「あれ、ここ……リシ?」
ハイパースペースを抜けた緑色に塗装されたジェダイ・スターファイター。
操縦席の中でのび太は困惑の声を上げる。
「R3、僕達は別の宙域へ向かうはずだったよね?どうして、リシへ?」
操縦席のパネルに文字が表示される。
「え、知らない!?計算はR3に任せたじゃないか」
パネルの文字は否定していた。
「えぇ!?もしかして、計算間違えた?」
失礼な!とパネルに文句が表示された。
「目的地に急がないと……って、エネルギーが切れかけている!?」
計器類をチェックしていたのび太はスターファイターのエネルギーが僅かであることに気付く。
「補充しないと……確か、リシに基地があったね」
肯定する表示がでる。
リシはクローンを製造している惑星カミーノの玄関ともいえる重要拠点。
ここが落とされるようなことがあればカミーノが戦火に包まれることもあり得る。
もし、カミーノが敵の手に落ちてしまえば、クローンの製造ができなくなってしまう。
それ故に重要拠点と決められていた。
のび太は操縦桿を操ってスターファイターを惑星リシへ向かわせた。
「前線基地でエネルギーが補充させてもらおう。急がないとカルとモールが心配するし」
ハットの息子の誘拐事件からパダワンであるカルと新たに友達としてモールと行動するようになった。
元シスということで評議会は良くない反応をしていたが-。
――俺はジェダイに従うわけではない。友達のノビタと共に行動するだけだ。
この一言でジェダイに従わないということからのび太と行動させるということで落ち着きをみせた。
その際にのび太、カル、モールの三人は独立遊撃隊へ振り分けられることとなり、各銀河系で戦うジェダイや大隊の支援をしている。
今回、急ぎというわけでないものの、支援を待っている艦隊の応援へいかなければならない。
「でも、なんだろう。嫌な予感がするなぁ」
ぽつりと呟きながらのび太はスターファイターから基地へ味方のシグナルを送信する。
同時刻、前哨基地がコマンドードロイドの襲撃を受けていることを知らず。
リシ 前哨基地
時間は少し遡る。
責任者の軍曹をはじめとして、カミーノで訓練を卒業されて新兵として配属されているクローン・トルーパー達がいる。
「何もなし、何もなし、1000回見ても同じ景色だ」
「自分としては嬉しいね。こうして勉強ができる」
監視を担当しているヘヴィーが悪態をつき、読書をしているエコー。
「やれやれ、俺達は一番、平和な場所へ配属となったらしいぜ?ファイヴス」
「平和でなければならない場所だ」
そのタイミングで責任者の軍曹がやってきたので全員が直立する。
「いくらお前達が新兵とはいえ、ここが重要な拠点であることは理解しているはずだ。ここが襲われるような事態があれば、我々の故郷カミーノが危機にさらされる。まもなく士官がお見えになる。万事抜かりのないよう視察にそなえておけ」
「「「了解です!」」」
基地内に警報が鳴り出す。
「軍曹!流星群です!」
「シールドを張れ」
「やれやれ、隕石のシャワーか」
いつものことで慣れてしまったヘヴィーがぽつりと言葉を漏らしながらシールドを展開する。
だが、今回はいつも通りといかなかった。
隕石に紛れて分離主義勢力が派遣したコマンドードロイドの部隊がまぎれており、基地の歩哨を静かに制圧してしまう。
「異常は?歩哨!応答せよ!」
「電波障害でしょうか?」
「歩哨の姿が見えません!」
「様子を見てこい!」
軍曹から指示を受けたドロイドベイトともう一人のトルーパーが外へ出ようとする。
そのタイミングでコマンドードロイドの襲撃が発生。
ドロイドベイトともう一人は反撃する暇もなく殺され、責任者の軍曹も命を落としてしまう。
命からがら基地から脱出したのはヘヴィー、エコー、ファイヴス、カタップのメンバー。
そして、時間は現在。
「軍曹抜きでどうすればいいんだ?」
「服務規程によれば、次の階級の高いものが指揮をとることに」
「静かに!今の音が聞こえたか?ドロイドじゃない」
「そういえば、巨大ウナギに気をつけろと」
「でも、見たことがないぞ?」
直後、地面から噂の巨大ウナギが現れる。
巨大ウナギは口を開けてカタップを飲み込んだ。
「カタップ!」
「なんだよ、こいつ!」
「こんなデカイのか!?」
「カタァップ!」
ヘヴィーが声を上げたその時。
空から急降下してくる者がある。
その者は巨大ウナギの口の中へ自ら飛び込んだ。
「おい、今の何だ!?」
ファイヴスが驚いていると巨大ウナギの体から緑色の刃が飛び出す。
身構えるヘヴィー達の前で刃が巨大ウナギを切り裂いていく。
悲鳴をあげてのたうち回る巨大ウナギ。
潰されないように慌てて離れるヘヴィー達。
やがて、断末魔をあげて動かなくなる巨大ウナギ。
「うえぇ、ベトベトだよ」
死んだ巨大ウナギの中からライトセーバーを片手に現れる青年とカタップの姿が。
「カタップ!」
「無事だったか!」
エコーとファイヴスはカタップの生存を喜ぶ。
「助かりました。貴方は……ジェダイですか?」
粘液まみれになっているカタップはヘルメットを脱ぎながら感謝の言葉を述べる。
「うん。僕はノビタ・ノビだよ」
のび太にヘヴィー達も駆け寄る。
「自分はヘヴィーです。もしかして、視察というのは貴方が?」
「いいや、僕じゃないよ。多分、あれかな?」
のび太はプラットホームへ着陸しようとしているシャトルの姿を指さす。
リシへ到着したのび太は上空で異変を察知。
巨大ウナギに食べられたトルーパーに気付くと安全なポイントへ着陸するようにR3へ伝えてハッチを開けるとそのまま空中ダイブ。
昔なら絶対やらないのだが、アナキンの影響だろうか、勇敢と破天荒な行動が目立つようになっていた。
「それで、キミ達はどうしてここに?」
「この基地はドロイドの襲撃を受けて制圧されています。責任者の軍曹とドロイドベイト、他のトルーパー達もやられていて……」
「じゃあ、彼らが危険だ。ドロイド襲撃の信号弾を使うんだ。キミ達は岩場に隠れてくれぐれも流れ弾に当たらないように」
「将軍はどうされるつもりですか?」
ヘヴィーの問いかけにのび太は笑みを浮かべる。
「上にいって、彼らを助けてくるんだ」
タケコプターを装着してのび太は空に舞い上がる。
基地の視察のためにやってきたレックスとコーディ。
二人は基地の歩哨がいないことに気付いて、異変を察知していた。
「歩哨がいない」
「これは何かが起こっているな」
扉が開いてクローン・トルーパーが現れる。
「リシにようこそ、コマンダー。御覧の通り基地は何の問題もなく維持されております。遠路はるばるどうも、お気をつけて」
どこかぎこちない動きのトルーパーにレックスは警戒を強める。
「基地内を確認してからだ」
「ああ、その必要はありません。何も異常はありませんので」
「責任者の軍曹を呼んで」
直後、上空に信号弾が撃ちあがる。
ドロイド襲撃報告の信号弾。
「その必要はないよ」
上空からタケコプターを付けたのび太が降り立つ。
降り立つと同時にライトセーバーを抜いてトルーパーの首を刎ねる。
「ノビ将軍!?なんてことを!」
コーディは息を飲む。
横にいたレックスがトルーパーのヘルメットを持ち上げる。
その中から出てきたのはドロイドの頭。
「新型のコマンダードロイドですね?」
「うん。この基地は敵の制圧下にある」
「では、今の信号は生存者からの?」
信号弾で確信したのだろう。コーディと比べてレックスは冷静だった。
その時、隠れていたコマンドードロイドが攻撃を開始する。
レックスとコーディが武器を構えて応戦する。
のび太はライトセーバーでビームを弾きながらブラスター・ピストルで狙撃した。
しかし、対弾性能を強化されているコマンドードロイドに効果はない。
「仕方ないか」
ホルダーへピストルを戻しながら地面を蹴り、フォースを操りながらコマンドードロイドを撃退していく。
しばらくしてプラットホームに敵はいなくなり、ヘヴィー達がケーブルを使ってあがってくる。
「凄い、これがジェダイか」
「ただのドロイドじゃない。新型のコマンドードロイドを」
自分達を苦戦させたコマンドードロイドを瞬く間に倒してしまったのび太やレックス、コーディに驚きを隠せないヘヴィー。
「ところで、どうしてノビ将軍はここに?」
「ファイターの燃料が切れかけていたから補充の為に立ち寄ったんだ」
コーディの質問にのび太は答える。
その間にレックスが新兵のヘヴィー達と話をしていた。
「さて、この分厚い扉をどうやって開けさせるか」
「別に開けさせなくていいんじゃない?」
のび太に全員の視線が集まる。
四次元ポケットから道具を取り出す。
「とおり抜けフープ!」
「こんな簡単にいくとは驚きだ」
コーディの言葉通りとおり抜けフープによって分厚い壁を通り抜けたのび太達の手によって前哨基地を難なく取り戻すことに成功する。
初陣ともいえるトル―パー達もジェダイやコマンダー、キャプテンもいるおかげで負傷しなかった。
「通信システムをすぐに直さないと」
「異常なしの信号を送るように細工が施されています!すぐに戻すのは時間が」
遅れてやってきたR3がエコーへ体当たりを仕掛ける。
「おい、なんだ?遊んでいる暇はないんだぞ!」
「エコー、だっけ?R3に任せて」
「え、わかりました」
戸惑いながら場所を譲るエコー。
R3がシステムに接続して数分。
異常なしという信号から緊急事態発生という信号を発信へ切り替える。
「凄い……」
「増援がくるといってもすぐじゃない……迎撃のための準備をしないと」
「どうします?将軍」
「え、あぁ、僕か」
近付いてくる上陸艇をみて、のび太はあることを思いついた。
「沈めてしまおうか」
「え?」
「何か考えがあるようですね?」
のび太の提案にコーディはぽかんとして、レックスは不敵な笑みを。
他のルーキー達は困惑するしかなかった。
武器庫から武装を選ぶトルーパー達。
のび太の作戦を聞いたものの、もしもということがある。
その為に各自、武装を選んでいる。
武器庫はDC-15AブラスターライフルやDC-15Sブラスター、爆薬などが並べられている。
「よし、俺はこれだ」
ヘヴィーが選んだものはガトリング型ブラスター・キャノン。
ファイヴスやエコー、カタップもそれぞれに武装を選ぶ。
「よし、準備が済んだら将軍のところへ向かうぞ」
「はい!」
「キャプテン、質問が」
「なんだ?」
「ノビ将軍はいつもあのような作戦を展開するのでしょうか?先ほどの不思議な力を用いたものばかり」
ファイヴスが自らの疑問をレックスへぶつける。
「あの人自身、道具に頼り切るつもりはないそうだが非常時において必要と判断すれば使うぞ」
「あの力は一体?」
「俺も将軍から一度だけ聞いたが、遠い星にいる友人のものらしい。さ、将軍が待っているぞ」
「了解です」
「危険ではないですか?」
トラップの準備をしているのび太へコーディが尋ねる。
「え?」
「将軍の言う通りの性能をだすのなら作戦としては有効かもしれません。ですが、もし、失敗すればこの基地を失う危険性もあります」
作戦を聞いた時から疑問に思っていた事をコーディは尋ねる。
「まぁ、僕が思いつきで考えた事だからね。コーディはこれよりも的確な案ってある?」
「……プラットホームに爆薬をセットして近づいてくる上陸艇を撃破」
「そっか、そういう作戦もあるかぁ。僕はそういうこと思いつかなかったなぁ」
「いえ、自分の考えた作戦では基地の損害が大きすぎます。ですが、将軍の考えた通りなら基地の被害が少ないでしょう」
「そういっても僕はズルしているようなものだからね。作戦はマスターやマスターケノービから教えてもらっていてもうまく実践できないし」
俯くのび太にコーディは言葉がでず沈黙が時間を支配する。
しばらくしてのび太は笑みを浮かべた。
「時間だ。隠れよう」
「了解です」
近付いてくる上陸艇をみて、のび太とコーディは隠れる。
別の場所でレックスやヘヴィー達が武装して待機していた。
万が一、作戦が失敗してドロイドがぞろぞろと現れたら戦闘になる。
近付いてくる上陸艇に身構えるのび太達。
ゆっくりと上陸艇がプラットホームに着陸する。
中からスーパーバトルドロイドやバトルドロイドが現れた。
「今だ!」
合図と共にスイッチを押す。
プシュー!とプラットホームに設置しているガスが蔓延する。
「ナンダ?」
「ウワァアアアアア!?」
煙を体に浴びたドロイド達は瞬く間に地面へ沈む。
沈まないようにあがこうとするも上陸艇もブクブクと地面の中へ消えていく。
「成功ですね」
「どうなるかと思ったけど、よかったよ」
のび太が思いついた作戦。
それはドンブラ粉を使って上陸しようとするドロイド達を沈めてしまおうというもの。
いくつか設置したドンブラ粉の効果によって敵は全滅したのである。
「戦わずして勝利かよ」
「凄い」
「これがノビ将軍だ」
ルーキー達が感嘆とした声を上げる中でのび太の傍にR3が近づいていく。
軽快な音を鳴らしながらシステムの修復が完了して援軍がくることを伝えた。
「そっかぁ、あぁ、お腹すいてきたよ」
「将軍、これは何ですか?」
「どら焼きだよ」
増援がくるまで少し時間があるということでのび太達は小腹が空いたのもありポケットの中からどら焼きと緑茶をみんなにふるまっていた。
「これが緑茶、ケノービ将軍にきいたことがある」
「スカイウォーカー将軍が言うには大盛況になって一日潰れたと」
コーディとレックスは興味津々という様子でどら焼きと緑茶を味わう。
ルーキー達はおそるおそるという様子だったがどら焼きを食べた途端、目をキラキラさせた。
「将軍、折り入ってお話したいことが」
しばらく談笑していたところ、意を決した様子でヘヴィーがのび太へ声をかける。
「おい、ヘヴィー!失礼だぞ」
「いや、いいよ。話って何かな?」
「自分を将軍の部隊へ入れていただけないでしょうか!」
「え?」
「自分はARCトルーパーを目指しています!本気です!将軍の部隊で色々な実力を積みたいです!」
真剣なヘヴィーの言葉にのび太は少し考えて。
「ヘヴィー、キミの考えはわかった」
「では!」
「だけど、まだ、僕の部隊にいれることはできない」
のび太は申し訳ないと言って説明を続ける。
「僕の部隊は他のところ比べると人数が少ない。少数精鋭で危険な場所の支援もある。ヘヴィーやここにいるルーキー達は素晴らしい素質を持っていると僕は思う。だから、レックスのところでしっかりと経験を積むべきだ。レックスのところで鍛えられた後にまだ僕のところへ行きたいというのなら希望して。その時は受け入れるよ……それでいいかな?レックス」
「勿論です。それにお前達はもうピカピカではない。お前らがいなければ共和国は敵の奇襲に気付くことなくこの基地を奪われていただろう。素晴らしい動きだ。ぜひ、我が501大隊で活躍してもらいたい」
「「「「サー・イェッサー!」」」
四人が敬礼する。
「ありがとう、レックス」
「構いませんよ」
「さて、これはどういう状況だ」
増援としてやってきた共和国軍。
その中にオビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカー、アソーカ・タノの姿があった。
「あー、マスターケノービ、そのこれには色々と理由がありまして」
「大方、ハイパードライブの座標計算を間違えたんじゃないのか?」
「えぇ!?そうなの?マスターノビ?」
驚くアソーカの言葉にのび太は視線を外す。
溜息を吐いていたオビ=ワンは目を見開く。
「ノビタ…………まさかと思うが我々が来るまでにどら焼きと緑茶を飲んでいたのでは?」
「え、あぁ、はい」
「まだ、あるかね?」
「えぇ、一応」
目を輝かせるオビ=ワンの姿にアナキンはため息を零す。
「これは長引くなぁ」
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