暴走族と魔法少女   作:ヘッズ

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第9話 やりたくはない

 

◆生島花奈

 

「おい暴走族王(ゾクキング)、今週の帝都リベンジャー見たか?」

「見たぜ。トラケンとリュウゾウのバトルは灼熱(ゲキアツ)だった」

 

 暴走の休憩中にメンバーから借りた週刊少年雑誌を読みながらヤジに問いかける。昔は漫画を読んでも心に響かなかったが、覇威燕無礼棲(ハイエンプレス)を結成してから読むようになり今ではヤンキー漫画が大好きだ。過去の作品は勿論、今現在の作品も可能な限りチェックしている。そして帝都リベンジャーズもその中の1つだった。

 1話をコンビニで立ち読みした時に思わず震えた。これは過去の名作と呼ばれるヤンキー漫画を超える作品になる。どこら辺が優れているかは説明できないが兎に角凄い作品だというは分かった。これは時代を作る作品になるという予感があった。

 そして予感は当たり、知る範囲の高校生中学生達は帝都リベンジャーズが面白いと口々に言っていた。そして単行本も発売すると瞬く間に売り切れになり、その品薄具合はニュースで話題になったそうだ。

 

「しかし真剣(マジ)流行(バズ)ってんなオレの高校でも男は全員読んでるし、女でも結構読んでる」

「最近入った新人も帝都リベンジャーズを見てカッコイイと思って入りましたってのが殆どだからな」

「これは一昔以来の暴走族流行爆発(ゾクブーム)が来るかもな」

「それは大歓迎だ。チームは多い方が良いし、全国統一するなら脆弱(しょっぺえ)チームじゃなくて、屈強(ゲキツヨ)チームと争いてえ」

 

 花奈は思わず顔をニヤつかせる。全国各地で暴走族が走り回る。それはまさに理想郷だ。そして暴走族が増えるというのはより多く暴走の楽しさを体験している者が多いということだ。自分が好きなものはより多くの人にやってもらって流行して欲しい。

 

「中藤!今週の帝都リベンジャーズ見たか?」

 

 ヤジとの会話を切り上げ週刊少年誌片手に中藤の元に行く。中藤は帝都リベンジャーズという単語にやたらと反応していた気がしていた。

 

「ええ、見ましたよ」

「トラケンとリュウゾウのバトル熱かったな。どっちが勝つかな?」

「まだ決め……いやどっちでしょうね。バトルセンスはトラケンですが、根性はリュウゾウが上ですから」

「アタシとしてはリュウゾウが攻撃を耐えきり疲れたところにワンパン決めて勝ちだな」

 

 それから暫く帝都リベンジャートークに花を咲かす。中藤は帝都リベンジャーを読み込んでいるのか滅茶苦茶詳しい。

 

「ところでさ、リュウゾウって暴走族王に似てね?ハイキーとかも何かアタシに似ている気がするし、何か主人公チームの面子はどこかで見たことがある奴らばかりな気がする?」

 

 何気なく気づいた事実を伝える。主要メンバーはヤジ、ガンマ、デルタに似ている気がするし、他のサブキャラも覇威燕無礼棲のメンバーに似ているのがちょくちょく居る気がする。

 

「き気のせいじゃないですか」

 

 中藤はやたら動揺している。何か知っているかと問い詰めようとするが、ヤジからそろそろ出発しようと提案される。確かに頃合いだろうと単車の元に向かう。その後も滞りなく暴走し、何事もなく終了した。

 

「そういえば花奈は結構中藤に気をかけているというか、注目(おして)るよな。(ラブ)か?」

 

 暴走の帰りの最中にヤジが茶化しながら何気なく質問してくる。

 

「違げえよ。あいつは無しよりの無しだ。だが人間としては少々(ちょっぴり)尊敬(リスペクト)してる」

「どのへんが?」

「大人になっても暴走してるところだ」

 

 どいつもこいつも大人になるにつれて暴走族を辞めていく。その代表格が燕無礼棲(エンプレス)のメンバーだ。当時はというより今でも激おこだが、ある程度は心の整理がつくようになった。

 走るのに飽きてしまった場合それは渋々と納得する。生涯走り続けるつもりだが、他人はそういう訳にはいかない。いずれ興味が失せ飽きてしまうかもしれない。そんな者の首根っこを捕まえて暴走に参加させるつもりはない。

 何かされるかもしれないという恐怖で走ってもらっても相手も楽しくないし、自分も周りも嬉しくないし楽しくない。ただの悪影響だ。

 だが走りたいのに辞める奴らは絶対に許せない。燕無礼棲のメンバーはこのタイプだった。結婚するから就職するから大学に行くからと走りたいのに周りの評価を気にし世間の流れに従った弱虫だ。

 しかし中藤は違う。世間の目も周りの評価を一切気にせず走りたいという理由で覇威燕無礼棲に入った。10代ばかりがいるなかに20代後半のおっさんが入るというのは相当の覚悟と勇気がいる。それを好きという気持ちで乗り越えたのは相当凄い。

 中藤は毎回暴走に参加しているわけではなく、その参加率の低さを怒るつもりはない。大人になれば金が必要だというのは分かっている。

 今はヤジの稼ぎによってガソリン代などの暴走に対する金の心配はせずにすんでいる。中藤も同様だが親から金をもらっている自分とは違い、家賃とか食費を稼がなければならない。

 中藤はつばめや燕無礼棲のメンバーの腰抜けとは正反対の人間だ。好きな事の為に全てを費やせる大人こそ最も尊敬できる。

 

◆殺島飛露鬼

 

「大人になっても暴走しているところだ」

 

 花奈は目を輝かせて言う。だが殺島はその意見に納得できなかった。自分も含め多くの大人になれない大人たちが居た。その代表が聖華天のメンバーだ。

 忍者によって10万人を誇ったメンバーは文字通り半殺しされ、解散に追い込まれた。そして黄金時代は突如終わり、大人の日々が始まった。

 もし忍者に襲撃されなければ聖華天のメンバーは思う存分暴走しやりきれば、自分の中で区切りをつけられたかもしれない。そうすれば黄金時代に囚われることなく、良い時代だったと懐かしみ、その思い出から力をもらい退屈な大人の生活を乗り切れたかもしれない。

 しかし大半の者は黄金時代の楽しさと大人の生活の退屈さのギャップ耐え切れず心が折れた。それでも黄金時代に思いを馳せながらも二度その日々は訪れないことに絶望し、責め苦のような日々を過ごした。

 かつての黄金時代を再現しようと皆で集まろうにも忍者に刻まれた絶対的な恐怖が躊躇させる。暴走にも逃げられず責め苦を味わい続ける。まさに煉獄だ。

 それでも彼らは煉獄を生き続けた。そんな彼らを肯定し癒したい。それが生前の帝都高速で暴走した理由の一つだった。

 しかし中藤は違う。大人の日々に心が折れたかもしれない。だが覇威燕無礼棲という黄金時代を今から体験できる。それは尊敬できるものではなく唯の逃げだ。花奈が尊敬できるものではない。

 

「ふっ、嫉妬深い~(めめし)い~」

 

 思わず自虐的に笑い、花奈はその様子を訝しむが構わず笑い続ける。中藤への言いようのない不快感、これは嫉妬だ。聖華天のメンバーが苦しんだのに中藤だけ救われたのが妬ましいのだ。

 覇威燕無礼棲は花奈の家族だ。そして花奈の家族を守り幸せにすると決めた。ならば最大限幸福になるべきだ。

 中藤に対する気持ちを理解した。ならば今まで距離を置いてきた分改めて向き合おう。殺島は懐からスマホを取り出す。

 

「よう、暴走族王(オレ)だぜ。疲労困憊(おつかれ)のところ悪いけど、ちょっと駄弁(はなさ)ねえか。OK、そこで落ち合おう。大体10分ぐらいで着く」

 

 殺島は通話を終えるとスマホを特攻服の懐に仕舞いこむ。花奈はその様子を僅かに興味深そうに見つめる。

 

「覇威燕無礼棲のメンバーか?」

「ああ」

「何を話すか知らねえが、次の走りで話せばよくねえか」

「こういうのは思いついたら迅速(なるはや)でやるべきだ。ということでじゃあな」

 

 殺島はそう言うと突如左にハンドルを切り、花奈とは別の方向に進んでいく。

 

◆中藤

 

 中藤は公園の入り口前にバイクを停車し、備え付けのベンチに座る。ここは仕事場兼自宅から徒歩30分は離れている場所だ。今から会う人との会合に見つかっても正体はバレないだろう。

 暴走を終え帰宅している最中に暴走族王から連絡がきた。一応は覇威燕無礼棲の副リーダーと平として連絡先は交換しているが、暴走族女神と比べそこまで接点はなかった。

 年は上だが立場は相手が上で断る理由はない。近場の公園を集合場所に指定しようとしたが、もし特攻服をきた暴走族王と会っていると近所の人に見つかったらマズい。そこから漫画家中藤は暴走族と関係があるとバレるかもしれない。暴走はしたいが暴走しているのを世間にバレたくはない。

 暫くするとバイクのライトの光が目に入り特攻服が見える。暴走族王だ。礼儀としてベンチから立ち上がり出迎える。

 

「よっ、こんな時間に悪いな」

「いえ、問題無いです」

「今更だけど敬語じゃなくていいぜ。一応副長(サブリーダー)だけど中藤の方が年上だし、一対一(サシ)なら対等(タメ)語でいいし、皆の前でも杓子定規(ガチガチ)な敬語じゃなくて、多少(くだけ)ても問題ねえから」

「じゃあ遠慮なく。コーヒーサンキュウ」

 

 暴走族王は人懐っこい笑顔を浮かべコーヒーを差し出しながら敬語はいいと言う。今までの印象とは大分印象が違い。まるで何年来の親友と会っている気がしてくる。

 

「どうだ、暴走は楽しいか?」

「最高だぜ。皆で走るのがこんなに楽しいとは思わなかった。今がオレの黄金時代だ」

「それは良かった。けれど稼業(しごと)は大丈夫か?俺達は高校生(コーボー)だから最悪学校に行きさいすれば、授業中も熟睡(ぐっすり)しても問題ねえが、大人は仕事もあるしそうもいかないだろ」

「オレは自由業だし、多少は融通が利く」

 

 それからベンチに座り暴走族王と雑談する。日常の些細な出来事から、参加していなかった時の暴走でのトラブルや喧嘩のエピソード、今の音楽やオレが高校生の時の流行りの音楽について喋った。些細な会話だが話しても聞いていても妙に心地よかった。

 

「なあ中藤、大人はつれえか?」

 

 暴走族王は何気なく問いかける。今までの会話の流れからして少しだけ重い話題だ。覇威燕無礼棲での暴走や学校での生活が楽しくても、ふと大人になってからの不安が押し寄せるものだ。それがポロっと出たのだろう。

 

「そうだな。上手くいかない事ばかりだし、自分の無力さを嫌というほど実感させられ、次々と困難が押し寄せる。上手く折り合える大人も居るが、耐え切れず折れちまう大人も居る。オレもそんな大人の1人だった」

 

 率直に話すか嘘をついて希望を見せるか迷ったが、率直に話すことにした。暴走族王はコミュニケーション能力が高く人にも好かれる。困難に立ち向かえる能力を持っているがそれでも押しつぶされてしまうかもしれない。能力を持つ者もその能力に比例して困難が大きくなるかもしれない。現実を知る必要がある。

 

「だった?」

「ああ、あの時覇威燕無礼棲に出会って、一緒に暴走してその楽しさのお陰で日々の辛さを忘れられた。ちょっとした現実逃避だ。でも現実逃避によって心が癒され昔の夢を思い出せた。そのお陰で困難に立ち向かえる」

 

 確かに困難が押し寄せる大人の生活に心が折れた。だがそれは過去形だ、覇威燕無礼棲に出会って全てが変わった。今ではかつての夢を実現できている。まさに命の恩人だ。

 

「そうか、覇威燕無礼棲のお陰で大人の困難さを克服できたんだな。よかったな」

 

 暴走族王はポツリと呟く。その声色には自分が幸せになれた事への嬉しさと推し量れないもの悲しさが含まれており、まるで酸いも甘いも吸い尽くした大人が呟いたようだった。

 

「それで帝都リベンジャーを頑張って描いてると」

「な!?」

 

 思わず立ち上がり暴走族王を睨む。反応を抑え込もうとしても咄嗟に出てしまった。これでは暴走族王の言葉が正解と言っているようなものだ。何故帝都リベンジャーズを描いていると露見した?一方暴走族王も同じぐらい動揺していた。

 

真実(マジ)かよ。万が一(ワンチャン)そうかなと思って言ってみたが大正解(ビンゴ)か」

「なんでそう思った?」

「まず作中のキャラクターがメンバーにかなり似てるし、暴走族女神が帝都リベンジャーズの話するとかなり動揺するし、それに絵がうまいしな。いつか何か皆を漫画っぽく描いてたりしてたろ。もしかして作者かなと(かま)かけたら」

 

 暴走族王は予想外の出来事に笑みを漏らす。だがこちらは己の不用意さに腹を立てると同時に今の状況に背筋が凍っていた。

 

「頼む!この…」

心得(わか)っているよ。あの帝都リベンジャーズの作者が現役の暴走族でした。露見(バレ)たら連載は即打ち切りどろか、2度と覇威燕無礼棲で暴走できなくなる。仲間の黄金時代を奪うような真似は絶対にしねえ」

 

 暴走族王はオレの唇に人差し指を立て皆まで言うなと優しく語り掛ける。高校生なら有名人と知り合いであれば思わず自慢してしまうかもしれない。当人にとっては何かの拍子かもしれないが、それは人生の破滅に直結する。

 

「勘違いしてほしくないのは覇威燕無礼棲の皆は中藤が喋るなと言われれば黙る。ただ高校生(コーボー)だからよ。つい迂闊(ポロ)っと喋るかもしれないし、友達(ダチ)に二人だけの秘密と打ち明けて、その友達(ダチ)から露見(バレ)るかもしれねえ。だから俺の胸だけに収めておく」

「暴走族王」

 

 安堵で思わず膝から崩れ落ちる。まさに九死に一生、バレたのが暴走族王で良かったと心の底から思っていた。

 

「オレは拷問されたって喋らねえ、男の約束だ。その代わりにお願いが有るんだ」

「お願い?」

「最高に面白い作品を描いて、暴走族のカッコよさや素晴らしさを布教(つたえて)くれ。かつての全盛期、いやそれ以上に暴走族を増やす潜在能力(ポテンシャル)が帝都リベンジャーズにはある。全国の少年少女(ワルガキよびぐん)が読んで暴走族(カッケェー)と思って暴走族になる作品にしてくれ。日本全国で暴走族(ワルガキ)が暴走する。それは暴走族女神の夢なんだ!中藤にしかできない!頼む!暴走族女神に夢を魅せてくれ!」

 

 殺島は肩に手を添えて真剣な眼差しで語り掛ける。マイナージャンルを題材にした漫画が爆発的な人気を博し、そのジャンルが一気に有名になり参加人口が増えるという現象は度々起きる。それを自分がやるのか?

 あまりの目標の大きさに首を横に振りそうになる。だが暴走族王が一点の曇りもなく信じてくれる。暴走族女神が本気で願っている。ならばやってやる!今度はオレが恩人たちの願いを叶える番だ!

 

「分かった。オレが最高に面白い作品を描いて、全国のガキ共を暴走族にしてやるよ!」

「頼んだぜ中藤、けれど漫画を頑張るのはいいが、時々は暴走に参加してくれよな。オレも淋しいし、暴走族女神もだ。それに中藤が走ってる姿も見て中年(オッサン)老人(ジジイ)老婦(ババア)が走りたいと参加するかもしれねえからさ。それも暴走族女神の願望(ゆめ)だ」

「任せろ、それよりオレはまだ20代だからギリおっさんじゃねえ」

高校生(コーボー)から見たら充分中年(オッサン)だ」

「ぬかせ」

 

 暴走族王に友達同士でふざけるように軽くパンチを放つ。結構飄々としていると思っていたがこんな熱い一面もあるのは意外だった。

 

「じゃあ、頑張ってくれ大先生(うれっこ)

「ああ、最高の作品を描いてやるよ」

 

 それから暫く話し込んだ後に解散する。最初に顔を合わせた時は何年来の親友と会っている気がすると感じたが、今では秘密を共有し親友になったのではと真剣に思っている。

 今はプライベートも仕事も充実しまさに黄金時代だ。そこに親友と恩人から思いを託され、さらに心に熱が灯った。

 2人の願いを叶えるのは困難かもしれない。だがそれを叶えるための日々はさらに充実するだろう。それは黄金時代以上の黄金時代、超黄金時代だ。

 

「やってやる!」

 

 近所迷惑も顧みず声を張り上げた。

 

◆殺島飛露鬼

 

 中々楽しい一時だった。やはり中藤も心が折れた大人だった。だが花奈の姿を見て覇威燕無礼棲に入り心を癒し、暴走の日々が黄金時代になった。暴走族女神というカリスマがまぎれもなく一人の人間を救った。

 同世代だけではなく、困難で折れた大人達に覇威燕無礼棲が黄金時代を提供し心を癒す。それは十万人を率いたカリスマと言われた自分には出来なかった行為だ。

 花奈ならば多くの大人を暴走によって癒せる。親バカならぬ友達バカだが花奈にはそれができるカリスマと器がある。

 そして中藤が帝都リベンジャーの作者だったのは本当に意外だった。思わず熱を入れて語ってしまったが大半は本音だ。多くの少年少女を暴走族になりたいと思わせる魅力もあると思っているし、花奈もそれを望んでいる。何より近藤が帝都リベンジャーズの作者だと知ったのが自分で良かった。

 

 殺島の生前は暴走族であり極道でも有った。詐欺、恐喝、臓器売買、殺人、地上げ、極道はありとあらゆる方法で金を稼ぐ。嫌でも弱者から金をむしり取る術を身に着けた。

 今は宝島組に教えたキムラマニュアルを駆使した詐欺や麻薬の売買で得た売り上げの一部を貰っている。現時点では覇威燕無礼棲を運営する上で十二分の金を得ている。

 だがこの先どうなるか分からない。宝島組が金を惜しんで裏切るかもしれない。組ごと潰され収入源が絶たれるかもしれない。他の財源を確保しておくに越したことなない。

 

 帝都リベンジャーは現時点でも相当の売り上げだ。この先人気がさらに上がり単行本売り上げは勿論、アニメ化やドラマ化映画化などして関連グッズの収益も入ってくる。そうなれば中藤には巨万の富が入ってくるだろう。それを奪う。

 覇威燕無礼棲で走りたければ金を寄越せ、でなければ帝都リベンジャーズの作者であるとマスコミにバラす。こういった具合に恐喝すればいい。

 中藤はこの申し出に逆らえない。覇威燕無礼棲で走るのは生きがいであり、帝都リベンジャーズの連載中止は阻止したいだろう。弱みを見せればそこから徹底的にむしり取る。これが極道で有る。

 これを実行すれば中藤は心の底から軽蔑し憎むだろう。そして花奈に知られれば同様だ。だが花奈にバレるへまは決してしない。

 中藤はこれから慕ってくれるだろうし好きだ。だが優先すべきは花奈であり覇威燕無礼棲だ。必要であれば躊躇なく実行に移す。

 それはあくまで最終手段であり、金が必要であれば友人として誠心誠意頼み込むつもりだ。頼むからそんな手段を取らせないでくれと切に願った。

 

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