最強国家 大日本皇国召喚   作:鬼武者

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BF2042が楽しいんじゃ〜い


第三十話やって来た使節団

三週間後 日本海上空

『間もなく、大日本皇国の領空に入ります。なお同国の戦闘機が2機、我が機の着陸誘導につく予定となっております。戦闘機が飛来してもご安心下さい』

 

「長かった!あと2時間ちょっとで到着しますね」

 

現在、神聖ミリシアル帝国とエモール王国の合同使節団はミリシアルの保有する小型旅客機、ゲルニカ35型に乗って福岡空港を目指して飛行していた。第一文明圏にあるミリシアルのゼノスグラム空港から長い時間かけてやって来たわけで、使節団員にも疲労の色が見えていた。

早速だが、ここで合同使節団のメンバーを紹介しよう。

 

神聖ミリシアル帝国使節団

・外交官 フィアーム

・情報局員 ライドルカ

・軍務省軍務次官 アルパナ

・技術研究開発局開発局長 ベルーノ

 

エモール王国

・外交担当貴族 モーリアウル

・軍務担当貴族 コーナハカ

・空間占い師 アレースル

 

以上である。因みに前回のコメントでも多数の読者にたくさん書かれていたが、今回のエモールの使節団派遣というのは日本以外の世界中の国家を騒がせている。というのもエモール王国、というよりはその民である竜人族というのがとてもプライドが高く、外交も「用があるなら、そっちから来やがれ」というスタンスで自分から外交に行くという事はそうそう無い。まして、新規の国交開設に乗り出す等あり得ないと言ってもいい。

そんな半鎖国状態である隣国から、まさかの「ウチの使節団も同行させてくださいな」と来たミリシアルの外務省は大騒ぎであった。最初は外務省の全職員が信じず、最初の連絡を受けた大臣も「え?あの、冗談とかではないですよね?」と返した程。しかも派遣する使節団員のメンツに、本来なら外交とは無縁の空間占い師アレースルが出てきているのでも波紋を呼んだ。

 

「ほう、8機も誘導に残すとは。よもや、その皇国の空は危険なのか?というか、ワイバーンでは無いのだな。戦闘機を持っていた事自体驚きだが、流石ムーの恩恵を受けているだけはある。パーパルディアに勝ったのは自国の力、とでも言わんばかりの振る舞いだが実際はやはりそういうカラクリだったのだな」

 

最早、フラグとしか言いようの無いアホな事を言っているフィアーム。因みにフィアーム、こんな口調だが一応女性である。

 

「フィアームさん、皇国に対しては「文明圏外の蛮族国家」なんて先入観は無しに接した方がいいかと思いますよ。何せ列強であったパーパルディア皇国を、壊滅させて前身の共和国にまで戻したんですから。

それに、あのエモールが国交開設に自ら動くような国家です。舐めてかかったら、痛い目を見ますよ」

 

情報局員のライドルカがそう言うと、フィアームは鼻を鳴らしながら「わかっておる」と不機嫌そうに答えた。これ以上は外交官のプロであるという、彼女のプライドを傷つけ兼ねないので何も言わなかった。

一方席が変わって、となりの列に座るエモール使節団の面々。さっきの放送に関して、色々話していた。

 

「これは見なくてはならぬな」

 

「えぇ。我々は空間の占いの結果こそ知っておるも、その軍事力は計り兼ねますれば」

 

「アレースル殿には申し訳ないが、軍務担当貴族の立場としては早晩信じられぬ事だ。ワシとて、空間の占いの精度やアレースル殿の技量は知っておるが、どうも信じられませぬ」

 

各々の感想を言い合っていると、窓から入る日光が数回何かに遮られた。暗くなったり明るくなったりする機内に、全員が窓の外を見渡す。窓の外には濃い灰色の塗装を施され、機体そのものが滑らかな形状をした航空機が並走していた。

 

「な!?プロペラが無いぞ!!あの空気取り入れ口は.......。ま、まさか皇国でも魔光呪発式空気圧縮放射エンジンを実用化しているのか!?」

 

「しかもあれは後退翼ですよ後退翼!!速度が音速を超えた場合に、翼端が超音速流に触れないために考え出された翼型ですよ!!我が国では研究開発どころか、まだ理論段階のものです!!それが実物として、よもや此処で見れるとは.......。アルパナ殿、あれは設計思想がしっかりしているなら、ほぼ確実に音速を超える速度を叩き出しますぞ!!!!」

 

アルパナとベルーノが大興奮している。何故かベルーノに関しては、軽くムーと日本のミリオタ代表(神谷&マイラス)と同じ匂いがするのは気のせいだろうか?

一方騒がしいミリシアルとは対照的に、エモールの方は静かだった。

 

「アレースル殿、見覚えはありますか?」

 

「否、あれは違う。が、似たような力を感じる」

 

「しかし何なのだアレは。ミリシアルやムーの物とは似ても似つかぬ、見た事ない兵器であるな」

 

モーリアウルがアレースルに聞くも違うと言う。コーナハカは窓の外の航空機を観察し、その現実離れした機体に美しさすら感じていた。しかし今度は、もっとビックリする事が起きた。

 

『神聖ミリシアル帝国、エモール王国の合同使節団の皆様。長旅ご苦労様でした。こちらは大日本皇国空軍、第123戦術飛行隊所属のAWACS。コールサイン、ロングキャスター。ここからは福岡空港まで私と、機体の右翼に展開しているストライダー隊、左翼のサイクロプス隊が誘導させてもらいます』

 

なんといきなり機内のアナウンスに、聞いた事もない単語がバンバン流れてきて、パイロットかと思いきや「ロングキャスター」という聞いた事のない名前が出てくる。こんなの驚くなという方が無理である。というか何なら、軍隊に詳しくない人が聞いても意味がわからないだろう。

因みに隠す必要もないが、元ネタは某エースなコンバット7のスカイズでアンノウンにて、主人公が所属する部隊である。「どっちも俺の好物だ」って言ってた奴です、はい。

そのままゲルニカ35型はストライダー、サイクロプス両隊とロングキャスターに誘導されて無事福岡空港に着陸。合同使節団は第302保安警務中隊による栄誉礼と、陸軍中央音楽隊によるミリシアルとエモールの国家演奏を以って迎えられ、ホテルへと移動。日本の文化や簡単な歴史、最低限のマナーといった事をプロジェクターで流してもらって、その日は旅の疲れを癒してもらい翌日から本格的に話し合う事となった。

 

 

 

合同使節団チェックイン直後 日本縦断リニア ロイヤルグリーン車

「そうか、わかった。今チェックインしたってよ」

 

ふぉうか(そうか)

 

「にしてもまあ、何であのエモールまでもが国交開設に自分で来るんだ?ミリシアルはまだしも、あっちは結構な選民思想が色濃い国なんだがなぁ」

 

ふぁあ、ふぃにふんな(まあ、気にすんな)ふぃふぁふにふぃふぁふに(気楽に気楽に)

 

「それもうだな。ってか浩三テメェ!!食うか喋るかどっちかにしろ!!!!」

 

そう。今まで浩三は昼飯に運良く買えた、日光埋蔵金弁当(日本一高い駅弁。お値段なんと一個18万円なり)を頬張りながら喋っていた。正直今回の件は、基本的に面倒事は神谷にないので気楽な里帰り気分なのである。因みに神谷は育ちこそ東京なのだが、生まれは福岡の北九州で小学校まではそこに居た。まあ今回は市内で、北九州は通過地点で寄らないのだが。

 

「あ、じゃがりこ食う?」

 

「食う」

 

「ポテチのうす塩、ピザポテト、堅あげポテト、ジャガビー、サッポロポテトのサラダとBBQ味もあるぞ?」

 

「全部貰うけど、全部ポテト系じゃねーか!グミとか雨とか、チョコとか煎餅とかないの?」

 

「とんがりコーンとポリンキーもあるぞ」

 

「いや全部貰うけどさ、お前どう見ても遠足行く小学生か修学旅行の学生やぞ。お前アレじゃん。お菓子交換で、めっちゃ人気になるヤツでお菓子屋みたいになる奴じゃん」

 

どう見ても今から国の命運を左右する大事な交渉しに行く、超エリート街道のコースをぶっちぎりで走ってる男達の会話ではないが、コイツらだから仕方ない。

その後、神谷達日本の代表は福岡入りして翌日の会談に備えた。翌日の会談はまず話し合いの前に、食事会として様々な旧世界の料理が出された。イタリア、フレンチ、中華、トルコ、和食と基本的な料理が一通り出されていた。腹も膨れたところで、いよいよ会談が始まった。

 

 

「神聖ミリシアル帝国、エモール王国の合同使節団の皆様。本日は遠路遥々お越し頂き、本当にありがとうございます。私は今回の会談の担当をさせてもらいます、大日本皇国外務省の特別外交官、川山慎太郎と申します。そしてこちらが」

 

「初めまして。大日本皇国統合軍、総司令長官の神谷浩三と申します。軍事関連での説明は、私が担当いたしますのでお見知り置きください」

 

「これはご丁寧な挨拶、痛み入ります。神聖ミリシアル帝国外務省の外交官にして、ミリシアル側使節団の団長を務めておりますフィアームと申します。流石はエモール王国が国交開設に動き、パーパルディア皇国を降した国家だと恐れ入りました。

ところで川山殿。これからの我が国の外交は、貴殿が担当するという認識でよろしいでしょうか?」

 

「はい。但し平時の担当は別の者が担当すると思われます。私が貴国と関わるのは国交開設前後と、無いとは思いたいですが何かしらの戦争が関わる場合や災害時といった、緊急時や有事の際に担当すると思います」

 

「そうですか。では、川山殿。こちらをお納め頂きたい」

 

そう言うとフィアームライドルカとアルパナに手伝ってもらって、レジ打ち機のような物を取り出して机の上に置いた。まさかの物が出てきた事に、川山と神谷は「え?」という顔をしていた。

 

「これは我が国で開発された、一瞬で演算するための魔道具です。これを使用すれば、桁の多い掛け算や割り算であっても一瞬で答えを導き出せます」

 

「贈り物までご用意頂いて、恐れ入りますフィアームさん。大事にさせて頂きまっ、重ッ!」

 

「計算能力の速さは、産業のスピードに直結します。重さは14kgと重いですが、大変な事務作業も楽になるでしょう。我が国では非常に高価な物ですので、お喜びいただけるかと思い持参しました」

 

プレゼントの名を打っているが、要は自国の科学力、ミリシアルの場合は魔法力?を誇示するためのこじ付けである。

 

「演算処理装置のスペックが高い程、産業の発展の加速力が上がるのは全く仰る通りです。演算能力は産業どころか、軍事や経済などにも影響を及ぼすでしょう。我が国にも電子卓上計算機、通称「電卓」と呼ばれる物があります」

 

そう言いながら、川山は懐からスマホを取り出して机の上に置く。

 

「これはスマートフォンという端末でして、電話にもなりますし、電卓や辞書、ゲーム機にもなります。計算については我が国も力を入れておりまして、我が国のスーパーコンピューターは一秒間に5000阿僧祇(あそうぎ)回計算でき、さらに量子コンピューターになると、先程のコンピューターが1万年かかる計算を0.01秒で終わらせてしまうものもあります」

 

「まあ、これらのコンピューターはあくまで学術研究や、実際にやると被害や予算が凄すぎてできない物をシミュレートしたりする物です。そのスマートフォン、我々は略してスマホと呼んでいるのですが、内蔵されている超大規模集積回路、通称LSIの単純な処理性能だと1秒間に756億回の計算が可能となります。

因みに我が軍で保有する47式指揮装甲車には、1秒間に1京回の演算能力を持つコンピューターを標準搭載していますよ」

 

川山の説明に神谷が付け加えて説明するが、全員ポカーンである。というか大半が何を言っているか理解できていない。正直彼女らの目には、スマホは「なんか光る謎の薄い板」くらいにしか見えていない。そんな得体の知れない板が、自国では高価な計算機を遥かに凌駕しているのだからイメージしろという方が無理であろう。

顔を真っ赤にして、俯いたフィアームにライドルカらは「あちゃー」と思いながら苦笑いしていたそうな。

 

「さて、それでは本題に入りましょうか。まず今回のご来訪の目的は我が国との国交開設、およびそれに付随する各種条約などの取り決め。神聖ミリシアル帝国の皆様は、これに加えて先進11ヵ国会議への参加に関する流れや詳細の説明。お間違いありませんか?」

 

「はい」

 

「我が国も同じく」

 

「わかりました。それでは会談を始めていきましょうか」

 

こうして会談は始まった。しかし内容は終始穏やかなもので、特に取り沙汰する事もなかった。そして舞台は東京へと移り、フィアームは大日本皇国の皇居へと足を踏み入れた。目的は勿論、先進11ヵ国会議の説明であり、今回は天皇陛下の御前で三英傑を交えてする事となった。因みに他の団員達は東京観光をしている。

 

 

 

皇居 宮殿

「あ、あの川山殿。天皇陛下とは、一体どのような方なのですか?」

 

「神です」

 

「はい?」

 

「神です。嘘や冗談ではなく、本当にこの国を作ったとされる神の子孫です」

 

まさかの回答に、最初の頃の威勢は完全に消え去っている。大真面目に「今から会う人は神様だよ」と言われて、「はいそうですか」となる方が結構ヤバいので普通の反応である。

 

「三英傑の諸君、観艦式の時以来だね」

 

「天皇陛下におかれましては、本日もご機嫌麗しく存じます」

 

「世辞はいいよ。一色くん、というより君達はあまりそういうキャラではないでしょう?」

 

「ハハ、やはり陛下には敵いません」

 

フィアームさん、完全に固まる。さっきは神だ何だと言われていた人を前にしているのに、一応国の中核を担う人達とはいえ普通に話している。でもって天皇陛下自体も、神々しい存在というよりは普通の優しそうなお爺さん、という風にしか見えない。この状況が彼女をますます混乱させる。

 

「貴女が、神聖ミリシアル帝国から来たという外交官。確か名前は、フィアームさんと言ったかな。長旅、お疲れでしたでしょう。本当なら他の使節の皆様にも面と向かってお伝えしたいのですが、貴女の方から是非お伝えして頂きたい」

 

「は、はいっ!」

 

「そう固くならずに。肩の力を抜いて、そうだ。お茶でも飲みながら、ゆっくりお話を聞かせてください。おーい、誰か!お茶の用意を」

 

天皇陛下がそう命じると、すぐに英国式のティーセットが用意される。そんな感じでフィアームをリラックスさせながら、先進11ヵ国会議の概要が説明される。

 

・先進11ヵ国会議は2年に1度開催される。

・次回開催はおよそ1年後、中央暦1642年4月22日である。

・世界に多大な影響力を及ぼす事の出来る大国のみが出席を許可され、今後の世界の運営方針について議論を行う。

・世界中の国々が、同会議には注目しており、大日本皇国が出席すれば、世界に大国として認識され、国益にもかなうと思慮される。

・参加国は、世界運営について、新たな意見を述べる事ができる。

・第三文明圏については、今まで固定参加1か国(パーパルディア皇国)、持ち回り参加1ヵ国の計2か国であったが、今回は固定参加国を大日本皇国にしたい。

 

「開催までたった1年しかない事は、大変申し訳なく思っております。ですが世界に大国として認識されるのは、貴国としても国益に適うと思われます。今までは第三文明圏唯一の列強としてパーパルディア皇国が参加していたのですが、貴国が解体したため、我が国は貴国を列強国と認め第三文明圏、そしてこの第三文明圏外国を含めた「東方国家群」の代表として、是非とも先進11ヵ国会議にご参加頂きたい」

 

「そうですか。................一色くん、この件は個人的にどう思いますか?」

 

「私個人としては、参加を強く希望します。神聖ミリシアル帝国とは、旧世界で言えばアメリカと同等の発言力を持ちます。またこの会議は、旧世界での国連です。参加してそれが我が国に悪疫を齎すとは、私は思えません」

 

「わかりました。それにしても「東方国家群の代表」か。まるでかつて我が国の掲げていた、大東亜共栄圏のようですね」

 

フィアームはまたしても、謎の単語にはてなが浮かぶ。それを察したのか、天皇陛下が解説を行う。

 

「我が国が今から100年ほど前、戦争をしていた当時の情勢ですが、まず我が国のいた地域はアジアと呼ばれており、欧米と呼ばれる地域の列強国に植民地支配を受けていました。我が国は唯一アジア圏の列強であり、「ならばその状況を打破しアジア圏での共存共栄による経済圏を作り上げよう」という考えが広まりました。それを「大東亜共栄圏」というのです」

 

「そんな事をされていたのですね。それならば、なおさら国益に適うのでは?」

 

「えぇ。一色総理。今回の一件は、私の名の下に許可いたします。すぐに関係各所との調整に入ってください」

 

「御意!」

 

念の為言っておくが、某フリーランス外科医の医療ドラマの「御意のポーズ」はしていない。その後はお茶会へとシフトしていき、翌日の軍事関連の案内になった。メンバーは以下の通り

 

日本

・神谷

 

ミリシアル

・アルパナ

・ベルーノ

 

エモール

・コーナハカ

・アレースル

 

 

 

横須賀鎮守府 地下ドック

「さあ、こちらが我が国の誇る艦隊です」

 

一行は神谷によって地下ドックを一望できる、管制指揮所に連れてこられた。眼下に広がるのは熱田型、赤城型、大和型を筆頭とする皇国海軍が世界に誇る日本を護る海の強者達の佇む姿である。

 

「なんだこれは!!我が国のミスリル級よりも巨大ではないか!!!!」

 

「あ、あれはグレードアトラスター!?!?何故グラ・バルカス帝国の戦艦が、遥か東の皇国にあるんだ!?!?!?!?」

 

「なぬ!?あれが、レイフォルを滅ぼしたとかいうグレードアトラスターか!?!?!?」

 

使節団の皆さん大興奮中である。しかしアレースルだけは驚きの余り、固まっていた。空間の占いで見た航空機が大量に並んでいたからである。

 

「ベルーノさん、あれをグレードアトラスターなんてパチモンと一緒にしないでやってください。あの戦艦は我が大日本皇国が帝国だった頃、帝国の威信を懸けて建造された当時の最大最強の戦艦、大和型超弩級戦艦なんですから」

 

「ヤマト?グレードアトラスターではないのですか?」

 

「違います。我々も知った時は「大和と瓜二つだ」と大騒ぎでしたが、我が国の大和型とは全くの無関係です。彼方さんのは大和型の原型、言うなれば超弩級戦艦だった頃に近い武装です。しかし時代と共に戦争の形態は一新され、大和型もそれに合わせて変化してきましたから今のとは結構違うんですよ」

 

「一体何が違うというのですか?」

 

「何もかもです。例えば戦艦の顔たる主砲は、当時46cm三連装砲でしたが現在は510mm三連装砲に変更されてますし、対空砲も当時は人力で照準や射撃をしていたのを、現在では戦闘指揮所で一括管理でき、対空射撃はレーダー情報をコンピューターが瞬時に脅威度を測って、勝手に迎撃してくれます。速力も上がり、各種ミサイル兵器、そちらで言うと誘導魔光弾に相当する兵器を相当数搭載しています。正直、建造当初の頃とは外見しか似ていないと言っていいほど、中身は化け物に仕上がっているんですよ」

 

全員がぶっ飛びすぎた内容と、謎の単語の羅列に頭がパンクしていた。しかしアルパナが、誘導魔光弾という単語を思い出し神谷に鬼気迫った感じで聞いてくる。

 

「誘導魔光弾の情報を一体何処で手に入れた!?!?!?」

 

「おっと、落ち着いてください。誘導魔光弾とは言いましたが、そちらの知る誘導魔光弾は、魔法技術で作られているのでしょう?我々の使用する誘導魔光弾、ミサイルは科学技術によって製作されていますし、最初に実戦投入されたのは、それこそ大和が活躍していた1943年のドイツと呼ばれる国が使用したのが始まりです。今から大体100年前ですね。そんな訳で、誘導魔光弾の仕組みやその他の中核技術は「多分こんなのが使われたんじゃないの?」程度の予想しかできないのが現状です」

 

またも全員が固まった。しかし今度は、さっきまで一言も喋らなかったアレースルが口を開いた。

 

「神谷殿。あそこに見える、あの兵器はなんだ?恐らく、航空機だとは思うのだが」

 

「あれは我が国の多目的戦闘機、F8C震電IIです。航空母艦と目の前の超巨大戦艦、それから航空戦艦に艦載機として搭載されます。あれはC型と呼ばれる艦載機タイプで、A型が空軍使用、B型が垂直離着陸機能が搭載されたタイプとなります」

 

「そうであるか。ところで、貴国の持つ戦艦はあの戦艦が最大か?」

 

「?えぇ。保有する戦艦、というか軍艦で一番巨大なのは熱田型しかないですが.......」

 

「貴国は五連装砲を持つ、さらに巨大な軍艦を持っているのではないか?」

 

「いえ、そのような艦は持っておりません。おっと、時間ですね。次は陸軍の方を見に行きましょうか」

 

この時の神谷は顔にこそ出していなかったが、内心では心臓バクバクなうえにアレースルに飛び掛かってそのまんま拷問でもしてやろうか、という考えが頭によぎる程に取り乱していた。というのもアレースルの言う「五連装砲の軍艦」というのは、日本に存在する。それもこの横須賀に。読者の皆は、川山と神谷がムーに行く話を描いた「第五話ムーとの国交と大波乱の軍祭」にて、『仮称513号艦』と呼ばれた秘匿艦が出てきたのを覚えているだろうか?

この『仮称513号艦』こそが、アレースルの言う「五連装砲の軍艦」なのである。この艦の存在は関係者以外には存在を隠されており、軍関係者も神谷を始めとする上層部しか知らない。しかしどういう訳かアレースルがそれを知っており、思わず機密保持のために殺そうという考えが浮かんだのである。

 

「ところでアレースル殿。何故、五連装砲の軍艦を持っていると考えたのですか?」

 

「空間の占い、というのをご存知か?いや、その顔では知らぬのだな。空間の占いとは、我がエモール王国にのみ伝わる儀式魔法である。この魔法は空間の神々に許しを得て未来を視る魔法で、この大日本皇国が映し出されたのだ。私はそれを行なった立場の人間だが、先の震電IIという航空機と五連装砲の軍艦とアツタ型という戦艦の姿もあったのだ。

それ以外にも航空機を何百機も収容する超大型航空機、大地を疾走する巨大な鋼鉄の塊、二本の足で大地を踏み締め破壊の限りを尽くす鋼鉄の巨人があった。これらに心当たりはあるか?」

 

「いや、というかそれ全部、持ってます。恐らく順番に空中空母『白鯨』、戦車、メタルギアと呼んでいる兵器です。因みにこれら全てが、例のパーパルディア皇国との戦乱で使用された兵器ですよ」

 

更にヤバい兵器群を保有していた事を知り、アレースル以外は完全に驚くのを通り越してドン引きしていた。この後の視察でも見事なまでにドン引きし続け、視察が終わる頃には全員死んだ魚の様な目をしていた。しかしコーナハカだけは、一つだけ疑問があった。

 

(そう言えば、統合軍ってまだ見ておらぬな)

 

そう。これまで見てきたのは陸、海、空、海軍陸戦隊、特殊戦術打撃隊の5つで、統合軍というのは一度も見てないのである。そこでバスでホテルに向かう最中に、神谷に質問しに来た。

 

「あぁ、統合軍というのはさっきまでの5つの軍隊と、後いくつかの組織が合わさって統合軍と呼ばれる組織になるんです。と言っても実感が湧かないでしょうから、簡単に説明しましょう。

まず頂点に君臨するのが全体の作戦を統括する「統合参謀本部」があって、その下にさっき言った5つの軍隊の参謀本部と兵器開発局、宇宙作戦本部、広報局、統合軍諜報局「JMIB」、特殊作戦統括局、災害対策局、科学研究局があり、その下に実働部隊が続いていくのです。これら全てを引っくるめたのが、統合軍となるのです」

 

「宇宙作戦本部、特殊作戦統括局、災害対策局というのは何でしょう?」

 

「宇宙作戦本部とは先程の視察中にも話した人工衛星、そちらでいう僕の星を管理する部署です。特殊作戦統括局は特殊部隊という、高度な訓練を積んだ部隊が行う作戦を統括し、管制する部署です。災害対策局というのは我が国がほぼ一年に一回何かしらの大きな災害が起こる程の災害大国である事から生まれた、災害時の部隊派遣や救援活動の立案、各方面との交渉や打ち合わせを担当する部署になります」

 

因みに皇国の特殊部隊は陸軍に特殊作戦群(SFGp)*1、冬季戦技隊*2、中央特殊武器防護隊*3、中央即応師団*4、中央即応師団特別作戦班*5、飛行強襲群(FAGp)*6国家憲兵隊*7。海軍に特務輸送隊*8、特別警備隊(SBU)*9、戦闘突撃舟艇隊*10。空軍に特殊航空輸送隊*11。海軍陸戦隊に先遣陸戦隊(IJM)*12が存在している。え?義経がいないって?アイツらは本当に知っている奴が極小数で、特殊作戦統括局には配属されていないからノーカン。

これより一週間後、使節団は無事帰国の飛行機に乗って帰っていった。

 

 

*1
テロ対策、浸透偵察、破壊工作を行う特殊部隊

*2
雪山での活動に特化した部隊

*3
対NBC兵器のプロフェッショナル。地下鉄サリン事件、東日本大震災と言った最悪の現場を乗り越えてきた世界的にもトップクラスの実力を持つ部隊

*4
世界中、15時間以内に展開できる能力を持った部隊。師団となっているが装備や配備されている部隊編成から見ると、戦闘団に近い

*5
中央即応師団に先立った偵察や破壊工作、或いは単独での人質救出などの任務に従事する

*6
第一空挺団などを隷下に持つ、空の神兵達が集まる部隊。船への強襲攻撃の上で、船舶の機能を奪取したりする自他ともに認める蛮族戦闘集団

*7
警察と連携し、テロ対策と人質奪還に従事する部隊。フランスのGIGNに近い

*8
特殊部隊仕様に改修された潜水艦を使う部隊。特殊部隊の海の足となる。

*9
不審船に対応する専門部隊。海軍の各艦に配備される立ち入り検査隊の訓練を行も行う

*10
専用に開発された特殊舟艇で、部隊の回収や近接火力支援を行う部隊

*11
日本版ナイトストーカーズ。しかし元ネタのナイトストーカーズパイロットから「お前ら人間じゃねぇ!」と突っ込まれる位には、練度がバカ高い

*12
日本版Navy SEALs。潜水能力が高い兵士で構成されており、その力量は素潜り漁師顔負けである。また訓練が厳しい事でも有名で、本場Navy SEALs隊員達が訓練を受けた結果「crazy demon」と言い残して倒れたという逸話がある

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