戦姫絶唱シンフォギア アルケミック・シンフォニー 作:謎のコーラX
「いいお医者さんになるのよ、テオ」
母はそう言って、私が10の頃に亡くなった。
母は教会隷民、いわゆる教会に属する奴隷だった、母は死ぬまで私を愛して、この世を去った、あのときに、今ほどの、化学、医学があれば母は死ぬことは無かっただろう、しかし、それは結果論であり、私は先を見ている。それに、あのときのことがあったから、私はここまで来られたのだから。
私に自然哲学や、化学、医学を教えたのは父だった、真面目な人で、今死んだ後でも尊敬できる、が、放浪ばかりしてきた人でもある、まぁ、私もやってることだが。
金属は害だ、人には鉄が流れているとも言うのだから、全て害があるわけではないが、致死量、あらゆるものは人を死に至らせる、私はそう考えた。
あれから、500と余年、私は今――錬金術師となっていた。完璧なる、生命を目指して。
○
「――パラケルスス様」
そう呼ばれ、
目を擦り、欠伸をすると、後ろに立つ、自らの従者に目を向ける。
「やぁ、トロン、今日も良い朝だな」
トロン、パラケルススが初めて創造した2体のオートスコアラーの一人であり、日々パラケルススの手によって改造され、人間とほぼほぼ変わらないレベルの見た目となっている。トロンは眉を潜め、ため息を吐いて、暗い室内のカーテンを開き、日の光を入れる。
「既に真昼です、寝すぎなんですよ、そもそもその身体に睡眠は必要ないでしょう?」
「いんや、眠りは良いぞ、記憶も整理できるし、自分が思いもしない夢を見せてくれる」
「だからといってこんなに遅くまで寝てるのはどうなんですか……はぁ、ワタクシは準備しておきます、ご存知でしょう?、今日がなんの日か」
トロンからそう言われ、パラケルススは手のひらに拳を置く動作をした、トロンはその動作の意味を知ってる、あ、忘れていたんだと、備えられたトロンの感情は怒りへと以降する。
「――殴りますよ?」
「やめておけトロン、それは私には効かない」
次の瞬間、外にいたもう一人の従者は研究室の壁が吹き飛んだのを確認した。
○
「ふー、こういうの私の仕事ではないと思うけど」
パラケルススは研究衣から私服に着替えた。赤と白色を基調とした服装で、彼女がよく着る服だ。
「んー、ボクとしてはもっと派手がいいなぁ、その服、もっとギンギラギンにしてさ」
壊れた壁を直しているときもう一人の従者が悪戯気にパラケルススの目を両手で後ろから覆う、名をルフォン、トロンの白髪とは反対の黒髪、トロンの妹のオートスコアラーであり、トロンと共に家事全般を行い、戦闘も行える、ちなみにトロンが大好き。
「別に目が見えなくても直せはするが、そういうのは誰だって言ってやる行為だぞ、おと服は変える気はない」
「くふふ、そっかぁ、くふ、トロンにこっぴどくやられたねぇ、無傷だったみたいだけど」
「まぁね……いい加減手をどかしてくれないか」
「やっ」
「……」
それから一時間は、ルフォンは手をどかすことは無かった。
○
「……さて、なんだっけ、
「そうです、正直過剰戦力な気がしますけどね、アダムが言うには知りたいんだ、今の君の力量をね、らしい」
「あの怪物かぁ……逆らっても良いことないし、ま、気長に行こうか、トロン、ルフォン」
「はい」
トロンは綺麗な笑みで答え。
「うん」
ルフォンは若干邪悪さのある笑みで答える。
○
「ふーん、ここがアイツらのハウスね」
「ハウスと言っても洞窟ですけどね、それも巧妙に隠されてるかつ、廃鉱の流用」
ぱっと見では洞窟の入口は落石で閉じてあるが、認識誤認がかけられていることが3人にはわかる、それなりのもので触れればちゃんと岩の感触もある。一般人ならまずバレないだろう。
「さて、ルフォン、お前は出てきたやつの対処だ」
「え〜、ボクも戦いんだけど、なんのために邪悪スマイルしたと思ってるのー」
「
「―――あー、うん、でも機能使わなきゃいいでしょ」
「食い下がるな、雑魚掃除がそんなに楽しいか?」
「楽しい!」
(いったいどうしてこんな性格になってしまったのか、創造主でもわからない、ワカラナイ)
パラケルススが頭を悩ませていると、トロンがため息を吐きながら、ルフォンの肩を叩く。
「ルフォン、ここは引き下がってくれ、計算上ルフォンが来ないほうが100%帰ってこれるんだ、お前もパラケ」
「わかった!」
(食い気味……ですね)
「んじゃ、トロン、行こうか」
「はい」
「いってらー」
パラケルススとトロンは軽く岩を弾くと、一瞬で認識誤認の術は霧散し、二人はルフォンに見送られながら、先に進んでいった。