賛否両論あるかもしれませんが。
メイス・ウィンドウはトランスポートから降りる。
パイロットへ待機するように指示を促す。
クローンが了承するように拳をあげたことを確認してウィンドウはある場所へ向かった。
ジェダイクルーザーが鹵獲したインヴィジブル・ハンド、否、そうだったものの残骸が保管されている区画。
半壊している船の姿を見てメイス・ウィンドウはため息を吐きたい衝動に堪える。
またスカイウォーカーとノビか。
あの幼かった二人が今や銀河中で名の知らぬ者はいない英雄となっている。
そのことを喜ぶべきなのか、ジェダイとしての道筋を離れた事を悲しむべきなのか、その答えを見つけられていないウィンドウはゆっくりと保管庫の中へ入る。
保管庫はドロイドやトルーパー達が動き回っている。
「状況は?」
「データを調べておりますが、事前に削除されていたのか、データの復元を行っております」
控えていたトルーパーが答える。
「グリーヴァスの隠れ家に関してのデータは?」
「わかりません」
「引き続きデータの復元を頼む」
「イェッサー!」
敬礼するトルーパーから離れてウィンドウは近くで船を見上げているヨーダに近付く。
「敵は追い詰められておる」
「我々が優位に立っているとみるべきなのでしょうか?」
「わからん、我々も長い戦争で疲弊しておる。戦争の早期終結を目指すべきじゃが……」
ヨーダは沈黙する。
何かよくないものが近づいている事をウィンドウとヨーダは感じていた。
「シスの秘術がまた使われているのでしょうか?」
シスに鍛えられた元アプレンティスのモールへシスのマスターについての情報を求めた時と同じような感覚をウィンドウは覚える。
モールはシスの秘術によって主についての情報を覚えていなかった。漠然としたイメージはあったのだが、抽象的過ぎてわからず仕舞い。
アプレンティスが捕まった場合に備えての策だったのか、それすらわかっていなかった。
「とにかくグリーヴァスを探すのじゃ。伯爵が倒された今、あの将軍を捕まえることができれば戦争は終わる」
「そうですね。奴を捕まえれば、シスの暗黒卿へまた一歩、近づけるはずだ」
「我々の考えている通りであれば、な」
ウィンドウは頷き、ヨーダと共に保管庫を離れる。
何かが動き始めている。
フォースを通してヨーダはそれを感じ取るもはっきりしないもどかしさに顔をしかめていた。
その頃、アナキン・スカイウォーカーはオビ=ワンと別れて最愛の妻、パドメと幸せな時間を過ごしていた。
クローン戦争が始まって三年。
共にいられる時間があれば一緒にいられるようにしてきた。
その中でアナキンはある決意をする。
「パドメ、大事な話があるんだ」
「アニ-、私も大事な話があるの」
どうやらパドメも大事な話があるらしくアナキンは促した。
「まずはキミからでいいよ」
「ありがとう。実はね」
パドメは笑顔で告げる。
「妊娠したの」
「…………え?」
アナキンは一瞬、何を言われたのか理解できなかった。
しばらくして、パドメが妊娠したといわれて喜びの声を上げる。
「本当に?」
「ええ」
「それは、うん、最高の事だ!あぁ、待って、突然の事に何を言っていいか。でも、嬉しい。あぁ、素敵だ」
パドメの手を取ってアナキンは喜ぶ。
「それで、貴方の話って?」
パドメに言われて、アナキンは少し間をおいた。
「戦争が終わったら、僕はジェダイをやめようと思う」
「それは、どうして?」
予想をしていたのかパドメは驚かず、静かにアナキンへ尋ねる。
「前から考えていた事なんだ。キミの事を隠し続けることに限界がある。それに」
「それに?」
「ノビタの故郷を探してあげたいんだ」
「ノビタの」
ジェダイとして長く戦ってきた親友の野比のび太。
彼はもともと、この銀河で住まう者でない。
遠くの星に家族や友達を残している。
「あれから長い月日が経っている。僕はノビタに返しきれない恩がある。少しでも返せるなら故郷へ彼を戻してあげたいと思うんだ」
「……そうね。だから、戦争が終わってからなのね?」
「あぁ、戦争が終わった後を押し付ける形になるかもしれないけれど、オビ=ワンやヨーダ達もいる。レックスをアソーカに取られるのは抵抗はあるけれど、彼らに任せてもいいんじゃないかと思うんだ」
「……」
「その事、ノビタには?」
「いや、まだだ」
「アニーの考えは尊重するけれど、ノビタにちゃんと話をしてからでも遅くないわ」
「そうだな。今度、ノビタと話をするよ」
その頃、のび太は昼寝をしていた。
三年間のクローン大戦において、遊撃隊として各地で戦ってきたのび太にとって久しぶりのコルサント。
自室で昼寝を満喫していた。
満喫していたのび太だが、次第に表情が険しくなる。
燃え盛る大地。
マグマが噴き出す場所でオビ=ワン・ケノービがライトセーバーを握りしめている。
対峙している相手はシスではなく、アナキン・スカイウォーカー。
悲しみや怒りを混ぜた表情でライトセーバーを握りしめるオビ=ワンに対して、アナキンは黄色い瞳で睨んだ。
「お前は選ばれし者だったのに!まさかシスになるなんて!」
「僕はアンタが憎い!」
マグマが噴き出す中でオビ=ワンとアナキンがライトセーバーで斬りあう。
振るわれる青と青の刃。
炎の中で二人は殺しあう。
「うっ!」
のび太は慌てて体を起こす。
全身から嫌な汗が噴き出している。
「嫌な夢をみたなぁ」
ブルブルと首を振りながらタオルで顔を拭う。
「それにしてもあんなことありえないのになぁ。アニーとマスターケノービが殺しあうなんて、二人は兄弟、家族同然なんだから」
休んでいるのび太のコムリンクに通信が入る。
「こちらノビ」
『マスターノビ』
コムリンクに現れたのはパルパティーンの側近だった。
『最高議長がお呼びです。至急、きてください』
「……わかりました」
何故、最高議長が自分を呼ぶのか謎だが、のび太は部屋の外に出る。
外に出て通路を歩いているとキット・フィストーに出会う。
「やぁ、ノビタ!」
「やぁ、マスターフィストー」
「どこかへいくのかな?」
「わからないけど、最高議長に呼び出されたんだ」
「そうか、気を付けて」
「ありがとう」
キットと短いやり取りをしてのび太はジェダイ聖堂を後にする。
「やぁ!ノビタ!待っていたよ」
最高議長のオフィスへ到着すると両手を広げてパルパティーンはのび太を出迎える。
のび太は戸惑いながら議長の出迎えを受けた。
「お久しぶりです」
「キミとは、聖堂爆破事件の時以来だね」
「あれは嫌な事件でした」
少し前に発生したジェダイ聖堂爆破事件。
犯人はジェダイのバリス・オフィー。
彼女は今のジェダイが間違った方向に進んでいると非難して爆破事件を起こした。
のび太は彼女を止められなかったことが残念で仕方なかった。
「そうだな。だが、キミやアナキンがいたからこそ、あの被害で済んだのだろう」
「どうでしょう」
爆破事件に巻き込まれたパダワンのアソーカを助ける為、アナキンとノビタ、モールは奮闘し、事件を解決した。
事件後、疑ったマスター達は謝罪、アナキン、ノビタはマスターに、アソーカとモールはナイトに昇格する。
「そういえば、あの事件の功績でキミとアナキンはジェダイマスターに昇格したのだったね」
「はい」
「その時の祝いの言葉を伝えていなかった。おめでとう」
「ありがとうございます。もしかして、その事で僕を?」
のび太はマスター就任祝いで自分が呼ばれたのだろうかと疑問を浮かべる。
「それもあるが、もう一つ。ある情報をキミへ伝えようと思ったのだ」
「情報?」
首を傾げるのび太。
議長が入手した情報とは何か?
「実はグリーヴァスの行方がわかったのだよ」
「ええ!?それは本当なんですか!」
「勿論、ウータパウでグリーヴァスを発見したとクローンの情報部が発見したのだ」
ふと、のび太は気になったことを尋ねる。
「クローンの情報部はジェダイへ報告することになっていたはず」
「少し前に法律が改正されたことを知らないようだね」
パルパティーンは出来の悪い子をみるようにのび太へ話す。
「ジェダイや最高議長の直轄となっているのだ。ジェダイの指揮するクローンも私の配下というわけだ。その為にクローンの情報部からの報告も私へ直接くるのだ」
憲法改正について、のび太は知らなかった。
銀河中と飛び回りコルサントへ戻ってこなかったからだろうか?
マスターに聞けば教えてくれるかもしれない。
のび太はその事を考えながらパルパティーンへ尋ねた。
「じゃあ、グリーヴァスはウータパウにいると?」
「その通り、その事をジェダイ評議会へ伝えるといい」
「報告はします。グリーヴァスを捕まえれば戦争は終わるんですから」
「果たしてそうかな?」
柔和な笑みを浮かべるパルパティーン。
不思議とのび太は寒気を覚えた。
目の前の笑顔に敵意のようなものを感じたからだろう。
「グリーヴァスを捕まえて戦争が終わることは最高議長も望んでいる事でしょう?」
「勿論、だが、グリーヴァスは強敵だ。どのジェダイが行くことになるかな」
「それは……」
「私としてはマスターケノービとアナキンが行くべきだろうと思っている」
「そうですね。二人が行けば敵なしです」
オビ=ワンとアナキンの実力を知っているのび太は安心だと思う。
「どうかな?」
「え?」
「いいや、ノビタ。私は戦争終結もそうだが、別の事を望んでいるのだよ」
「それは一体」
「おっと、失礼。次の予定があるんだった。すまないが評議会へ報告は頼んだよ」
中途半端に話を打ち切られたのび太は気になりながらも報告の為、ジェダイ評議会へ向かう。
「次の指示だ。連中をムスタファーへ連れて行くのだ」
『ゲホッゴホッ、わかりました』
通信でシディアスはグリーヴァスと話をしていた。
ドゥークーが死亡した今、彼の主はシディアスなのだ。
獣のような野蛮人だがシディアスの力の恐ろしさを知っている為、グリーヴァスは従順だった。
「ジェダイに見つかれば面倒なことになる」
『わかりました。すぐに行動します』
「良いか、将軍。お前は私の命令に従うのだ。そして、知るのだ。お前を捕まえるためにやってくるジェダイは二人。そう、オビ=ワン・ケノービ、ノビタ・ノビ」
『ケノービとノビですか?必ず殺します』
「そうだな。報告を待っているぞ」
通信を終えたタイミングでシディアスの傍に現れる者がいた。
「心にもないことを言いますね。あのブリキ野郎の運命は決まっているのに」
「シスは裏切りが常套……だが、あれは駒だ。駒をどのように使うのかはその者次第ということだ」
振り返らずに答えるシディアスにフードで素顔を隠した人物は笑い声を漏らす。
「じゃあ、あの駒は捨てる為にあるようなものなのですね。マスター」
「その通り、さて、もうまもなく出番だ」
「ようやくですね」
「あぁ、ジェダイの驚く顔が目に浮かぶようだ」
シディアスはローブの中で深い笑みを浮かべる。
「すべては我がアプレンティスが姿を見せる時、シスの復讐が始まる」