日後 フェン王国近海 潜水艦「伊928」

「お‼︎居た居た‼︎」

 

潜望鏡を覗き込んでいた艦長が嬉しそうに言う。

 

「よーし、通信兵‼︎総旗艦に通報しろ‼︎」

 

「アイ・サー」

 

敵艦隊発見の報は、即座に総旗艦たる素戔嗚尊へと送られる。

 

「長官、偵察に出した伊928潜より通信が入りました。「我、敵機動艦隊ヲ発見ス。編成ハ大型戦列艦60、小型戦列艦20、竜母8」以上です」

 

「了解した。第四艦隊、旗艦「龍鶴」に下令‼︎第一次攻撃隊、発艦‼︎」

 

「アイ・サー‼︎」

 

今度は第四艦隊に連絡が行き、航空隊発艦の命令が下る。この命令を受けるや否や、航空戦力の要たる第四艦隊は一気に慌ただしくなる。

 

 

 

第四艦隊 要塞超空母「龍鶴」

「機体を甲板に上げるぞ‼︎」

「カタパルト、点検急げ‼︎」

「おい‼︎そこのリフト退けろ‼︎」

「よーし、オーライオーライ。ストップ‼︎」

 

甲板と格納庫では整備兵があっちこっちで動き出し、機体を飛行甲板に上げてたり、様々な準備に追われていた。しかし良く訓練されている精兵の集まりであるため、短時間で準備を終わらせた。

 

『こちらブッチャー1、発艦する』

 

『ブッチャー2、GO‼︎」

 

艦載機の震電IIが、カタパルトで時速300kmまで加速しながら発艦していく。今回の装備は爆撃装備であり、各パイロンには無誘導爆弾を搭載している。え?ASM4海山を使えよって?確かに海山を使えば、簡単かつ正確なロングレンジ攻撃が出来るであろう。しかし今回の相手はパーパルディア皇国であり、その軍事力はご承知の通り、たかが中世ヨーロッパ程度である。

確かに魔法があったり、それによる副産物で物によっては近代程度の技術力を持っていたりもするが、それでも超精密誘導兵器であり、遥か彼方のイージスシステムですら攻撃不能な位置から一撃艦船を沈める威力を持ち、更には速すぎるのと高いステルス性で、物理的にも電子的にも探知はほぼ不可能なチート兵器を使うほどの相手ではない。

要は「コスパがクソ悪い」のである。同様の理由から誘導爆弾である天山、流星も使用されていない。

 

『こちらはAEW*1スカイノーズ。これより攻撃部隊は、こちらの管制下に入ってもらう。パーパルディアの連中に、精鋭空母乗りの力を見せに行くぞ』

 

無線から様々な反応が口々に聞こえる。実は現代の日本兵というのは、昔こそ静かな忍者のイメージがあっていたが、最近じゃ様々な人種が多い。腐女子、腐男子は当たり前で、変態やら変人やら狂人やらと並べればキリがない。尚、神谷は名前も相まって、軍内では神人扱いである。

 

 

 

フェン王国近海 竜母「シャーディス」

「竜騎士長!」

 

「ははっ‼︎」

 

艦隊司令は隣に立つ竜騎士長に話しかける。

 

「皇軍は強い‼︎」

 

「存じております」

 

「何故強い⁉︎」

 

「他国とは隔絶した、総合力があるからです」

 

「その通りだ‼︎だがその圧倒的な強さを誇るのは、戦列艦隊の存在はもちろんのことだが、この竜母艦隊があるからこそ強いのだ‼︎竜母艦隊があれば、どんな戦列艦の大砲よりも遠くから攻撃できる。それも敵が手も足も出ない距離からな‼︎

竜騎士長、空を制する者こそが最終的に海も陸も制する。私はそう思うのだ」

 

この考えは実際正しい。現に先の大戦での帝国海軍による真珠湾攻撃により、世界は大艦巨砲主義から航空戦や空母戦の時代へと切り替わり、今日においては「空母の数=その国の強さ」とも言える。少なくとも、海軍力の一つの指標として扱われるのは確かだ。

まあパーパルディア如きでは、日本海軍には勝てないのだが。何故かって?だって今回の作戦に参加している第七主力艦隊には、航空母艦全部で15隻もいて、更には航空戦艦や同程度の能力を持つ艦も4隻いる。質、量のどちらでも勝てない。

 

「先進的なお考えであります‼︎」

 

「うむ。パーパルディア皇国皇軍が、今までの海戦で無敵を誇り続けてきたのは、この竜母艦隊があったからこそだ‼︎この竜母艦隊がある限り、パーパルディア皇国は覇道を突き進むであろう!」

 

「全く以て、仰る通りであります‼︎」

 

全く以て、仰る通りではありません。ワイバーンロード如きでは、皇軍を討ち滅ぼせません。ご愁傷様です。

あ、ちなみにこの竜騎士長は適当に相槌を打って、艦隊司令に話を合わせているだけである。

 

「艦隊司令官殿‼︎前衛艦より、敵飛竜を発見したとの事です‼︎」

 

「ほう。では、竜母各艦に命令。直掩隊を上げさせろ。竜騎士長、君も行ってくれ」

 

「はっ。吉報をお持ちください」

 

そう言うと竜騎士長は専用の兜を手に、甲板に走る。一方、艦隊司令は、敵の来る方角を見ていた。

 

「あの黒い点か。多いな、大体140騎ぐらいか」

 

しかしこれは間違いである。余りに綺麗な編隊であったため、長距離からは最前列の機体しか見えないだけで本当は約1400機居るのである。

 

 

『お、見えてきたな。スカイノーズ、誘導感謝する』

 

『なーに、給料分の仕事をしただけだ。さぁ、お前達も給料分は働いてこい』

 

『そうするよ。野郎共‼︎行くぞ‼︎』

 

隊長機の号令に、全パイロットの顔が一気に引き締まる。

 

『あ、そうそう。敵ワイバーンも上がってきている。数23。まあ問題にはならないだろうが、念の為警戒はしておけ』

 

『ウィルコ‼︎みんな聞いたな⁉︎一つ、奴らに絶望をもって動揺させてやろう。各機ブレイク、最大推力で艦隊上空を通過。その後、爆撃を開始する‼︎』

 

返事の代わりに、全機が一気に広がる。それを見ていた艦隊司令は驚愕と絶望の顔を見せる。

 

「な⁉︎奴らは、140騎程度ではないのか⁉︎」

 

「司令官殿‼︎竜騎士長より「敵は少なくとも1000騎以上はおり、更に我々ではどうしようも出来ないほどに速く、その速度のまま艦隊に迫っている」との報告が‼︎」

 

「ふ、風神の涙を使用せよ‼︎艦隊増速、対空戦闘用意‼︎」

 

「ハッ‼︎飛竜はスクランブル発進‼︎急げ‼︎」

 

しかし、パーパルディア艦隊が大慌てでそうこうしている間に、音速を超えた大編隊が艦隊上空を通過する。それも音速を超えた時の、爆音やら何やらを響かせる。それはまるで、死のマーチを奏でるが如く。

 

「な、なんという素早さ‼︎」

「何か爆発したぞ‼︎」

「敵はフェン王国の蛮族じゃないのか⁉︎なんで飛竜が‼︎」

 

彼らは知る由も無かった。敵がフェン王国や近隣の文明圏外国ではなく、大日本皇国である事に。

 

『ハッハッハッ、奴ら驚いてるな。よーし、全機爆撃に移るぞ‼︎』

 

飛び去ったそのままの勢いで反転し、3分の1の機体は高度を上げる。しかし敵もただでは通そうとはしてくれず、導力火炎弾の斉射を以って迎え撃つ。

 

「撃てぇ‼︎」

 

『散開‼︎』

 

まあ、機動力に物を言わせて余裕で避ける。しかも避けた後は、AIM25紫電か機関砲でバラバラに加工される。

 

「あぁー‼︎ワイバーンロードがやられた‼︎」

 

「なんだとぉ⁉︎」

 

「て、敵騎直上‼︎急降下ー‼︎」

 

見張り員の絶叫と化した叫びと共に、兵士達が空を仰ぐ。そこにはさっきワイバーンロードを肉片に変えたのと同じ機体が隊列をなして、普通じゃ有り得ないほぼ垂直に迫っていた。

 

『投下ァ‼︎』

 

機内に格納されていたパイロンと翼下のパイロンのロックが解除され、爆弾が重力に従って吸い込まれるように落ちていく。まず最初に狙われたのは、艦隊外縁に居たファイン級の5隻であった。

 

「ハングリーに何か落ちたぞ‼︎」

「ハウアー、スリーカー、マクロ、スプラにも落ちた‼︎」

 

次の瞬間、次々に爆炎に包まれるファイン級。ファイン級は旧型の戦列艦と言えど、当たれば爆発する魔導砲を60門搭載している。

その持ち前の小型さ故に、輸送船の破壊や先行偵察、そしてその機動力を以って数々の作戦を成功に導いた艦でもある。少なくとも、こんなやられ方をする艦ではないのである。

 

「また来るぞ‼︎回避しろ‼︎」

 

『今更逃げようたって、もう遅い。さあ、消え失せろ‼︎』

 

ファイン級の5隻を破壊したのを皮切りに、続々と艦隊に航空機が殺到し爆弾の雨を降らせる。それも比喩表現ではなく文字通りの爆弾の雨であるため、パーパルディアの連中からして見れば溜まったもんじゃない。

 

「まだ我々は負けていないぞ‼︎撃ち返せ‼︎」

 

しかし敵にも落ち着きを取り戻しつつあり、散発的ではあるが対空攻撃が始まった。と言っても弓とかマスケットを空中に撃ったりとか、舷側についてる魔導砲を最大仰角にして撃ったりとかである。勿論弓とかマスケットでは航空機の装甲を破れるわけないし、魔導砲だって爆発はするが当たらない限りは爆発しない。

本来対空攻撃に使われる砲弾の起爆方式は、時限式か近接信管の二つに大別される。簡単に説明すると、時限爆弾みたく起爆する時間を調節できる砲弾を使うか、何らかの方法、例えば音波とか電波とかで目標を近くに感知すると起爆する物である。しかし魔導砲が撃ち出すのは、信管が作動したら起爆する榴弾と同じ原理である。しかも魔導砲と名を打っているが、砲自体の構造は海賊船についてる大砲そのものであり、ライフリングもついていないため、更に当たる訳ない。

 

「何故だ‼︎何故当たらぬ⁉︎我がフィシャヌス級は皇国でも最強クラスの艦であるのに、何故当たらぬのだ‼︎砲はまだしも、弓もマスケットも当たらぬとはどういう事なのだ⁉︎」

 

射撃の神様連れてきたって、お手上げなのは間違いない。そんなに当てたきゃ、ヘルシングのリップヴァーン中尉連れてきなさい。

 

「また来るぞぉ‼︎伏せろォォォォ‼︎」

 

無慈悲な爆撃には伏せたところで意味はなく、甲板にいた兵士は炎に包まれるか、爆発に巻き込まれてバラバラになりながら空に舞い上がる。

雨霰のように降り注ぐ爆弾によって炎に包まれる、爆発するのは勿論のこと、キールがへし折られたり、一撃で分解したりもしていた。中には爆発で吹っ飛んだマストが別の艦に突き刺さり、それが原因で大爆発を起こして沈んだのもいた。

最早さっきまで威風堂々(笑)たる姿を見せていた艦隊は最早ただの材木となり、勇猛果敢の海の男達は肉片と血の塊となる。

 

「あぁ.......私の艦隊が.......最強の皇国機動艦隊が.......たかが、蛮族国家如きに討ち滅ぼされるなんて.......。悪魔だ、アイツらは悪魔だァァァァァァ‼︎」

 

艦隊司令は目の前で起きている現実に、精神が完全にいかれ絶叫する。その叫びの後にまた何かを叫ぼうとしていたが、その瞬間に爆撃され、完全にバラバラとなって魚の餌となった。

 

『こちらスカイノーズ。敵艦隊は全滅した。最早全ての敵艦は、原型すら留めていないぞ。皆、よくやったな。ミッションコンプリート、RTB』

 

 

 

「如何です?遥か未来の戦闘は?」

 

「いや、何というか.......。我々の想像を超越した世界でした。あんな戦術、今まで考えついた事もありません」

 

実はこの戦闘はスカイノーズ、もといE3鷲目のカメラ映像が素戔嗚尊に中継されており、マイラスとラッサンが観戦していたのである。

 

「何よりあの震電II。写真では幾度も見ましたし実物も見ましたが、まさかあそこまでのスペックだったとは.......」

 

ラッサンとマイラスが、自らの知識を当てはめた感想を述べていく。

 

「あの機体は前世界に於いても、艦載機としては世界最強でしたからね」

 

「そうでしたか。道理で、あんな無茶ができたのですね」

 

「えぇ。そうですとも」

 

説明に来ていた広報担当の少佐も、とてもご満悦である。

 

『これより本艦は予定通り大和型各艦、突撃戦隊、揚陸艦隊と合流し、フェン王国ニシノミヤコ沖の敵艦隊に向けて突入を敢行する。各員、持ち場につけ』

 

このアナウンス後、艦内中にアラームが鳴り響く。それに合わせて水兵達が忙しなく動き、自分の担当部署に走る。

 

「我々もブリッジに参りましょう」

 

少佐が2人をブリッジに案内する。ブリッジにつくや否や、目に飛び込んできたのは有り得ない光景であった。

 

「グレードアトラスター⁉︎」

 

「なんでアイツがここに居る⁉︎というか、なんでこんなにいるんだ‼︎」

 

2人が取り乱し、まるで世界の終末を目にしたような絶望の色に染まっている。艦橋の乗組員達も、取り乱し始めたラッサンとマイラスに困惑し何がどうなってるのかわからない。

 

「どうか落ち着いてください。一体何なのですか、そのグレードアトラスターとかいうのは」

 

艦隊司令官が心配し、声を掛ける。

 

「あ、アレは、グラ・バルカス帝国の戦艦です‼︎」

 

「ぐ、グラ・バルカス帝国?アレはどっちかっていうと、大日本帝国海軍の艦ですぞ?」

 

ここで両者の話が、見事なまでに噛み合っていないのに気付く。

 

「ラッサン落ち着け。よく見たら、少し違うように見える」

 

「マイラス殿、何なのですか?そのグラ・なんちゃら帝国というのと、グレードアトラスター?というのは」

 

「グラ・バルカス帝国というのは、列強国であったレイフォルを滅ぼした謎の新興国であり、グレードアトラスターというのは、そのグラ・バルカス帝国の戦艦でレイフォルを陥落させた兵器なのです」

 

「わかりました。結論から申し上げますと、アレはあなた方の言うグレードアトラスターとやらとは関係ありません。あの艦こそが我が国の戦艦の代名詞であり、今尚根強い人気を誇る戦艦、大和型前衛武装戦艦です」

 

「グレードアトラスターではないのですね。よかった.......」

 

グレードアトラスターでは無い事に一安心した2人であったのだが、すぐにまた驚く事になる。

 

「グレードアトラスターと同じなのと、この艦が有れば最強だな」

 

ラッサンがそうマイラスに言うが、マイラスは何も答えない。

 

「マイラス?」

 

「ら、ラッサン。俺は、幻覚でも見てるのか?大和型とか言った、日本版グレードアトラスターが4隻は居るんだが.......」

 

「そんな事、ある訳.......え?」

 

目の前にあった光景とは、素戔嗚尊の周りに集まる4隻の大和型である。しかも艦隊司令が更に驚きの発言をする。

 

「まだ後、もう4隻来ますよ」

 

「てことはグレードアトラスターが全部で8隻.......」

 

「なんなんだ、日本って国は」

 

最早、驚愕を通り越して呆れている。そりゃあ格下の列強国であったとは言え国を単艦で滅ぼし、もしやって来たら確実に自国も滅びるのは確実の「超兵器」とも言える艦が目の前に4隻いて、その内更に4隻追加されるのだから当然である。

 

「なんで少佐?大和型は一隻につき、幾ら掛かるのでしょうか?」

 

「そうですなぁ、えっと確か貴国との為替レートが100円=1000ムーラン(ムーの貨幣単位)ですから、大体30兆ムーランですな」

 

「「はい!?」」

 

2人が驚くのも無理はない。30兆ムーランとは、ムーの約15年分の国家予算に相当するのである。つまり極端に言えば「大和型を一隻建造する=15年間0ムーランで国家運営」という訳である。まあ流石に極端過ぎるが、それでも気が遠くなる程の時間を掛けないと建造予算を抽出できないのである。

 

「アハハ、30兆ムーランの戦艦が8隻。アハハ、アハハ、アハハ」

 

「ラッサンが壊れた.......」

 

【速報】ラッサン氏壊れる

まあ巫山戯るのはここまでにして、物語に戻ろう。

大和型8隻、突撃戦隊、揚陸艦隊と合流した旗艦「素戔嗚尊」以下、特別艦隊はニシノミヤコ沖の敵艦隊に向け航行していた。しかしそのすぐ近くには、先の海戦で生き残っていた竜騎士長と他20名が相棒のワイバーンロードと共に、どうしようかな悩みながら飛んでいた。奇しくも、二つの目的地は同じなのである。

 

『竜騎士長、辿り着けますかね?』

 

『わからぬ。だが何もやらないよりかはマシだ』

 

『竜騎士長、今からでも遅くありません。敵に突っ込んで、一矢報いてやりましょう‼︎』

 

若い竜騎士の一人がそう言う。しかし竜騎士長はそれを否定する。

 

『いやダメだ。お前の言う通りにするのが誉高きパーパルディア皇国の竜騎士隊ではある。が、しかしだ。敵の正確な位置が分からぬ以上、行ったは良いが何も成果が無くては犬死だ。それなら汚名を被ってでも生き残り、奴らが攻め入った時に一矢報いてやれば良い。仇討ちは生きてさえいれば、必ずできるからな。

それに私はニシノミヤコ沖の艦隊を放っておくとは思えぬのだ。運が良ければ、このまますれ違うやも知れぬ』

 

この予想は当たっていた。丁度、レーダーが竜騎士長の編隊を捉えていたのだ。

 

 

 

「司令‼︎レーダーに感あり‼︎速度からして、先の海戦での生き残りのワイバーンと思われます」

 

「如何なされますか?」

 

レーダー員の報告に、艦長が指示を仰ぐ。

 

「ふむ。あのワンサイドゲームを幸か不幸か生き残ったのだから、賞品を贈呈してやるべきだろう。そうだな、我が皇国の誇る戦艦群の威風堂々たる姿を見せるとしよう。艦長、ワイバーン部隊を誘き出してやれ」

 

「アイ・サー‼︎直ちにヘリを上げろ」

 

しかしレーダー員がそれを止める。

 

「艦長、恐らく何もしなくて大丈夫ですよ。我々の艦隊は対象の進路と被っているため、このままの航路で進めば向こうから来てくれます」

 

「そうか。ではそうしよう」

 

 

 

十数分後 

『竜騎士長‼︎前方に何か見えます‼︎』

 

『なんだ、アレは?確認する、各騎高度を上げろ』

 

さっきまで海面近くを飛んでいたため、高度を上げて確認する。そこに居たのは、あり得ない程大きな鉄の船が航行している様であった。特に先頭にいる艦は、一際大きく小さな島をそのまま動かしている様であり、それ以外の艦も砦を浮かべたように大きいのである。

 

『デケェ』

『なんだアレは.......』

『砦が浮いている.......』

 

『一体どこの、まさか‼︎ムーの艦隊か⁉︎』

 

他の部下達が呆気に取られている中、竜騎士長は最悪の想定を打ち出す。パーパルディア皇国は列強国に名を連ねてはいるものの、列強の順位としてはドン2の第四位である。対してムーは第二位の国家であり、ムーが介入しているとなると勝つのは不可能なのである。

しかし知っての通り、竜騎士長の推測は見事なまでに外れている。まだムーならよかったのだ。そう、ムーなら(・・・・)。悲しい事に目の前にいるのは、そのムーですら勝つ事は不可能であり、世界最強の軍事力を持つ国だったのだから笑えない。

 

 

 

「通信兵‼︎各艦に下令、「大旗を掲げよ」以上だ」

 

「アイ・サー‼︎」

 

通信兵が各艦に伝達し、程なくして艦側面に巨大な旭日旗が掲げられる。更には総旗艦たる素戔嗚尊には、旭日旗の代わりに両側面に巨大な錦の御旗が掲げられる。

 

『あ、アレは、大日本皇国軍だ‼︎』

 

竜騎士長が絶叫する。思いもしなかった敵が現れ、興奮しているのは言うまでもない。

 

(まさかムーは蛮族国家に兵器を売りつけ、それで代理戦争をするつもりが⁉︎小癪な‼︎)

 

いや、だから違うって。

 

『各騎、導力火炎弾用意‼︎準備でき次第発射せよ‼︎』

 

竜騎士長は「代理戦争」という仮説を一度仕舞い込み、目の前の敵に集中する。部下達も「仇討ちだ‼︎」と意気揚々と発射体勢を指示し、準備に取り掛かる。しかしそんな事を許される筈もなく、艦隊司令が号令を掛ける。

 

「全艦対空戦闘配置‼︎主砲射撃準備、時雨弾装填‼︎目標、敵ワイバーン部隊‼︎」

 

命令がどんどん伝達されていき、狙える位置にある砲に時雨弾が装填されていく。

 

「方位、045。仰角25.6度。撃ち方よーい‼︎」

 

「用意完了まで3、2、1。発射準備よし‼︎」

 

「全砲門開け。てぇ‼︎」

 

艦隊司令に合わせ、砲術員が発射のトリガーを引く。その瞬間、主砲が轟音と共に一斉射する。

 

 

ドゴォォォォォォン

 

 

その音たるや、雷鳴の如し。竜騎士隊も余りの轟音に驚き、ワイバーン達も暴れ出す。それを宥めようとした瞬間、全員が意識を失った。時雨弾とは設定集でも書いていたが、対空専用の砲弾である。砲弾の中に小型対空ミサイルが搭載されており、目標手前で起爆し子弾のミサイルが敵航空機に襲いかかるのである。そのミサイルが厄介で飛行時間がクソ短い代わりに、強い破壊力を有している。そのため、本来であれば一発で現用機10機以上を叩き落とせる性能を持っている。因みに最高記録は、一発で驚異の37機である。

今回はそんなとんでもない砲弾を、合計で119発発射されている。避ける事などワープでもしないと不可能であるし、何より竜騎士隊はそもそも何が起きたのかを知る事なく消し飛ぶ。ワイバーンを宥めるために見た手綱やワイバーンの体が最後に見た景色となり、死んだ事すら理解できずに逝ったのだった。

 

「目標消失、戦闘終了」

 

「マイラス、何が起きたかわかるか?」

 

「いや、ただ何かが爆発した事以外は分からん。ただ、それ以外で一つ分かった事がある」

 

「奇遇だな、俺もだ」

 

「「大日本皇国を敵に回したら、国一つなんて簡単に消し飛ぶ」」

 

マイラスとラッサンは完璧に理解した。さっきまでは、まだ何処か心の奥底で「日本に勝てるやも知れない。何が何でも弱点を見つけてやる」と考えていたが、この砲撃を見てそんな考えは根底から瓦解した。本能、頭、心の全てで「大日本皇国はヤバい」と言うのを嫌でも理解させられたのである。

 

 

 

 

 

*1
早期警戒機の事。Airborne Early Warning(早期警戒管制)の頭文字から来ている。エースコンバットシリーズではお馴染みのAWACS、例えば7のロングキャスターとかバンドック、4のスカイアイ、5のオーカ・ニエーバ等と意味は大体同じ。実を言うとこの二つの線引きは曖昧であり、一般的には乗員が多く、管制処理能力がより高いものがAWACSと呼ばれる。




それではアンケートの内容について説明させて頂きます。この作品を書いていて「皇国海軍の艦って漢字が多くて見にくくね」と思いました。例えば「総旗艦素戔嗚尊」とかって、漢字多くて見にくいですよね。他の国の艦、例えば「戦列艦バウアー」とかなら見やすいんですけど、皇国の艦はどうしても見辛く思います。そこで今回の話で試験的に何ですが、艦名の所に「」をつけて見ました。今の所は総旗艦だとか戦艦だとか、艦級や艦名が繋がっている場合でセリフ以外で使っています。これをどうするべきかのアンケートを取りたいと思いますので、ご協力をお願いします。(特に期間等は決めておりません)
何かご不明な点がございましたら、コメントの方で返答させて頂きます。
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