暴走族と魔法少女   作:ヘッズ

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第11話 BOY FRIEND

 

♢姫河小雪

 

「殺島君からメッセージ来た?」

 

 4限目終わりの昼休み、芳子とスミレと机を合わせ談笑している最中芳子から何気なく訊かれる。

 

「うん、来たよ」

「ん?確か小雪は殺島君と連絡先交換しなかったよね。どういうこと?」

「殺島君から小雪の連絡先教えてくれってメッセージを送られてきたから教えた」

「本人の許可なしに教えるってどうなの?リテラシー足りなくない?」

「嫌なら無視するかブロックすればいいから問題ないかなって」

「確かにそうだけど、何か違う気がする。それでどんな内容だったの?」

 

 スミレは頬杖をつきながら問いかけ芳子も興味津々と言った様子でスマホからこちらに視線を向ける。

 

「ざっくり言えば、キューティーヒーラーを見て色々と語りたいから付き合ってくれって内容」

「そっち方面か、それだったら小雪に連絡するのも納得だ」

 

 芳子の言葉にスミレはうんうんと頷く。

 

「それって2人っきり?」

「はっきりと分からないけど、たぶん」

「男子と二人っきりってデートじゃん。しかも殺島君と、いいな~私もがっつり見ておけばよかった。そうすれば小雪の代わりにお呼ばれされたかもしれないのに。今からキューティーヒーラー見れば間に合うかな?」

「それは無理かな。会うのは今日の放課後だし」

「残念~」

 

 芳子は露骨に肩を落とす。しかし本気でそう思っているわけではなく、殺島と話すためにキューティーヒーラーを全部視聴する気もないのも分かっていた。

 

「しかし意外だな、小雪だったら断りそうなのに。何か理由有るの?もしかして殺島君に気があるとか?」

 

 芳子はニヤニヤと笑みを浮かべながら小雪の脇腹を肘で突っつき、小雪はやめてよと若干苦笑いを浮かべ距離をとりながら話を続ける。

 

「文面からして物凄くキューティーヒーラーにハマったのは分かって、物凄く面白かったり感動した作品に出会って誰かに語りたいって気持ちは分かるんだよね。それに語るにしてもある程度分かる人じゃないと共感も得られないし、キューティーヒーラーは小さい女の子向けのアニメだし、殺島君の周りに見ている人なんてまず居ない。だから私に連絡して頼んだんだと思う。だから少しぐらいは付き合ってあげてもいいかなって。あんまり予定ないし」

 

 小雪は最後に自虐的な笑みを浮かべながら喋り、スミレと芳子はその言葉を聞き考え込む。好きな物を凄さや楽しさを共感してもらいたいという気持ちは多かれ少なかれある。スミレも好きなバンドの音楽を聞かせたり、芳子もお勧めの海外ドラマを勧めたりするので分かるだろう。

 

「その気持ちはある意味分かる。付き合ってあげなよ」

「困っている人を助けるってキューティーヒーラーっぽい。確かそんな感じの話だったよね?」

「そんな感じ」

「念のため付いていってあげようか?殺島君はそんな事しないと思うけど、万が一何かされた時ように近くに居てさ」

「それって、2人が何を話しているか聞きたいだけじゃない?」

「それも多少ある」

 

 芳子は親指と人差し指で隙間を作るジェスチャーを作り、スミレは趣味悪いと揶揄う。

 

「ありがとう。でも私の用事に2人を突き合わせるのも悪いし」

「そっか、実は私も用事があるんだよね」

「私も、そういえば例の動画見た?」

 

 スミレは思い出したかのようにスマホを取り出し動画を再生し芳子に見せる。小雪は友人達の気遣いに感謝しながら自身の気持ちを考える。

 

 自分でもこの申し出に応じるとは思わなかった。確かに殺島の気持ちも分かるがあまり得意なタイプではなく、友人達に紛れて喋るならともかく一対一で話したいと思うほど好意や興味を持っているわけではない。殺島の誘いに応じたのはキューティーヒーラーという魔法少女アニメにハマっているからだ。

 キューティーヒーラーを始め、ハーローデイジーやひよこちゃん等の魔法少女モノと分類されるアニメは完全なフィクションではない。主人公たちは自分と同じ魔法少女であり実在している。

 魔法少女アニメを見て彼女達の活躍を見て、魔法少女になったら彼女達のように清く正しい魔法少女になりたいと思い、今も理想に限りなく近づこうと活動している。そして魔法少女生活のなかで実際の魔法少女はアニメの中の魔法少女のように清く正しいわけではないと知る。 

 

 魔法少女スノーホワイトは魔法少女界隈では魔法少女狩りと恐れられている。独自で調査し行動し悪事を働いている魔法少女を捕まえている。やっている事は魔法少女の警察のようなものだが、実際は悪党魔法少女を捕まえるために魔法少女のルールを無視し、素直に罪を認めず抵抗する魔法少女を暴力で無力化したことは何度もある。

 周りは褒める人もいるが、やっている事は自分の目的や欲求を満たすために暴力を行使している悪党魔法少女と変わらない。それは理想に描いた清く正しい魔法少女像とは離れている。

 本当は清く正しい心を持ち、自分の気持ちを訴えかけることで改心する。そもそも誰一人悪しき心を持たない魔法少女がいる理想の世界を望んでいた。

 だが現実は甘くなく良心に訴えかけたとしても誰も耳を貸さず、平気で自分の欲求を満たすために悪事を重ねる魔法少女は後を絶たない。

 

 スノーホワイトは変わった。N市で行われた魔法少女選抜試験、その試験にはスノーホワイト以外にも15人の魔法少女が居た。試験内容は人助けをするごとに貰えるキャンディーの多寡を競う内容だがキャンディーが少ない者は死亡し、運営側はキャンディー集めではなく魔法少女を直接殺すのを推奨し、多くの魔法少女はその思惑に乗っかり試験は壮絶なデスゲームと化した。

 結果的に16人居た魔法少女は自分を含め2人となり、犠牲者の中には幼馴染であり大切な友人であったラ・ピュセルや自分を慕ってくれたハードゴアアリスも死んだ。

 試験の間何もしなかった。人助けもしたが恐怖に怯え何も行動しなかった。生き残りであり友人のリップルは運営の誘いに乗らずアニメの魔法少女のように暴力を行使しなかった姿を見てスノーホワイトは魔法少女だと言ってくれた。

 確かに無意識では理想の魔法少女を貫くために暴力を行使しなかったのかもしれない。しかし死の恐怖に恐れ何もせず何も選択しなかった臆病者の魔法少女、それがスノーホワイトだ。もし自分が動き選択すればラ・ピュセルやハードゴアアリス、他の魔法少女は死ななかったのかもしれない。

 選抜試験以降はアニメの魔法少女ならする必要がない戦闘訓練を繰り返し、悪事を働く魔法少女を倒すために暴力を行使する。

 それは当初に思い描いていた理想の魔法少女像にはほど遠い。しかしその理想の魔法少女では悪党魔法少女の悪事を止められず、多くの人を不幸にする。それならば例え暴力を行使しても悪党魔法少女を止める。それがスノーホワイトの魔法少女としての在り方となった。

 

 最近は魔法少女アニメを見てない。単純に年齢を重ね嗜好が外れてしまったのもあるが、魔法少女は全員が清く正しくなく、アニメに出ている魔法少女のモデルも私利私欲で他者を踏みにじり悪事を働いているかもしれないと思うと純粋な目で楽しめなくなってしまった。

 殺島は魔法少女アニメを純粋に楽しんでいる。それは文面だけでも充分に伝わってきた。魔法少女の実情も知らず彼女達の善性や思いやり優しさ気高さに魅了され感銘を受けている。そんな人が1人でも多く増え楽しんでもらい、何より好きで愛して欲しい。

 それは幼き頃の理想の魔法少女から外れてしまった今でも変わらない。姫河小雪として魔法少女スノーホワイトとしての願いでもあった。

 

◆殺島飛露鬼

 

「悪いっすご婦人(マダム)多忙(ケツカッチン)なんで」

「そんな、君といると普段の寂しさが癒えるの。お願い」

「何か有ったら呼んでください。これ俺の連絡先(アド)

 

 中年女性と連絡先を交換すると振り切るように足早にバイクに駆け寄り出発する。暇つぶしに逆ナンされたが、会話の中に確かな教養とユーモアがあり素敵な女性だった。いつもならもう少し遊んでも良かったが、今日は外せない用事があるので早目に切り上げた。

 

「集合時間の16時まで残り15分、楽勝(ヨユー)

 

 数々の犯罪行為をしてきた不良であるが時間は守る。特に今日は此方が誘ったので猶更だ。現時点から目的地までバイクで走れば普通なら30分程度はかかる。しかし殺島にとって何の問題も無かった

 殺島はバイクに乗ると法定速度を遥かに超えたスピードで走り、信号を無視し前方にいる車両を追い抜きながら進んでいく。

 

「~~♪~~~♪~~♪」

 

 無意識に鼻歌を口ずさむ。バイクで走るのは楽しい。今は暴走時程ではないがスピードを出して次々と車を抜き去り爽快感がある。だが上機嫌なのはバイクで走るからではない。この後にキューティーヒーラーについて語れると思うと心が高揚する。その鼻歌のメロディーはキューティーヒーラーOPのメロディーである。52回も聞けば頭に刻み込まれている。

 

 殺島はキューティーヒーラーにドハマりしていた。視聴する切っ掛けはある種の罪滅ぼしだった。生前では娘の花奈がフラッシュプリンセスというこの世界のキューティーヒーラーのようなアニメに熱中し、アニメについて色々と話しかけてきた。

 仕事が忙しかったのもそうだが単純に興味が湧かず見てないのもあり、テキトーに相槌を打ち話を合わせるだけだった。花奈は表向きには楽しそうに話していたが、実は興味が無いのを見抜き、楽しさや面白さを共有できないと悲しんでいたのかもしれない。子供は意外と敏感だ。

 せめてこの世界ではと思い見始めた。そして見始めてから2時間程度で罪滅ぼしという感情は消え失せ純粋に娯楽として楽しんでいた。

 全話視聴し暫くの間余韻を楽しんだ後に湧き上がったのは作品について語りたいという衝動だった。これが娘の抱いた感情か、同じ気持ちを抱けた嬉しさがあった。

 しかし問題が生じる。それは周りにキューティーヒーラーを見ている者が居ないという事だ。覇威燕無礼棲(ハイエンプレス)や学校での知人友人などそれなりに付き合いは広いが見ている者は誰一人していない。ネットで語り合うという方法はあるが殺島にはそのアイディアは思いつかなかった。

 どうすべきかと考える最中先日のナンパした女子中学生グループの中に魔法少女アニメについて説明してくれた女の子が居たのを思い出す、確か姫河と名乗っていた。一度会っただけの男の誘いに乗ってくれるかは分からないが、それしか候補者が居ないのでとりあえず連絡しようとするが、連絡先を聞いていないのを思い出す。

 だがその程度で諦めるほど語りたいという欲求は小さくない。連絡先を交換した姫河の友人と連絡をとり連絡先を教えてもらい、メッセージを送り約束をとりつけた。

 バイクを走らせて10分、集合場所であるチェーン店に到着し、店内に入り辺りを見渡すが姫河らしき人影は見当たらない。

 とりあえず1階に降りてメニューを注文し改めて同じ席に座る。そして5分後ぐらいに後ろから声をかけられ振り向くと姫河が居た。すぐに隣の席に置いていたバッグをどかし座るように促す。

 

「今日は来てくれて感謝(サンキュ)な」

「予定が空いてましたから」

「そうか、ところで芳子やスミレとかとこの店によく来るのか?」

「時々、皆帰宅部だから比較的に皆の予定があうので」

「帰宅部か、俺もサッカー部だったけど退部(ふけた)わ」

 

 ムカついたので退部届代わりに部長の頭をサッカーボール代わりに蹴ろうとしたと言いそうになったが止める。これは覇威燕無礼棲(ハイエンプレス)や野郎同士の会話のノリだ。女子中学生に言えば引かれる。

 

「キューティーヒーラー全部見たぜ、超夢中(ドハマり)だ。最初は軽い感じで見たが1話見る度にのめり込んで、気が付けば朝だった。こんな体験はいつ以来だろうな。それで続きが見たいから学校を欠席(ふけて)昼過ぎぐらいまで見て、このまま見ようかと思ったが絶好調(ベストコンディション)で見るべきだって6時過ぎまで仮眠とって、そこから最終話(ラスト)まで一気よ」

「学校休んだんですか?」

「ああ、気になって授業なんて受けてらんねえって」

 

 早速本題に入り率直な感想を伝える。姫河は学校を休んだことに苦笑いを浮かべる。声色に呆れが含まれているがそこまで悪い感情は籠っていない。

 

娯楽(エンタメ)でこんな衝撃(インパクト)を受けたのは初めてだ。ストーリーは勧善懲悪で子供用(ベタ)だが心にグッとくる。特にラスト数話は見てて真実(マジ)泣きした。まず主人公達が良い。あれは真実(マジ)でいい女でベタ惚れ(ゾッコン)だ」

 

 バイクで走っている時に何を話そうかある程度決めていた。だが気が付けばプランはすっかり消え、感情が赴くままに喋っている。

 さらに語彙力が明らかに低下している。まるでバイクや暴走について喋っている時の花奈のようだ。その子供のような姿に微笑ましさを覚えていたが、今の自分は大して変わらない。

 

「それでキューティーヒーラーの話だけど、キューティーパールは心優しいが臆病で引っ込み思案、キューティーオニキスは活発だが少しガサツで気配りが苦手、お互い長所と短所が正反対で反発し合うが影響を受け合い成長してく過程が良い。12話でキューティーパールが電車で老人に席を譲ろうとするんだが、以前に同じことをして「老人扱いするな!」激怒(キレ)られて止めようとするが、オニキスの何度怒られて挫けない強靭(タフ)さを思い出して勇気を出して席を譲る。あれは感動的(エモ)い」

「私もそのシーンは覚えている。地味だけどパールの優しさと成長が見られて好き」

 

 姫河は懐かしむように静かに頷き同意する。今まで一方的に喋っていただけだが初めて反応を見せて自分の意見を言った。そして同じように視聴していた姫河が自分の意見に同意してくれたのに嬉しさを感じる。これこそが人と語り合う楽しみだ。

 

「姫河は他に好きな場面(シーン)や印象に残っている場面(シーン)はあるか?」

 

 語るというのは一方的に喋るのではなく、お互いが話すことだ。誘いに応じてくれたが一方的に喋る場合も覚悟していたが、これまでの姫河の反応を見て語り合えると見て質問を投げかける。

 

「やっぱりオニキスとパールがガリヤが消えるまで癒し続けるとこかな」

「あれか!あれは真剣感動的(ガチエモ)!」

 

 姫河の意見に思わず手を叩き指さす。45話で悪の幹部の1人であるガリヤ、数々の非道な策略によりヒーラー達だけではなく友人や家族も傷つけた悪役、45話で倒すのだがヒーラー達は痛みに苦しむガリヤに駆け寄り回復魔法をかける。

 戦いを通して彼の孤独と痛みを知り癒せなくてごめんねと泣いて謝り続け、最後はヒーラー達を親の仇のように憎んでいたガリヤもその優しさに心打たれ、今まで酷い事をしてゴメンと謝り穏やかな顔で消えた。作中屈指の名場面だ。

 

 それからキューティーヒーラーについて語り続けた。主人公、敵キャラやサブキャラ、ストーリーなど様々な事を語った。時には意見に賛同し賛同され、意見を否定し否定された。意見を否定されても悪い気分にはならなかった。姫河はこう捉えるのかと感心するばかりだった。

 そして相手を気遣いほぼ初対面の人間の意見を否定しないが姫河なら受け止めてくれるという不思議な信頼感があった。

 

不真実(ウソ)だろ!?もうこんな時間かよ」

 

 思わずスマホを見て驚く。16時ぐらいに店に入ったが気が付けば3時間が経っていた。楽しい時間はあっという間に過ぎるというが、こんなにも速く過ぎるのか、この感覚は暴走の時のようだ。

 

「ある程度は語ったし、終了(おひらき)だな」

「そうだね。ちょっと待って」

 

 姫河はスマホを手に取り話す。口調からして親からだろう、どうやらいつ帰ってくるかという話らしい。生前母親が生きていた時も平気で19時過ぎても家に帰らず遊んでいたが、人によっては19時は充分に遅い時間だ、さらに姫河は女だから親も心配する気持ちも分かる。

 

「帰ったら次のキューティーシリーズ見るから、全部見たらまた語りに付き合ってくれねえか」

 

 帰り際にさりげなく提案する。今日は本当に楽しかった。好きな作品を語り合うのがここまで楽しいとは思ってもいなかった。この語りでキューティーシリーズに対する熱意は一気に増した。次のシリーズを全部見るのは確定事項であり、次も初代に負けないぐらい面白いのは確信できる。

 そしてまた語りたくなる。その相手に姫河が良い。比較対象は居ないが姫河と語るのが最も楽しい気がする。不思議と波長が合うのだ。

 

「分かりました。また話しましょう」

「良し、とりあえず全部見たら連絡するから落ち合う日は姫河が決めてくれ」

「分かりました。それでは帰ります。両親が早く帰ってこいって」

「それは一大事だ。最速(なるはや)で帰ったほうがいい」

「それではまた」

 

 姫河は頭を下げると小走りで信号を渡り駅に向かっていく。後ろ姿を確認しながらスマホを取り出し次のキューティーシリーズについて検索する。

 早く帰って見たいところだが先約がある。今日の夜から覇威燕無礼棲(ハイエンプレス)のメンバーで遠征だ。地元を暴走するのも悪くはないが遠征した地での暴走も楽しい。それはキューティーシリーズを見るのに匹敵する。

 土日を使って遠征するので視聴できるのは日曜の深夜か月曜からだ、キューティーヒーラーは逃げないから焦る必要はない。スマホの画面はネットのマップに変わる。遠征先であるからこそ入念な下調べが必要だ。

 殺島の頭はキューティーシリーズから暴走に切り替わっていた

 

♢姫河小雪

 

 電車に揺られながら今日の会合について振り返る。正直人助けだと思っていたので楽しさを求めていなかった。だが予想以上に楽しく気が付けば両親への連絡を忘れ喋ってしまった。

 こんなにキューティーヒーラーについて喋ったのはいつ以来だろう。語り合いを通して視聴していた当時は純粋に楽しんでいたのを思い出せた。

 そして殺島も楽しみキューティーシリーズに一層の興味を持ってくれた。それは魔法少女として魔法少女アニメ愛好家として嬉しかった。しかしよほど心に刺さったのだろう。その語りの熱量は時にこちらが圧倒されるほどだった。

 キューティーシリーズを見終わったら、デイジーやひよこちゃんを勧めてみよう。キューティーシリーズはアクションシーンが豊富でそういった要素に惹かれる者もいる。一方殺島は魔法を通しての成長や人の機微などの昔の魔法少女アニメ的な要素に惹かれている。そういった者は魔法少女アニメ全般を好む可能性がある。

 帰ったら夜のパトロール前に次のシリーズを見返すか、最後に見たのは大分前なので記憶が大分朧気だ。殺島の話についていけなくなるかもしれない。

 実際の魔法少女はアニメのように清く正しくない者もいる。モデルになった魔法少女もそうかもしれない。けれどアニメの魔法少女は理想の魔法少女だ。その姿に憧れ感銘を受けて彼女達のようになろうと思った。

 今は彼女達とはかけ離れてしまった。けれど自分なりに彼女達のようになろうという意志は失っていない。今一度キューティーヒーラーを視聴することで初志を思い出し、清く正しい魔法少女の姿を再確認するのも必要かもしれない。

 

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