逆行しても俺の未来はメルヘン冷蔵庫 作:ハマグリ一派
初めまして私の名前は
お嬢様学校に通うツーサイドアップの今どきな女子高生です。そんな可愛くてリア充な私ですが、実は暗部に所属している暗殺のプロであったりします。
そんな複数の顔を持つミステリアスガールなこと私ですが、第二のホームとも呼ぶことができる場所があります。それがあの学園都市第二位が暮らす住居です!
そこには夜の住人であることを表すように、家主の垣根さんはホストのような格好ですし、その人に通い妻をしている
イケイケと言うか、なんかちょっと危ない感じがまさにリア充ですよねっ!そして、逆説的に彼らと一緒に居る私はリア充と言うことになるわけです。
え?ギョロ目シャンプーハット?
……あー、あの人は悪…………い人ではあるんですけど、まあ話してて嫌な人ではありませんよ?落ち込んだ時とかご飯誘ってくれますし。
でも、純粋にタイプじゃないっていうかそういう対象じゃないんですよねー。瞳孔常に開いてますし。よくドライアイにならないものです。
関係ありませんが一つ言えることは、あの人はリア充ではありません。いやー本当に悲しい話です。悪気は無いんですが
陽キャの
「おっと、ここに来るのも久し振りですね」
そんなことを考え歩けば目的地に着いていました。目の前にあるタワーマンションが学園都市第二位が暮らす住居です。お友達の家に遊びに行くってのもポイントが高くていいですよねっ。
備え付けられているエレベーターに乗り、垣根さんの在宅している階層のボタンを押してエレベーターが上がっていきます。
「ここ最近は忙しかったですからねー。表と裏の両立は大変です」
お嬢様学校とはいえ課題は当然出ています。いくら暗部にいるとはいえ、表の生活を疎かにするほど私は落ちぶれてはいません。
うん?一緒に勉強会をする友達?
ははっ、無知であることは罪とはよく言ったものですねえ~。お嬢様というのはそんなワーキャーするようなことはしません。みんな個々人でやるものなんです。
ふふんっ、また一つ賢くなれましたねっ♪
そんな訳で勉強はもちろん、暗部での依頼をこなす毎日をしていると、ここに訪れることが当然のように少なくなってしまいました。最近、依頼の量が増えてきてるんですよねー。私の腕が買われているということなので、いいことではあるんですけど。
そのため、ここに訪れるのも2週間ぶりとなります。もしかしたら、垣根さんと
すると、チンッと音が鳴り目的の階層に着きました。つまり、2週間前まで通い続けた私のもう一つの居場所がもうすぐですね。
軽快な足取りで進みその一室の前まで来ると、チャイムを押します。ふふっ、このチャイムを押すだけで1時間以上時間を使っていた時が懐かしいですね。
あのころは緊張していたのでそうなるもの仕方ありませんでした。初めて友達の家に行くのです。誰でも経験することですね。
そうして待っているとガチャりと鍵が外されました。いつものパターンですと
その扉が開けられるとそこには誰もいませんでした。
いえ、少し目線を下げれるとそこに、小さな頭があることが分かります。ですが、私はその人物に見覚えがありません。
そんなぶっ飛んだアクセサリーと、キャミソールにジャージという追加コンボで混乱してしまい、言葉も出ない私に彼女は眠た気な瞳と小首を傾げて尋ねてきた。
「……誰?」
「あなたが誰ですかッ!?」
◇◇◇◇
「(これは悪夢なのでしょうか。いえ、間違いなくこれは悪夢なのでしょう。こんな悲劇がこの世に存在しているだなんて、私は今まで想像することもできませんでした)」
呆然とした様子で彼女は呟いた
「……な、なんですかこれ……?」
2週間ぶりに来てみると、そこは私の知っている場所ではありませんでした。きらびやかな飾り付けに見たこともないような豪勢な料理。そして、誕生日席に座っていただろう見たことも無い少女。ここは私の知っている世界ではありませんでした。
「そういやお前はまだ会ったことはなかったか。こいつは
「
眠たげな顔で言われた自己紹介に、私は
「そ、その季節外れの帽子や首飾りはなんですか……?」
「こいつが喜びそうな物なんてわからなかったからな。
訳がわからない。彼は何を言っているのだろう?
だが、言っている言葉は分からなくても一つだけ分かったことがある。──つまりここは、私の知る常識は一切通用しないことだ。
そして、上げるべき事柄を上げてしまった私は、ずっと目を逸らしていたその物に目を向けなくてはならなくなった。その受け入れがたいその文字。その言葉を震えながらも声に出して読み上げる。
「かんげい……かい……?」
その三文字に私は見覚えがなかった。
「(私って今まで歓迎されてなかった……?今まで感じていたものって私の自惚れ?)」
その事実に気付いたときに全身が燃え上がるような羞恥と、背骨に氷柱が突き刺さるような寒気が同時に襲った。
「(嘘嘘嘘嘘嘘嘘ッ!?私もしかしてずっとボッチだった!?いやだボッチは恥ずかしい!ボッチになりたくない!)」
その事実に思い至り、半狂乱に陥る
──だが、そもそも今までそう言った行事自体が、存在していなかっただけであるのが実情である。
しかし、それを後ろめたいと思う者も一定数いるようだ。分かりやすく言うと先程から会話に参加せずに、目を逸らしている二人である。
「(マジかよ……こいつ、今回のターゲットが尻尾なかなか掴ませないから、あと数週間はかかる予定とか言ってたくせに、とんでもないタイミングで戻って来やがった。
どうせならあの事件のことにこれで区切りを付けてから、会わせようと思ってたけど、完全に裏目に出たな……)」
そして、歓迎会の日にちを伸ばしてもらったのだとしても、今回の騒動とは完全に蚊帳の外であったため、彼女の性格からして居ずらいことこの上ないとも察した。
ならば、さっさとこのメンバーで終わらせてしまい、後日文句を言ってきたり、ヘコんでいたら飯に誘おうと計画していたのだ。まさか、こんな最悪過ぎるタイミングに現れるとは予想だにしていなかったのである。
「(申し訳ないけど記憶から彼女のことが飛んでいたわ。ちょっとばかり四人でいることに慣れすぎたわね。あの子のことに意識を向けすぎたのも要因かしら)」
彼女がどの程度の脅威となる存在なのかを、見定める必要があったため残念ながら
「(まあ、私は彼と二人で歓迎会をしたことあるけど)」
そしてこの女。この状況を完璧に把握しながら、
実は新居に引っ越す前に軽い慰労会として、彼女と垣根は二人でそれなりにいいレストランで食事をしている。というのも、新居の手配や日頃の食事の感謝を、彼女がねだったからというのが理由である。
夜の学園都市を見下ろしながらの二人のディナーは、彼女にとって大切な思い出の一つだ。
──今それを思い出すのはどうかと思うが。
そして、自らの未来を知り、前回よりも適当さが増した垣根はそこら辺の機微が若干疎くなっていた。要するに
「つーか、お前もタイミング悪いな。いや良いのか?そのおかげで俺達みたいな手間を掛けさせず済んだんだからな」
「……ッ!」
垣根としては別に今回与えられた役目自体に不満はない。他の二人よりも適した人選だっただろうと認識している。だが、客観的に見たとき昼間から少女を連れ回す高校生でしかなかったし、何よりもまるでどこかの第一位のような組み合わせだということに気付き、人知れず苛立っていたのだ。
彼としては本心以外の何物でも無いのだが、それは受け取り手によって大きく印象を変える。
とどのつまり、自慢にしか聞こえないのだ。
『いやー、歓迎会とか手間とか費用とかかかって超憂鬱だわー。でも、仲間のためならそれも仕方ない的な?仲間のために手間暇掛けない俺らマジでズッ友じゃね?』
「うわああああああああん!!馬鹿ああああ!!」
大号泣をしながら扉を思い切り開けて逃走したのだった。それを見ながら最近見慣れるようになったコンビは揃って首を傾げる。
「?どうしたの?」
「さあ、俺が知るか」
ボッチはタイミングが悪すぎる
今回はジャンルでいうとラッコ虐なのでしょうか。ちょっとばかりやり過ぎた感があります。そこら辺について感想いただけたら嬉しいです