「何だ。これ?」
砂の惑星タトゥイーンに暮らすルーク・スカイウォーカーは調子の悪い機械をみるために外へでて変なものをみつける。
砂の中に半分ほど上半身を沈めた青いドロイドらしきもの。
足をバタバタさせていることから壊れてはいないのだろう。
だが、なぜ、逆さまに砂に沈んでいるのだろうか。
「アストロメク・ドロイド……にしてはずんぐりむっくりしているな……砂狸型ドロイドか?」
「僕はタヌキじゃなぁああああああああああああああい!」
ズボォォォォン!と砂から脱出したドロイドらしきものが叫ぶ。
「誰だ!僕をタヌキといったのはぁ!」
顔を真っ赤にして怒るドロイドをみてぽかんとしているルーク。
言葉を発しているようだが、知らない言葉の為、ルークは理解できないのだ。
「あのぉ?あ、言葉が通じてないのか」
ドロイドは半円のポケットへアーム?をいれるとぐにゃぐにゃしているものを取り出して口に含む。
「食べた?」
驚いているルークの前でドロイドは挨拶をする。
「はじめまして、僕、ドラえもんです」
「言葉がわかるのか?」
「えへへへ、ところで、ここはどこですか?」
「僕はルーク・スカイウォーカー。ここはタトゥイーンだ」
「タトゥイーン……知らないなぁ。あれ!?」
ドラえもんと名乗ったドロイドはルークの前で周りを見ると尋ねる。
「あの!僕以外に、人がいませんでした!?」
「いや、この場にいたのはキミだけだ」
「そんな!?どこか別の場所に!?落ちたんだろうか!?」
「ルーク!」
困惑しているドラえもんというドロイドの前で呆然としているルークを呼ぶ声。
「おじさんから呼ばれている。いかないと!」
「あ、待って!」
走り出したルークの後を追いかけるドラえもん。
ルーク・スカイウォーカーはオーウェン・ラーズと共にジャワ族が運んできたドロイドをみる。
通訳ドロイドや赤いR2ユニットを購入しようとするが、赤いR2ユニットは爆発。
代わりに青いR2ユニットを購入。
通訳ドロイドの推薦がありながらも不思議とルークは役立ちそうだと感じた。
拾ったドラえもんというドロイド、R2、C-3POの面倒をルークはおじさんに言われてみることになる。
「オイル風呂なんて久しぶりです。ありがとうございます。ルーク様」
「様なんていらないよ」
「わかりました。ルーク様」
ルークは苦笑しながらR2の汚れを落としていく。
「しかし、なんだ、この汚れ、まるで戦争に行ってきたみたいな感じだな」
「戦争?戦争なんてあるんですか?」
今まで傍観していたドラえもんが尋ねる。
「えぇ、我々は反乱軍に属しておりまして」
「あの人たちと一緒だったの!?戦闘に参加した!?」
「いえいえ、私はご存知の通り通訳ドロイドでして、戦闘なんて、そんな」
「そうだよね」
3POと話をしていたルークは落胆しながらR2の掃除をしていた時だ。
「しかし、なんだ、これ?何かが引っかかって」
バチンと汚れが取れたと同時にR2が映像を表示する。
『―――オビ=ワン・ケノービ!』
「なんだ、この映像?」
首を傾げるルークの前で3POがR2へ尋ねる。
「コイツが仰るに古いデータが表示されたという事で」
「古いデータとはいえ、助けを求めているみたいだ。続きを見るには?」
「は?ふざけんじゃないよ。この人が私達のご主人様なんだ!」
3POがR2と揉めている中、しばらくして、3POが説明する。
「コイツが言うには電磁ボルトがデータの妨害をしているみたいで。それを外せばなんとかできるかと」
「外せって?仕方ないな。外した途端、逃げ出すなんてなしにしてくれよ?」
ルークが工具を使ってボルトを引き抜く。
表示していた映像が消えてしまう。
「あれ、消えた」
「え?どういうことだ。消えちゃったじゃないか!」
「おい、惚けるんじゃないよ!さっきの映像を出せって言っているんだ!」
3POがR2の頭を叩く。
しばらくドロイド同士で会話をしていた3POがルークをみる。
「どうやら電磁ボルトの影響で調子が悪いらしくて」
「それなら修理をしてくれ」
ルークは3POへ工具を渡す。
「むしゃくしゃしてはダメよ。ルーク」
「おばあちゃん」
車椅子に乗ってルークの祖母で、オーウェン達の義母である、シミ・スカイウォーカーがやってくる。
「外に出て大丈夫なの?」
「今日は調子が良いの……それより、新しいドロイド、三体も?」
「あぁ、買ったのはこの二体だよ。こっちは……空から落ちてきた」
「あら?そうなの」
「はじめまして、僕、ドラえもんです」
「…………え?」
シミは目を見開く。
ドラえもんはシミの反応に戸惑う。
「僕が、何か?」
「いえ、ごめんなさい。息子同然だった彼が言っていた友達と同じ名前だったものだから」
「そうなんですか。僕と同じような名前がいるんですね」
「宇宙は広いわ。いろいろな人がいるもの」
「僕もこの星から出ていきたいよ」
ルークはそういいながら外へ出ていく。
ドラえもんは首を傾げる。
「あの子は私の息子と同じ……いつかは外へ出ていくのかもしれない」
「息子さんって、オーウェンさんの事?」
シミは首を振る。
「一人、いいえ、二人いるの。大事な息子達……でも、彼らは遠いところへいってしまった」
懐からシミはあるものを取り出す。
ドラえもんからは見えないがかなり年季の入っている紙と一枚の写真だ。
「ドラえもんさん」
「はい」
「行く宛がないなら、うちにいなさい。困った時は助け合うものだから」
「ありがとうございます」
「あのドロイド達、盗品じゃないかな?」
夕食でルークはオーウェンへ尋ねる。
「どうして?」
「あの青いドロイド、自分はオビ=ワン・ケノービのものだっていうんだ……もしかして、外れにいるベン・ケノービかな?」
「そんなことはない。あの人はただの変人だ。明日、ドロイドの記憶を消しに行け」
「いいのかな?オビ=ワンとかいう人が取りに現れるかも」
「そんなことはない」
オーウェンは首を振る。
「その人は昔に死んでいる。お前の親父さんと同じように」
「そうなの!?」
ルークは驚く。
「いいな、消しに行くんだ」
「わかった……………それでなんだけど」
ルークは消沈して外に出ていた。
二つの夕焼けを見上げているルークの表情はどこか暗い。
「ルークさん?」
「やぁ……」
「どうしたんですか?なんか元気なさそうだけど」
「叔父さん達にアカデミーの入学を断られたんだ」
「アカデミー?」
「帝国の兵士を育成する施設なんだ……僕はパイロットになる事が夢なんだけど、農場の人出が足りなくて、また一年手伝ってくれって」
ルークはため息を零す。
「他のみんなはこの星から出て行った。いつかは僕も………って、思っているけど、本当に出られるのか」
「ルークさんが宇宙へ出たいと思っているのなら出られるよ」
「え」
ドラえもんは座り込んだルークの肩を叩く。
「未来は決まっているわけじゃない。変えられるんだ。ルークさんがこの星から出たいと思っているならその気持ちを忘れずに挑み続ければきっと……きっと、出られるよ」
優しく話をしてくれるドラえもんの言葉に不思議と安心感を覚えたルーク。
「ありがとう、ドラえもん」
「いえいえ、僕は子守りロボットですから」
「そうだな。頑張るよ。僕は諦めない」
「血は争えないわね」
食堂でオーウェン、ベル、シミの三人は話をしていた。
「だから、外へ行かせたくないんだ。アイツのようにあんな最期を迎えてほしくない……できれば、静かで、安全なところにいてほしいと願っている」
オーウェンの言葉にシミも首を振る。
「願うことはいいけど、縛り付けることが正しいとは限らないわ……」
「お義母さん……」
「血は争えないかもしれない。けど、最後はあの子の……ルークの決断になる。私やオーウェンはこの農場を継いでほしいと思っているけれど、気持ちを押し付けるなんてことはしたくない」
「お義母さん……」
「できれば、あの子が戦火へ巻き込まれないことを祈るわ……貴方も同じ気持ちでしょ?」
シミが懐から取り出す一枚の写真。
彼女の大事にしている息子の結婚式の写真。
楽しそうに笑う息子と嫁、そして、隣で微笑んでいるもう一人の男の子。
孫であるルークに幸せになって欲しい。
シミは心から思う。
彼女達は知る由もない。
ルーク・スカイウォーカーの運命はすぐ近くまで足音を鳴らしている。
その事を誰も知らない。