比良坂結羽介物語〜虹ヶ咲学園〜   作:naogran

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しずく「ある街のある劇場に、1人の少女が居ました。彼女の夢は、この街1番の歌手になる事。そして、沢山の人に歌を届ける事。あなたの、理想のヒロインになりたいんです!」

そこに、しずくの影が現れた。

影「無理だよ。私の歌なんて、誰にも届かない。本当は分かっているのでしょ?あなたは、私だもの。」

しずく「っ!?」






ある日の虹ヶ咲学院・スクールアイドル同好会部室。今日は新聞部の生徒達が来ていた。歩夢達を撮影。

結羽介「良いぞ歩夢!可愛いぞ!」

次は果林。

果林「フフ。」

結羽介「果林!素敵だぞ!」

次は愛。

愛「イエーイ!」

結羽介「愛サイコー!」

侑「皆!凄く良いよ!」

結羽介「サイコーだ!天っ才だ!」

かすみ「はいはーい!次はかすみんの番ですー!」

そんな中しずくはインタビューを受けていた。

新聞部部長「では次に、桜坂さんがどんなスクールアイドルを目指しているのか教えて下さい。」

しずく「私は、愛されるスクールアイドルを演じたいと思っています。」

新聞部部長「と言いますと?」

しずく「皆さんにとって理想のアイドルを想像して、その子になりきるんです!」

新聞部部長「では、今この瞬間も桜坂さんは理想のスクールアイドルを演じていると言う事ですか?」

しずく「はい。」

新聞部部長「成る程!演劇部に所属している桜坂さんらしいアイドル像ですね!」

しずく「うふふ。」

新聞部部長「そう言えば今度、藤黄学園との合同演劇祭が開催されるそうですが・・・」

しずく「えぇ。藤黄学園と虹ヶ咲がそれぞれ別の演目で公演を行うんです。」

新聞部部長「虹ヶ咲の主役に抜擢されたのは、桜坂さんだそうですね!是非とも校内新聞を読む生徒達に一言お願いします!」

しずく「精一杯演じますので、是非見に来て下さいね!」






しかし、演劇部部室で非常事態が舞い降りてしまった。

しずく「こ、降板ですか!?」

演劇部部長「今回の役は、しずくとはちょっと違ったみたいだから。」

しずく「ダメな所があれば言って下さい!私頑張りますから!!」

演劇部部長「この役は、自分を曝け出す感じで演じて欲しかったの。」

しずく「曝け出す?」

演劇部部長「役柄も歌手って設定だし、スクールアイドルのしずくなら適任かなって思ったんだけど・・・」

しずく「・・・もう1度!チャンスを下さい!」

彼女は主役になれるのか。


第8話「しずく、モノクローム」

そんなある日。しずくは放課後の教室で1人で練習をしていた。

 

しずく「私、歌いたいの!沢山の人に歌声を届けたい!私が歌に込めるのは、喜びと感動と少しの熱狂!・・・」

 

 

 

 

廊下からかすみがしずくの練習を偶々見た。

 

かすみ「しずこ?」

 

 

 

 

スクールアイドル部部室。侑がタブレットからスクールアイドル部のインタビューが載った校内新聞を見せた。

 

侑「じゃーん!皆の初めてのインタビューが校内新聞に載りました〜!」

 

歩夢「わぁ〜!」

 

愛「皆めっちゃ良い感じじゃん!」

 

果林「結構評判良いみたいよ?」

 

歩夢「あ!結羽介さんのスペシャルインタビューも載ってますよ!」

 

結羽介「いやぁ〜、人気者は大変だね〜。」

 

侑「自分で言う台詞なの?それ。」

 

エマ「またインタビューして貰えると良いね!」

 

そんな中かすみは、しずくを密かに見ていた。

 

せつ菜「今度は、練習風景をメインに取材して貰うと言うのはどうでしょう?」

 

しずく「それ、凄く良いアイデアです!せつ菜さん!」

 

かすみ「何だ。何時も通りじゃん。」

 

結羽介「そうだ見てみろ!演劇部の公演も載ってるぞ!」

 

ページを捲ると、演劇部の情報やしずくのインタビューが掲載されていた。

 

愛「どれどれ?」

 

しずく「・・・!」

 

結羽介「?」

 

かすみ「?」

 

この2人はしずくの焦ってる顔を見た。

 

侑「それにしても主役なんて凄いよねぇ〜!」

 

彼方「彼方ちゃん、絶対観に行くよぉ〜!」

 

しずく「はい。ありがとうございます。」

 

結羽介(しずく?何か抱えてるのか?)

 

 

 

 

 

 

翌日。かすみは。

 

璃奈「しずくちゃんの様子が可笑しい?」

 

かすみ「うん。何かね、何時ものしずこよりも、ショーンって感じで・・・」

 

璃奈「ん〜、そうだったような・・・そうじゃなかったような・・・」

 

浅希「そう言えば、主役降ろされちゃったって聞いたけど・・・」

 

かすみ「え!?何それ!?」

 

色葉「演劇部の子が言ってたの。それで、もう1回オーディションがあるって。」

 

かすみ・璃奈「・・・」

 

 

 

 

 

 

一方しずくは、外で柔軟体操をしていた。彼女は頭の中で葛藤していた。

 

影『私の歌は誰にも届かない!子供の頃の事、覚えてる?皆と少しだけ違う。ただそれだけの事だったけど、私は何時も不安だった・・・誰かに変な子って思われたら・・・嫌われたらどうしよう・・・何時もそんな風に怯えていた・・・』

 

しずく『・・・』

 

影『だから、本当の自分を隠すようになった。そして、凄く楽になれた!あの日からずっと・・・私は嘘の私のまま。自分を偽っている人の歌は、誰かの心に届く訳がない。』

 

しずく『うっ・・・ううぅ・・・』

 

影『そうでしょ?』

 

 

 

 

 

 

一方結羽介は。

 

恵美「桜坂さんが主役を降ろされた?」

 

結羽介「あぁ。かすみ達と中の良い3人から聞いたんだけど。何か、いきなり主役を降板されたけど、今度再オーディションがあるから猛練習してるんだよ。」

 

恵美「桜坂さんの演技力は凄いと思うんだけど・・・結羽介、もし桜坂さんに何かあったら支えてくれる?」

 

結羽介「当たり前だ。生徒を支えるのが顧問の仕事だからな。」

 

恵美「応援してるわ。じゃあテニス部へ行って来るね。」

 

結羽介「おう。じゃあな!・・・しずく。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃しずくは1人で帰ろうとしていた。そこにかすみと璃奈が来た。

 

かすみ「しずこ確保〜!」

 

しずく「か、かすみさん!?な、何!?」

 

かすみ「りなこ!」

 

璃奈「ラジャー。璃奈ちゃんボード『拘束!』」

 

自慢の璃奈ちゃんボードでしずくを捕まえた。

 

しずく「ちょ、ちょっと!これじゃ前が!」

 

かすみ「それじゃあしゅっぱーつ!!」

 

璃奈「おー!」

 

しずく「うわああああ!」

 

 

 

 

結羽介「ん?」

 

かすみと璃奈に連れて行かれるしずくを発見した。

 

結羽介「かすみ?璃奈?何やってんだ彼奴等?」

 

 

 

 

ヴィーナスフォートのレストラン。

 

かすみ・しずく・璃奈「おぉ〜!」

 

璃奈「これが・・・伝説の!?」

 

マウンテンパンケーキを前にして3人が驚いた。

 

しずく「本当に食べるの・・・!?」

 

かすみ「マウンテンパンケーキ0勝5敗のかすみんが、2人に完食の極意を教えてあげる!」

 

璃奈「勝ててない。」

 

 

 

 

離れたテーブル席から結羽介がこっそり見てる。

 

結羽介(5敗で0勝?それで2人にあれを食わすのかよ。)

 

 

 

 

かすみ「ひたすら食べ続けるべし!!いざ!かかれー!」

 

璃奈「頂きます!」

 

かすみ「あーん!ん〜!美味しい〜!」

 

璃奈「ふわふわ過ぎる〜!」

 

しずく「・・・ん?」

 

かすみ「ほら。しずこも。」

 

しずく「あ〜ん。・・・美味しい!」

 

かすみ「でしょ〜!」

 

璃奈「ハッピー☆」

 

かすみ「行くぞー!目指せ完食!」

 

 

 

 

マウンテンパンケーキを完食してレストランを出た。

 

璃奈「璃奈ちゃんボード『お腹パンパン・・・』」

 

かすみ「初勝利!イエーイ!」

 

しずく「やったね!」

 

璃奈「イエーイ!」

 

3人でハイタッチ。

 

 

 

 

結羽介「パンケーキ食べ過ぎた・・・む、胸焼けが・・・」

 

パンケーキの食べ過ぎで苦しそうに出て来た。

 

 

 

 

雑貨屋。

 

かすみ「可愛い〜!」

 

 

 

 

オーディオショップ。

 

璃奈「おぉ!これは!」

 

 

 

 

ペットショップ。

 

しずく「この子、ウチのオヒリアに似てます!」

 

 

 

 

噴水広場。

 

かすみ「撮るよー!」

 

 

 

 

ガンダムベース東京。

 

結羽介「これは!早く買わなきゃ!」

 

 

 

 

ジュース屋。

 

かすみ「ん〜・・・どうしよっかなぁ・・・?可愛いかすみん迷っちゃう・・・」

 

璃奈「ん?」

 

 

 

 

一方しずくは、昔に上映された映画のリマスター版のポスターを見ていた。

 

しずく「・・・・」

 

璃奈「好きなの?昔の映画。もしかして、しずくちゃんが演技を始めたのって、こう言うの観てたから?」

 

しずく「そうかな・・・?それもあるけど・・・私ね、演じてる時が1番堂々として居られるの。誰の目も気にならないし。・・・自分が、桜坂しずくだって事を忘れられるの。」

 

璃奈「・・・自分が嫌なの?」

 

しずく「ご、ごめんね。変な話して。忘れて。」

 

かすみ「あー!また暗い顔してるー!スマイルだよ!しずこ!エヘッ☆」

 

しずく「かすみさん?」

 

かすみ「今日は嫌な事を全部忘れて、パーっと遊ぼ!それで元気出たら、オーディション頑張って主役取り返そう!」

 

しずく「っ!!知ってたんだ・・・」

 

かすみ「うん。でも、別に内緒にしなくても良いじゃん!私達応援するし!」

 

しずく「・・・・」

 

かすみ「それに、もししずこが落ち込んでるなら、話を聞く位・・・」

 

しずく「大丈夫!」

 

かすみ「え!?」

 

しずく「心配しないで?私は平気だから。2人共ありがとう。」

 

璃奈「しずくちゃん・・・」

 

しずく「今日はもう帰らなきゃ。じゃあね。」

 

先に帰ってしまった。

 

 

 

 

 

 

帰る途中。頭の中で葛藤が始まった。

 

影『やっぱり怖いんだ。本当の自分を見せる事が。』

 

しずく『だって・・・』

 

影『嫌われたくない。そうでしょ?私、歌いたいの!皆の心に届く歌を!その為には、自分を曝け出さなきゃ。受け入れて。』

 

しずく『はぁ・・・はぁ・・・』

 

 

 

 

誰も居ない場所で彼女は落ち込んでしまった。

 

しずく「出来ないよ・・・曝け出すなんて・・・嫌い・・・こんな私・・・」

 

 

 

 

遠くから結羽介がしずくを見ていた。

 

結羽介(しずく・・・)

 

 

 

 

 

 

翌日。かすみと璃奈はしずくからの返信を待っていた。

 

璃奈「返事、来た?」

 

かすみ「演劇の自主連だってさ。」

 

璃奈「それじゃあしょうがない。」

 

かすみ「あ〜あ。折角一緒にお昼食べようと思ったのに。知らなかった・・・しずこがあんな頑固だったなんて。本当、どうしちゃったんだろう・・・」

 

璃奈「きっと、今のしずくちゃんも、しずくちゃんだよ。」

 

かすみ「ほえ?」

 

璃奈「私も。ちょっと同じだったから解るんだ。自分の事が嫌な気持ち。」

 

かすみ「・・・」

 

璃奈「私の時は、愛さんがグイって引っ張ってくれた。皆が励ましてくれた。だから、ライブが出来た!私には愛さんが居た!」

 

かすみ「・・・」

 

璃奈「しずくちゃんには!」

 

かすみ「っ!私、行って来る!」

 

璃奈「ファイト!」

 

 

 

 

 

 

彼女は、誰も居ない教室で小さな声発声練習をしていた。

 

しずく「あめんぼ あかいな アイウエオ。うきもに こえびも およいでる。かきのき くりのき カキクケコ。きつつき こつこつ かれけやき。ささげに すをかけ サシスセソ。そのうお あさせで さしました。たちましょ らっぱで タチツテト・・・」

 

”ガラガラ”

 

結羽介「なめくじ のろのろ ナニヌネノ。」

 

しずく「・・・?」

 

教室に結羽介が入って来た。

 

結羽介「なんどに ぬめって なにねばる。はとぽっぽ ほろほろ ハヒフヘホ。ひなたの おへやにゃ ふえをふく。まいまい ねじまき マミムメモ。うめのみ おちても みもしまい。やきぐり ゆでぐり ヤイユエヨ。やまだに ひのつく よいのいえ。らいちょうは さむかろ ラリルレロ。れんげが さいたら るりのとり。わいわい わっしょい ワヰウヱヲ。うえきや いどがえ おまつりだ。」

 

発声練習の基本を復唱しながらしずくに歩み寄る。

 

しずく「結羽介先生・・・?」

 

結羽介「懐かしいなぁ〜。初舞台の時の発声練習を思い出すなぁ〜。」

 

しずく「・・・」

 

結羽介「どうしたんだ?そんなに落ち込んで。」

 

しずく「・・・私、どうしたら良いんでしょうか・・・?」

 

結羽介「何だ?言ってご覧?」

 

しずく「私、自分を曝け出すのが苦手で・・・それで主役を降ろされてしまって・・・」

 

結羽介「ん〜。自分を曝け出すのが苦手か〜。・・・傷ついてさらけだすこともないから〜♪」

 

しずく「何の歌ですか・・・?」

 

結羽介「俺の好きな歌の歌詞の一部さ。確かに自分を傷つけ過ぎて、自分の感情を曝け出すなんてちょっと無理があるよな。」

 

しずく「・・・」

 

結羽介「でもな。自分の力でそれを乗り越える事は出来る。それを克服すれば、しずくも自分の感情を曝け出す事が出来るんだぜ?」

 

しずく「・・・出来るんでしょうか・・・?」

 

結羽介「出来るさ。だって君には、仲間が居るんだもの。」

 

”ガラガラ!”

 

そこにかすみが入って来た。

 

かすみ「見付けた!」

 

しずく「かすみさん・・・!?」

 

結羽介「ほらな。」

 

かすみ「あ、あれ?先生何でここに?」

 

結羽介「ちょっとしずくに激励を送ってる真っ最中だったんだ。かすみ、後は任せるぜ。」

 

かすみ「え?あ、はい。」

 

しずく「ど、どうしたの?かすみさん。」

 

かすみ「どうって、そりゃあ・・・昨日、変な感じで別れちゃったじゃん?だから、どうしてるかなって・・・」

 

しずく「・・・ごめんね。心配掛けて。」

 

暗い顔をしたが、頑張って笑顔になった。

 

しずく「でも私は本当に大丈夫。オーディションだって・・・え!?」

 

急にかすみに顔を両手で掴まれた。

 

かすみ「ジーーーー。」

 

結羽介「お?」

 

かすみ「目、ちょっと腫れてるよ?」

 

しずく「っ!!」

 

かすみ「しずこが頑固キャラだって事はよーく解ったよ。」

 

しずく「?」

 

かすみ「でも!」

 

彼女はしずくを引っ張って無理矢理立たせた。

 

かすみ「そんな顔で必死に隠そうとしないでよ!私としずこの仲でしょ!?」

 

しずく「・・・!!今度の役ね、自分を曝け出さなきゃいけないんだって。でも、私には出来ない・・・私・・・小さい頃からずっと、昔の映画や小説が好きだったの。でも、そんな子は私しか居なかったから・・・不安だった・・・誰かに変なのって顔される度、嫌われたらどうしようって・・・」

 

結羽介「それが君の葛藤してる理由か。」

 

しずく「はい・・・その内、他の事でも人から違うなって言われるのが怖くなって・・・だから、演技を始めたの。皆に好かれる良い子のフリを。そしたら、楽になれた・・・」

 

かすみ「しずこ・・・?」

 

しずく「やっぱり・・・私・・・自分を曝け出せない!!それが役者にもスクールアイドルにも必要なら!!私は・・・どっちにもなれないよ!!!」

 

かすみ「・・・!!」

 

しずく「表現なんて出来ない!!嫌われるのが怖いよ・・・!!」

 

結羽介「しずく!!」

 

しずく「え・・・!?」

 

結羽介「自分を曝け出だしたら周りから変な子って言われるのが怖いだと!?そんなの、ただ現実から逃げてる臆病者が言う台詞だぞ!!しずく。お前にも自分の感情を曝け出す勇気があるだろ?それを何故やらないんだ!!お前も演劇部の役者ならそれが出来るはずだろ!!」

 

しずく「でも・・・なれないものはなれないんです!!」

 

かすみ「何・・・甘っちょとい事言ってんだーーーーー!!!」

 

拳を振り翳したかすみがしずくを殴ろうとした。

 

しずく「うっ!!」

 

しかし拳はしずくの目の前で止まった。そしてデコピン。

 

しずく「うわっ!」

 

かすみ「結羽介先生の言う通りだよ!!嫌われるかも知れないから何だ!!かすみんだって、こ〜んなに可愛いのに褒めてくれない人は沢山居るんだよ!!しずこだって、かすみんの事を可愛いって言ってくれた事ないよね!?しずこはどう思ってるの!?」

 

しずく「え、えっと・・・」

 

かすみ「可愛い!?可愛くない!?」

 

しずく「か、可愛いんじゃないかな・・・?」

 

かすみ「ホラ!言ってくれたじゃん!しずこも出してみなよ!!意外と頑固な所も、意地っ張りな所も、本当は自身がない所も全部!!」

 

しずく「それ、褒めてない・・・」

 

かすみ「もしかしたら!しずこの事を好きじゃないって言う人も居るかも知れないけど、私は!!桜坂しずこの事が大好きだから!!!」

 

しずく「・・・!!」

 

かすみ「だから、心配しなくても・・・」

 

しずくの顔が赤くなり、かすみも顔を赤くした。

 

かすみ「帰る!!」

 

しずく「あ!ちょっと!」

 

かすみ「かすみんにここまで言わせたんだから!!絶対に再オーディション合格してよね!?」

 

そう言い残し、そのまま教室から走り去った。

 

しずく「・・・プッ!あはははははは!!あはははははは!!はぁ〜・・・」

 

結羽介「何だよしずく。急に笑ってどうした?」

 

彼女は窓を開けて、青空を眺めた。

 

結羽介「どうだ?やる気出たか?」

 

しずく「・・・結羽介先生。」

 

結羽介「ん?」

 

しずく「私、頑張ります!!その為には、演技の指導をお願いします!!」

 

結羽介「・・・フッ。よし!そこまで言うならビシバシ行くからな!!俺も俳優モードを発動して、心を鬼にして君の演技を鍛えてやる!!」

 

 

 

 

 

 

数日後。虹ヶ咲学園・藤黄学園の合同演劇祭の日が訪れた。

 

美咲「姫乃。この舞台の主役の子、虹ヶ咲のスクールアイドルらしいわよ?」

 

姫乃「そうなんですね。」

 

再オーディションでしずくが主役に抜擢された。

 

 

 

 

一方しずくは控え室で待っていた。スクールアイドル部の部員達からの応援メッセージと舞台の衣装が届けられていた。しずくは舞台の衣装を着た。

 

しずく「よし!」

 

 

 

 

控え室から出ると。

 

結羽介「似合ってるぞ。主役さん。」

 

しずく「ありがとうございます。」

 

結羽介「舞台、楽しみにしてるぜ。じゃあな!」

 

しずく「はい!」

 

 

 

 

ホール。

 

エマ「しずくちゃん、オーディション受かって良かったね!」

 

歩夢「何か私の方が緊張して来ちゃった・・・」

 

結羽介「皆お待たせ〜!」

 

彼が戻って来た。

 

侑「何処行ってたの?」

 

結羽介「主役への激励。」

 

”ブーーーー”

 

果林「始まるわよ。」

 

結羽介「楽しみだ。」

 

かすみ(頑張れ!しずこ!)

 

 

 

 

しずく「ある街のある劇場に、1人の少女が居ました。彼女の夢は、この街1番の歌手になる事。そして、沢山の人に歌を届ける事。あなたの、理想のヒロインになりたいんです!」

 

 

 

 

物語が進んで行き。

 

しずく「待って下さいオーナー!!どうして私だけ出番が無いんですか!?」

 

オーナー「残念だけど、あなたの歌の評判が良くないの。もう内の劇場に立たせてあげる事なんて出来ないわ。」

 

彼女は劇場から追放されてしまった。

 

少女「ねぇ待って!!もう1度オーナーに頼んでみようよ!!チャンスを下さいって!!」

 

しずく「もういいの!!」

 

そこに、彼女の影が現れた。

 

影「そんなに怖いの?本当の自分を見せるのが。」

 

彼女は影から遠ざける。

 

影「待って!!私・・・それでも歌いたいの!!」

 

しずく「・・・ずっとあなたから目を逸らしていた。でも、歌いたい!その気持ちだけはきっと真実!!今までごめんなさい!」

 

彼女は自分の影と手を繋ぎ、影に顔を近付けた。

 

しずく「これが私!逃れようのない本当の私!!」

 

影「嫌われるかも知れない!」

 

しずく「でも、好きだって言ってくれる人も居た!」

 

しずく・影「だから!この小さなステージで、もう1度始めよう!!」

 

影と1つになり、しずくが覚醒した。

 

 

 

 

 

 

『Solitude Rain』

 

 

 

 

 

 

演目は無事幕を閉じ、観客から拍手が広がった。かすみは拍手を早く叩いてる。演劇部部長は、しずくの演技に満足して笑顔になった。

 

結羽介(しずく。良かったぜ。)

 

 

 

 

演劇終了後。

 

新聞部部長「素晴らしかったです!!まさにスクールアイドル部の桜坂しずくさんにしか出来ない舞台でしたね!!」

 

しずく「ありがとうございます!」

 

新聞部部長「役者、そしてスクールアイドルとして何かメッセージはありますか?」

 

しずく「本当の私を、見て下さい!!」

 

彼女は今までで一番の笑顔になった。

 

 

 

 

 

 

美咲「良いステージだったわね。」

 

姫乃「はい!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会。面白いですね。」

 

 

 

 

 

 

結羽介「しずく〜!お疲れ様〜!いやぁ〜、君の演技素晴らしかったぜ〜!」

 

しずく「ありがとうございます。先生のご指導のお陰です。」

 

結羽介「なぁなぁ、もし良かったらこのまま演劇の道へ進まないか?もしくはドラマや映画でも良いぞ?」

 

しずく「それはちょっと・・・」

 

恵美「こら!」

 

結羽介「ぐへっ!!」

 

後ろから恵美にチョップを喰らわされた。

 

恵美「今は顧問の身なのにスカウトしてどうすのよ。」

 

結羽介「ごめんごめん・・・」

 

恵美「桜坂さん。素晴らしかったわよ。」

 

しずく「比良坂先生。観に来て下さりありがとうございます。」

 

恵美「あなたの演技、今後とも期待してるわ。」

 

しずく「はい!」

 

『END』




         キャスト

    比良坂結羽介:島崎信長

       高咲侑:矢野妃菜喜
      上原歩夢:大西亜玖璃
     中須かすみ:相良茉優
     桜坂しずく:前田佳織里
      朝香果林:久保田未夢
       宮下愛:村上奈津実
      近江彼方:鬼頭明里
     優木せつ菜:楠木ともり
   エマ・ヴェルデ:指出毬亜
     天王寺璃奈:田中ちえ美

        色葉:若井友希
       今日子:桑原由気
        浅希:川井田夏海
     綾小路姫乃:日岡なつみ
      紫藤美咲:本宮佳奈

     演劇部部長:小山百代
      新聞部員:山田奈都美
           藤原夏海

     比良坂恵美:小林ゆう



結羽介「生徒達からの人気も出てきたスクールアイドル同好会。さらなる成長を望んでいた所、藤黄学園のスクールアイドル綾小路姫乃から音楽イベント出演の提案を持ちかけられる。しかし、披露出来るのは1曲だけ。ソロアイドルの虹ヶ咲がステージに立てるのは1人だけと言う事にお互い遠慮してしまう一同。その様子を見かねた果林はきつく当たってしまう。だけど、果林の言葉は本気で正しいものだった。真剣に受け止め、せつ菜は皆と相談して決める提案を持ちかける。」

次回・仲間でライバル

結羽介「ウルトラ当たるぜ!」

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