ファントム・メナスは後、2~3話程で終わる予定。
アナキン・スカイウォーカーがポッドレースで優勝した。
ハプニングがありながらもアナキンの優勝は奴隷達に衝撃と喜びを与える。
親友であるのび太も自分のことのように喜んでいた。
クワイ=ガンはワトーとアナキンが優勝したら奴隷から解放するという賭けをした。
アナキンは優勝したことで奴隷でなくなる。
「アナキン、ノビタ」
スカイウォーカーの家でクワイ=ガンはアナキンとのび太の肩をたたく。
「キミたちはジェダイになるんだ」
「ぼ、僕も!?」
「母さんは?」
「すまない、キミのお母さんも助けようとしたができなかった。ワトーが手放そうとしないんだ」
「……そんな」
アナキンはシミへ抱き着く。
「離れたくないよ」
「アナキン、これがあなたの運命なの」
笑みを浮かべながらシミはアナキンを優しく抱きしめる。
シミへのび太は声をかける。
「シミさん」
「ノビタ……貴方も無理しないでね」
「シミさん、これを」
のび太はポケットからシールのようなものを渡す。
「それは?」
「お守りみたいなものです。何か困ったことがあれば、それをお腹に貼ってください」
シールを受け取ったシミは優しくのび太を抱きしめる。
「ごめんなさいね。貴方の力になれなくて」
「そんなことないです!シミさんやアナキンが助けてくれなければ、僕はどうなっていたかわからないです」
のび太はぎゅっとシミを抱きしめる。
「僕に何ができるかわからないけど、友達を助けることができます。だから、えっと」
気付けばのび太はぽろぽろと涙を零していた。
「なんだよ、ノビタが泣く事なんてないだろ」
「アニー、だって泣いているじゃないか」
指摘されてアナキンは自分も泣いていることに気付いた。
そんな二人を見てシミは優しく抱きしめる。
「アナキン、これはあなたの運命、でも、あなたの傍に素敵な友達がいる。独りじゃないわ」
「うん……」
「ノビタ、あなたは私にとって二人目の子供のようなもの、あなたの故郷がみつかることを祈っています」
「はい!」
二人の頭を優しく撫でる。
これ以上、この場にいると本当に別れが辛くなってしまう。
それがわかっているからのび太とアナキンの二人は旅立つ準備をする。
「必ず戻ってくるね」
「えぇ」
最後にアナキンとシミは互いを抱きしめあう。
荷物をまとめて外に出ると準備を終えたクワイ=ガンが待っている。
不安に感じたアナキンの手をのび太は握りしめた。
「ノビタ……」
「大丈夫、何かあればこの四次元ポケットを使えばいい」
励ますのび太にアナキンは微笑む。
四次元ポケットは不思議なものがいっぱいある。
少しばかり使用してアナキンは改造を思いついたものも、その気になればここへ戻れるかもしれない。
「ジェダイになって必ず母さんを奴隷から解放しよう」
「うん、約束だ」
二人は互いに拳をぶつけてクワイ=ガンの下へ向かう。
そんな二人の姿が見えなくなるまでシミ・スカイウォーカーは見送り続けた。
「はぁ、はぁ、待ってよぉ」
「もうノビタ、急がないと置いて行かれるよ?」
砂漠の道を歩き続けて数時間。
のび太とアナキンの二人は先を歩くクワイ=ガンへ追い付こうと急ぎ足だった。
少し離れたところではクワイ=ガンが乗ってきた銀色の宇宙船がある。
二人はこれからあれに乗ってジェダイになるためにこの星を去る。
ぜぇぜぇと呼吸の荒いのび太。
アナキンが近づこうとした時だ。
「アナキン、伏せろ!」
クワイ=ガンの叫びと共にのび太を巻き込みながら地面に倒れるアナキン。
二人の頭上を飛び越えながら緑色のライトセーバーを起動するクワイ=ガン。
背後から赤い刃のライトセーバーでクワイ=ガンの一撃を受け止める黒装束の男。
バチバチとぶつかり合いながらクワイ=ガンはのび太とアナキンへ叫ぶ。
「二人とも船へ向え!急ぐんだ!」
「はい!ノビタ!早く!」
「こ、腰が抜けて」
「もう!」
怒りながらアナキンはのび太の腕を掴んで走り出す。
そんな二人の姿を見て黒装束はクワイ=ガンを押しのけると後を追う。
「急いで!追いかけてきた!」
「えぇ!?」
二人は必死に走るも男の方が早い。
クワイ=ガンが後を追うもほんの僅かの差が縮まらなかった。
「えっとぉ、これだ!」
迫る黒装束の男を前にのび太は腹部に装着している四次元ポケットへ手を入れて一つの道具を取り出す。
「名刀電光丸!」
道具の名前を出すとともに刃が黄色く光りのび太は来た道を戻り男に向かって刃を振り下ろす。
「!!」
男は驚いた表情で振り下ろされる刃を躱す。
続けて繰り出される一撃をセーバーで反撃しようとするが避けられるどころか脇へ一撃を入れられてしまう。
信じられないという表情を浮かべながらもすぐに怒りに顔を染めてのび太へ追撃を仕掛けようとした。
「させん!」
横からクワイ=ガンのライトセーバーが割り込む。
「クワイ=ガンさん!」
「ノビタ!キミも船に向かうんだ!」
一足先にハッチへたどり着いたアナキンの方を指さしてクワイ=ガンが叫ぶ。
足をもつれさせながらのび太もハッチを目指す。
追いかけようとする男の前にクワイ=ガンが構えをとる。
「お前の相手は私だ」
「……」
舌打ちをしながら赤い刃を構える。
のび太が呼吸を乱しながら宇宙船の中へ入るとアナキンは急ぎ足で操縦席の方へ向かっていく。
助けを呼びに行ったのだ。
「ふぅ」
ぺたんと座り込んでいると船が動き始める。
「わ、わぁ」
動いている船に驚いているとハッチからクワイ=ガンが入ってきた。
彼はライトセーバーを収納するとぺたりと座り込んでしまう。
「クワイ=ガンさん、大丈夫?」
「あぁ、しかし、見事な動きだったな。何か、技を習っていたのか?」
「違うよ、この道具のおかげなんだ」
のび太は手短に電光丸について説明する。
そこでアナキンと若い男の人がやってくる。
「あれは何者です?」
「わからん、だが、古いジェダイの技と酷似していた」
呼吸を整えながらクワイ=ガンはのび太とアナキンへ若者を紹介する。
「アナキン、ノビタ、彼はオビ=ワン・ケノービ。オビ=ワン、二人はアナキン、ノビタだ」
「はい、貴方もジェダイなの?」
「はじめまして」
「よろしく」
笑みを浮かべながらオビワンと挨拶をする二人。
「船を急ぎコルサントへ向かわせよう」
クワイ=ガンは立ち上がると操縦席の方に歩いていく。
夜(外は宇宙なので真っ暗だが)になったので大人たちは交代で睡眠をとる中、のび太はスペアポケットに(なぜか)入っていた枕と布団でアナキンと一緒に寝ていた。
「うぅ……トイレ」
ふらふらと起き上がりながらのび太は宇宙船の通路を歩く。
目的地へ辿り着いてきた道を帰ろうとした時、何かに呼ばれているような気がして立ち止まる。
「ん?」
首を傾げながらのび太はその方向へ歩いていく。
しばらくすると、室内で瞑想をしているクワイ=ガンを見つける。
邪魔しちゃ悪いかな?と思って部屋に戻ろうとしたのだが。
「眠れないのかね?」
クワイ=ガンがのび太をみる。
「ごめんなさい、邪魔をするつもりはなかったんです。ただ、何かに呼ばれたような気がして」
「……ふむ」
顎髭をなでるように思案するクワイ=ガンはしばらくしてのび太を手招きする。
対面へ座るように言われて腰かけるのび太。
「ノビタ、キミはフォースを感じ取れるようだね」
「フォース?」
「誰の身近にあるもの……古くから存在しているもの……私達ジェダイはフォースと共にある」
「えっと、ごめんなさい。難しくてよくわかんないや」
「いずれ、わかるようになる。キミはとても感受性が良い。アナキンもそうだが、鍛えれば立派なジェダイの騎士になれる」
「……慣れるかな?僕、どんくさいし、テストの点もよくないし」
「それはフォースについてわかっていないからだ……ほら、背筋を伸ばして、気持ちを落ち着かせるんだ」
クワイ=ガンに言われるとおりにのび太は瞑想をはじめる。
普段ののび太ならここですぐに眠りに落ちてしまうのだが、今は違う。
温かい何かに包まれているような感覚。
そう、小さいころに泣いていたのび太を抱きしめてくれたママや大好きだったおばあちゃんのようなぬくもり。
懐かしいなと感じていると遠くから自分を呼ぼうとしているような何かに気付いた。
つい、そちらへ視線を向けるのび太。
どこまでも遠く、遠い、どこかの宇宙空間。
飛行する一隻の宇宙船。
その中にいる赤と黒の入れ墨を顔に施した燃えるほどの――。
「ハァッ!ハァッ!」
「ゆっくりと呼吸を整えなさい」
異変に気付いたクワイ=ガンが優しくのび太の背中をなでる。
全身から噴き出す冷や汗にのび太は自分が何をしたのかわからない。
「ぼ、僕は……何を」
「ノビタ、キミはフォースに身を委ねたんだ」
クワイ=ガンの言葉にのび太はただ戸惑う。
彼が渡してくれた飲み物を一口、含んでから尋ねる。
「あの温かい感覚がフォース?じゃあ」
あのひどく冷たいものは。
「明日にはコルサントへ着く。色々と大変なことがあるから休みなさい」
「あ、はい、おやすみなさい。クワイ=ガンさん」
「おやすみ」
優しく微笑むクワイ=ガン。
頭を下げて部屋を出ていくのび太。
クワイ=ガンはのび太の資質に驚いていた。
アナキンとのび太、二人ともミディクロリアンの高い数値を持っていた。
どちらかが予言に記されている“フォースにバランスをもたらす者”かもしれないと期待していたのだが、どちらかわからなくなっている。
アナキンの素質はレースでみた。のび太はたった今、その素質を自ら証明した。
言われた事を飲み込み、一回でフォースに身を委ねてしまった。
ジェダイマスターであるクワイ=ガンが疑ってしまうほどの感受性の強さ。
「だが、最後のあれは……ダークサイドのものだ」
のび太が感じ取ったものはフォースの暗黒面といわれるもの。
彼自身が放っていたものではない、遠いどこかのものを感じ取ったのだろう。
それができるものなど、歴代のマスターでいただろうか?
だが、同時に危うさもあるということをクワイ=ガンは理解する。
「これは大変なことになるかもしれないな」
いろいろな無茶をやらかしてきたクワイ=ガンだが、今回は今までの中でとびっきりになるかもしれない。
ジェダイ評議会の面々がどんな反応をするか考えただけで、少し、ほんの少しだけ気がめいってしまった。
「あれ、アニー、その毛布、どうしたの?」
「パドメにもらったんだ」
のび太が部屋に戻るとアナキンが毛布に身を包んでいた。
「パドメさんかぁ」
「ノビタ、僕、パドメの事、好きだ」
「パドメさん、良い人だもんね」
「うん」
楽しく話しながら二人は横になる。
アナキンはパドメに初恋を抱き、のび太はフォースに触れた。
それが後にどういうことになるのか、今はまだ、誰も知らない。
クローン・ウォーズをする場合、のび太にパダワンは必要か?(期限は次話投稿まで)
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いる
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いらない