川山「それでは、早速本編行ってみましょう。因みに今回の作品は、どちらもパラレルの世界に当たる出来事の為、今後の作品の展開に影響はありません。もう主が書きたいから書いただけの代物なので、適当にお楽しみください。それでは、どうぞ!」
一色「てかさ、神谷は?アイツ、本作の主人公じゃん。なのに、新年一発目の挨拶にいないってどうよ」
川山「なんか、エルフ五等分の花嫁に捕まって動けないらしい。まあアイツ、今回出番多いから良いんじゃね?まあ、お客さんのキャラが濃すぎて薄くなってるけど」
一色「アイツ、何をした」
その頃の神谷邸
神谷「誰かー助けてー。エルフ五等分の花嫁が、俺の身体にしがみついててベッドから出れない!!というか豊満な肉体が押し付けられて、そろそろ神谷の神谷が暴発しそうなんですけど!!姫初めになるんすけど!!」
主「まあ、頑張って。この作品がR18指定されない様に、耐えてくれ」
2030年 12月某日 カロリン諸島
「ウェイポイント9通過。カロリン諸島です」
「予定通りだな。あー、帰ったら報告書作らんといかーん!帰りたくねー!!」
そう言いながら、黒いメタルギア ・ライジングの雷電みたいな戦闘服を着た男が頭を抱える。
「総隊長、さっきからそればっかっすね」
「いつもの事だが、もう少し仕事は減らしてもらえんものかねぇ?」
「確かに。あの調子じゃ、すぐに老け込んじまいますよ」
パイロット達は、そんな男の姿を尻目に機体を操縦する。この「総隊長」と呼ばれている男こそ、17歳という若さで艦娘を有する新・大日本帝国海軍の連合艦隊司令長官にして、秘密特殊部隊である海上機動歩兵軍団「霞桜」の頂点に君臨する者。長嶺雷蔵、その人である。
で、何故、長嶺がこうも頭を抱えているのかというと、先程まであった戦闘が原因である。長嶺の指揮する江ノ島艦隊は、さっきまでソロモン諸島に巣食う深海棲艦への反攻作戦を行っていたのである。勿論作戦は大成功に終わり、深海棲艦も殲滅された。しかし報告書書きやら、その他いろいろな執務がある訳で、その事を考えた結果がコレである。
「ん?機長、あの雲は何ですかね?」
「あ?.......何だありゃ」
パイロット2人の視線の先には、紫色の雲があった。普通に考えて雲の色は、白か灰色だろう。煙なら分かるが、ここは洋上の上。周囲に陸地は無く、船舶の類も無い。というか煙でも、紫色の物は早々お目に掛かれる物でない。
「なぁ、アレなんか広がってないか?」
「ですよね。ヤバくないですか?」
「ヤバイな。総隊長!」
長嶺がコックピットに入ると、その第一声もやはり「何じゃこりゃ!」であった。
「紫色の曇って、ファンタジー世界でも見れる物じゃねーぞ。取り敢えず、進路を別の方向に飛べば、うおっ!!」
次の瞬間、機体が激しく振動する。しかも窓の外が紫色に支配され、警報が鳴り響く。
「推力低下!!高度落ちてます!!!!」
「機体を安定させろ!!って、クソッ。操縦桿が重い!このっ!!!!!!」
機長が渾身の力で操縦桿を引くが、殆どビクともしない。警報も耳が痛くなる程に鳴り響き、その内計器類も狂っていく。
「他の機体からもワーニングコール!!!どの機体も同じ状況です!!!!!!」
「一体何がどうなってんだ!!!!」
長嶺も現実離れした光景と、この緊急事態に驚きが隠せない。そして今度は落雷にあったのか、爆音が鳴り響き窓の外が真っ白になる。光が晴れると、そこは洋上だった。
「す、推力戻りました。計器類、ウェポンシステム、無線も異常ありません。いや、長距離無線通じません!!」
副機長が叫ぶ。機長と長嶺も確認してみるが、周りの僚機との無線は繋がる。しかし長距離の無線は、何処に掛けても不調である。
「な、なぁ。なんか、水平線が遠くなってないか?」
機長が自分の目を疑いながら、消え入るような声で言った。確かに言われてみれば、遠い気がする。しかし、異変はこれだけじゃなかった。僚機の内、右翼の一番外側にいる機体から「南鳥島が見える」と報告が入ったのである。
カロリン諸島から南鳥島となると、約3,000km離れている。確かに今、霞桜の隊員達、それから作戦に参加した艦娘とKAN-SENを乗せている航空機、戦域殲滅VTOL輸送機『黒鮫』は最高時速マッハ6を誇る機体だが、それでも数十分は掛かる。それにさっきはマッハ2しか出ておらず、現実的に考えて移動は不可能。この事実に皆混乱していた。
同時刻 南鳥島沖 洋上 原子力航空母艦『祥鳳』 艦橋
「艦長!レーダに感!!所属不明機が、本艦隊近辺を飛行中!!機数、200機を超えます!!!」
「竜の類か?」
「いえ、速力マッハ2!!反応が微弱であり、ステルス機の可能性極めて大!!!」
この報告に艦長は驚いた。この世界に於いて、音速を超える機体は現時点で日本しか保有していないのである。え?今の時代、何処の国家も音速を超える機体を軍が保有してるって?そう。確かに今の時代で、音速を超えない航空機を持たない空軍は居ない。戦闘機は必ず音速を超えた速度で巡航するし、音速を超えない事には土俵にも上がれない。
しかしこの世界は違う。この世界は異世界であり、中世ヨーロッパから現代(大体第二次世界大戦くらい。一部、現代と同レベルの技術もある)までの、幅広い文明が同時に栄える無茶苦茶な異世界なのである。しかも異世界のお約束である魔法もある訳で、文明レベルが無茶苦茶になってるのである。しかもこの世界の航空兵力とは、基本的に竜である。まあ一部の国家でレシプロの複葉機があったり、黎明期のジェット機クラスのが配備されてはいるが音速の壁をぶち破った国家はないし、レーダー自体も殆ど初期の物だから、ステルス云々の発想もない。そんな世界なのに、ステルス機能付き音速超え所属不明機とか怪しさ満点である。
「もしかしたら、我が国の秘密兵器の実験中なのかもしれないし、旧世界の他の国家や航空機が迷い込んだのかもしれん。航空隊を直ちに発艦させ、所属不明機の所属を明らかにせよ!!」
「アイ・サー!!」
『航空隊、スクランブル!航空隊、スクランブル!』
艦内中に放送とスクランブルを知らせるサイレンが鳴り響く。さっきまで仲間と談笑したりトランプをしていたパイロット達はすぐに待機室から飛び出し、整備士達は自分の受け持つ機体の出撃準備に取り掛かり、甲板作業員はカタパルトの準備や飛行甲板の道を空けて発艦の準備に取り掛かる。5分もすると、航空機がカタパルトにセットされる。
「ハーバー8、発艦する」
『ハーバー8、発艦を許可します』
バシュッ!!!!
電磁カタパルトによって、航空隊が空母から弾き出される。すぐに高度を取り、所属不明機の居る空域へと急行する。
「ハーバー7より、祥鳳へ。機体を目視にて確認した。国籍証、部隊マーク、機体番号の類いは無し。武装は見える限りでもバルカン砲やミニガンが十数基に、大型の大砲、それからグレネードランチャーも装備してる。機体形状からして、VTOL型の輸送機と思われる」
『祥鳳より、ハーバー7。了解した。無線で呼びかけろ』
「ウィルコ」
ハーバー7が無線で所属不明機に呼び掛けるが、応答は無い。日本語以外にも英語、中国語、ロシア語でも話すが結果は同じである。
「総隊長。無線で呼び掛けてきてる言語は日本語ですし、国籍証も日の丸ですが、あんな機体見た事あります?」
「いや、ない。ってか、あんな機体は日本以外も持ってないだろ」
長嶺達に無線警告してきたハーバー7が乗る機体は、Su-47のように前進翼にカナード翼を装備した機体である。しかしそんな機体形状、というか前進翼を採用してる機体なんてSu-47ベルクトかX-29くらいの物であり、見覚えは全くなかった。
まあ、その機体の形状というのは、エースコンバット好きなら必ず知ってる「震電II」と同じ見た目なのだが、震電IIが存在しない世界線なので仕方ない。
「それより、どうします?答えます?」
「取り敢えず、俺が答えるわ。無線貸してくれ。でも、攻撃準備と逃走の準備はしておけ」
「「ウィルコ」」
長嶺はヘッドセットを装着し、無線のチャンネルを例の謎機体に合わせる。
「後方に付けてる戦闘機のパイロット、聞こえるか?」
『聞こえている。ここは日本の領空であり、貴飛行隊はそれを侵犯している。直ちに退去せよ』
「そうは言うが、こちらも一応は日本海軍だ。退去も何も、ここが俺の故郷であり、ここが俺の守るべき国家だ」
この言葉にハーバー7も動揺している。確かに日本語を話しているが、あんな機体は見た事もない。それに祥鳳に偶然乗艦している「皇国軍を一番把握してる男」からも、あんな輸送機は見た事ないと答えている。ならば、対応は決まってくる。
『では所属を明らかにせよ』
「特務機関だ。軍機につき、お答えできない」
『そうか』
次の瞬間、ハーバー7は機関砲のトリガーを引いた。勿論、堕とさないように機体の斜め上を狙って。
『これは警告だ、次は命中させる。もう一度問う。同じ皇国海軍なら、所属を答えろ』
「そうかい」
一方で長嶺も機長に合図を出す。その合図の意味は「威嚇攻撃開始」である。機長は攻撃担当の隊員に指示を出し、隊員の操作によって40mm機関砲が発射される。
「うおっ!?」
ハーバー7はいきなりの攻撃に驚くが、冷静に対応する。まあ威嚇攻撃なので、当たらないようになっているから大丈夫なのだが。しかし殺られて黙ってる程、お人好しではないのが皇軍。すぐに火器管制のレーダーをオンにしようとするが、その前に不明機から無線が入る。
『こちらも警告だ。我々は敵と任務の邪魔する者に対しては、一瞬の躊躇いもなく撃滅する。もう一度、言っておく。我々は海軍であり、所属は特務機関の為、軍機につきお答えできない。以上だ』
そう長嶺が答えて無線を切ろうとすると、今度は思いもよらない所から無線が入る。場所は何と、ハーバー隊の母艦である祥鳳からである。
『特務機関、ねぇ。悪いが、ウチにそんな部隊は居ない』
「何?というか、アンタは誰だ?」
『ほう。皇国軍人でありながら、俺の声を知らないとはモグリだぞ。だが、お前も嘘を吐いてるようには見えん。そこで、だ。そこの戦闘機に先導させるから、飛行場に降りるってのはどうだ?』
この申し出は罠の可能性が高いと、全員が考えた。しかし一方で、今の現状下で何か別の方法があるかと言われれば、何も無い。受けるほか、無いのである。
「良いだろう。だが、こっちも「はいそうですか」って従う程のバカでも無い。今からアンタの乗る空母に着艦してやるから、そこで話を付けるってのはどうだ?」
『良いだろう。ハーバー7、誘導を頼む』
「ウィルコ」
そんな訳で、祥鳳で会談が行われる事になった。
数十分後 原子力航空母艦『祥鳳』 飛行甲板
「着艦します」
「おう」
黒鮫は艦尾に後部のハッチを艦首側に向ける形で着艦し、もしもに備えていつでも逃走できるようにしつつ、機体に搭載されてる兵装も隊員達の持つ個人携行火器も全て使えるようにして構える。
一方で祥鳳も今回の任務で随伴していた揚陸艦に乗っている、第4海兵師団を臨検要員として来てもらい不足の事態に備える。
「ハッチ開きます」
ハッチが開くと同時に、両軍の兵士達が互いに銃を突き付け合う。そんな緊張状態の中、長嶺は堂々と艦橋の方へと進んでいく。すると艦橋から、1人の羽織を纏い2本の刀を刺した男が出て来た。
「アンタだな、さっきの無線の男は」
「あぁ。大日本皇国統合軍、総司令長官。神谷浩三だ」
そう言って無線の男、神谷は手を差し出す。
「新・大日本帝国海軍、連合艦隊司令長官。長嶺雷蔵だ」
そう言って握手を交わす2人だが、次の瞬間、2人して「いや、ちょっと待て!」とツッコんだ。
「大日本皇国って何だ!?統合軍って何を統合してんの!?」
「新・大日本帝国海軍だ!?皇軍は不滅で、旧は存在せんわ!!!」
そう。互いに同じ日本だが、何方も聞いた事のない組織だったのである。
「なあ、もしかして俺達と同じなんじゃね?」
「あ、アンタは?」
「驚かせたかな?私は大日本皇国外務省で特別外交官をやっている、川山慎太郎という者だ。そこの神谷浩三とは、親友同士でもある」
いきなり現れたスーツの男、川山の言った事に神谷は「あー、そういやそうかもな」と言った。勿論、長嶺は置いてけぼりである。
「一体、何の話をしているんだ?」
「俺達は元々別の世界に居た。しかしどういう訳か、突然この世界にやって来てしまった。いわゆる、異世界転移ってのを体験したらしい」
「まさか俺達もそうだと?」
「まあ異世界転移なんて非現実的な現象が起きたんだし、別世界線の日本が現れたって不思議はないだろ?」
川山の説明と理論は、確かに間違ってはいなさそうではある。現状では検証しようもないし、少なくとも「大日本皇国」なんて聞いた事ない国家があるんだから、あり得なくは無いだろう、と長嶺は自分の中で結論付けた。
「んで、俺達はどうなるんだ?このまま殺されるとか?」
「まさか。する訳ないだろ?まずは取り敢えず、君の率いる部隊について教えてほしい。規模、装備、練度、特務機関なら全うすべき使命とか。とにかく、教えられる範囲で教えてほしい」
神谷にそう言われ部隊の説明をしようと思った瞬間、長嶺は装備していた刀をいきなり抜いた。
「な!?」
「不味いな、こりゃ」
長嶺は海を睨む。霞桜の隊員達は海兵に銃を突き付けられてるのを気にせず、アイコンタクトやハンドサインで次々に情報を伝達していく。
「野郎共、お客さんがおいでになりやがった。フルコースでもてなすぞ!!!」
「「「「「「了解!!!!」」」」」」
黒鮫はハッチを閉めて、大空へと飛び立つ。一方で上空に待機していた数百機の黒鮫の群れは、その内50機近くがまるで艦隊を守るように周囲へ降下する。
「一体何が起きてるんだ?」
「神谷さん、とか言ったな。さっき、俺達の為すべき使命について教えろ、って言ってたな。その質問に答えてやる。俺達の使命とは、国家のゴミ共を掃除し、そして艦娘、KAN-SENと共に深海棲艦と戦い彼女達の戦闘を支援する。それが俺達、海上機動歩兵軍団「霞桜」の使命だ!」
「「「「「.......はい?」」」」」」
神谷と川山含む、その場に居た全員が似たような反応をした。この世界に於いても、確かに艦娘もKAN-SENも存在する。だがしかし、存在する次元は二次元である。艦娘は擬人化の先駆けとなった大人気パソコンゲームである艦隊これくしょん、通称「艦これ」に。KAN-SENは運営が神で、スキンが「これ、良く審査通ったよな」ってレベルの際どい物ばかり輩出する大人気スマホアプリのアズールレーン、通称「アズレン」に登場している。
つまりガチで言う奴は「お前、マジで頭大丈夫か?」と言われる事が、今この緊迫してるであろう状況下で言われたである。しかも大真面目な感じで。
「全空母艦娘へ。直ちに艦載機を上げてくれ!」
長嶺がそう命じると、数機の黒鮫が降下してくる。ハッチが開くと中から、何本かの火矢が飛び出す。しかしその先には、勿論敵と思われる物は何もない。
次の瞬間、火矢は矢全体が燃え広がると、矢はそれぞれ小型の烈風、震電改、陣風改、彗星、試製南山、TBM-3W+3S、流星改、天山、天山一二型、噴式景雲改、菊花改に化けたのである。その姿はアニメ版艦これの、空母艦娘から艦載機が発艦する姿その物であった。
「うそやん.......」
「マジなヤツだ。マジでこの世に艦娘とKAN-SENが降臨しやがった.......」
「なあ、あの装備って超レアな希少装備ばっかじゃね?」
1人の兵士が呟いた通り、目の前の航空隊はゲームなら超レアな希少装備であり、もし全部持ってる提督がいれば、その人は神扱いされる事間違いなしの装備なのである。
ん?天山とか彗星は正直そこまでレアじゃないって?いやいや、しっかりレア物だよ。例えば烈風も正式名称は『烈風改二戊型(一航戦/熟練)』だし、天山と彗星は『天山(村田隊)』と『彗星(江草隊)』だし、天山一二型は『天山一二型(友永隊)』だし、流星改は『流星改(一航戦/熟練)』だもん。
多分、この説明で提督をやってる読者はトンデモ装備なのがわかったと思うが、中には提督じゃない読者もいるだろう。
簡単に説明すると、艦これに於いて装備入手の経路は大きく4つある。資源を使って装備を開発するか、特定の艦娘を改造するか、手持ちの装備を改修するか、特定のイベントで入手するか、である。装備開発と装備改修は、資源や装備自体あれば作るのは基本比較的簡単ではある。
ところが艦娘の改造は特定のアイテムが必要だし、それ以前に艦娘を育てないといけない。イベントの場合だと、強い深海棲艦を踏み越えまくる必要がある。しかもマップによっては特定の艦娘とか装備とか編成が必要だったりして、超絶面倒なのである。割とガチでイベント途中で難しすぎて心が根本からポッキリ折れて、精神が逝く提督も少なくはないのである。
そんな神みたいなレベルを誇る装備達が、今出てきた装備なのである。因みに『震電改』というのが、一番レアである。余りにチートすぎて今では再入手不可能であり、持ってるのは艦これを最初期からやってる提督のみである。
「各部隊、何が何でも艦隊を、特に空母を守るぞ。もし沈められて、メルトダウンとかでも起こしたらシャレにならんからな!!」
「あー、長嶺さん?敵というのは深海棲艦でしょうか?それともセイレーン?」
「この感じは、多分深海棲艦だな。まあ知ってるなら今更言う必要もないが、深海棲艦は基本的に通常兵器の攻撃を受け付けない。まあ1艦に寄ってたかって数の暴力を加えれば、ザコなら倒せるがな。だが、今攻撃されたら俺達が流れ弾食らうかもしれない。攻撃は攻撃へのカウンター、防御の時のみにしてくれ」
「了解した」
神谷は平静を保っていたが、内心では舞い上がっていた。何を隠そう、この神谷は艦これとアズールレーンの超大ファンなのである。何方も最初期からしてるガチ勢であり、例えば艦これなら全艦ケッコンカッコカリした上で最高レベルまで上げて、全艦に持たせられる装備では最高グレードの物を装備してる。
アズールレーンなら着せ替えスキンコンプリートな上、やっぱり全艦ケッコン済みだし改造可能艦は改造済み&全艦最高レベルな上、全艦最高グレード装備である。
因みにこれには飽き足らず、まだ第一次世界大戦から戦間期程度までしか発展していない、勿論スマホどころかPCも存在しない、ムーという国家に気合いで2つを布教しだす程である。(しかも大成功した)
そのぐらい超大好きなゲームのキャラが現実に居るとなると、流石の神谷もワクワクとニヤニヤが止まらない。
『敵機直上!!!!!急降下!!!!!!!!』
突如、艦隊中にこの報告が駆け巡る。空を見上げれば、ゲームで何度も見た黒い深海棲艦の艦載機の姿がある。それも目の部分が赤色だから、eliteという強化タイプの艦載機である。
「クソッ!総員退避!!!!急げ!!!!!!」
神谷がそう叫びながらも、急降下してくる艦載機を見ていた。しかし何か黒い影が高速で艦載機の目の前を通ると、途端に機体はまるで突風に吹かれたかのようにフラ付いて、そのまま海に堕ちた。
「何だ、今のは.......」
「良くやった、八咫烏。さて、そろそろだな」
『こちら赤城。提督、敵機動部隊は全艦轟沈。此方と今いる艦隊には被害は、認められません』
「了解した。艦載機の回収作業に入ってもらいたいが、出来るか?」
『うまくやれば、狭い空間でもできます』
「まあ無理せずやってくれ。最悪、機体捨てて妖精だけ回収すれば良いから」
『わかりました』
赤城の報告に胸を撫で下ろす長嶺。何方にも被害が無かったのは、本当に良かった事である。一方の神谷は、ちょっと色々重なりすぎて思考が追い付いてなかった。
「ところで神谷さん。この世界にも深海棲艦とセイレーンが居るのか?」
「いや、えっとだな。落ち着いて聞いてくれるか?」
「あぁ」
「確かに、この世界にも深海棲艦とセイレーン、それに艦娘とKAN-SENも存在している。ただな、存在している場所が三次元のこっちじゃなくて、二次元の世界なんだ」
「What?」
長嶺もまさか「アンタらの仲間は二次元に存在してます」なんて言われるとは思っておらず、謎の反応をしてしまう。
「こちらの世界における艦娘はパソコンゲームの艦隊これくしょんってゲームのキャラだし、KAN-SENはスマホアプリのアズールレーンってのに出てくるキャラだ。何方も結構人気のあるゲームなんだが、まさか本物として三次元に現れるとは.......」
「そのキャラ、今見れるか?スマホなら多分見れんだろ」
「ちょっと待ってろ」
神谷は自分のスマホアプリからアズールレーンをタップし、ドックの所まで操作して長嶺に見せる。
「マジやん.......」
そこに映しだされるキャラクターは、どれも長嶺の知るKAN-SENと瓜二つであった。しかも言動や性格まで同じである。
「だろ?因みに俺はアズレンならブレマートンが推しなんだが、会えたりする?」
「うん」
「是非会わせてください指揮官様ぁ!!」
土下座する勢いで頼まれたので、慌てて止めて会わせるのを条件に色々頼んだ。因みに川山からは「俺はハインリヒに会いたい」と言われたので、神谷同様に協力するのを交換条件に会わせる事を約束した。結果として、こんな感じのが決まった。
・衣食住の保証。
・勝手に装備を弄ったり、解析したりしない。
・艦娘とKAN-SENと会う場合は、こちらに連絡してから。
・艦娘とKAN-SENが嫌がることはしない。紳士的な行動と節度を持って接する事。
・深海棲艦、セイレーンが現れた際は勿論、別の敵や災害派遣等であっても大日本皇国から要請があれば、新・大日本帝国海軍は協力する。
・便宜上、新・大日本帝国海軍は大日本皇国統合軍に於いて、唯一の常設戦闘団である神谷戦闘団に配属とする。
これらが取り決めとして決められた。それではここで、神谷戦闘団と新・大日本帝国海軍の戦力を説明しておこう。
《神谷戦闘団》
・歩兵40個連隊
・重装歩兵34個連隊
・戦車12個連隊
・砲兵8個連隊
・対戦車ヘリコプター24個師団
・輸送60個飛行隊
・特殊部隊(白亜衆)5個師団規模
《新・大日本帝国海軍》
艦娘
・戦艦
大和、武蔵、長門、陸奥、金剛、比叡、榛名、霧島、扶桑、山城
・空母
赤城、加賀、飛龍、蒼龍、翔鶴、瑞鶴、雲竜
・軽空母
鳳翔、瑞鳳、祥鳳
・重巡
高雄、愛宕、妙高、那智、足柄、羽黒、鈴谷、熊野、青葉、衣笠
・軽巡
天龍、龍田、五十鈴、川内、神通、那珂、阿賀野、能代、矢矧、大井、北上、夕張、大淀、名取
・駆逐艦
暁、響、雷、電、潮、浜風、浦風、睦月、如月、弥生、望月、長月、夕立、時雨、島風、萩風、磯風
・その他
明石、間宮、伊良湖
※KAN-SENに関しては実装キャラ全艦いるので割愛。
海上機動歩兵軍団「霞桜」
・6個大隊 約1500名
・戦域殲滅VTOL輸送機『黒鮫』600機
・汎用ヘリコプター『黒山猫』200機
・機動本部車 18台
・自立稼働型武装車 1000台
・水上装甲艇『陣風』60艇
・水上バイク 500艘
こんな感じである。今更ではあるが、登場兵器の詳細に関しては、其々の作品に於いて詳細説明がある為、其方をご覧頂きたい。
※リンクは後書きに貼ってあります
数時間後 東京某所 大ホール
『それでは!!我ら皇国を護りし守護者達と、同じ皇国であり、しかし別の皇国を護りし守護者達との出会いと不滅の友情を祝しまして、かんぱーーーーーい!!!!!!!』
「かんぱーーーい!!!!」
この状況に読者諸氏は、完全に置いてけぼりを食らった事だろう。なので、ここまでの流れを簡単に説明しようと思う。神谷達、大日本皇国と長嶺達、新・大日本帝国海軍との約束が締結された後、すぐに黒鮫達は関東圏の航空基地へ分かれて着陸した。(流石に600機もの全長80mの超大型機を一気に収容できる基地はなかった)
でもって、流石の皇軍でも数千人規模の居住スペースの確保をすぐに用意するのは無理があり、その合間の時間を使って何か出来ないかと考えていた。そこで神谷が「どうせなら、交流会兼ねた歓迎パーティーやれば良くね?」という発案により、急遽歓迎パーティーが開催されたのである。因みに皇国からの参加者は軍の高官達(全員が艦これorアズレンを履修済み)と、お馴染み三英傑。帝国海軍からは艦娘、KAN-SEN、霞桜の隊員と、要は全員参戦である。
「うおぉ!!この肉うま!!!!」
「これ?」
「おう!!食ってみろよ!!」
「あ、ホントだ」
顔面が超恐くて見た目もハルク並みに巨大である霞桜第三大隊の大隊長バルクと、同じく霞桜第二大隊の大隊長で霞桜の技術屋でありバルクの親友であるレリックは肉を頬張っている。この2人、料理は壊滅的だが味覚は良いのである。
因みに料理の壊滅度合いは.......ジャイアンがマシに思える、とだけ言っておこう。
一方で三英傑は長嶺を加えて、食事を楽しんでいた。
「初めましてだね、長嶺くん。私は大日本皇国で総理をやらせてもらってる、一色健太郎だ」
「どうも」
「あぁ、因みに浩三と慎太郎とは親友だ。敬語はいらない」
「OKだ。ところで、もしかして三英傑って呼ばれてる理由って3人が親友同士だから?」
「あー、多分そうじゃね?」
長嶺の問いに、神谷がフワフワした回答をする。実を言うと、この3人もなんで三英傑と呼ばれるか理由は知らないのである。
「だって三英傑って、別に俺達が決めたんじゃないし。なんか勝手にいつの間にか非公式で呼ばれてて、なんか気に入ったからそう名乗ってるだけだもんな」
川山の言う通りである。三英傑は元々、国民の誰かが言い始めて、それが口伝やネットによって拡散されていっただけで、別に3人が考えた訳ではないのである。
「そういや、君って何歳なの?」
「17」
「そうか、17か。え!?」
「17!?」
「17で提督かよ.......」
思ってたよりも遥かに若かった事に、三英傑は驚いた。まあ長嶺の世界線では普通にまだ11歳と12歳の少年がショタ提督やってるし、というかそもそも提督になる素質を持った人間が限りなく少ないので、年齢どうこう言ってられないというのが現状である。
「因みに、何故提督になったんだ?」
「元は別の部隊、本当の世界の暗部で活動する部隊に居た。だけどなんやかんやで霞桜の総隊長に就任して、任務で前職の江ノ島鎮守府の提督を暗殺した。で、提督の素質があって、他に適任者が居なかったらしいから提督になった。
で、この提督に推薦したクソジジイが当時の連合艦隊司令長官で、深海棲艦との戦時下で「戦場を知る人が防衛大臣になるべき」との考えで大臣を頼まれた結果、司令長官の職を俺に押し付けやがった」
「お前、苦労してんだな.......」
一色の問いに答えると、川山がそう言った。そして3人から同情と哀れみの視線を浴びせられ、その後は愚痴の言い合いに発展した。やれ「外交官なのに戦場ばっか渡り歩いてる」だの、「無能な癖にイチャモン付けてくる政治家がウザイ」だの、「戦後処理が面倒くさい」だのと三英傑も三英傑なりの愚痴を溢していた。
一方で長嶺の副官である本部大隊の大隊長グリムと、神谷の副官である鉄砲頭の向上は互いの上官について話していた。
「ウチの長官は、何というか無鉄砲なんですよねぇ」
「わかります!総隊長殿も、超が付く無鉄砲なんですよ。だけど何故か地獄のど真ん中に落ちても、普通に生還するんですよねぇ」
「そうそう!そうなんですよ!!もう心配する意味が無いし、なんかもう最近は心配するだけ損な気がしてなりません」
「何方も同じ、ですね」
「「HAHAHAHA!!」」
そして話のネタは段々悩み相談へとシフトしていった。
「私は故郷の両親から「早く結婚しろ」「孫の顔が見たい」と言われているのですが、どうせなら推しと結婚したいんです」
「お、推し?」
この瞬間、向上のスイッチが入った。自分の推しの素晴らしさについて語り出し、その勢いは止まるところを知らない。かれこれ15分程、彼の好きなアイドルグループと推しの素晴らしさを語りまくった。
そして今度はグリムの悩み相談が始まる。
「私は総隊長殿をどうにかしたいんですよ」
「長嶺さんを?」
「総隊長殿は公私共に素晴らしいお方です。戦闘面でも射撃、剣術、体術、医術、戦略、作戦立案、諜報、暗殺、工作と何でも1人で完璧な仕事をしています。プライベートでも生活力や料理のスキルは勿論、立ち居振る舞いも完璧です。完璧超人はあの人の為にあると言ってもいい。しかし、ある一点だけは問題があるんです」
「ある一点?」
「あの人、鈍感なんですよ」
「は?」
グリムの答えに向上は思わずこう返してしまった。ちょっと話があまりにも突拍子すぎて、驚いたのである。
「例えば、ほら。見てください」
そう言ってグリムを指さした方向を見ると、長嶺が艦娘の大和、鈴谷、金剛、KAN-SENの赤城、隼鷹、鈴谷、愛宕、オイゲンに絡まれてるところだった。両手に華どころではない状態に、普通なら鼻の下でも伸ばしてそうだが、鬱陶しそうにしながら食事している。
「あそこまでの好意を向けられていながら、一切気付いてないんですよ」
「え!?軍の指揮官だから気付かないフリとか、同性愛者とかではなく?」
「えぇ。多分、後でそれとなく聞いてみてください。多分「え?何を言ってるんだ?俺に好意持ってるわけ無いじゃん」的な答えが返ってきますから」
「それ、もう病気ですね.......」
「はい.......」
因みに霞桜の中での非公式な長嶺の呼び名に「超絶鈍感朴念仁男」といつ不名誉な物が存在する程。その鈍感さと朴念仁っぷりは、ラノベの主人公よりもヒドイと言わしめる程である。
同時刻 ロデニウス大陸 南部沿岸
「にしても、また似たような事態が起きるとか、一体何なの?」
「ふふふ。でも、面白いデータは取れそうよ。さあ、目覚めなさい。地獄から甦りし、怨嗟の方舟さん?」
人間の形はしているが生気を感じない、異様なまでに真っ白なセーラー服を着たポニーテールの女と同じ肌の長髪で謎のタコの触手のような艤装を装備した女の目線の先には、巨大な空母と戦艦を混ぜたような特異な見た目をした2隻の巨大艦が赤い光を発していた。
「さあ、どうするかしら。煉獄の主に皇国剣聖さん?」
次の瞬間、周りから様々なタイプのセイレーン艦と深海棲艦の一団が現れた。この不穏な空気しか撒き散らさない存在を、まだこの世界の住人は誰も知らない。
そして時は流れて、数週間後。この日、日本船籍の貨物船がこの海域で消息を絶ったのを皮切りに、国家を問わず多数の艦艇が消息を絶った。この報告を受け、大日本皇国は海上保安庁の巡視船の派遣を決定。偵察活動が始まった。
「にしても、船が消息を絶つって海賊ですかね?」
「海賊にしちゃ、えらく手が込んでる。この時代のこの辺の文明じゃ、船を完璧に消すなんて事は出来ない。それに他の文明圏からの客だったとしても、流石に無理がありすぎる。何か別の事が原因だろうな」
そう言いながら、デッキで双眼鏡片手に海を監視している海上保安官の2人。本当に何も無く、ただただ綺麗な海であり異常は見つからない。しかし監視員は、思いも寄らない物を見つけてしまう。
「本艦2時方向に巨大な島影を発見!!」
「おいおい、この辺りに島は無いぞ。一体ありゃ.......」
「おい監視員!!お前ら島影をこんな近距離で見つけるとは、一体何してたんだ!!!!!!」
副長に怒鳴られるが、いきなり島が現れたのだ。仕方がない。だが更に不可解な事象が巡視船を襲う。
今度は一体の空が赤黒く染まり、海は暗くなる。更に深海棲艦の水雷戦隊が、巡視船を襲ってくる始末である。
「人が海面を滑ってる!!砲撃してきた!!!!」
「か、回避しろ!!」
「無理です!!避け切れない!!」
次の瞬間、船体中に衝撃が走る。軽巡ホ級の5inch砲が命中したのである。しかも被弾箇所が機関部であり、これによって機動力を失う。ここで漸く正当防衛射撃を始めるが、たかが30mm程度では倒せない。
「機関砲が効いてない!?」
「ら、雷跡視認!!右舷より6線!!」
「衝撃に備え!!!!」
巡視船は魚雷が全弾命中し、その巨体を海中に消した。この報告はすぐに日本本土に届き、深海棲艦による襲撃の映像は長嶺も目にする事となった。
「長嶺、これが深海棲艦で間違い無いんだな?」
「あぁ、間違いない。だが問題なのは深海棲艦よりも、その後方にある島だ」
そう言って先程の巡視船の監視員が見つけた、島の写真を指差しながら言った。その写真をよく見ると、結構色々ヤバい事が一目で分かった。
「大型の滑走路が2本、軍港設備、防空設備、上陸阻害用の砲兵陣地や機関銃陣地。完全な要塞島だ」
「この島、落とせるか?」
「流石にまだ分からんな。艦隊の規模が分からん以上は、どうも言えん」
「それもそうだな。だが、俺達大日本皇国が全面的に協力するって言ったらどうだ?」
この一言に長嶺は食い付いた。基本的に深海棲艦を倒す場合は、数隻の軍艦の攻撃を1隻に集中させる事が必要となってくる。最近になって長嶺とレリックが開発した「対深海徹甲弾」と呼ばれる弾丸を用いる事によって、漸く深海棲艦や艦娘を倒せる風に至っている。
しかしそれは、これまでの兵器の話である。大日本皇国は駆逐艦なんかもあるが、化け物クラスの超兵器群を多数運用している。これを使えば、この規模の島でも攻略できる可能性がある。
「規模は?」
「全軍の総力を上げた大掛かりな、超大規模反攻作戦が出来るくらいにはしてやる」
「乗った!!」
2人は互いに固い握手を交わす。その後の動きは早かった。神谷は偵察機を保有する最も現場に近い飛行隊に連絡を取り、要塞島の詳細な情報を調査するように指示。長嶺は日本中の工場で急ピッチで対深海徹甲弾と、水上を滑走できる装備の量産に入った。
2週間後 霞ヶ浦航空基地
「総員、傾注!!」
「諸君、今回の戦闘は正直に言って有史以来、最もふざけた相手と戦うことになる。我々はこの世界に転移し、これまで様々な戦闘を潜り抜けてきた。だが今回の敵とは、別の世界線に存在する日本からやって来た敵との戦闘だ。
何を言ってるか分からないだろうが、俺も言っていて現実感は無い。だがしかし、実際に被害は出ている。我々の国民にもだ。ならば皇国軍人として、違う世界線とは言え日本を守る守護者として、やる事は決まっている筈だ。今回も勝つぞ!!!!」
「「「「「オォォォォォ!!!!」」」」」
神谷の訓示に兵士達が雄叫びを上げる。その姿を尻目に、長嶺も長嶺で仲間達に向けて訓示を行う。
「まあ向こうはノリノリだが、俺達はいつも通りだ。見える敵は沈めろ。歯向かう敵は捻り潰せ。一切の容赦も躊躇もなく、深海棲艦とセイレーンに自分達が一番何処がお似合いなのかを教えてやるぞ!!!!」
こちらも同様に隊員達を中心に雄叫びを上げる。何方も士気は十分なようだ。それではここで、簡単に作戦を解説しておこう。
要塞島への超大規模反攻作戦、名付けて「幻想作戦」は四段階によって行われる。
第一段階
・敵防空隊との制空戦闘
第二段階
・皇国海軍主力艦隊と霞桜による敵艦隊殲滅作戦
第三段階
・爆撃連合飛行隊による島への空爆
第四段階
・地上部隊を展開しての島の制圧
以上である。まずは先発していた地上航空隊による制空戦闘の方から見ていこう。
「隊長機より各機へ。敵、航空隊への攻撃を実施する。槍を放て」
隊長機からの指示でAIM63烈風が数千発も発射される。まずは先手を取り、敵に混乱を与えていく。
『スカイキーパーより、航空隊へ。敵防空隊は約5分の1が堕ちた。しかしまだ1000機は残っている。心して掛かれ』
「野郎共聞いたな!!乱戦になるが、フレンドリーファイアだけは回避しろよ?続け!!!!!」
航空隊が突撃しようとしたその時、異世界に来て初めて聞いたアラートが鳴り響く。
「ッ!?ミサイルアラート!!!!」
その警報は敵からのミサイル攻撃を示すもので、この世界では訓練や点検でも無い限りは鳴る事のない装置である。そんな装置が実戦で鳴り響いた事に一瞬は動揺するが、すぐに回避機動を取ってやり過ごす。
「まさか、ミサイルを持ってるなんてな。いや、本来ならそれが普通だったな。こうなりゃ、こっちも本気でやるしか無いな」
そう呟くとアフターバーナーの点火スイッチを押して、瞬時に最高自作のマッハ3へと到達する。
『スカイキーパーより全機!!敵は強いが、基本的に格闘性能に極振りらしい。こちらは速度差を生かした攻撃で、敵を殲滅しろ!!!!』
深海棲艦、そしてセイレーンの艦載機の強さとは、その機動性の高さと小ささである。その高い機動性から生み出される格闘戦能力は、たとえUAVのように高い機動力を持つ機体を用いても足元にも及ばない。しかも小さいため、普通にエンジンや空気取り入れ口に狙撃してくる事すらある。
実際、深海棲艦に対して人類が艦娘の登場前の最初期に行われた作戦では、この攻撃によって大半のパイロットが手も足も出せずに撃墜されている。
「FOX2!FOX2!」
「FOX4!!」
ミサイル、レーザー、レールガン、UAVといった使える兵装全てを用いた苛烈な攻撃を仕掛ける。だが深海棲艦とセイレーン達も負けていない。深海棲艦は得意の狙撃で、セイレーンはミサイル攻撃で攻撃を仕掛けてくる。
『こちらシグマ6-4!!エンジン被弾!!脱出する!!!!」
『ガルロ5、同じくエンジン被弾により推力喪失!!イジェクト!!!!』
見れば一気に70機近い戦闘機が火だるまになり、コックピットから人が飛び出している。キルレートは五分五分か、何なら向こうが少し優勢な気もするくらいだ。
(まずいな。これじゃ、ジリ貧だぞ)
誰もがそう思っていた時、最強の援軍がやって来た。
「化け物共!!!!ちょっと遅いがサンタクロースからのプレゼントだ!!受け取りやがれ!!!!!!!!!」
数機の黒鮫が戦闘空域に乱入し、搭載している無数の機関砲で弾幕を貼る。しかも、それだけじゃない。
「そーら、お嬢ちゃん達!!出番だぜ!?!?!?!?」
「えぇ。一航戦赤城」
「同じく加賀」
「「戦闘機隊、発艦始め!!」」
「終わりだ!!」
「終わりだ、Funebre!!」
やって来た黒鮫のハッチが開くと艦娘の赤城と加賀、KAN-SENのエンタープライズとグラーフ・ツェッペリンの姿があった。4人は艦載機を発艦させて、敵の殲滅に取り掛かる。
赤城と加賀の一航戦コンビには烈風改二戊型(一航戦/熟練)、エンタープライズにはFR-1 Fireball、Me-155A艦上戦闘機をそれぞれ搭載しており、この4人は江ノ島鎮守府どころか帝国海軍内でも随一の練度を誇る。そんな奴らの艦載機集団が、いきなり現れたら敵はどうなるだろうか?答えは勿論、全機撃墜である。しかも此方はノーダメのオマケ付き。
「アレが神谷閣下の言ってた、別の世界線の日本軍か。なんか艦これの赤城と加賀、それにアズレンのエンプラとにくすべに似てるな。いや、気のせいか」
因みに別の世界線から日本軍が来ている、という情報は作戦に参加している将兵は知っている。しかし流石に艦娘とKAN-SENの存在は、色々面倒になりそうなので伏せられている。そして言うまでも無いが、この名もなきパイロットも、現在3-4で絶賛赤城&加賀掘り中のアズレンユーザーである。艦これは二次創作系で履修済み。
『スカイキーパーより各機へ!!敵、航空隊が艦隊へ攻撃を仕掛けている!!!!全機、第二次攻撃隊の発見と発見時は迎撃を行え!!!!』
え?なんで艦隊の防空に向かわせないのかって?簡単な話である。向かわせる必要がないからである。慢心だろ、と言われるかもしれないが、そうではない。寧ろいない方がアイツらは大暴れできる。そんな訳で時間を少し戻して、場所も近海の洋上に移してみよう。
「レーダーコンタクト!!本艦11時と2時の方向より、敵航空隊が接近中!!!!」
「ふっ。どうやら敵は、我らが先導しているのを知らぬようだな。副長、対空戦闘用意を発令しろ」
「アイ・サー。対空戦闘用意!!!!」
先導を務めている艦隊が、対空戦闘の準備に取り掛かる。ただ、この先導を務める艦隊の陣容が対空特化の化け物艦隊なのである。編成は摩耶型対空巡洋艦4隻だけなのだが、この「摩耶型」というのが化け物なのである。
かつてまだ大日本皇国が転移する前の日米合同演習に於いて派遣された摩耶型の古鷹が、米軍相手に無双した事がある。F22ラプターにF35ライトニングIIの合同飛行隊120機を相手取り、たった1隻なのに一度もミサイルどころか機関砲弾一発当たる事なく全機撃墜しやがった記録を持つ、真の化け物対空巡洋艦なのである。米軍からその後「摩耶クラスは演習に持ってくんな」と言われ、参加していたパイロット達は「映画で異星人相手に戦うモブキャラ達の気持ちが分かった」と語った程である。
それが4隻で、相手は航空隊。もうどうなるかは、お分かり頂けるだろう。
「右対空戦闘、CIC指示が目標。撃ちー方始め」
「トラックナンバー2621。信長はじめ!!」
「VLS解放!!」
まずは先制攻撃として、搭載されている艦対空ミサイル信長を発射する。発射された合計60発のミサイルは、正確に航空隊を迎撃する。
「目標群α、全弾命中!!目標群βも愛宕と高雄のミサイルが全弾命中!!」
「このままミサイル攻撃を続ける!!主砲の射程範囲までは撃ち続けろ!!!!」
「アイ・サー!!」
苛烈なミサイル攻撃は続き、攻撃隊の数はみるみる減っていく。そしていよいよ、主砲の射程に入った。
「主砲、撃ちー方始め!!!!」
最大の武器である主砲が火を吹く。主砲には起爆すると周囲に10発の対空ミサイルをばら撒く、時雨弾を装填している。
流石の深海棲艦機とセイレーン機と言えど、時雨弾には敵わなかった。そのほぼ全てが叩き落とされ、接近してきた機体も搭載されてる130mm速射砲、機関砲、短距離艦対空ミサイルの嵐に呑まれて堕ちた。
作戦は第二段階に移行し、いよいよ艦隊決戦が行われようとしていた。艦隊決戦には世界最大最強の熱田型戦艦全隻に加え、大和型と全突撃戦隊を投入する大規模な部隊となった。更に霞桜と艦娘とKAN-SENの連合艦隊も投入する事となっており、ガチ編成であった。
「敵艦隊捕捉!!情報通り、水上を滑走しています!!」
「よーし!!砲撃準備!!!!弾種榴弾、信管VT。目標、敵艦隊中心部!!!!」
艦隊が砲撃準備に入る最中、上空では最強の特殊部隊達が出番を待っていた。
「閣下!目標空域です!!」
「よし。野郎共、行くぞ!!!!」
神谷戦闘団が世界に誇る最強の歩兵戦闘集団である白亜衆の兵士達が、海上へと飛び降りていく。対深海徹甲弾はどうにか間に合ったが、流石に水上滑走用の装備は白亜衆の分しか用意できなかった。そのため、水上での戦闘は基本的に白亜衆が行う事となる。
一方でもう一つの特殊部隊は海面ギリギリにまで高度を落として、後部のハッチを開いた。
「さてさて、そんじゃ行くぞ!!!」
もう一つの特殊部隊とは、日本のゴミ処理屋にして世界で唯一深海棲艦と互角以上に戦える最強の特殊部隊。海上機動歩兵軍団「霞桜」である。そしてそれに加えて霞桜の総隊長である長嶺が指揮する、江ノ島鎮守府に所属する艦娘とKAN-SENも同じく海面へと着水していく。
「総隊長殿、総員着水完了しました」
「よし。戦略はいつも通りだ。水雷戦隊は肉薄攻撃を以って魚雷を叩き込み、重巡がこれを援護する。空母は後方からの支援に徹し、戦艦は全体の援護をしつつ機を見て中心部へ突入する。霞桜はこの全体の援護と露払いだ。後はいつも通り、存分に好きなように暴れてこい!!!!」
霞桜の隊員達は雄叫びを上げながら、自分の獲物を空高く掲げる。そして長嶺を先頭に、敵艦隊への突撃を開始する。白亜衆は突撃の最中に合流し、やっぱり一緒に突撃する。
「正面水雷戦隊!!」
「俺達に任せろ!!!!」
この一団の中で一番の巨体を誇るバルクが先頭に出て、手に持つ巨大なガトリング砲を水雷戦隊へ向ける。
「挽肉ミンチになりやがれ!!!!!」
キュィィンブォォォォォォォ!!!!!
バルク専用武器であるガトリング砲のハウンドは、七銃身のガトリング砲を3本束ねた化け物ガトリング砲である。つまりM134ミニガンを3つ同時に単一目標へ撃ってるのと同じだから、軽装甲の水雷戦隊は挽肉ミンチへと早替わりである。
そしてその後方にいた重巡リ級は、コイツが倒す。
「レリック!!」
「背中、借りる」
バルクの背中を踏み台に空高く飛び上がったレリック。自らの背中に背負っているマニュピレータに装備させた、お手製チェーンソーを起動する。そしてそのまま重巡リ級に突き刺して
ギャリギャリギャリギャリギャリギャリ!!!!
切り刻むというより、切断しながら肉を掻き出すような斬撃を繰り出し、身体中から肉片と、深海棲艦特有の青い血を周囲に撒き散らしながら倒れる。
「うわぁ.......」
「えげつな!」
「あれ、世界一受けたくない斬撃だぞ」
あの白亜衆の隊員が若干引いてるのだから、どれ程エグいか分かるだろう。
「総隊長殿、ソナーに反応が」
「潜水艦か。総員、対潜弾用意!!」
霞桜の隊員達の内、グレポンを装備している隊員達が水中に向かって発射する。てっきりそれで沈めるのかと思い気や、あくまでこれは炙り出しの為であった。
「カルファン、頼む」
「OK、ボス」
すると艦娘とKAN-SENにも負けない抜群のスタイルと美貌を誇るカルファンが前に出て、自分の獲物を準備する。
「さあ、出てらっしゃい?」
カルファンの専用武器は銃でも剣でも無い。どんな物でも切り裂く鋼鉄製の糸である。そんな特別性の糸を水中で走らせて、潜水艦を捕らえる。
「捕まえた♡」
そのまま空中へと引き摺り出す。見つかったのは潜水ヨ級elite3隻とカ級flagship1隻。空中で釣られた魚のように踠いていると、カルファンが糸を引いた。するとさっきまでギリギリ傷付けない程度で捉えていた糸も縛られていき、そのまま輪切りになった。
「はい、終了」
「いつ見ても流石の腕前だ」
「姉貴、目がSMの女王様のソレだったぞ」
因みにカルファンは第五大隊の大隊長、ベアキブルの実姉である。
「って、おいおい。左方向から空母と戦艦のお出ましだ」
神谷の声に全員が振り向くと、確かに戦艦タ級と空母ヲ級の姿があった。それも8隻ずつ居る。すぐさま戦闘準備に取り掛かるが、先に動いたのは第一大隊の大隊長にして凄腕スナイパーのマーリンと、先ほども出てきた格闘の鬼であるベアキブルの2人だった。
「アイツらは、俺らに任せて先に行ってください。直ぐに追いかけます」
「わかった。一個中隊はここに残り、2人を援護しろ。残りはそろそろ他の奴等も苦戦し出すだろうから、その援護に迎え!!!!」
「そういう事ならお前達も霞桜を手伝ってこい!!戦闘時の指示は先輩である霞桜の隊員達に仰げ!!」
霞桜と白亜衆の隊員達は命令に従い、各部隊の援護に向かう。ちょうどタイミングよく戦艦部隊による砲撃も始まり、深海棲艦とセイレーンにも動揺が広がり出す。
「おい、長嶺。アレって、多分駆逐棲姫じゃね?」
「あ、ホントだ。狩ってくる」
「え、ちょ!?」
何と長嶺が肉眼で確認した駆逐棲姫に向けて突撃し出したのである。予想だにしない行動にいつも突撃してる側の神谷ですら、完全に呆気に取られている。
「ヤラセハ.......シナイ.......ヨ..............ッ!」
護衛の取り巻きであるタ級flagshipが3隻も現れて、16inch三連装砲を撃ってきた。しかし、その程度では長嶺は止まらない。
「そんな攻撃で俺を殺せるか!!!!」
装備していた2太刀の愛刀、幻月と閻魔を装備して砲弾を切り裂く。そしてそのままの勢いで、手近のタ級2隻の首を刎ねる。そこから素早い動作でC4を切り飛ばした頭にセットし、もう一隻のタ級へと投げ付ける。そしてC4付き生首がタ級の砲塔の近くまで行くと、スイッチを押して起爆させる。
本来ならC4で深海棲艦の戦艦クラスにダメージは与えられないが、今回の起爆位置は砲塔である。砲塔内の砲弾を誘爆させて、艤装を破壊する。ただでさえ仲間の生首が飛んできてるのに、その首が爆発して艤装が使えなくなった事に完全に正常な判断は下せなくなった。そうなっては、ただの案山子である。
「死ね、ザーコ」
装備を刀から拳銃の阿修羅HGに切り替えて、中破したタ級の頭を撃ち抜く。駆逐棲姫は人間程度なら簡単に瞬殺できるタ級flagshipの敗北に軽く半狂乱状態となった。
「死ネ!死ネッ!!」
慌てたように魚雷を撃ってくるが、接触しないしダメージも負わないが敵からは当たったように見える、絶妙な位置で1本を破壊。その破壊による爆風で残りも破壊する。勿論駆逐棲姫は殺ったと思ったが、水柱から出てきた長嶺に顔を歪めた。
「何故ダ!!何故死ンデイナイ!?!?」
「たかが魚雷程度で、この俺を殺せるものか」
「クソッ!!死ネ!!!!!!!」
駆逐棲姫は性懲りも無く、また魚雷を撃つ。しかし魚雷を発射させてあげる程、長嶺は優しくは無い。
ズドン!
長嶺の放った弾丸は発射管から発射されて、水面に着水する前の、まだ空中に浮かぶ魚雷を正確に撃ち抜いた。本来なら敵艦の土手っ腹に大穴を開ける程の威力を持つ魚雷が、空中のそれも自分の目の前という超至近距離で起爆すればどうなるだろうか?
「ギャアァァァァァァァ!?!?!?!?」
大ダメージは必至である。駆逐棲姫は顔面を含む上半身全てに破片が突き刺さっていた。刺さってないのは背中や頭ぐらいのものだろう。
「貴様、殺ス!絶対ニ殺ス!!!!」
「悪いな、俺はテメェ如きに殺されるタマじゃねぇんだよ。次会う時は、精々強くなってな。じゃ、ゲームオーバーって事で」
そう言うと長嶺は一気に駆逐棲姫の正面まで踏み込むと、手を駆逐棲姫の喉に突っ込みそのまま貫通させた。青い血を周囲に撒き散らし、少し痙攣していた腕はダラリと力無く垂れる。
「はい、いっちょ上がり」
そう涼しく言う長嶺に、神谷は軽く恐怖を抱いていた。
(アイツ、駆逐棲姫を殺す時に笑ってやがった.......。狂ってる.......)
これまで幾度と無く敵を殺し続けてきて、自他共に人類最強の部類にいると思っていた。しかし、上には上がいた。今の攻撃を見るに、単体で戦った時は確実に自分よりも長嶺の方が格上だと気付かされた。
そんな事を思っているのも束の間、急に一帯が強い揺れに襲われた。
「な、なんだ!?」
「地震か!?!?」
皆がワタワタしていると、島が3つに分裂し海に沈んだ。そして代わりに巨大な戦艦の姿があった。
「な!?オロチだと.......」
赤い光を発する空母と戦艦を混ぜたような特異のフォルム。見間違う筈がない。その艦はちょっと前にアズールレーンと出会うきっかけとなった現象でアズールレーン、レッドアクシズ、江ノ島艦隊&霞桜の3勢力が共に協力して沈めた筈の戦艦。巨大戦艦『オロチ』の姿であった。
一方で大日本皇国の軍人も驚いていた。何もアニメ版アズールレーンのラスボスであるオロチが、目の前に出てきたからではない。そのオロチが掲げている旗と、艦橋部分に描かれた紋章に驚いていたのである。旗は赤い下地に火を吹く2頭のコモドドラゴンの様な生物の上に、扉のような紋様が付いた物である。紋章についても、旗の中に描かれている物と同じである。そしてこの旗と紋章を掲げる組織というのは、外交の席で「教育」とか何とか言って拉致した日本人を外交官と護衛の軍人、というか川山と神谷の前で首を刎ね飛ばし、更には「天皇陛下と一家を殺します」から始まるヤベー要求をつき付けて、最終的に日本がキレて過剰なまでの戦力を投入して文字通り消滅させた国家。パーパルディア皇国の国旗である。
「何故、あの旗と紋章があの艦に.......」
『久しぶりよのう、大日本皇国』
『あの時はよくも余の皇国を壊してくれたな!!』
この声も聞き間違う筈がない。パーパルディア皇国最後の皇帝、ルディアス。そしてその妻にして、開戦の引き金となった人物でもあるレミール。この2人は神谷達白亜衆によって既に処刑済みであり、この世には存在しない。しかしどういう訳か、声は聞こえるのである。
「なあ、もしかして声の主を知ってるのか?」
「あ、あぁ。でも死んだんだ。俺や俺の部下が確実に殺してるし、国家は今はもう解体されて残ってない」
「そうか。知ってるかもしれねぇが、アレはオロチって戦艦だ。謎能力なんだが、ヤツは死んだ奴に化けられる。見た目は勿論、言動や仕草までも完璧に模倣できる。多分、その殺した奴に化けたんだな」
「そうか。そうだよな。だが、問題はあの巨大艦をどうするかだな」
アニメ版アズールレーンに出てきたオロチは、バリアによって攻撃を受け付けていなかった。覚醒したエンタープライズによってバリアを破られたが、エンタープライズとてそう簡単にホイホイ覚醒は出来ない。
ならばダメ元でゴリ押してみるだけである。
「撃ちー方始め!!!!」
ドゴォォォォォォォォォン!!!!
最大口径710mmの超巨大砲弾がオロチに襲いかかる。しかし効果はない。
「待ってくれ。今、グリムが弱点を解析している。俺達の世界のオロチは、シールドの結合が弱い箇所にピンポイントかつ、同時に攻撃を与えてシールドを破壊した。恐らく今回も」
「総隊長殿!!弱点となる結合の弱い場所、見つかりません!!!!前回の分は修正されています!!!!」
「マジか!?どうすんよ.......」
「こうなったら、ダメ元で全力攻撃だ!!」
そんな訳で霞桜と白亜衆の全兵士、艦娘とKAN-SEN、突撃艦、後方に待機する駆逐艦、爆撃に参加する筈だった富嶽II爆撃隊、その他の攻撃隊と戦闘機隊、超兵器の白鳳、白鯨と黒鯨、黒鮫による一斉全力攻撃も行なった。本来ならアメリカであっても直ぐに敗北するような、規格外も良い所の火力を一気に投射するがダメージは入ってない。
「その程度では我がレミラーズ二世と、皇帝陛下のルディグート二世は倒せぬ」
「いや何処の宇宙戦艦だ。ここはいつから蒼き花咲く大地の、気高い鋼の国家になりやがった」
どう聞いても、何かどっかの「さらば〜」とか何とか言って16万8千光年彼方の惑星に旅立った宇宙戦艦の物語に出てくる敵艦の名前である。しかも何か最新の映画じゃ、何かやばい事なってたし。(旧作の方でしか知りません。2205見てー)
「まあ、そう言うなレミールよ。何やら関係の無い者もいるようだが、同じ日本の民であるなら万死に値する。行くが良い。騎士達よ」
そう言ってルディアスが手を翳すと、中世ヨーロッパの騎士の様な格好をした騎士の一団と、竜にまたがる騎士の一団が現れた。
「面倒だな。極帝!!」
神谷がそう叫ぶと、水中から巨大な赤い巨大な竜が現れる。この竜こそ世界に名だたる、四大属性竜の頂点に君臨せし真なる竜。竜神皇帝、極帝その人である。まあぶっちゃけると、メッチャ強い竜の親玉である。
「我が友よ。我を呼んだな?」
「あぁ。そこの竜騎士達を、全部潰せ」
「心得た!!」
そう言うと極帝は大空へと飛び立ち、ワイバーンオーバーロードの前へと立ちはだかる。
「ワイバーンの強化種如きで、我の眼前に立つな!!」
お得意の魔力ビームを浴びせて、次々に消し炭に加工していく。しかしあくまで想像されたワイバーンオーバーロードであるため、思考や意思を持たない。その為、恐れを抱く事も慄く事も無く勇敢に攻め掛かる。だが、その程度で倒せるのでは「竜神皇帝」の名を冠する意味がない。
「雑魚どもが!!!!掛かってくるが良い!!!!!!!!」
闘志は十分。竜の首へと噛みつき、魔力ビームで焼き払い続ける。
一方で普通の馬に乗る騎士も攻撃を開始していた。と言っても突撃してくるだけなので霞桜と白亜衆の兵士達が弾幕を張ろうとしていたが、それを長嶺が止めた。
「ここは、アイツらに任せてくれ」
そう言った次の瞬間、空中からデカい犬と烏がやってきた。霞桜とか長嶺の仲間であれば見慣れているが、白亜衆や神谷等の大日本皇国勢はその存在を知らないので驚いている。
この2匹こそ、神谷の頼れる相棒。犬の名は犬神という人と妖術を操る妖怪で、烏の方は術を操り初代天皇を導いた伝説の導きの神、八咫烏である。
「お前達、やれ」
「吹雪の術!!!!」
「翼扇!!!!」
まず犬神の妖術である「吹雪の術」で馬の足を固め、次いで八咫烏の術の「翼扇」によって起こされる巨大竜巻に呑み込ませて、騎士達を文字通り消し去る。
「主様ー、終わったよー!」
「弱いな。我が主、もう少し強いのは居らんのか?」
「「「「「シャベッタァァァァゥァァァ!?!?!?」」」」」
神谷含む白亜衆の連中は、何かどっかの「らんらんるー」のお店のCMみたいなリアクションをしてた。いや、極帝も喋ってるやん。
「わ、我が配下を倒すとは流石だ。やはり、直接対決で決着を付けるまで!!!」
そう言うとルディアスは巨大な大剣と棍棒を、レミールは槍をそれぞれ装備して突撃してくる。
「迎撃しろ!!」
神谷がそう命じるが、霞桜の隊員も、白亜衆の兵士も、艦娘も、KAN-SENも近くの人間は誰一人として反応しない。
「な!?お、おい!!!!」
「か、閣下.......。長嶺くんが.......」
「長嶺が一体どうし、ッ!?!?」
震え声の向上にそう言われたので長嶺の方を見た。いや。見てしまった、と言った方が良かったのかもしれない。長嶺の顔は狂気と怒気の入り混じった、どんな相手でも一瞬で凍り付かせてショック死させてしまいそうな程、恐ろしい顔に歪ませていた。更には周囲にも、赤黒いオーラを滲ませている。比喩では無く、本当にオーラのような物が出ていた。
「ふふふ、ハハハ.......。アハハハハハハハ!!!!!お前ら、その武器を手に入れた?なぁ、何処で手に入れたんだよ!!!!!!!」
余りの気迫にレミールとルディアスも立ち止まった。
「その武器を使って良いのは、この世にもう居ない。我が友を愚弄しやがったその罪、兆倍にして返させてもらうぞ!!!!!!」
そう言うと長嶺は、懐から7枚の式神を取り出して投げ付ける。その式神は空中を進みながら燃え始め、ジェット戦闘機へと姿を変える。
「子鴉共!!!!!」
7機の戦闘機はワープホールのような物に入り、戦闘機は長嶺の後方の空にワープする。次の瞬間、空中に焔の軌跡を描き始め、その軌跡はやがて旭日旗へと姿を変える。
今度はその旭日旗を破るかのように、巨大な戦艦が姿を現した。長嶺がその身に宿す、最大最強の空中戦艦である。戦艦は焔に包まれ、パーツごとに分解していく。そのパーツ達は焔の玉となり、長嶺のもとへと集まり巨大な火の玉を形成する。パーツが全て収まると焔は一気に消え、そこには巨大な艤装を纏った長嶺の姿があった。
「空中超戦艦、鴉天狗、ここに見参!!!!さあ、殲滅の時間だ!!!!」
目の前に現れた強者にレミールとルディアスは恐怖し、神谷や白亜衆を始めとする大日本皇国の軍人は目の前で起こった出来事に固まっていた。
「どうした?何故攻撃してこない。しないなら、こちらから行くぞ!!!!!」
神谷は瞬発的に最大推力を叩き出し、一瞬でルディアスの懐に突っ込む。
「セイッ!!!!」
渾身の斬撃を放つが、ルディアスはそれを大剣と棍棒の2つで受け止める。
「ルディアス様!!!!」
レミールも槍でガラ空きの背中を突こうとするが、それを許すほど甘くはない。
ブオォォォォォォォォォ!!!!!!
「なっ!?!?」
機関砲群がレミールに向かって発砲してきた。直ぐに槍を高速回転させて、弾丸を弾く。
「少しはやるようだが、所詮は全て紛い物。その武器も、その戦闘能力すらも。だから、一切重くねぇんだよ!!!!!」
そう叫ぶと長嶺は、一度剣と棍棒を弾く。そしてそのままの勢いで、刀で剣と棍棒をぶち壊した。
「ぬおぉぉ!?!?」
「奥義、彗星!!!!」
奥義「彗星」を用いた斬撃で、ルディアスを肉片へと加工する。因みにこの技は2つの太刀を、超高速で動かして敵を肉片に加工する素晴らしい技である。
「さぁ。待たせたな、クソ女」
「そ、そうだ!!妾を助けてくれるなら、共に一晩を過ごしてやるぞ。どうじゃ、妾のような美貌を持つ美しい女と寝れるなんて早々――」
しかし、この次をしゃべる事はなかった。長嶺が主砲の砲口を口にねじ込んで、無理矢理喋れなくしたからである。
「妾のような美貌がなんだって?貴様のような人の思い出と生き様を愚弄するような、真のクズが扱い女だと?笑わせるな。それに、テメェより俺の
86cm砲が火を吹き、頭ごと首から上を消し去る。残ったオロチはと言うと、
「素粒子砲、射撃準備」
鴉天狗の装備する最強の兵装、素粒子砲で沈める事にした。
「エネルギー充填開始、バイパス接続。エネルギー正常に伝達中」
右側の艤装に搭載された巨大な砲身が変形し、正面と左右の砲口がせり出す。エネルギーが充填されている証拠なのか、段々と紫色の光が砲口に宿り出す。
「スコープ開放。ターゲティング開始」
長嶺の顔の前に、水色の水晶体のような半透明のディスプレイが現れる。画面には様々な素粒子砲に関する情報、例えばエネルギーの充填率とか各部の破損状況とか様々な情報が列挙されていた。真ん中には照準を定めるためのスコープ画面が映されており、それをオロチに合わせる。
「ターゲットロック。素粒子砲、発射!」
ギュゴォォォォォォォォォ!!!!!
紫色の光がオロチに襲い掛かる。左右に発射されたビームも少し進むとオロチに向かうビームの方へと集まり、極太の巨大な光の柱のようになりオロチを貫く。
オロチはその巨大な船体を海面へと傾けていき、すぐに姿を消した。オロチの姿が消えると、あの赤い空も海も元通りに戻った。深海棲艦とセイレーンの残骸も同様に、まるで元から何も無かったかのように消えた。
「終わったな」
そう言って長嶺が目を瞑った。で、目を開けるとそこは水面では無く、母港である江ノ島鎮守府の執務室であった。
「は?え!?!?」
周りを見渡しても、いつも通りの執務室である。家具も何も変わりない。
「提督、どうしたんですか?」
目を開けると大和が少し笑いながら、声を掛けてきた。
「いや、どうしたもこうしたもあるか!!何か魔法のある異世界に飛ばされて、何故か出てきたオロチ2隻を別の世界線の日本軍と一緒に共闘して倒しただろ!?」
「えっと、何を仰ってるんですか?」
大和によると、どうやら一時間前くらいから居眠りをしていたらしい。疲れているのだろうと考え、今までそっとしていたそうだ。
「じゃあ、アレは夢だと?」
「ふふ。そうじゃなきゃ、別の世界線の日本とか有り得ないじゃないですか」
「そ、それもそうか」
普通に考えてそうなのだが、だがあのリアルさは夢とは思えない。
同時刻 大日本皇国 統合参謀本部 執務室
「閣下、閣下!」
「ん?向上、オロチは!?!?」
「うおっと、何寝ぼけてんですか。というか、いきなり伝説の妖怪の名前が出てくるとか、一体どんな夢を見ていたんです?」
「いやいやいやいや!ルディアスとレミールが復活して、なんか深海棲艦とセイレーンと、アズールレーンのアニメ版に出てたオロチを操って襲ってきただろ!?!?!?」
「えっと、そんな事が起きたら今頃ニュースでトップ飾ってますよ?というか、私達も戦地にいると思いますけど」
こちらも長嶺同様、居眠りをしてたらしい。しかしあのリアルさは夢とは思えず、川山と一色にも連絡を取った。そしたら
『え!?お前もか!!』
『俺達もさっき、同じ夢を見てたんだ。えらく現実味あるから、お前はどうかなと思って連絡しようと思ってたところだ』
なんと2人も同じ夢を見ていたのである。何か証拠になりそうな物は無いかと思い、3人は考え出した。すると一色が、あの歓迎会の時に写真を撮っていて、LINEで送ったのを思い出した。すぐに3人共確認すると、その写真はあった。夢で見た、長嶺そのものである。また神谷の場合は長嶺のLINEのIDも交換していたので確認してみると、こっちもあった。
一方で長嶺も同じ結論に至っていた。そして写真と、LINEを見つけた。試しに長嶺が電話を掛けてみると、神谷と繋がった。
「もしもし神谷さん?」
『長嶺雷蔵、で間違いないよな?』
「良かった、夢じゃなかったのか!!」
この日、新たな日本への扉が開いた。同じだが異なる日本を守る、真の英雄達が繋がった事によって。彼らはその命が続く限り、日本を護り続ける。これまでも、これからも。
今回のさまざまな兵器群の詳細に関して(霞桜&艦娘&KAN-SEN)
https://syosetu.org/novel/274631/1.html
https://syosetu.org/novel/274631/15.html
https://syosetu.org/novel/274631/32.html