「まさか、僕のポケットの中のガラクタが大金になるなんて」
「これなら彼らへ払う代金の心配はしなくて済んだな」
当初、ルークはタトゥイーンへ戻らぬ覚悟を抱いていた。
その為、乗ってきたスピーダーを売り払うも、安く叩かれてしまう。
安く叩かれながらもスピーダーを売り払う。
その後、躓いた四次元ポケットから出てきたガラクタをみた商人が大興奮して大金を払うと騒ぎ、たくさんのクレジットを入手できた。
「しかし、ドラえもんさんのポケットは色々と入っているのですね」
「まぁね、僕のポケットは」
「四次元空間に繋がっているから無尽蔵に取り出せるのだ」
「え?」
C-3POの質問に答えようとしたドラえもんに代わって答えたオビ=ワンに驚く。
「どうして、それを」
「ルークへ伝えた事と同じで、キミへ伝えないといけない事がある。まぁ、それは船に乗ってからだ」
そういって歩いていく彼らを帝国のスパイが静かに尾行していることに誰も気づかなかった。
ドッキング・ベイ94
ミレニアム・ファルコン号の前にジャバ・ザ・ハットと彼を守る為に雇われた者達がいる。
「ソロ!出てこい!ソロ!」
「ジャバ、俺はここだ」
入口にチューバッカと共に現れるハン・ソロ。
チューバッカに船の準備を伝えてジャバの隣に立つソロ。
「ソロ、お前にはがっかりした。何故、積み荷を捨てた?グリードをなぜ殺した?」
流石はタトゥイーンを支配しているハット族。
既に彼がグリードを始末している事が伝わっていた。
「ジャバ、帝国に睨まれるとマズイことになるのはわかるだろ?隠す手段もなくて、あれしか方法がなかったんだ。グリードは先に攻撃してきた。正当防衛だ」
実際は嗾けた感はあるも、言ったもの勝ち。
「今回の仕事で大量の金が入る。借金も返せるんだ」
「ソロ、俺はお前の腕を高く買っている。借金の残りも返せないようじゃ、賞金をかけることになるぞ」
「安心してくれ。必ず返す」
そういいながらソロはジャバの尻尾を踏んで回り込む。
「返せなければ、銀河にお前の居場所はなくなるからな!」
「ジャバ、お前は良い男だよ!」
行くぞ!と言ってならず者たちを伴ってベイを後にするジャバ。
「その場凌ぎの口八丁、果たして、どこまで通じるかね?」
ソロがファルコン号の準備をしようとしたところで声をかける者がいた。
振り返るとマンダロリアンのアーマーを纏った男が立っている。
「見ていなかったか?うまくいっただろう?」
「口先だけの誤魔化しだ。いずれボロが出る」
「お節介、どうも」
「一応、警告はしておいてやる」
肩に愛用しているブラスターをこつこつとぶつける。
「ジャバ・ザ・ハットの借金は早急に返すことだ。奴がお前に賞金を懸けたら俺は迷わず、お前を狩りに行くからな」
「やれるもんならやってみな」
「フン」
もう会話は不要という風に彼は去っていく。
「大丈夫だ。金さえ手に入ればなんとかなる」
心配して小さく唸るチューバッカ。
「さぁ、準備だ」
「なんだ、これ、ボロ船じゃないか!」
ルーク達がドッキング・ベイ94に到着して最初に抱いた感想がそれだった。
「見た目よりも中身で勝負だ!準備は出来ている。さぁ、入りな」
「よろしく頼む」
「うわー、大きな船」
「私、宇宙は苦手です」
ぞろぞろとミレニアム・ファルコンへ乗り込む。
最後のチェックを終えたソロは入口からブラスターを手にして現れるストーム・トルーパーに気付く。
「撃てぇ!」
部隊長の合図と共に撃たれるブラスター。
ソロは躱しながらブラスターで反撃して、ファルコンへ乗り込む。
「チューイ!発進準備だ!」
慌ただしく操縦席へ向かうソロをみながら3PO達は用意されているシートへ深く腰掛ける。
操縦席に入り込んだソロはファルコン号を飛行態勢にした。
猛スピードでタトゥイーンの大気圏を突破する。
ルークとオビ=ワンが操縦席の方へ向かい、残っていた3POがドラえもんへ話しかける。
「そういえば、ドラえもんさん宇宙旅行は何度か?」
「まぁ、何度か経験しているけど、こういった船に乗っては少ないかな」
激しく船が揺れる。
「何か起こっているのかな?」
「さぁ、私、宇宙旅行は好きでないのです。戦闘などもってのほか、私、通訳ドロイドなので」
他愛のない話をしていた頃、ミレニアム・ファルコンは帝国の戦艦の目の前でハイパースペースに入った。
「総督、オルデランへ到着しました」
将校の一人がターキンへ報告する。
デス・スターの展望室へストーム・トルーパーと共に連行されてくるレイア、そして、しずか。
スネ夫とジャイアンの二人は拷問に疲弊しており、連れてくることが出来なかった。
「ターキン総督、こんなところへ連れてきて何の用かしら?」
「最後まで気丈ですな、レイア姫、そちらのお嬢さんも」
びくぅと怯えるしずかを守るように立つレイア。
同じ独房へ入れられていることもあり、友好関係を築いていた。
「レイア姫、このバトルステーションのオープンセレモニーへご招待したかったのですよ。そちらのお嬢さんも運が良い。帝国の栄光が続く瞬間を見られる。このステーションがある限り、皇帝の栄光は続くのです」
舞台の役者の様に両手を広げてステーションの事を話すターキン。
惑星クラスの大きさのステーションは強力な攻撃力、そして、防御力と機動性を兼ね備えていることは明白だった。
「それは間違っておりますわ。総督、拳を強く握りしめれば締めるほど、零れ落ちる星系が増えるのよ」
「このステーションの力を知れば、逃げよう、逆らうと考える者達もいなくなるでしょう。さて、レイア姫!反乱軍の拠点はどちらか?」
「知りませんわ」
「そうか、照準をオルデランへ」
「やめて!あそこは平和な惑星よ!」
「では、反乱軍の基地はどこか?」
「知らないわ」
ターキンはさらに詰め寄る。
「この問答をするのも疲れてきたので最後にしましょう。反乱軍の基地はどこか?答えなければオルデランを標的とする!」
「………………ダントゥインよ。基地はダントゥインにあるわ」
「みたか?姫は反乱軍と繋がりがあると白状したぞ!さぁ、オルデランへ標的を設定だ」
「何ですって!?」
「そんな、酷いわ!」
安心していたレイアは目を見開いて詰め寄ろうとするがベイダーに阻まれてしまう。
しずかも非難の声を上げる。
「ダントゥインは遠すぎる。このステーションの力を魅せる為にここまできたのです。ご安心を反乱軍のご友人もすぐに後を追います」
暴れるレイアをストーム・トルーパー達が抑えながら二人を連行する。
デス・スターのレーザー砲へエネルギーが装填されていく。
眩い光がオルデランへ放たれた瞬間。
オルデランは大爆発を起こして消滅する。
「進路をダントゥインへとれ、姫と三人は処刑する」
タトゥイーンからハイパースペースで帝国の追跡を振り切ったミレニアム・ファルコン号の中でルークはオビ=ワンからジェダイの騎士としての指導を受けていた。
自立駆動するポッドから放たれるレーザーをライトセーバーで防ぐというものだが、オビ=ワンの得意とする防御の型に設定されている為、発射されるレーザーの速度はとても速い。
ルークは動きを見極めながらレーザーをライトセーバーで弾こうと右へ左に刃を動かす。
「帝国の追手を振り切ったぜ……感謝してくれてもいいんだぜ?」
「ありがとうございます。ハン・ソロさん」
皆が思い思いの事をしている中で唯一、ドラえもんだけがソロに感謝した。
「つっう!」
レーザーがルークの腰に直撃して苦悶の声を漏らす。
「目でみるのではない。フォースを感じて、力に変えるのだ」
オビ=ワンは目隠しがセットされているヘルメットをルークにかぶせる。
「困ったな。これじゃあ、何も見えないよ」
「見るのではない。フォースを感じるのだ。フォースに身を委ね、力を借りる。そうすればみえなくても防ぐことはできる」
「宇宙の色んなものをみてきたが、そんな魔法みたいなことは信じられないな」
話を聞いていたソロがフォースを信じられないという。
「さぁ、やってみるんだ」
オビ=ワンに促されてヘルメットを被って身構えるルーク。
言われた通り、フォースを感じる為に意識を研ぎ澄ます。
ポッドからレーザーが発射される。
瞬間、ルークがライトセーバーで防ぐ。
二発目、三発目と次々と発射されるレーザーをライトセーバーで弾き飛ばす。
目の前で行われた事に流石のソロも言葉を失う。
ニヤリとオビ=ワンは笑みを浮かべた。
「今の感覚が……」
「まずは第一歩というところだな」
「はい!」
やれやれと肩を竦めてソロはテーブルの方をみる。
そちらでは3POとR2がチューバッカとゲームをしていた。
R2の操作する盤上のモンスターがチューバッカのモンスターを倒す。
モンスターが倒されるとチューバッカが非難の声をあげる。
「ゲームなんだから、そんな声をあげるなよぉ」
「ウーキーを怒らせるのは賢明とはいえないな?」
「ドロイドを怒らせるのも賢明ではないかと」
「……どうして、ウーキーを怒らせてはいけないんですか?」
気になったドラえもんがソロに尋ねる。
ソロはニヤリと笑って説明する。
「ドロイドは怒っても腕を引きちぎらないだろうが、ウーキーは怒ったらやるぜ?」
とある酒場でチューバッカを怒らせた賞金稼ぎがあり、哀れ、その男の片腕は本体とさよならをしたらしい。
その話を聞いてドラえもんは青ざめ、話を聞いていた3POはR2へ新たな作戦を指示する。
そう、チューバッカを勝たせる作戦だ。
話を聞いてチューバッカは満足したように小さく鳴く。
ドラえもんは頃合いを見計らってオビ=ワンへ話しかける。
「あの、オビ=ワンさん」
「何かな?」
「あの、どうして……四次元ポケットの事を?」
「……もう昔の話だ。クローン戦争中、キミの持つポケットと同じものを使っていたジェダイの騎士がいた。彼は騎士でありながらブラスターを使うガンマンでもあった。多くの命を救ったジェダイであり、私やルークの父にとって大事な親友だった」
「それって」
「そうだ。ノビタ・ノビはキミの事も話していたよ。ネコ型ロボットの親友、キミの事を」
「……のび太君の事を知っているんですね!?のび太君は今、どこに?」
「すまない。ムスタファーという所の最後の戦い以来、会っていないんだ。生きているのか、死んでいるのかも」
「そんな……」
「力になれず申し訳ない。だが、彼といずれ会える。そう思えるのだ」
急にオビ=ワンの表情が曇る。
「オビ=ワンさん?」
「どうしたの?」
ライトセーバーの刃を仕舞ってルークが尋ねる。
「フォースの乱れを感じた」
「乱れ?」
「突然、無数の悲鳴が起き、一瞬に掻き消えたような……何かが起きた」
オビ=ワンは額の汗をぬぐいながらルークへ訓練を続けるように促した。