「モス・アイズリー宇宙港……この惑星で腕に自信のあるならず者達が集まる場所。あそこなら腕の良いパイロットと出会えるだろう」
「ならず者かぁ、大丈夫かな?」
不安の声を漏らすドラえもんにオビ=ワンは微笑む。
「わからないなら飛び込むものさ」
ウィンクしながら彼らはスピーダーで宇宙港へ入る。
モス・アイズリー宇宙港は様々な異星人たちがおり、ジャワ族もいれば、ドロイドやスピーダーバイクで飛び回っている者もいた。
スピーダーで周囲をみていたルーク達は検問で止められてしまう。
「そのドロイドは?」
「数年前に購入したものです」
「身分証を」
「身分証は必要ないだろ?」
手をかざしながらオビ=ワンがトルーパーへ言う。
「必要ない」
すると、トルーパーは同じ言葉を繰り返す。
「異常はなかった」
「異常はなかった」
「通ってよいかな?」
「構わん、さっさといけ」
先に行くように促されてスピーダーを走らせるルーク。
「今の、何ですか?」
「同じ言葉を繰り返していたような?」
「フォースを用いた術だよ。意志が弱いものほど、かかりやすい」
「へぇ~、じゃあ、意志が強いとかかりにくいってこと?」
「そうだ。あのトルーパーは術にかかりやすかった男だということだ」
しばらくしてスピーダーを近くの酒場へ停める。
「ここが良いかもしれん」
オビ=ワンの後に続くルーク達。
店内は薄暗く、軽快なリズムの音楽が鳴り響いている。
楽しそうに多くの者達が酒や会話を楽しんでいた。
ドラえもんやR2が入ろうとすると音が響く。
「おい!そいつらはお断りだ」
「え?」
店主がドラえもん達を指さす。
「そいつらは店の中に入れるんじゃない!外へだせ」
「わかった……わるいけど」
「そうします。ここはよくなさそうです」
気弱な3POは店の空気に臆していた。
ドラえもんはR2を連れて、店の外へ出ていく。
オビ=ワンの後を追いかけてルークは店内へ入る。
カウンター席へ腰かけてオビ=ワンは隣のウーキー族と話を始めた。
ルークは店主に頼んで飲み物を依頼する。
しばらく店内を見渡していると、隣の席で異星人に肩を掴まれた。
タトゥイーンから出たことのないルークは目の前の彼?が話している言葉の内容が理解できない。
「そうかい」
適当に相槌をうって視線を逸らすと肩を叩かれる。
振り返ると別の異星人がルークへ話しかけた。
「アンタが気に入らないんだと」
「そう、悪いね」
「俺もお前が気に入らねぇ!」
ルークの肩を掴んだ異星人は叫ぶ。
「わかってんのか!?俺達はいくつもの星で賞金を懸けられているんだよ!」
「そうかい、怖いね」
異星人の顔はブラスターか何かの火傷の後がある。
この店内のならず者達は賞金をかけられている。
そして、自分達のテリトリーに新顔が入ることを気に入らない。
何より、嘗められる事が気に入らない。
「ぶっころされてぇのか!?」
ルークのような若者に嘗められたような態度が気に入らないのだろう。
怒り始めた彼へオビ=ワンが止めに入る。
「そのくらいにしてくれ、儂が奢るから勘弁してやってほしい」
「けぇっ!」
オビ=ワンの態度に落ち着いたとみせかけてルークを突き飛ばしてブラスターを手に取る。
ブラスターでオビ=ワンを脅すつもりだったのか、殺すつもりなのか、それはわからず終いになる。
「おい、店内で争いはやめてくれ!」
店主の叫びはより大きな悲鳴でかき消される。
腰に下げていたライトセーバーを取り出して刃を展開すると同時に男の腕を斬り落とす。
斬り落とした事を確認してライトセーバーを収納する。
腕を斬り落とされた男は悲鳴を上げて地面にうずくまる。
店内の客達は一瞬だけ静まり返るも、すぐにいつもの喧騒を取り戻す。
「大丈夫か?」
オビ=ワンは倒れたルークへ手を差し伸べる。
「このウーキーが副操縦士を務めている船がよさそうだ。行こう」
店主へ謝罪の言葉を入れながらウーキーと一緒についていくオビ=ワンの後をルークは追いかける。
「俺の名前はハン・ソロ。ミレニアム・ファルコン号のキャプテンだ。こいつはチューバッカ、副操縦士だ」
カウンター席からテーブル席へ移ったルークとオビ=ワンの前にハン・ソロと名乗る男が座る。
「アンタら、速い船を探しているんだって?」
「あぁ、急いでいてね。オルデランへ向かいたい。キミの船が速いのであれば」
「ミレニアム・ファルコン号の事を知らないようだな。ケッセル・ランを12パーセクで駆け抜けた船だ。帝国の宇宙船を出し抜いたことだってある。言っておくが田舎の大型クルーザーじゃない。コレリアの大型船、スターデストロイヤーの事だからな」
ニヤリと笑みを浮かべて話すハン・ソロ。
腕に自信があるようだが、少しばかり誇張しているのではないかとルークは思う。
「スピードについては自信がある。爺さん、積み荷は?」
「儂とこの青年、後、ドロイドが三体。質問は一切なしで頼む」
「訳アリってことか」
「その分、料金は弾むとも」
ならず者として活動しているハン・ソロは瞬時に目の前の彼らが厄介ごとを抱えている事を瞬時に見抜いた。
「成程、なら前金として10,000クレジット。目的地へついたら残りの10,000クレジットをいただく」
「合計で20,000だって!?新しい宇宙船が買える値段じゃないか!他の人を探しましょう!」
ルークがソロのふっかけた値段に目を丸くしながら他を探そうと提案する。
憤慨しているルークを一瞥しながらソロはオビ=ワンをみる。
「とりあえず、前金で20,000払おう。オルデランへついたら追加で15,000払う」
オビ=ワンの提案にルークとソロは同時に目を丸くする。
ルークは提示した金を用意できるのかと?
ソロは自分の提示した金よりもさらに上を用意するといわれて耳を疑ってしまう。
「交渉成立のようだな」
ちらりとソロは店の入口を見る。
「どうやら奴さんらはアンタ達に興味があるようだ。店を出た方がいい」
店主と話をしているストーム・トルーパーの一団を指さすハン。
「アンタ達が準備出来次第、すぐに飛び立てる。ドッキング・ベイ94だ」
トルーパー達と遭遇しないように抜け出していくルークとオビ=ワン。
彼らを探すトルーパーが去っていった後、ハンは笑顔でチューバッカへ話しかける。
「やったぜ、チューイ!合計で35,000クレジット。借金も返せる!風向きが変わるぜ!すぐに準備しよう!」
チューバッカを先に行かせてソロも店を出ようとした時、銃口を突き付けられる。
「どこへ行くんだ?ソロ」
「やぁ、グリード」
ブラスターを突き付けるのはジャバ・ザ・ハットの腰巾着のグリードだ。
笑顔を浮かべながらテーブル席へ腰かける二人。
ブラスターを突き付けるグリードに対して、ソロは余裕を隠さず、席へ深く腰掛ける。
「ジャバは怒っている。お前が帝国を前にして積み荷を放り出して逃げた事にな」
「あの時は仕方なかったんだ。帝国に捕まると色々と面倒なことになるからな」
「同じ言い訳をジャバの前でできるかな?」
「金については目途がついた。すぐに用意できる」
「なら、俺に渡せ。俺がジャバへ届けてやる」
嘘だ。
ジャバの腰巾着たちはどれもが曲者ぞろいだ。
信用なんてできるわけがない。
目の前のグリードだってそうだ。
金を渡せば、そのままとんずらこくか懐へ仕舞いこむ可能性がある。
ソロは目の前の相手をどうするか考えて、ゆっくりと腰に下げているブラスターのホルダーを外して、ゆっくりと握りしめる。
「悪いが手元にない」
「ジャバは怒っている。ジャバに逆らうと賞金をかけられて追いかけられるぜ?」
「なら、まずは俺を倒してみるんだな。そうすれば、金の在処がわかるかもしれないぜ」
「それは面白い、一度でいいからお前をやってみたかったんだ」
「やれるものならやってみな?」
挑発した直後、発砲するグリード。
ソロは首をわずかに逸らして躱し、隠し持っていたブラスターで頭部を撃ち抜く。
爆発して机に突っ伏すグリード。
ハンはブラスターをホルダーへ納めると店主へ金を渡す。
「迷惑代だ」
そういってハン・ソロは店を後にした。