比良坂結羽介物語〜虹ヶ咲学園〜   作:naogran

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優木せつ菜の屋上のライブから聞こえる歌に盛り上がっている皆を見た愛が、空に向けて手を伸ばした。彼女は自分も未知なる道にチャレンジしたいと思い始めた。




あれから数日後。

愛「どうする?」

璃奈「う〜ん・・・」

愛「やってみる?」

はんぺん「ニャー。」

愛「愛さんはやってみたい!!」

璃奈「・・・私も、やってみたい!」




その頃結羽介は。

恵美「本格的に始められるようになって良かったね。」

結羽介「あぁ。一時はどうなるかと思ったよ。顧問が決まった途端に廃部になり、かすみが新しく設立し、生徒会長の菜々が優木せつ菜の正体だったり、そして今。新しくスクールアイドル同好会が再スタートする。姉ちゃんって、せつ菜の正体知ってたの?」

恵美「ううん。雰囲気で気付いてたけど。」

結羽介「あ、俺と同じだ。」

恵美「じゃあ私、テニス部の顧問に行かなくちゃ。またね。」

結羽介「あぁ。またな〜。」

恵美はテニス部へ向かった。

結羽介「さてと、俺も行くか。」




その頃スクールアイドル同好会は。

侑「おりゃあああーーーー!!」

かすみ「負けませんよ先輩ーー!!!」

新しい部室の掃除をしていた。侑とかすみが雑巾掛けで競争している。歩夢とエマはモップ。しずくは窓を雑巾で拭く。

せつ菜「余ってる椅子、持って来ましたよ。」

彼方「おぉ〜!綺麗になったねぇ〜。」

せつ菜と彼方が余った椅子を調達した。

歩夢「取り敢えず、こんな所かな?」

かすみ「まだですよ?最後に〜。」




部室のドアにネームプレートを取り付けた。

かすみ「ウフフ〜!」

エマ「ようやく復活だね!」

結羽介「おーい!」

そこに結羽介が来た。

結羽介「部室、整理したか?」

歩夢「はい!今終わった所です。」

結羽介「これでようやく、俺の顧問としての本格的な仕事が始まるな。そうだせつ菜。」

せつ菜「?」

結羽介「この依頼書、君が出したんだよね?」

せつ菜「あ、はい!そうです!」

それは、結羽介宛てのスクールアイドル同好会の顧問の依頼書だった。

結羽介「3週間前にこれが来たからね。でもまさか、スクールアイドル同好会が一時廃部になっちゃったとはね。」

せつ菜「私が色々抱えていましたからね・・・ごめんなさい。」

結羽介「いや、過ぎた事は良い。本格的に顧問として活動出来るならそれで良い。」

せつ菜「ありがとうございます!」

かすみ「それじゃあ!スクールアイドル同好会!始めまーす!」

???「ヤッホー!」

そこに、愛と璃奈がやって来た。

愛「もしかして、スクールアイドル同好会の人達?」

せつ菜「そうですが・・・お2人は確か・・・」

愛「情報処理学科2年!宮下愛だよ!」

璃奈「1年。天王寺璃奈。です。」

歩夢「あ!」

侑「この間の!」

結羽介「お2人さん!」

愛「あ!3人共同好会入ってたんだ!実は愛さん達も、この前の屋上ライブ観て何かドキドキして来ちゃってさ〜!」

せつ菜「・・・!」

この前のライブにせつ菜が顔を赤めた。侑は愛の両手を握り。

侑「分かるよ!!トキめいたんだね!!」

愛「うん!そうそう!」

璃奈「本当に、凄かった。」

せつ菜「あ、ありがとうございます!」

愛・璃奈「うん!」

2人はお互いを見て頷いた。

愛「と言う訳で、2人共入部希望です!」

かすみ「おぉー!」

エマ「大歓迎だよ〜!」

結羽介「ありがとう!」

愛「やるからには頑張るし、皆の事も手伝うよ!所で、スクールアイドル同好会って何するの?」

全員「え?」

せつ菜「えっと・・・実は今、それを探している所でして・・・」

愛「ん?」


第4話「未知なるミチ」

部室。

 

結羽介「改めまして、この度スクールアイドル同好会の顧問となった比良坂結羽介だ。元はアイドルとして活動したが、現在は俳優として活動している。宜しくな。」

 

全員「宜しくお願いします。」

 

侑「結羽介さんって、何でアイドルから俳優になったの?」

 

結羽介「元々俳優が志望だったんだよ。でも母さんに強く勧められてね。」

 

しずく「お母さんですか?」

 

結羽介「母さんは元々アイドル志望だったんだけどね。でも母さんの両親、つまり俺の祖父母に強く反対されてね。だから息子である俺に自身の夢を代わりに叶えて欲しいって。」

 

歩夢「何だかロマンチックですね。お母さんの夢を結羽介さんが叶えてくれるなんて。」

 

結羽介「んで、祖父ちゃんと祖母ちゃんが母さんのアイドルを反対したには理由があったんだ。」

 

歩夢「理由?」

 

結羽介「当時はアイドルのプライベートやスキャンダルがメディアで取り上げられる時代だったんだ。それを見た祖父母が、アイドルになった母さんに何が起こるかも知れないから反対したんだ。つまり、祖父ちゃん達なりの気遣いだったんだ。母さんの今の仕事はWEBデザイナー。」

 

侑「そうだったんだ。」

 

しずく「それで、先生のお祖父さんとお祖母さんは、先生がアイドルになった時どんな反応したんですか?」

 

結羽介「メチャクチャ応援してくれてな。もう俺に溺愛し過ぎじゃねって位。毎月ちょくちょく連絡してくれる。そして母さんは満足して、俺はようやく俳優に転身したんだ。俺はある俳優に憧れて俳優を志したんだよ。」

 

かすみ「その俳優さんとは誰なんですか?」

 

結羽介「皆知っているだろ?佐藤健さん。」

 

侑「あ!佐藤健さん!!格好良いよね〜!」

 

結羽介「俺は佐藤健さんに憧れて俳優を目指したんだよ。俳優に転身した後に本人と共演出来て感無量だったなぁ〜。あの頃は良い思い出だったなぁ〜。さてと、俺の紹介はこれで以上だ。それで、愛と璃奈の事だが、スクールアイドル同好会って何するって言ってたよな?」

 

璃奈「うん。」

 

愛「何をするの?」

 

かすみ「勿論!やりたい事はあるんですよ!!」

 

ホワイトボードに『ライブがやりたい』とデカく書いてある。

 

しずく「スクールアイドルですから、やっぱりライブですよね!」

 

彼方「結局まだやってないしね。」

 

せつ菜「どんなライブにしたいのか、皆で意見を出し合いましょう!」

 

結羽介「意見がある人は自由に発言してくれ。」

 

かすみ「かすみん、全国ツアーがやりたいです!」

 

結羽介「第1歩で全国ツアー!?ハードル高過ぎ!」

 

エマ「皆と輪になって踊りたいなぁ〜!」

 

結羽介「WAになっておどろう?」

 

しずく「曲の間にお芝居をやるのはどうでしょう?」

 

結羽介「ミュージカル?」

 

彼方「お昼寝タイムも欲しいなぁ〜。」

 

結羽介「ライブ中に寝るな。」

 

せつ菜「皆の大好きを爆発させたいですね!火薬もドーンと派手に使って!」

 

結羽介「特撮でも撮るの?」

 

歩夢「火薬はちょっと・・・私はもっと可愛いのが良いな。」

 

結羽介「可愛いかぁ・・・」

 

 

 

 

今蚊帳の外の2人は。

 

璃奈「白熱してる。」

 

愛「皆言ってる事全然違うけど、凄いやる気だね。」

 

全員「ん?」

 

愛「あれ?今何か不味い事言った?」

 

かすみ「い、いえ。」

 

侑「あははは・・・因みに、2人はどう?」

 

結羽介「2人からの意見も聞いてあげるよ。」

 

愛「ん〜・・・何だろうね?・・・兎に角、楽しいのが良いかな?」

 

かすみ・しずく・エマ「あ!」

 

歩夢「それは確かにそうだね!」

 

結羽介「楽しいかぁ。良いんじゃないか?」

 

せつ菜「えぇ!最初は人も集まらないかも知れませんが、何時か沢山のファンの前で歌えるようになりたいですね!」

 

かすみ「あ。コホン!では、ライブの事は追い追い考えるとして。」

 

結羽介「じゃあまずは特訓だ!特訓を積み重ねて、ファン達を喜ばせるライブを作り上げるんだ!」

 

しずく「特訓って、歌にダンスとか?」

 

彼方「ダンスかぁ〜。」

 

結羽介「ノンノン。柔軟体操や発声練習も特訓に含まれる。」

 

歩夢「私はまず、歌の練習がしたいなぁ。」

 

エマ「だったら、しばらくの間、グループに分かれてやりたい練習をするのはどうかな?」

 

せつ菜「良いアイデアですね!」

 

愛「私達、全部参加しても良い!?」

 

せつ菜「勿論です!」

 

愛「すっごく楽しみ!!ね!」

 

璃奈「うん。」

 

 

 

 

 

 

屋上。

 

彼方「おおおぉぉぉぉ〜〜〜〜〜!」

 

果林「もっと行けそうね。」

 

彼方「無理無理無理ぃ〜〜〜!!」

 

体が硬い彼方の背中を果林が押して前屈。

 

璃奈「おおおぉぉぉぉ〜〜〜〜〜!」

 

エマ「・・・・」

 

全く前に倒れていない璃奈の上半身。

 

果林「それが限界・・・?」

 

エマ「そうみたい・・・」

 

 

 

 

休憩を挟む。彼方と璃奈が倒れ込んだ。

 

結羽介「2人共、ダンスをするならまず体を柔らかくする事。」

 

エマ「果林ちゃんに教えて貰えて良かったよ。」

 

結羽介「こんな時にすまないな。」

 

果林「まぁ、時間があるから良いけど。」

 

結羽介「さ!休憩終わり!続けるぞ!」

 

彼方「っ!?」

 

璃奈「え!?」

 

彼方「彼方ちゃん、壊れちゃうよ〜!」

 

愛「大丈夫だよ!」

 

一方の愛は、開脚前屈で上半身が前に倒れた。

 

全員「おぉ〜!」

 

結羽介「凄え柔らかいな!」

 

愛「よっと。じゃあ、もう1回やってみようか!」

 

前屈再開。

 

結羽介「良いか?まずは息を大きく吸う。」

 

彼方・璃奈「すぅ〜〜〜〜。」

 

結羽介「ゆっくり吐いて。」

 

彼方・璃奈「は〜〜〜〜〜。」

 

ゆっくり息を吐くと同時に、愛が2人を前に倒した。さっきより前に倒れた。

 

彼方「あ!」

 

璃奈「あ!」

 

愛「どう?ちょっとでも出来るようになると楽しくない?続けて行けば、もっと柔らかくなっていくし!」

 

璃奈「うん、頑張る!」

 

果林「流石部室棟のヒーローね。」

 

エマ「ヒーロー?」

 

結羽介「愛を知ってるの?」

 

果林「知らないの?彼女、色んな体育会系の部活で助っ人として活躍していて、結構有名なのよ?」

 

エマ「そうなんだぁ〜!」

 

結羽介「成る程な!」

 

彼方「そう言えば彼方ちゃん、てっきり果林ちゃんも同好会入ると思ってたよ。」

 

果林「ん?そんな訳ないでしょ?私はエマの悲しむ顔が見たくなかっただけよ。」

 

愛・彼方「へぇ〜?」

 

結羽介「ほほ〜う?」

 

果林「な、何よ?」

 

結羽介「別にぃ〜?」

 

エマ「ありがと。」

 

果林「っ!・・・別に良いわよ・・・」

 

結羽介(ごっつあんです。)

 

 

 

 

部室。かすみがメガネをしている。

 

かすみ「コホン。これより、講義を始めます!!」

 

スクールアイドル概論の講義が始まった。

 

愛「面白そう!」

 

しずく「そのメガネ、どうしたの?」

 

かすみ「せつ菜先輩に借りました!」

 

結羽介「中川菜々のメガネか。それって許可あり?」

 

かすみ「無断で。」

 

結羽介「やっぱり。」

 

しずく「絶対怒られるよ!?」

 

かすみ「話の腰を折らない!」

 

結羽介「厳しい。」

 

かすみ「桜坂君!!」

 

しずく「っ!?」

 

かすみ「スクールアイドルは何が必要かお答えなさい!」

 

しずく「えっと・・・自分の気持ちを表現する事?」

 

かすみ「正解!」

 

しずく「あ、正解なんだ・・・」

 

かすみ「天王寺君にも同じ質問です!答えをどうぞ!」

 

璃奈「・・・ファンの人と気持ちを繋げる事?」

 

かすみ「正解!」

 

結羽介「正解が量産されて行く・・・」

 

かすみ「最後に宮下君!」

 

愛「ん?アハハ!ごめん!分かんないや〜!」

 

かすみ「ピンポンピンポンピンポーン!正解でーす!」

 

しずく「何で!?」

 

結羽介「それ適当に正解って言ってんじゃねえの?」

 

かずみ「あれぇ〜?しずこ〜、先生〜、分からないんですか〜?」

 

しずく「むぅ!」

 

結羽介「はい?」

 

むくれるしずくと、首を傾げる結羽介。

 

かすみ「今の質問には、ハッキリとした答えがないんです!ファンの皆さんに喜んで貰える事なら、どれも正解って事です!」

 

愛「へぇ〜!奥が深いんだね!」

 

かすみ「ん〜!合格☆」

 

結羽介「朝までそれ正解みたいな講義だったな。」

 

 

 

 

レコーディングスタジオ。歩夢が歌い終えた。

 

歩夢「全然ダメだった・・・」

 

愛「そんな事ないって!」

 

結羽介「そうそう!物凄く良かったぜ!」

 

せつ菜「うん!私も歩夢さんの歌声大好きですよ!」

 

結羽介「じゃあ課題を出そう。歩夢には、リラックスして歌える事だ。さっきのはちょっとぎこちなかったけど。」

 

歩夢「はぁ・・・だよね・・・」

 

侑「可愛く歌えてたよ?」

 

歩夢「そ、そう?」

 

侑「でも、学校にこんな所があるなんて知らなかったよ!」

 

結羽介「部室棟にまさか本格的なレコーディングスタジオがあるなんてな!」

 

せつ菜「映像系の学科や部活が使っている収録ブースですからね。」

 

結羽介「へぇ〜。声優を目指す子達もやってるかな?もし会ったら声優トークしたいな。」

 

せつ菜「次は何方が歌われますか?」

 

愛「せっつーの歌が聴きたーい!」

 

せつ菜「せっつー?」

 

結羽介「お前じゃね?」

 

愛「うん!あだ名!」

 

侑「良いな〜!私は?」

 

愛「ゆうゆう!」

 

歩夢「じゃあ私は?」

 

愛「あゆピョン!」

 

歩夢「え!?ピョンは止めてー!」

 

侑「えぇ〜?可愛いのに〜。」

 

結羽介「じゃあさ、俺のあだ名は?」

 

愛「ユッキー!」

 

結羽介「良いねそれ!採用!」

 

せつ菜「こ、これは!」

 

カラオケを選択していると、ある曲に目が止まった。

 

璃奈「新しく始まったアニメのエンディングだよね?」

 

せつ菜「っ!観てるんですか?このシリーズを!」

 

璃奈「うん。子供の頃からずっと観てる。」

 

結羽介「あ!そのアニメ、前のシリーズに俺が声優として出てるぞ?」

 

せつ菜「ーーーーーー!!!前のシリーズの第29話観ました!?自分を犠牲にしてマグマに飛び込もうとしたジャッカルをコスモスが抱き締める所を!!」

 

璃奈「激アツだった。」

 

結羽介「収録当時、俺でも激アツだったよ!」

 

せつ菜「ですよねー!!」

 

侑「せつ菜ちゃん、アニメ好きなんだ!」

 

せつ菜「え!?あ、はい・・・親に禁止されているので、夜中にこっそり観てるんですが・・・」

 

璃菜「お家、厳しいの?」

 

せつ菜「まぁ、何方かと言えば。」

 

侑「それで正体隠してたんだ!」

 

愛「正体?う〜ん・・・」

 

せつ菜の顔をじっくり見る。

 

愛「あー!もしかして、生徒会長!?」

 

せつ菜「はい。」

 

愛「そうだったんだー!水臭いなぁ〜!」

 

結羽介「親御さん、そんなに厳しいのか?」

 

せつ菜「そう、ですね。」

 

結羽介(もしかして、あの時彼女がスクールアイドル同好会を廃部にした理由の1つって・・・)

 

璃奈「この前は、ありがとう。」

 

せつ菜「あ、いえ。」

 

愛「愛さんも、せっつーが話してたアニメ、チェックするね!」

 

せつ菜「え?」

 

愛「せっつーの熱い語り聞いてたら、楽しそうだな〜って思ってたからさ!」

 

せつ菜「・・・!楽しいですよ!」

 

愛「うん!それじゃあ!ここからはアニソン縛りで行こう!」

 

全員「おー!」

 

結羽介「あ!特撮ソングOK?」

 

愛「うん!オッケー!」

 

 

 

 

 

 

部室に戻り、愛が差し出した野菜を皆が食べる。

 

侑「美味しい!」

 

結羽介「美味い!!」

 

愛「お婆ちゃん特製のぬか漬けだよ!」

 

歩夢「本当お婆ちゃんの味って感じだよね!」

 

愛「でしょー?」

 

結羽介「愛、このぬか漬けのレシピ欲しい!」

 

愛「うん!帰ったらお婆ちゃんに聞いてみるね!」

 

そこに残りのメンバーが戻って来た。

 

かすみ「うわあ!何ですか!?この臭いは!」

 

愛「皆も食べる?」

 

結羽介「ぬか漬け美味いぞ?」

 

エマ「うん!食べた〜い!」

 

歩夢「お帰り〜!」

 

侑「レッスン終わった?」

 

しずく「はい!」

 

彼方「彼方ちゃんクタクタだよ・・・」

 

エマ「今日はもう終わりだね。」

 

せつ菜「あ、かすみさん。結羽介先生。お話があるので、ちょっと残って貰えますか?」

 

かすみ「メ、メガネの事なら何でもごめんなさいしましたよね!?」

 

せつ菜「それではなくて・・・」

 

結羽介「?」

 

 

 

 

 

 

夕方。ベンチに座る。

 

彼方「今週は土曜も集まるんだっけ〜?」

 

エマ「うん。お台場でランニングだよ?」

 

歩夢「ランニングかぁ〜。」

 

侑「私も一緒に走るから。」

 

結羽介「俺も走るから安心しろ。」

 

愛「走るのって気持ち良いよ?」

 

エマ「しずくちゃんは、この後演劇部?」

 

しずく「はい。」

 

彼方「大変だね〜。掛け持ち〜。」

 

しずく「好きでやっている事ですから。」

 

結羽介「しずく、今度俺が出演した舞台のDVDでも貸そうか?能力を磨く良い勉強法になると思うぞ?」

 

しずく「ありがとうございます。」

 

歩夢「愛ちゃんは今も運動部の助っ人をしているの?」

 

愛「勿論!だから、明日は来るのが遅くなるかも。」

 

彼方「2人共頑張ってるね〜。」

 

エマ「同好会はどう?」

 

璃奈「・・・楽しい。」

 

エマ「ん?」

 

愛「こんなにウキウキなりなりー初めて見たよ!」

 

抱き締めて璃奈の頬をプニプニ突っ突く。

 

愛「愛さんも楽しい!」

 

璃奈「ごめんなさい。私、上手く気持ち出せなくて。」

 

エマ「ううん。楽しんでくれてるなら良かった。」

 

愛「でも本当、他ではやってない事ないばかりで新鮮!」

 

侑「そんなに違う?」

 

愛「違うよ〜!かすみんが、アイドルはどれも正解って言ってたけど、実際その通りって言うか、皆やっぱりタイプ違うけど、凄く優しくて面白くて、そこが最高って感じだし!このメンバーで、どんなライブする事になるんだろうって、考えただけでめっちゃワクワクするよ!」

 

彼方「愛ちゃんは鋭いね〜。」

 

全員「え?」

 

しずく「分かってはいるんです。私達が先に考えなきゃいけない事って。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃かすみとせつ菜は。

 

かすみ「ソロアイドルですか?」

 

せつ菜「私達だから出来る新しい1歩です。部員1人1人が、ソロアイドルとしてステージに立つ。その選択肢は、皆さんの頭の中に入っているはずです。」

 

かすみ「はい。でもそれって・・・簡単には決められないですものね・・・」

 

 

 

 

 

 

そしてベンチの方では。

 

璃奈「1人でステージに?」

 

結羽介「それぞれがソロアイドルとして立つ?」

 

彼方「ちょっと考えちゃうよね〜。グループは皆協力し合えるけど、ソロアイドルには誰にも助けて貰えないだろうし・・・」

 

愛「っ!」

 

しずく「正直、不安です・・・皆さんに喜んで貰えるだけのものが、私1人にあるのでしょうか・・・?」

 

 

 

 

 

 

翌日。愛は授業中に考え事をしていた。

 

愛(正解は1つなら、分かり易いよね?)

 

 

 

 

バスケット部の助っ人の時も。

 

愛(スポーツにはルールがある。でも、愛さん達が目指すスクールアイドルには、そう言うのがなくて・・・自分1人・・・)

 

 

 

 

下校中の時も。

 

愛(愛さんだけで、どんなスクールアイドルになれるのかな・・・愛さんの正解って、何なのかな?こんな事、今まで考えた事なかったよ・・・)

 

”ピコン”

 

愛「ん?」

 

スマホの着信音が鳴った。かすみからのLINEが来た。

 

 

 

 

かすかす『明日のランニング、朝の9時にレインボー公園に集合ですよー!』

 

りなりー『ラジャーv(・・)』

 

かなちゃん『おっけー』

 

ユッキー『了解であります!』

 

 

 

 

愛「ん〜・・・」

 

 

 

 

 

 

翌朝7時。愛がレッスン着に着替えて、準備運動してからレインボー公園に向かって走り出す。

 

 

 

 

レインボー公園に到着したが、時間はまだ朝8時。

 

愛「1時間前か・・・ん?」

 

 

 

 

レインボーブリッジの歩道を走っていると。

 

愛「ん?」

 

エマ「ふぅ・・・」

 

遠くにエマが休んでいた。

 

愛「エマッちー!」

 

エマ「ん?あ!愛ちゃん!」

 

愛「どうしたの?」

 

エマ「ちょっと早起きしちゃって。愛ちゃんは?」

 

愛「一緒!」

 

???「おーい!」

 

愛・エマ「ん?」

 

遠くから結羽介が、愛が走ったルートを辿って走って来た。

 

エマ「結羽介先生!」

 

愛「ユッキー!」

 

結羽介「ヤッホーお2人さん。早起きしたのか?」

 

愛「まあね。ユッキーも?」

 

結羽介「俺は顧問だからな。バイクで一足先に着いたと思ったら、愛がレインボーブリッジへ走る姿が見えたかから追って来た。」

 

愛「そっか。」

 

 

 

 

3人は話し合いをした。

 

エマ「昨日はソロアイドルって聞いて、驚いた?」

 

愛「え?確かに驚いたけど、1番に驚いたのは自分に対してなんだよね。」

 

エマ「え?」

 

結羽介「自分に対して?」

 

愛「うん。同好会の皆が悩んでいるのって、自分を出せるかって事でしょ?今まで色んな部活で助っ人やってたけど・・・考えてみたら、皆と一緒にやる競技ばかりでさ。いやぁ〜、めっちゃハードル高いよね〜。・・・ソロアイドルか・・・」

 

結羽介「確かにな。考えれば考える程、後先難しくなりそうだ。」

 

愛「そうなんだよね・・・」

 

エマ「・・・そろそろ走ろっか。」

 

愛「え?」

 

エマ「9時だし、もう行く時間だよ?」

 

結羽介「あ、本当だ!」

 

腕時計で時間を確認した。

 

結羽介「それじゃあ行こっか!」

 

愛「・・・・」

 

エマ「どうしたの?」

 

結羽介「愛?」

 

愛「・・・プッ!アハハハハハハ!!」

 

突然愛が笑い出した。

 

結羽介「ど、どうしたおい!?」

 

愛「ウケるーーー!!」

 

エマ「え?」

 

結羽介「な、何が?」

 

愛「ソロでそろそろ、9時だし行く時間って!アハハハハハ!!駄洒落だよねーーー!!」

 

エマ「駄洒落?あぁ〜!全然気付かなかったよ〜!」

 

愛・エマ「アハハハハハ!!」

 

結羽介「いや、駄洒落じゃないけど・・・(この子、笑いのツボが弱いのか・・・?)」

 

 

 

 

2人が笑い終えた後。

 

エマ「ふぅ・・・愛ちゃんが同好会に来てくれて良かった。」

 

愛「え?何で?」

 

エマ「凄く前向きで居てくれるから。」

 

愛「そう?今はめっちゃ悩んでいるけど。」

 

結羽介「けど、皆と一緒に居る時はメチャクチャ楽しそうだったよな?」

 

愛「っ?」

 

エマ「私達、色々あって・・・ようやくスタートラインに立ったばかりなんだ。きっと、皆が不安で。でも本当は、それと同じ位。これからに期待していると思うんだ。そうじゃなきゃ、悩まないもの。まだ1歩を踏み出す勇気が出ないだけ。愛ちゃんが来てから、同好会の皆の笑顔凄く増えてるんだよ?」

 

愛「そうなの?自覚ないけど?」

 

結羽介「無くても凄いぞ。」

 

愛「そうかな?」

 

エマ「そうだよ。」

 

結羽介「常に感謝してる。」

 

愛「えへへ〜。・・・そっかぁ。・・・!」

 

照らす太陽に向けて手を伸ばし、太陽を握った。

 

愛「ありがとうエマッち!ユッキー!走って来る!!」

 

急に愛が走り出した。

 

エマ「あ、愛ちゃん!?」

 

結羽介「おい!?エマ、行こう!」

 

エマ「う、うん!」

 

 

 

 

 

 

全速力で走る愛が自分の考えを理解した。

 

愛(そんな事で良いんだ!誰かに楽しんで貰う事が好き!自分が楽しむ事が好き!そんな楽しいを、皆と分かち合えるスクールアイドル!!それが出来たら、私は未知なるミチに!駆け出して行ける!!ミチだけに!!アハハハハハ!!)

 

 

 

 

 

 

『サイコーハート』

 

 

 

 

 

 

愛「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

歌い切った彼女に拍手が広がった。

 

愛「(皆と一緒・・・ステージは・・・1人じゃない!!)サイコーーーーー!!!」

 

 

 

 

侑「凄い!あれが愛ちゃんのステージなんだ!」

 

全員「?」

 

侑「私、皆のステージが見てみたい!1人だけど、1人1人だからこそ!色んな事が出来るかも!そんな皆がライブをやったら、何か凄い事になりそうな気がして来ちゃった!」

 

全員「!」

 

彼方「何か、侑ちゃんも凄いね。」

 

侑「え?」

 

しずく「負けてられませんね!」

 

璃奈「燃えて来た。」

 

エマ「うん!」

 

せつ菜・かすみ「フフ。」

 

結羽介「1人1人だからこそのライブ・・・良いな!それ!」

 

歩夢「そうだね!」

 

 

 

 

 

 

後日。部室にて。

 

愛「歩夢!サイコーに可愛いね!高2だけに!走るのってランランするよね!ランだけに!」

 

侑「アハハハハハ!!!!」

 

愛「次は同好会へどうこう行こうかい!!」

 

侑「アハハハハハ!!!!ヒヒヒヒヒ!・・・もう許して〜〜〜!」

 

せつ菜「凄く受けてますね・・・」

 

歩夢「侑ちゃん、幼稚園の頃から笑いのレベルが赤ちゃんだから。」

 

結羽介「笑えない駄洒落を彼処まで笑うとは・・・」

 

かすみ「何でいきなり駄洒落を?」

 

愛「スクールアイドルの特訓だよ!」

 

結羽介「駄洒落が!?」

 

エマ「ウフッ。あ。」

 

空を見上げるエマは、何かを考えていた。

 

『END』




         キャスト

    比良坂結羽介:島崎信長

       高咲侑:矢野妃菜喜
      上原歩夢:大西亜玖璃
     中須かすみ:相良茉優
     桜坂しずく:前田佳織里
      朝香果林:久保田未夢
       宮下愛:村上奈津実
      近江彼方:鬼頭明里
     優木せつ菜:楠木ともり
   エマ・ヴェルデ:指出毬亜
     天王寺璃奈:田中ちえ美

      はんぺん:麦穂あんな

     比良坂恵美:小林ゆう



結羽介「スクールアイドルに憧れ、心をぽかぽかにできるアイドルを目指してスイスからやって来たエマと、ふとした出会いから友達になった果林。ある日、エマは果林をスクールアイドルに誘うが、モデルの仕事があるからとそっけなく断られてしまう。一方、同好会では各メンバーの知名度を上げる為ソロPVを作ることに。エマのPV撮影に積極的に協力する果林。そんな果林を改めて同好会に誘うエマだったが、遂にはきっぱりと断られてしまう。エマは突き放すような果林の態度が理解出来ず・・・」

次回・今しかできないことを

結羽介「ウルトラできるぜ!」

どっちが面白い?

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