最強国家 大日本皇国召喚   作:鬼武者

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第五十四話東亜の日の出

中韓露連合艦隊との戦闘より数時間後 尖閣諸島上空

「よし、お前達。行こうか」

 

あの海戦より数時間後、精鋭の第一空挺団と国家憲兵隊の選抜チームの姿は尖閣諸島上空のC2屠龍の機内にあった。彼らの任務は空挺降下し、尖閣諸島の資源採掘施設の奪還にある。

今回は屋内戦闘も考慮される為、屋内戦闘においては右に出る者がいない、本来なら出張ってこない対テロ特殊部隊の国家憲兵隊が態々出向いている。

 

「降下開始!!」

 

闇夜に紛れて、精兵達は舞い降りる。これに呼応し、近海に進出している第三主力艦隊の要塞超空母『大鳳』から、AGM255銀河を搭載したF8C震電IIが発艦。陽動ついでに紅旗7を破壊した。

 

「陽動攻撃だな。そのまま、こっちには気付かないでくれよ.......」

 

今回の指揮を取る第一空挺団、第一大隊の大隊長、迫水少佐は奴らの目が此方に向かない事を祈った。その祈りが通じたのか、全員が無事に尖閣諸島に着地した。

 

「ではこれより、作戦を開始する。第一空挺団はこのまま奴等の司令部や兵舎を破壊し、国家憲兵隊はプラットフォームを奪還する。間違い無いな」

 

「任務の認識に問題はない。そちらの武運を祈る、迫水少佐」

 

「あぁ。亀岡少佐、そちらも武運を」

 

ここで第一空挺団と国家憲兵隊は別れ、第一空挺団は左回りで司令部を目指し、国家憲兵隊は元レンジャーの亀岡少佐指揮の下、右回りでプラットフォームを目指した。

先に目標地域に到達したのは第一空挺団で、偵察ドローンの蝶を使って偵察を開始した。

 

「外に歩哨は合計10人。さらに東西南北に監視塔が一つずつあって、メインゲートにはサイドに監視塔が二つ。内部には迫撃砲が六門、M389 155mm榴弾砲が二門、Kord重機関銃装備のトーチカまである.......」

 

「こっちの手持ち装備が対戦車ミサイルと迫撃砲ですから、まあ突破できなくないでしょうけど.......」

 

「したっくないっすよねぇ.......」

 

見るからに要塞化された司令部に、流石の第一空挺団も悩む。勿論「尻尾巻いて撤収!」なんて事は一瞬たりとも浮かばない。彼らは例え自分が死ぬことになったとしても、任務を優先させる訓練を受けた者達。投げ出すつもりは毛頭ないが、現実問題として要塞をどうにかしないと犬死である。

旧軍では犬死だろうが何だろうが、兎に角死ぬ事に意味がある、という様な風潮が存在した。しかし現在の皇軍ではその風潮は解消されて、「任務中に死ぬ事は兵士に取っての誇りである」というのは変わってないが、犬死は単なる愚かな死として考えられている。また「御国の為に死ぬ」というのも、「生き抜いて戦い、最後の最後まで戦い尽くしてから死ぬ事こそ、御国の為である」という風になった。

 

「取り敢えず、蜘蛛を忍ばせておけ。せめて、ジャミング位はしたらマシだろ」

 

「そうですね。すぐにコマンドを実行します」

 

蝶を動かしていた兵士がパソコンにコマンドを入力して、腹に収めてある偵察ドローンの蜘蛛を投下。そのまま室内に潜入させて、手近なサーバーの回線に潜り込む。

 

「ハッキング、開始します」

 

蜘蛛に搭載されたウイルスで、監視システムのコントロールを奪い取る。これで監視カメラのオンオフも扉の開閉も、何だってできる。

 

「ではこれより、攻撃に移る。迫撃砲はあそこの丘まで前進し、敵陣に砲撃を実施。目標は相手の迫撃砲とトーチカを最優先とし、これの破壊が終わり次第、こちらの要請に適宜応えつつ自由射撃。

他の者は陣地に突入し、司令部機能を破壊する。では諸君、行くぞ!!」

 

斯くて、精兵達は動き出す。迫撃砲班が丘へと登り、狙撃チームは岩山に陣取った。残りの突撃隊は近くに待機し、開始時間を待つ。そして約30分後、作戦開始時刻となった。

 

 

「半装填!」

 

「半装填、よし!」

 

「発射!!」

 

六門の21式81mm迫撃砲が一斉に発射され、榴弾が正確に敵の迫撃砲陣地を吹き飛ばす。続く第二射では、徹甲榴弾に弾種を変更してトーチカを吹き飛ばした。

 

パシュン!

 

「First shot、HIT。次、左。同一角度。aim、fire!」

 

パシュン!

 

「Second shot、HIT」

 

ベテラン狙撃兵と相棒の観測手のコンビが、正確にメインゲートの監視塔にいた監視を撃ち抜いた。狙撃と迫撃砲による砲撃、というかそもそも陽動の空爆で混乱していた中国軍とロシア軍は、あちこち駆けずり回っていて、纏まりが無くなっていた。

 

「行くぞ!!!!」

 

迫水が先に飛び込み、その後ろから精兵達が続く。彼らはまだ一度も、実戦は経験したことがない。だがこの日の、この時の為にこれまで訓練を積み続け、発足当時より諸外国の軍隊からも、その軍隊に在籍し実際に戦場に立った退役軍人からも「彼らが敵として戦場にいたなら、私は殺されていただろう」という言葉を常にもらい続けた部隊なのだ。中国やロシアにだって、例え実戦を多く経験しているアメリカにだって勝ってみせる。

隊員達はツーマンセルの陣形を徹底し、高次元で確立されたフォーメーションと連携で確実に、迅速に、敵を倒していく。

 

ドカカカカカ!ドカカカカカ!

 

「リロード」

 

「今だ!!」

 

例えば相棒がリロードしていて攻撃が止まってしまった時に、敵がこれ幸いと銃を向けてきたとしよう。

 

ドカカカカカ!

 

「グハッ!!」

 

背後に控える仲間が撃つ前に、敵を倒す。はたまた敵が大人数で来よう物なら

 

「行け行け!!」

 

「魚釣島は我々の領土なんだ!追い返せ!!!!」

 

「スモーク」

「グレネード」

 

先に背後にいた奴がスモークを投げて敵の視界を奪った上で動きを止め、追い討ちに前の隊員がすかさず手榴弾を投げ込む。真ん中で起爆した手榴弾は、周囲に爆炎と破片を撒き散らして兵士達をズタボロに引き裂く。

だが中には生き残ってる者もいるのだが、スモークによる煙幕とグレネードの爆炎で視界が悪く、同士討ちを避けるためにもライフルの引き金を引くことが出来ない。

 

「だが、そんなのは関係ない」

 

「攻撃してこないなら、こっちが攻撃するまで」

 

いや、あの、ナチュラルにこっちの文と会話するのやめてもらって良いですかね?

とまあ、こういう茶番は置いておいて。撃ってこないのを良いことに、逆にフルオートで制圧射撃を掛けて挽肉ミンチへと加工していった。更にアンテナを見つけよう物なら、38式携行式対戦車誘導弾を叩き込み瓦礫へと変貌させる。

突入よりわずか15分で敵陣地を完全に占領した。それでは今度は、少し時間を巻き戻して国家憲兵隊の方を見てみよう。

 

 

「今回、あっちが無駄にやたらめったら暴れる。なら我々は忍者のように、静かに敵を倒していこう。総員、サプレッサー装着。フォーメーションを維持しつつ、突入。以後の会話はハンドサインを持って伝達する」

 

今回の司令部強襲は、こちらのプラットフォーム奪還の陽動も作戦の内になっている。向こうがド派手に大暴れしている間に、国家憲兵隊が静かに敵を殲滅していく手筈なのだ。

別に映画みたいに扉を爆破して、部屋ごとにグレネード投げ込んで制圧射撃したって良いのだが、今回の戦闘は、軍内では一つの訓練とも位置付けてある。勿論、何かあれば何が何でも生き残るのが命令されているが、部隊長クラスには「可能であれば、自分達が最も得意とする戦法や伸ばしたい戦法を使用せよ」とお達しが出ているのだ。亀岡はそれに従い、国家憲兵隊の最も得意とする静かな制圧を選択したのである。

因みに国家憲兵隊の主任務は、対テロ任務や人質奪還。つまりフランスの国家警察介入部隊GIGNやドイツのGSG9みたいな組織である。この二つの部隊とは良きライバルであり、訓練であった時は本気でぶつかり合うのがお約束でもある。

 

(突入開始)

 

静かにプラットフォームの敷地内へと入る国家憲兵隊。空挺団はツーマンセルのバディを組んで制圧していたが、こちらは全員が一列となって静かに制圧していく。今回は態々防弾盾まで持ち出しており、前衛の人間が装備している。

 

「俺達は待機なんだよな?」

 

「あぁ。どうやら今回の侵攻で、上が一番欲しいのはここの資源採掘プラットフォームらしい。ここの資源を使って、伸び切った産業に息を吹き替えさせるんだと」

 

「一気に成長しすぎた弊害、ってヤツだな」

 

世間話に夢中になっている歩哨二人を背後から忍び寄って、ナイフで首を切り裂く。そのまま死体を近くのゴミ捨て場まで引き摺り、そこに遺棄する。懐を漁るとセキリュティカードが手に入ったので、それを使って内部に続く通用口を解放。半数が突入し、残り半数が外の敵の殲滅に移った。

 

「フゥ。日本の奴らも、黙っちゃいないってことk」

 

パシュン!

 

外を警備する兵士達は、兎に角素早く殲滅されていく。中には仲間の死体を括り付けて、海に突き落として溺死させられる可哀想な奴もいた。

一方、中の方は確実に静かに殲滅されていった。

 

(部屋に突入)

 

ハンドサインを合図に、フラッシュグレネードを部屋へと投げ込み中に雪崩れ込む。

 

シュタタタ!シュタタタ!シュタタタ!

パシュン!パシュン!

 

中で目を押さえながらのたうち回る兵士を殺し、すぐに部屋から出る。そしてまた、他の部屋へと同じように入っていく。

 

「ここが中央コントロールルームか」

 

「完っ璧に要塞化してますね」

 

内部に突入してからも細かく別れていき、亀岡と精鋭の四人は地下の中央コントロールルームに続く廊下にいた。ここを曲がれば中央コントロールルームなのだが、見事なまでに土嚢と軽機関銃で要塞化されてしまっている。

 

「どうする?」

 

「グレネードで吹き飛ばしましょう」

 

「豪快だが、それで行こう」

 

すぐに43式小銃の下部マウントレールに装備されたグレネードランチャーに榴弾を装填し、精鋭4人の援護射撃の後に発砲する。

 

「撃て!!」

 

シュタタタ!シュタタタ!シュタタタ!

ポンッ!!!!

 

発射されたグレネードは正確に機関銃陣地の後方まで飛んでいき、近接信管が作動して無事に起爆。機関銃手ごと、機関銃陣地を吹き飛ばした。

 

「行け!!!!」

 

亀岡を先頭に、中央コントロールルームへと飛び込む。中にも数人の兵士がいたが、その程度で精鋭達は止まらない。銃に手をかける前、手がホルスターに伸びてる時にはもう鉛玉を撃ち込まれている。

 

「これで、ここは落ちましたね。後は上の管制室ですか」

 

「あぁ。もうすぐ、上も制圧される頃だろう」

 

同じ頃、最上階にある管制室も制圧されようとしていた。この管制室は飛行場の管制塔のように、360°全面がガラス張りになっている。今、国家憲兵隊の面々は管制室の真下と、内部に続く扉の前に陣取り時を待つ。

 

「3、2、1。開始」

 

まず外の隊員達が一斉にグラップリングフックで、一気に上の管制室のガラス張りの部分まで駆け上る。

 

「撃て」

 

シュタタタタタタタタタタタ!!!!

 

ガラスの前で止まり、中に向かって全員がフルオート射撃を見舞わせる。これまでは弾薬の節約や、そもそも静かに殲滅してたのもあって、メインアームとなっている37式短機関銃も3点バーストでの射撃であった。

だが今回は「最後の花火」と言わんばかりに、フルオート射撃で1マガジン、9mm拳銃弾61発を室内へと一斉に叩き込む。一応サプレッサーをしてるのに、数十人が一斉にフルオートで撃っているのもあって、殆どサプレッサーの意味を成してないが気にしてはいけない。

 

「な、なんなんだ!!」

 

「おいこっちだ!!!!」

 

中には10人前後いたが、内2人が管制室から脱出するべく下へと続く階段へと走った。

 

「はぁ!はぁ!奴ら、なんなんだよ!」

 

「日本軍に決まってんだろ!!あんなに強いなんて、聞いてないぞ!!!!」

 

そう言いながら走る2人の前に、扉が見えてきた。この扉を抜けて廊下を走り、角を2つばかり曲がれば武器庫がある。そこで体勢を立て直す事を考えていた矢先、扉が勝手に開いた。自動ドアではなく、手動で開けるタイプであるし、重量もあるので風とかでは開かない。というかそもそも、ここは室内で近くに窓なんて無い以上、勝手に開く筈がない。

 

「撃て」

 

ドカカカカカカカカカカ!!

 

なんと扉の先には42式軽機関銃を装備した3人の隊員が居て、助かろうとした2人に無慈悲な弾幕射撃を食らわせた。

この2人の殺害を持って、尖閣諸島に侵攻していた歩兵は全員殲滅され尖閣諸島自体は空挺団が。資源採掘プラットフォームは国家憲兵隊がそれぞれ完璧に掌握した。

一応近海にいた054型刃海級ミサイル巡洋艦1隻、052型旅様IIIミサイル駆逐艦3隻からなる艦隊が尖閣諸島に展開した皇国軍殲滅の為に急行していた。しかし、その動きは既に与那国島へ向かっている第二主力艦隊の潜水艦により捕捉され、海からの刺客が向かっていた。

 

 

 

054型刃海級ミサイル巡洋艦『大連』 艦橋

「司令、もう間も無く射程範囲内です」

 

「よし。CICに巡航ミサイルの発射準備を命令したまえ」

 

「はい。しかし、本当によろしいのですか?」

 

大連の艦長は、この任務、というより作戦自体に些かの不安を持っていた。幾ら軍事力が自国より下(実際は世界最強だが、その大部分は隠されていたので仕方ない)とは言えど、核を持った立派な先進国。国連の常任理事国にも名を連ね、アジア諸国のリーダーとして国際的地位も高い大日本皇国に敵対して、本当に良いものかと。

そして何より、尖閣諸島へのミサイル攻撃は勿体無いと思っていた。あそこには日本が態々自国の税金で作った採掘施設がある。それを破壊せず、有効活用して使うのも一つの手だ。

 

「艦長、二度は言わんぞ」

 

「はい、失礼致しました」

 

艦長がCICへ指示を出そうとした時、奴が海中から飛び出した。特殊戦術打撃隊の保有する二足歩行戦車(メタルギア )、水虎4体が各艦に張り付く。

 

「うおぉぉ!?!?」

 

「な、なんだ!?!?」

 

数十トンはある鋼鉄の塊が、いきなり甲板にのしかかった事で艦内は地震の様に揺れる。これだけで頭をぶつけたり、何かの下敷きになって負傷した者も4隻合わせて10人位は出ている。

 

「か、艦前方に巨大なロボットです!!」

 

「主砲で撃ち抜け!!!!」

 

「だ、ダメです!!アイツ、主砲を踏み抜いてます!!!!」

 

「ならCIWSだ!!!!」

 

「は、はい!!」

 

艦長が艦内マイクにしがみ付き、どうにかCICに命令を伝える。すぐに砲雷長が命令を飛ばし、どうにかH/PJ12型30mmバルカン砲を起動させる。

 

「手動照準!!目視にて撃て」

 

「は、はい!!撃ち方始め!!!!」

 

30mm弾が発射されるも、水虎には全く効かず甲高い金属音が鳴るだけであった。水虎は攻撃してくるCIWSを黙らせるべく、脚で踏み付けた。そのまま脚が艦内にまで貫通し、直下にいた兵士は潰されてしまうし、なんなら下まで大穴が空いてしまった。

だが幸いな事に、真下への穴だったので浸水も大きさの割に少なくで済んだ。だが次の瞬間、水虎は右腕を艦橋へと突き刺した。

 

ガジャン!!ギギギギッ.......!

 

そしてそのまま、腕部60mm機関砲を艦内へ向けてばら撒いた。至近距離で撃たれた事で、砲弾は貫通し艦後部に降り注ぐ。後部にはVLSの他、ヘリ格納庫や近SAMまであり、簡単に言うと爆発したらヤベェ物が大量にある。

そこに砲弾がぶつかったら、どうなるだろうか?

 

ドッカーーーーーン!!!!!

 

大爆発である。何せVLSに収まってた対空ミサイル、対潜ミサイル、対艦ミサイル、巡航ミサイル、対艦弾道ミサイルが誘爆。ついでに後方のヘリ格納庫に格納されてるZ9C 2機と中の燃料と弾薬にも誘爆。その爆炎が上の近SAMに巡り、これも爆発。VLSの爆発で艦内と煙突にも爆炎が周り、その先にある機関も漏れなく爆発。一瞬で戦闘能力と航行能力を失い、後はもう潮の流れに身を任せる他無くなった。因みに他の艦も大体似た様な感じで、いずれにしろ地獄である。最後に水虎は口部に搭載された水圧レーザーカッターで、艦を両断して海へとまた潜って行った。

艦隊の消滅に尖閣諸島との通信途絶。これに加えて昼間の与那国島近海での戦闘や白鳳によって殲滅された航空隊なども鑑み、連合軍は与那国島に展開していた部隊を一度、台湾まで引き揚げる事を決定した。奇しくもそれは、海軍陸戦隊の上陸一時間前であった。

 

 

「司令、統合参謀本部より入電。どうやら敵さん、与那国島から撤退を始めたらしいです」

 

「なに?」

 

神谷はこの報告に耳を疑った。ここまでしておいて、撤退する理由が分からない。単にこっちに怖気付いての撤退なら問題ないが、もしこれが何か別の作戦の為の布石であるなら、排除しておく必要がある。

 

「取り敢えず、航空機で偵察させろ」

 

「了解しました。当直飛行隊に発艦指示を出します」

 

命令を受けた航空隊はすぐに与那国島上空に急行。偵察行動に移った。多数の写真を撮り、レーダーでも確認したが、本当に撤退してるだけの様だ。

 

「本国に逃げ帰るんですかね?」

 

「どうだかな。あの国共はトップの面子で、下っ端を回してくる。今回の作戦、既に我々が悉く潰した。航空隊を失い、尖閣諸島と資源採掘基地も奪還され、竹島も第八主力艦隊が包囲してる。そして今、奴等は与那国島からも撤退している。あんだけの軍隊動かして「何の成果も、得られませんでしたぁぁ!!」なんて、何処ぞのキース教官みたいな事を言ってみろ。トップのメンツは丸潰れだ」

 

「.......まさか」

 

「多分奴ら、少なくとも中国は台湾へ兵員数を増強させる気だ。与那国島に送っていた部隊や、送る予定だった部隊をあてがって」

 

この神谷の読みは大当たりだった。この大攻勢は失敗に終わったが、手ぶらで帰国する訳にもいかない。そこで三国は台湾を完全に攻め滅ぼし、今後の日本への橋頭堡とすることを考えたのである。

 

「司令、どうなさいますか?」

 

「どうするもこうするも、今のは俺の勝手な憶測だ。流石にこの規模の部隊を憶測だけでホイホイ動かす訳にもいかない。このまま監視を実行するが、何か手は打っておくさ」

 

とは言っても、すぐには手は浮かび上がらない.......と思っていた時期があった。この話をした10秒後には浮かんだのだ。すぐに東京にいる2人に連絡して、ある事を頼んだ。

 

『なに!?お前それ、マジで言ってるのか?』

 

「マジもマジ、大マジだ。これだけの戦力が台湾に向いてみろ。台湾が地図から消え去るのも、時間の問題ってヤツだ。それを説明してだな」

 

『あのなぁ、あっちの軍隊にもプライドがあるだろ』

 

一色は神谷の意見に否定的だったが、川山は「案外いけるかも」と言いいだした。

 

『確かに普通ならそうだが、相手となる中国の恐ろしさは多分、世界にある国々の中で一番理解してる。だからきっと、向こうとしても願ったり叶ったりの筈だ』

 

『あーもー、外交のプロと戦争のプロが言うんだ。陛下はこっちで説得するから、そっちはそっちで動きやがれ!』

 

神谷発案の作戦は一色経由で無事に天皇の認可を得て、川山が台湾政府との交渉に入った。そしてその交渉も、これまでの日本の功績と現在の状況を鑑み、特例として速やかに認められ、神谷の作戦は晴れて、現実の物となったのだ。

 

 

「さーて、野郎共。作戦開始だ。これより我が艦隊は、敵艦隊の追撃に入る。目標は台湾だ。この作戦には台湾に上陸した我が国への侵攻部隊も、作戦目標に入っている。さぁ、殲滅戦の開始だ!!!!!」

 

神谷の考え出した作戦とは、今回の一件で攻め込んできた連合軍を『追撃』という形で追いかけて、そのまま台湾近海と上陸した場合は台湾で殲滅するという考えである。この作戦には第一から第四までの主力艦隊が参加し、台湾近海を完全に封鎖する手筈になっている。おまけに海軍陸戦隊と一部の特殊な陸上部隊も動くので、連合軍に勝ち目なんてない。

 

「機関始動!最大船速へ!!!!」

 

艦隊は動き出し、進路を台湾のある西へと取る。時を同じくして、沖縄からとある特殊な陸上部隊がC2屠龍に乗って、台湾の首都である台北上空を目指していた。この部隊こそ、後に『近代軍隊に於ける最強の戦闘集団』との呼び声高き神谷戦闘団、そして特殊部隊をも凌ぐ練度を誇る世界最強の精鋭集団である白亜衆の前身となった『海軍特別陸上機動旅団』である。

神谷戦闘団同様に、小規模ながらも最新の46式戦車や51式510mm自走砲を装備した精鋭機甲部隊を有した部隊であり、旅団規模でありながら、その攻撃力は師団規模に匹敵する。

 

「突撃戦隊に下令!敵艦隊に突撃し、ご挨拶してこい」

 

「アイ・サー!」

 

暫くして神谷は、前衛の突撃戦隊に敵艦隊への突撃を指示。命令を受けた突撃戦隊は、嬉々として艦隊を離れ敵艦隊への突撃を敢行した。

 

「うっしゃぁ野郎共!!!!!ウチの祖国汚しやがったクズ共に、我らの怒りを叩き込みに行くぞ!!!!」

 

先頭を走る突撃重装巡洋艦『阿武隈』に乗る司令が無線で叫ぶと、無線の奥から雄叫びが聞こえてくる。どうやら、皆闘志は十分のようだ。

そしてこの突撃戦隊の動きは連合軍に捉えられており、すぐにミサイル攻撃を仕掛けてきた。だがしかし、それでコイツらが止まるなら苦労はしない。

 

「キタキタキタキタ!ミサイル、探知!!0°から、真っ直ぐ突っ込んでくる!!!!!!!!」

 

「対空戦闘はするな。このままサイドステップで避ける!!!」

 

阿武隈型と突撃戦隊の中核を成す磯風型には、対艦ミサイルを10発位当たってもビクともしない、化け物レベルの装甲が施されている。だが、この装甲に頼らずとも、突撃艦には『サイドステップ』という特殊な機構が備わっている。両サイドに特殊なスラスターを搭載しており、そのスラスターで瞬時に200ノットと同等の爆発的な推進力を生み出す。これにより艦は、まるで反復横跳びのような動きをするのだ。

因みにこの推進力がどの位の威力かというと、もし仮に横に駆逐艦が接舷していれば、普通に大穴を開けるくらいには威力がある。

 

「まだまだまだまだまだまだ..............今だッ!!!!右ステップ!!!!!!!」

 

急激な加速に、身体が左へと持っていかれる。しかし身体はシートに立った状態で固定されてるので、左側に吹き飛ばされることはないが、それでも結構キツイ。仮に船に弱い者が今のを体験したら、確実にキラキラが宙を舞うだろう。

 

 

「な、なんだ今の!?!?」

 

「どうした?」

 

「て、敵艦がレーダー上で右に瞬間移動しました.......」

 

この報告に韓国のイージス艦の艦長も、顔を呆れたものに歪ませて「はぁ!?」と言ってきた。だが実際、レーダー上では敵艦である突撃艦が右に瞬間移動したのである。

 

「そんな訳あるか!!」

 

「そ、そうですよね?ど、どうせレーダーがまたイカれただ.......け.......」

 

だが今度は艦長がいる目の前で、それもレーダーの画面を艦長が見ている目の前で瞬間移動した。本当にシュンっとレーダー上の光点が瞬間移動するのだ。

 

「まじかよ」

 

艦長の呟きと同時に、艦は爆炎に包まれた。阿武隈がお返しに撃ち出した対艦ミサイルが直撃し、そのまま海に姿を消した。

 

「撃ちまくれ!!!!」

 

設計段階から艦隊決戦なんて想定すらされてない駆逐艦では、突撃艦の火力を防ぐことは出来ない。最大口径250mmの砲弾が毎秒数十発襲い掛かり、脆弱な装甲を貫いて破壊の限りを尽くす。これに加えて魚雷まで撃ってくるのだから、最早打つ手はない。

 

「敵艦、本艦右舷を高速で通過!!」

 

「ミサイルを叩き込め!!」

 

「!?敵艦、反転!!また来ます!!!!」

 

突撃戦隊は阿武隈型を先頭に、狩り方衆と呼ばれる磯風型突撃高速駆逐艦がその後ろに続き、最後尾に後追いと呼ばれる阿武隈型が付く。一列に突撃したのち、再度反転して先頭と後追いを入れ替えて、また突撃するのが突撃戦隊の基本戦法だ。相手側の準備が整う前に、突撃戦法で殴り付ける。こんな攻撃をされては、瞬く間に艦隊は殲滅されてしまう。

 

「大半はやったな。陸戦隊に上陸開始の合図を送れ」

 

「アイ・サー!」

 

合図を受けた海軍陸戦隊三個師団が上陸を開始し、これに呼応して特別機動旅団も台湾上空に空挺降下を敢行。さらに特殊戦術打撃隊のメタルギア龍王とメタルギア零が上陸し、進撃を開始する。

 

「なんだあれは!!!!」

 

「ありゃまるで.......メタルギアだ.......」

 

ギャオォォォォン!!!!!!

 

「に、逃げろ。ここから逃げろーーー!!!!!!」

 

兵士達は巨大なメタルギアの姿を見て、武器を捨てて逃げ出し始めた。中には勇敢な者がいて、対戦車ミサイルを撃ち込んでくる。だが、その程度ではメタルギアは止まらない。

 

「Sマイン、発射」

 

メタルギア零に搭載されたSマインが空高く射出されて、上空で起爆。周囲に手榴弾をばら撒いて勇敢な兵士を吹き飛ばした。

 

「急げ急げ!歩兵の撤退を援護しろ!!!!!!」

 

だが連合軍だって、ただやられはしない。ロシアの誇る最新鋭戦車T20と、中国の99A式が前線に出てきて砲撃支援を開始した。だがその近くには、陸上戦艦の名を持つ46式と34式戦車改が既に展開済みだ。

 

「敵の戦車を破壊する。全車突撃せよ!!」

 

「ウッシャー!!野郎共、掛かれ!!!!」

 

対戦車戦闘に於いて、真正面からぶつかるのはリスキーとなる。これは歩兵に限らず戦車だとしても同じで、歩兵なら気付かれてさえいなければ、もしかすると対戦車ミサイルを叩き込めるかもしれない。だが気付かれれば、機関砲の弾幕に晒されるか主砲で吹き飛ばされるのがオチだ。

戦車同士の場合、正面から戦っても互いに勝算が薄い。特殊な砲弾を使うならいざ知らず、普通に撃ち合ってもラッキーパンチを叩き込まない限り倒せない。というのも現代の戦車は、基本的に主力戦車と呼ばれるのが主流で昔のように様々な種類があるわけではない。そしてこの主力戦車は自分の主砲を防ぎ切る装甲を正面に施しており、基本的に相手の砲弾も弾き返す。その為、戦車戦では装甲の薄い側面と装甲が薄い上にエンジンなんかのある後部を狙う。

ところがどっこい、46式はそれが通用しない。側面と後部にも最大150mmの砲弾が直撃しても耐えある装甲を施し、正面だって勿論主砲の350mm砲を防ぐ装甲を施してある。34式改は主砲塔が通常の200mm速射砲から120mm連装砲に換装されており、側面と背後への砲撃には通常戦車の二倍の攻撃力を誇る。

 

「主砲発射!!」

 

ドン!!!!

 

それを知らない連合軍戦車隊は、主砲を先頭を突き進む46式へと打ち込む。だがこれは牽制兼陽動であり、撃破できるとは勿論思ってない。すぐに側面へと回り込んだ99A式が主砲弾を46式に叩き込んだのだが、その砲弾を受けても46式はピンピンしていた。

 

「な!?」

 

「コイツ、砲撃が効いてないのか!?!?」

 

99A式の主砲は125mm滑腔砲であり、150mm砲弾の直撃に耐える46式にはダメージは与えられない。逆に46式の砲塔が99A式の方を向いて、主砲である350mm滑腔砲を向けた。99A式は正面を46式に向けていたのだが、正面装甲を持ってしても350mm砲弾を防ぐことは出来ない。正面から(・・・・)エンジンを撃ち抜いて撃破した。

 

「戦車が正面で一撃!?!?」

 

「日本はなんて兵器を持っているんだ.......」

 

この後、この戦車部隊がどうなったのかは言うまでもない。全部スクラップの屑鉄へと加工された。ちょっとばかし血糊と肉片が付いているが、気にしてはいけない。

戦車や海軍陸戦隊が戦闘を継続している一方、裏ではこの車両が動いていた。設定集で登場させて以降、多分本編では二年間一度も登場してない隠れチート兵器。47式指揮装甲車が、たった一両で連合軍を混乱させていた。

 

「暗号を解読しました」

 

「ならこれを暗号化して全軍に流しつつ、本部には直通回線を遮断して混乱させておけ」

 

「了解」

 

47式は転移後ではオーバースペックすぎて、専ら単なる通信車両としての扱いを受けている。だがこの車両の真価を発揮するのは通信、電磁波、信号を傍受し利用する『SIGINT』である。47式にはスーパーコンピューター京と同スペックの物を小型軽量化して搭載しており、瞬時にありとあらゆる暗号を解読。さらに暗号に変換して、敵に欺瞞情報を流す事だって出来てしまう。

これに加えて強力なジャミング装置で、敵の通信網をグチャグチャにする事もでき、スーパーコンピューターのスペックを活用して仮想現実内での戦況シュミレートも出来てしまう。転移後はSIGINT以前に、コンピューターが存在しない上に、そもそもデジタルとかの概念すら無い以上、その大半の装備が全く使えないのだ。

じゃあ何でこんなのを主が作ったのかだって?カッコいいだろ、そういう兵器!!もしかしたら魔帝辺りと戦う時に、なんか色々あって使えるかもしれんだろうが!!!!原作自体、まだそこまで進んで無いから分からんけど。

とまあ主の叫びは取り敢えず置いておいて。この偽の暗号を使った指令で、連合軍は一箇所に集結させられた。

 

「ここに集結するんだよな?」

 

「司令部からの暗号には、そう書いてあります」

 

「でも何でこんな海岸に.......」

 

連合軍が集結させられたのは、台湾島北側の海岸。ここに残存する兵力が集結しており、その規模は歩兵50,000人、戦車152両、装甲車321両、自走砲と榴弾砲210門、その他トラックやジープ854両と言ったところ。上空には20機の攻撃ヘリが飛んでいて、おそらく簡単な哨戒をしてくれている。

最初ここに攻め込んだ時には歩兵75,000、戦車200両、装甲車450両、自走砲250門、榴弾砲200門、トラック500両、ジープ750台、攻撃ヘリ60機の大戦力だった。しかも途中で日本侵攻グループからの増援(敗残兵)が来たのに、もうその見る影はない。

 

「俺達、撤退なのか?」

 

「流石にやられすぎた。上もこれ以上、戦力を失いたくないんだろうな」

 

「.......なんで、戦争なんだろうな。別にいいじゃないか、台湾が中国じゃなくたって。魚釣島が日本の物だって」

 

上はこの戦争に「権力や利権を得たい」という目的がある。だが実際に戦場に立つ彼ら兵士には、そんな目的なんてない。というかそもそも、戦争なんか真っ平ごめんというのが本音だ。まあ中には、人を殺したい衝動に駆られてる奴とか女を好きにしたいシモと脳が直結した発情ザルがいたりするが、少なくとも殆どの兵士は戦争なんてしたくないというのが本音なのは間違いない。

だが例えそれが本音だとしても、神谷には関係ない。集結した連合軍を前に、神谷は作戦の開始を指示した。次の瞬間、後方に控えていた51式と日本と台湾の自走砲、榴弾砲が一斉に発射される。その砲撃が降り注ぎ、海岸は大混乱に陥った。

 

「今だ。行くぞ」

 

特別機動旅団を率いて、神谷はバイクで突撃を開始する。他の兵士はジェットパックとグラップリングフックを駆使して神谷の後ろを追いかけるが、それすらもおいて1人敵陣へと突っ込む。

 

「なんか凄いスピードでくるぞ!!」

 

「弾幕をはれ!!!!!」

 

敵部隊は慌てて弾幕を張ってくるが、神谷は岩とか木とかの障害物を上手く利用してそのまま懐に飛び込んだ。

 

「オラオラ行くぞ!!!!!!」

 

なんと神谷はバイクを活用して、格闘戦を始め出した。バイクを前輪を軸に回転させて、後ろで敵をバッティングよろしくぶっ飛ばす。かと思えばウィリーさせて、脳天に前輪を力一杯ぶつける。顔面でタイヤを全力回転させる。等々、もうマトモじゃない戦い方であった。かと思えば、刀を手にして敵にバイクで突っ込んで斬り捨てたり、もう破天荒をそのまんま表したような感じである。

 

「こいつキチガイだ!!!」

 

「応戦せよ!応戦せよ!」

 

「撃ちまくれ!!!!」

 

もう同士討ちとかお構い無しに、とにかく弾をばら撒く。その頃のは特別機動旅団も到着して、台湾陸軍もこの機に攻勢に転じて連合軍は総崩れになった。

 

「司令!!いつもの行きますよ!!!!」

 

「よっしゃこいや!!!!」

 

神谷がしゃがみ、向上がその背中をジャンプ台にして飛ぶ。そして空中であちこちに32式戦闘銃を撃ちまくる。こんな何処ぞのバトル漫画みたいなことをされては、訓練された兵士とて対応はできない。

これより一時間後、台湾に侵攻した連合軍部隊、及び日本は侵攻し逃げ延びた連合軍部隊は完全に殲滅された。この戦争以降、この連合軍に参加した中国、ロシア、韓国の三国は崩壊の道を進むことになる。中国はこの戦争後に軍による反乱が発生し、共産党政権が完全に崩壊。台湾の中華民国政府が中国全土を掌握し、中華人民共和国は地図から消えた。

ロシアと韓国は国際社会から締め出された挙句、運悪く両国で凶作と地震が起きて餓死者まで出る事態に発展。これを受けて国民は他国へと流出し、かつての発展した大国としての姿は何処にもなく、廃墟となった街では汚職にまみれた警官とギャングやマフィアが巣食う第二のベネズエラになってしまった。因みにロシアには天然ガスという最高の切り札があったが、シェールガス開発や日本の海底資源採掘により、もう意味を成さなくなっている。

そして、この戦争後に世界各国で一つの合言葉が出来た。『日本を怒らせてはならない』という物である。これまでの世界の軍事力ランキングでは5位であったが、今回の一件で一気に1位にまで上がり、アメリカ軍を唯一数でも質でも叩きのめせるとまで言われた。まあその後の演習で鎌倉バイキングが暴れたり、プロトタイプだった頃の提灯でアメリカ、イギリス、オーストラリアの連合軍を判定上だが殲滅したり、艦隊演習で参加した60隻近い艦艇を、1隻で全艦轟沈判定を与えたりと、伝説を残しまくったので間違いじゃない。

 

 

 

 

 

 

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