ドラえもん のび太のSTARWARS   作:断空我

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ムスタファーの戦い

オーダー66によってジェダイ聖堂がクローンの襲撃を受けていた時刻。

 

アナキンに扮したダース・ベイダーはパドメ・アミダラと会っていた。

 

「貴方が無事でよかった」

 

パドメは目の前のアナキンに違和感を覚えながらも彼の無事を喜ぶ。

 

安堵の表情を浮かべるパドメにベイダーは心の中で黒い感情を浮かべていた。

 

もし、ここでパドメ・アミダラをライトセーバーで貫いたらどんな表情を浮かべるだろうか?

 

もし、このタイミングで本物のアナキン・スカイウォーカーが現れたらオリジナルはどんな顔を浮かべるのか?

 

それと同時に目の前の女性へ僅かだが、愛情を抱いている自分に気付いた。

 

この女を独占したい。

 

自分だけのものにしてしまいたい。

 

そんな独占欲に驚きながらも悪くないと密かに思うベイダーは彼女を優しく抱きしめながらムスタファーにいる分離主義勢力を捕まえると嘘をついてR2と共にスターファイターでコルサントを後にする。

 

――誰も自分をアナキン・スカイウォーカーと信じて疑わない。

 

その事に激しい怒りと妙な優越感を覚えつつ、ムスタファーに向かう。

 

ダース・シディアスの命令通り、分離主義勢力のトップを皆殺しにするために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀河帝国樹立後、分離主義勢力は邪魔になる。

 

もう、彼らが敵として存在する必要はなくなった。

 

シスは裏切りが常套。

 

彼らに提示した約束を果たさずその命を奪い取る。

 

事前にシディアスからは報酬を届けるためにベイダーが迎えることは伝えられており、彼らは疑いもなく通した。

 

ダース・ベイダーの姿を見たガンレイはいの一番に自らが握手を求めるも、フードの中から現れた顔を見て悲鳴を上げる。

 

「アナキン・スカイウォーカー!?」

 

「違う。私はダース・ベイダーだ」

 

事前に隔壁をおろして全員を閉じ込めており、兵力は僅かなドロイド。

 

ベイダーにとって脅威ではなく、瞬く間に無力化する。

 

怯えている分離主義勢力のトップをじわじわと追い詰めて、一人、また一人とライトセーバーで始末した。

 

「約束した!繁栄を!我らに約束を!」

 

涙を零しながら命乞いするガンレイだが、ベイダーは嗤う。

 

「あぁ、そうだ」

 

ライトセーバーを握りしめる。

 

「お前達は役目を果たした。故にシディアスはお前達に安らかな死を与える。それがシスからの慈悲だ」

 

泣きじゃくるガンレイの首をライトセーバーで斬り落とす。

 

「後は…………オリジナルを始末すれば、俺は俺になる」

 

フードを被りなおしたベイダーの顔はこれから先の事を考えて歓喜に震える。

 

目は恐ろしいほどの狂気を宿し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナキンとのび太、そしてファイヴスはオビ=ワン達と合流する。

 

「アナキン!」

 

「マスター……すいません、僕が」

 

「お前が悪いわけじゃない。すべてはシスの策略だ」

 

消沈するアナキンをオビ=ワンは慰める。

 

「これから、どうするんですか?」

 

「皇帝を暗殺する」

 

少しの間をおいてヨーダは告げる。

 

「では、僕達も」

 

「ダメじゃ、お前達は果たさなければならないことがあるはずじゃ。皇帝の暗殺は儂一人で行う」

 

ヨーダの言葉にのび太とアナキンはカイロ・レンとダース・ベイダーの事を考える。

 

「アナキン、お前は一人じゃない私もいる」

 

オビ=ワンの言葉にアナキンは感謝する。

 

「将軍、自分は将軍に救われました。どこまでもお供します!」

 

ファイヴスの力強い言葉にのび太は笑みを浮かべた。

 

「でも、彼らはどこに」

 

「ふむ、オーガナ議員が何か掴んでおるかもしれん。ひとまず、情報を集めるのじゃ」

 

ヨーダの言葉にうなずく一同、だが、アナキンはある不安を抱いていた。

 

「アニー?」

 

「パドメの事が心配なんだ」

 

「え、あぁ」

 

共和国が滅び、帝国が生まれる場合、元老院議員であるパドメの身がどうなるかわからない。

 

愛する人の事を心配するのは当然だろう。

 

「…………こっそりとパドメさんのところへ」

 

「あぁ」

 

こそこそと動いている二人の様子をオビ=ワンとファイヴスは気づいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のび太とアナキンの二人がパドメのいる部屋に向かおうとした時、外出用の服装姿のパドメが慌てた様子でC-3POと歩いていく姿を見つける。

 

「どこへいくんだろう?」

 

「わからない。後をつけよう」

 

気付かれないように後を追いかける二人。

 

しばらくして、パドメは宇宙船へ乗り込む。

 

「このタイミングでコルサントをでるなんて」

 

「彼女が奥に入ったタイミングで僕達も」

 

「アナキン」

 

後ろから呼ばれてびくぅと驚く二人。

 

振り返るとオビ=ワン、そしてファイヴスがいた。

 

「ま、マスター」

 

「ファイヴス」

 

これはまずいという顔を浮かべる二人。

 

「なんだ?乗り込まないのか?」

 

オビ=ワンの言葉にぽかんとした表情を浮かべてしまう。

 

「ケノービ将軍も自分もお二方を心配してきたんです。そうしたら慌ててどこかへ出かけるアミダラ議員ですからね」

 

「話しは後だ。船が出てしまう」

 

四人はこっそりと船へ侵入する。

 

一人ならともかく四人なら隠れるスペースが厳しい。

 

そこで、のび太が四次元ポケットからかべかけハウスを使う。

 

ハウスの中で彼らは休憩をとる。

 

「マスター、その、すいません」

 

「…………薄々感じてはいた。だが、彼女のお腹をみて確信した」

 

オビ=ワンはアナキンをみる。

 

「あの子供はキミとパドメの子だな?」

 

「…………はい」

 

アナキンは認める。

 

嘘をつかずに真っすぐとオビ=ワンを見返す。

 

しばらく見つめあう二人だが、苦笑するオビ=ワン。

 

「何度もお前も無茶や無謀と思えるような出来事と比べたら……子供ができたことくらいは些細な問題だな」

 

「ですが、ジェダイは」

 

「今回の件で、ジェダイは戦争で疲弊して視野が狭くなっていた。この戦いが終わった時に我々が生き残っていたらジェダイも考え直さなければならないと思う」

 

オビ=ワンは笑顔を浮かべてアナキンの肩を叩く。

 

「この戦いが終わって本当の平和を取り戻せたら、アナキン。彼女と子供のために幸せな生活を送るんだ。それがマスターである私が教えられることだろう」

 

アナキンは目を見開く。

 

今まで規則、教えを守れとずっといってきたオビ=ワンとは思えない言葉だ。

 

けれど、今の彼をみればわかる。

 

彼は本当にアナキン、パドメ、そして、お腹の子どもの事を思ってくれている。

 

それがアナキンにとって、とても嬉しかった。

 

「マスター、はい、必ず、必ず幸せになります」

 

二人のやり取りを見ていたのび太とファイヴスは離れた所で小さくハイタッチをする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムスタファーにいたベイダーはすべての分離主義勢力の命を奪った。

 

これで帝国を脅かすものは存在しない。

 

シスの復讐はまもなく完遂する。

 

後はベイダーとレンのオリジナルを抹殺すればすべてが終わる。

 

その後、パドメを手にいれば。

 

ベイダーが深い笑みを浮かべた時、施設が接近する船の存在を知らせる。

 

「あれは」

 

発着場へベイダーが向かうと笑みを浮かべて近づいてくるパドメの姿。

 

「どうして、ここへ?」

 

「貴方が心配だったの」

 

パドメを抱き返しながらベイダーは笑みを浮かべる。

 

「もう大丈夫だ。敵はいなくなったんだ。誰も、僕達に歯向かう者はいないんだ」

 

「な、何を」

 

「僕達が銀河を支配するんだ。すべてが僕達の」

 

「――貴方は誰」

 

パドメは怯えた表情で後ろへ下がる。

 

ベイダーは一瞬、何を言われたのかわからなかった。

 

何故、彼女は怯えているのか。

 

何故。自分から遠ざかろうとしているのか。

 

何故、自分は戸惑っているのか?

 

何故、自分から彼女は逃げようとしているのか。

 

「何を言っているんだ。僕は」

 

「顔は同じだけど、目が冷たい。別人……みたい」

 

パドメ自身に確信はないのだろう。

 

彼女の知っているアナキン・スカイウォーカーとベイダーは異なると直感めいたものを感じている。

 

ベイダーの中で激しい怒りが湧き上がる。

 

それが嫉妬というものだと理解する暇もなくベイダーの手がパドメの首を掴む。

 

「あ、ぐぅ!」

 

「ふざけるな」

 

冷たい声でベイダーはパドメの首を締めあげていく。

 

苦悶に歪むパドメをみていると、こみ上げてくるものがある。

 

だが、ベイダーは自分のものにならないのなら、遠ざかろうというのなら許さないと激しい感情が渦巻いていた。

 

「やめろ!」

 

顔に衝撃を受けてベイダーは地面を転がる。

 

口の中に広がる鉄の味。

 

顔を上げた時、自分が欲していたパドメはアナキン・スカイウォーカーの腕の中にいる。

 

ベイダーは怒りの炎を燃やした。

 

「アナキン・スカイウォーカーーーーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パドメ、パドメ!」

 

船が着陸した事に気付いてアナキン達は船のハッチへ向かう。

 

先頭にいるアナキンはパドメを締め上げているベイダーの姿に怒りで頭が真っ白になる。

 

オビ=ワンやのび太を止める声を聞かずに地面を蹴り、全身にフォースを纏い、拳を振るう。

 

顔に拳を受けて地面へ倒れるベイダー。

 

崩れ落ちるパドメを抱きかかえるアナキン。

 

「……ぅ」

 

「もう、大丈夫だ」

 

傍にやってきたファイヴスとのび太がパドメを抱きかかえる。

 

「彼女を頼む」

 

「うん」

 

「自分達に任せてください」

 

ファイヴスとのび太がパドメの身を守ると約束してくれた事でアナキンは冷静さを取り戻す。

 

立ち上がったアナキンの傍に立つオビ=ワン。

 

「落ち着いたようだな」

 

「失礼しましたマスター」

 

オビ=ワンは起き上がって赤いライトセーバーを握りしめているベイダーをみる。

 

「お前と同じ顔をしているが、まるで別人だな」

 

「当たり前です。僕と同じ顔をしているだけですよ」

 

二人はローブを脱ぎ捨てる。

 

「今度こそ、二人で戦おう」

 

ライトセーバーを構えるオビ=ワン。

 

「貴方がいて心強いですよ。マスター」

 

青い刃を展開して構えをとるアナキン。

 

灼熱の大地で戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のび太とファイヴスは船のベッドへパドメを寝かせる。

 

「い、一体、何が起こって」

 

3POの口をのび太が止める。

 

戸惑いながら3POは後からやってきたR2とR3へ問いかけた。

 

「3PO、話はあとで、今はパドメを休ませないと」

 

ぴたりとのび太が動きを止めた事にファイヴスが怪訝な表情を浮かべる。

 

「将軍?」

 

「ファイヴス、今からハッチを閉じるから、僕やマスター達が戻ってくるまで開けることはしないで」

 

「わかりました!」

 

ファイヴスに船を任せてのび太は外に出る。

 

「よぉ、オリジナル」

 

顔の半分が火傷によっておぞましい事になっているカイロ・レンが立っていた。

 

のび太はフォースの揺らぎと殺意から近づいてくる存在に気付き、ファイヴスに船を守る事を任せたのである。

 

「逃がさない。お前だけは必ず殺す」

 

「キミは悲しいね」

 

「あ?」

 

のび太の言葉にカイロ・レンは顔を歪める。

 

「僕のクローンとして生まれたばっかりに、変なものに執着しているなんて……悲しいよ」

 

「黙れ!知った風に語るな!」

 

激しい怒りに顔を歪めてカイロ・レンはライトセーバーを振り下ろす。

 

のび太は緑の刃で受け止める。

 

「だから、僕がここで終わらせる!」

 

刃を押し返しながらのび太は告げる。

 

「カイロ・レン、キミはここで僕が倒す。すべて終わらせるんだ。ここで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナキン・スカイウォーカー、オビ=ワン・ケノービ、そしてダース・ベイダーの戦いは熾烈を極めた。

 

炎の柱が噴き出す近く。

 

防御シールドで守られているとはいえ、その熱は凄まじい。

 

そんな場所で三人はライトセーバーを振るう。

 

アナキンを集中的に狙うベイダーだが、割り込む形でオビ=ワンが防御の型で守っていく。

 

思う様に攻められない状況にベイダーは苛立ち、冷静さを欠いていた。

 

オビ=ワンに守られながらアナキンは攻める。

 

攻撃によって徐々に体へ傷を作っていくベイダー。

 

三人の戦いはやがて、マグマの海へ移り変わる。

 

ドロイドの上に乗りながら戦いあう三人。

 

ちらりと、オビ=ワンがアナキンをみる。

 

頷いたアナキンと共にドロイドから地面へ飛び移った。

 

「地の利は僕達にある。お前に勝ち目はない」

 

「無理に跳べば、足を切り裂かれてマグマの海へ落ちるぞ!」

 

勝利宣言するアナキンと警告するオビ=ワン。

 

だが、ベイダーは不敵な笑みを浮かべる。

 

「舐めるな。僕の力を思い知らせてやる!」

 

ドロイドから地面を蹴り、宙を舞うベイダー。

 

オビ=ワンとアナキンは同時にライトセーバーを振るう。

 

悲鳴と地面を転がる音。

 

そして、肉が焼けていく臭い。

 

二人のジェダイによって四肢を斬り落とされたベイダーは砂の大地を転がり、そのままマグマの炎によってその体を焼かれる。

 

「あぁあああああああああ、憎い!お前が憎い、憎いぃぃぃいいいいいいいい」

 

血走った黄色い瞳がアナキンを見つめて離さない。

 

その目に見つめられて足が凍り付いたように動けないアナキン。

 

「アナキン、行こう」

 

オビ=ワンがアナキンの腕を掴む。

 

無言でアナキンは頷いて歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コルサント、元老院にてダース・シディアスとヨーダは戦っていた。

 

帝国の皇帝を暗殺してシスの支配から解き放つ。

 

ジェダイが謀反を企てたという罪は消えないままだが、シスの支配が続くよりも良い。

 

小さな体で元老院の通路を飛び回るヨーダと狂気に染まった笑みを浮かべながらライトセーバーを振るうシディアス。

 

両者の戦いは熾烈を極める。

 

邪魔が入らないように人払いした結果、トルーパーの増援等もない。

 

勝敗を決めるのは両者のフォース、そしてライトセーバーの実力次第。

 

確実にシディアスを倒すべく攻撃を繰り出すヨーダ。

 

シディアスもジェダイを根絶やしにすべく暗黒面の力を引き出す。

 

決着は意外な形でついた。

 

シディアスの繰り出すフォースライトニング、ヨーダがフォースで受け止めようとした二つのエネルギーの爆発。

 

その爆発を正面から受けた二人。

 

シディアスはポッドにしがみついて落下を凌いだが、ヨーダはポッドから一気に最下層まで落ちてしまう。

 

ライトセーバーも失い、体のダメージも大きいことから暗殺は失敗したと判断したヨーダはそのまま通気口に入り込んで逃走。

 

シディアスはクローンにヨーダの遺体を捜索させる。

 

遺体が見つからなかったがあの高さから落ちて生きていないだろうと判断したシディアスはシャトルの手配をする。

 

「我が弟子に危機が迫っている」

 

シディアスは急ぎ、ムスタファーへ向かう事にした。

 

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