逆行しても俺の未来はメルヘン冷蔵庫 作:ハマグリ一派
木原くんの最後を少し延ばしました
ここにいることを許されて、はにかんでいる林檎を見ながら俺は思考にふける。木原
そんな曖昧な結末を俺は一言で受け止める。
「(全て計画通り上手くいったな)」
そう、ここまでは全て俺の筋書き通りの展開だ。周りからは大失敗とも受け取れる今回の結末だが、俺からすればこれ以上無い手であった。
「(なにせ、木原相似を始末することができた。これで後顧の憂いを断つことができる。これで林檎が襲われる危険性はかなり下がったはずだ)」
俺は奴を殺すことを始めから決めていた。奴は木原一族、害しか生み出さない社会のゴミでしかない。百害あって一利ないのだから奴を生かす理由を探す方が面倒だ。
そして、奴の諦めの悪さは前回体験済みだ。それを踏まえても奴に付き合うなど時間の無駄でしかない。わざわざかったるいことを増やす趣味は俺にはなかった。
「(問題なのはその殺し方だった。いくら悪党とはいえ表の世界じゃあそれだけで捕まっちまう。そうなれば暗部に叩き込まれるのは確定と言ってもいい。
とはいえ、はっきり言って暗部をそこまで拒絶する意味はない。暗部での生き方はもちろん俺は本質的に悪党だ。今さら殺すことに拒否感は無い)」
では、何が問題なのか?そんなもの決まっている。
「(垣根帝督が暗部に入ることは、当たり前だと考えている奴らが気に入らないってのもあるが、俺は前回とは違ってアレイスターとの『直接交渉権』を欲してるわけじゃない。
今の俺が欲しいのは
俺が見据えているのは今は誰も想定すらしていない、未来の学園都市だ。そこに辿り着くまでに余計な足枷を付けるなど、邪魔でしかなかった。
その状態で木原
「(まあ、これを『完全』と呼ぶには、いささかスマートさが足りないがな)」
◇◇◇◇
「……チッ!やってくれるじゃねえか」
そう言って身体を覆うように展開した
「邪魔だ」
そう言うと、一凪ぎで目の前にある死のカーテンを吹き飛ばす。しかし、そこに木原
垣根はその後も辺りを飛び回り捜索するが、結局木原相似の痕跡は何一つ見つけられずにいた。
そして、数十分後。
空中を飛行していた垣根はピタリと止まり、風を肌で感じながら内心で呟く。
「(──さて、演技はこの程度でいいだろう。
今しているのは、言ってしまえば犯行のアリバイ作りの一環だった。彼は風をその身に感じながら頭の中を整理していく。
「(奴を始末する上で面倒だったのがその二つだ。それを騙すためにわざわざ自分で作った爆発で吹き飛ばされたんだからな)」
◇◇◇◇
木原
「何、ですかこれは!?遺灰──ではありませんね。まさか、これは本物の砂ッ……!?」
垣根が操る
「俺の
──まあ、もう聞こえちゃいねえだろうがな」
パシャアッ!と音とともに、砂の塊となった彼は呆気なく崩れ落ちる。それが木原
前回のように
「ここまでは予定通りに進んだ。そして次の工程で最後だ」
そう言うと、彼は二つの翼を両隣に配置した。この二つの翼をぶつければ辺りを吹き飛ばすほどの大爆発が起きる。これも、
彼は不敵な笑みを浮かべて断言する。
「この街のイカレた技術をもってしても、俺の
そして、ほどなくして昼の学園都市が騒然となるほどの大爆発が起きた。
◇◇◇◇
「(最初から最後まで自作自演のものでしかなかったが、これなら俺が奴を殺したかどうかすらわからない。つまり、俺を指名手配犯にすることは不可能だ)」
死体はおろか血痕一つ無い状況で、犯罪が本当にあったのかわかるはずもない。
「(奴を砂に変えたが爆風で吹き飛ばしたし、何よりあそこで俺は、
砂や瓦礫が俺の
彼は木原
「(
「(他にも
一つは
垣根は自宅の近くで
二つ目はタワーマンションの住人だ。
彼はすぐに鎮圧したがそのときに何人かの住人に見られていた。それもそのはず、彼が襲われたのは真っ昼間の時間帯なのだから。
そして、三つ目はそのときに捕まえた『DAアラウズ』。
そいつらは既に正規のは
「(
上からの命令だとしても大人しく黙っているのは、果たして何人いるかな?)」
彼らを能力を持たず権力もないただの人間と、断ずることはできない。彼らの教える子供は皆能力者であり武力を持つ子供だ。
彼らが子供たちに今回のことを説明すればそれこそ暴動が起きかねないし、言わずにその教師たちが上に粛正されても、数が多ければ
そうなれば泥沼の始まりだ。
学園都市第二位を暗部へと引き込む代わりに、学園都市中の人間の不信感や敵意を持たせることになるのは、果たして釣り合いが取れているのだろうか?
いや、そんなことはないだろう。学園都市の上層部ならば今回は木原
「まあ、今回で目を付けられた可能性が高いがな……」
「どうかした?」
「いや、なんでもねえ」
「(
◇◇◇◇
「ハア……まさか、林檎ちゃんが第二位の庇護下に入っちゃうとはね。さすがに
依頼人も行方不明のままなんの連絡も寄越さないし、多分だけど死んだかな?お陰で用意していた物が全部パアなのはもちろん、報酬も無しなんて言う無駄骨だ」
そんなことを言いながら作業しているのは黒夜海鳥。彼女は『暗闇の五月計画』の一人にして数少ない生き残りにして、多くの研究者を惨殺し計画を終わらせた張本人である。
そんな彼女は依頼主である木原
「(だが、出てくるのは『暗闇の五月計画』のことばかり。これは当てが外れたかな?………………ん?これは)」
すると、その途中である文言が浮かび上がってきた。それは、今まで調べていた情報とは違ったタイプのものだ。
「……オイオイ、いきなり出てきやがったと思ったらなんだこりゃあ?つーか、記述式そのものが全く違くねェかこれ?」
黒夜はその新しく出てきたその表示に、怪訝な顔をして眉根を寄せた。彼女はその出てきた不穏なフレーズをつい口に出して呟く。
「
◇◇◇◇
同時刻。
垣根の部屋で
こちらの手違いで感想欄に書き込める人を限定していました。申し訳ありませんでした