異世界狂騒曲 ―ハイスクールD×D×D   作:グレン×グレン

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さて、本格的なバトルがそろそろ始まるのじゃよ


第一章 13 しょっぱなからラスボス級の戦力同士のガチバトル勃発とか、ルーキーにとっては絶望でしかない

 

 十の角を持つ戦士の姿をした曹操は、軽く調子を確かめるように手を握ったり開いたりして、そしてこちらに視線を向ける。

 

埋葬連隊(彼ら)が色々やってた影響か、俺達も並行世界に接触することに成功してね。ちょっとスカイネット擬きが人類滅亡を目論んでたから、同じ人間のよしみで世界を救う英雄をやってたんだけど、これはその世界の技術を利用したものさ」

 

 ……更に並行世界が追加されるのか。なんでもありすぎる。

 

 というより、スカイネットってもしかしなくてもターミネータ〇!? え、アンドロイドが実用化されるレベルで科学技術が発達している世界なのかい!?

 

 あと、スピネルさんとメルガスさんが、遠い目をしているのは何故だろうか。

 

「……ゼルリッチの系譜になんといえばいいのでしょうか」

 

「この調子では時間旅行の科学的再現も間近だな」

 

 遠い目をして呟くメルガスさんとスピネルさんを無視して、曹操は苦笑している雰囲気を見せる。

 

「この装備はそのスカイネット擬きに悪意をラーニングさせた1000パーセントが口癖の男が開発した専用装備なんだよ。だけど人類が絶滅しかねないぐらい追い込まれたうえに見事に当人も返り討ちにあってね、まあ基本性能は絶大だから、救国通り越した救人類の英雄たる俺が使ってイメージを回復させようと思ったんだ。なんで、前仕様であるサウザーの十倍役に立つように、テンサウザーってゲン担ぎさ」

 

「……ああ、ヘパイトスって千人長って階級だったな。その十倍だから一万と」

 

「そういうしゃれた短文を付け加える仕様でね。まあ、大言壮語でないことだけは約束するよ」

 

 アザゼル総督の茶化しにそう答え、僕、木場祐斗の前でイスカンダル・曹操は僕達の前に右手を突き出す。

 

「学習という概念を体現する人間のライダモデルを組み込んだスタディングヒューマンプログライズキーと、黙示録の獣の情報を組み込んだファンタモデルを使用する新世代プログライズキー「ファンタライズキー」ことトライヘキサファンタライズキー。その相乗効果によるテンサウザーの力は、使用者を除いても神に通用すると自負している」

 

 そう言うなり、曹操は指を鳴らした。

 

 その瞬間、この一帯を強大な力が包み込んだのが分かる。

 

「……結界を更に結界で包み込んだ……?」

 

「え、そんなことする必要あるの?」

 

 ソーナ会長とイリナさんがそう戸惑う中、曹操ははっきりと告げた。

 

「こうでもしないと真の力を見せてくれない人がいるものでね。……サーゼクス・ルシファー殿にはっきりと言おう」

 

 そして、仮面ライダーテンサウザーという姿になった曹操は、サーゼクス様に指を突き付ける。

 

「……真の姿を見せるといい。出なければ、貴方はここで死ぬことになるだろう」

 

「………その為の結界か。私が本領を発揮しても問題のない空間を作ると―」

 

 その瞬間、テンサウザーという装甲がサーゼクス様の目の前に現れていた。

 

 ………速い!?

 

「だから、真の姿を見せろと言っただろう?」

 

 その瞬間、テンサウザーことイスカンダル・曹操の拳を食らい、サーゼクス様が弾き飛ばされる。

 

 そのまま校舎の壁を貫いて吹き飛ばされたサーゼクス様を追いかけ、テンサウザーの姿が消える。

 

 ……なんだ、今の速さは!?

 

「サーゼクス!? くっ―」

 

「追いかけさせんよ。そういうことになっているのでな」

 

 振り返って走り出そうとするグレイフィアさんに、クロッサーの投げた聖鍵と呼ばれた聖剣が襲い掛かる。

 

 それを速やかに回避するグレイフィアさんだが、これで機先を制された。

 

 更に、上空が輝いたかと思うと、そこから強い聖なる力を感じてしまう。

 

 思わず振り仰げば、そこには三つの存在の姿があった。

 

 うち二人は天使に似通った翼を持った、外套を羽織った騎士のような存在。だが、その二人に挟まれるように君臨する存在は、まさしく異形というべき姿だった。

 

 外周に人の顔のような物体が数十ほど組み込まれた車輪、その中央部に組み込まれるように天使の上半身と思しき姿が存在する。

 

 怪物のようでいてどこか神々しさすら感じさせる存在。あれが、クロッサーたちの言っていた真なる天使なのか?

 

 そう思った瞬間、車輪から聖なる力を宿した火炎弾が、雨あられと放たれる。

 

「っ! 避けなさい!」

 

「いきなりぶちかましてきやがるかよ!」

 

「させないのよねん!」

 

 とっさにミカエル様、アザゼル総督、セラフォルー様が攻撃を放ち、そして空中で炸裂する。

 

 ……とっさに放ったとはいえ、三大勢力トップの三人が相殺するのにもてこずるレベルか。

 

 なるほど、真なる天使と呼ばれるだけはあるようだ。

 

「……悔い改めぬ悪魔を許す、天使の資格無き者。天の意思として断罪を開始する」

 

 車輪の異形からそんな冷徹な声が響き、左右にいる異形が剣を構える。

 

 その様子を満足げに見て、クロッサーもまた聖鍵を構える。

 

「では、ネオ・スローネ様とネオ・キュリオテス様方に、偽りのミカエルは任せるとして、私達は誰を倒すかね?」

 

 そう尋ねるクロッサーに、ルインは苦笑すると一歩下がる。

 

「私は遠慮します。デストリアンの制御は成功の様ですので、お先に帰りますね。……では、有象無象を排除してください」

 

 そう言いながら転移魔法を展開するルインの声に、デストリアンがはじかれるように散開すると、警護の三大勢力の者達に攻撃を開始する。

 

 彼らは右手を振るうと何時の間にか、ガトリングガンやメイスを持って攻撃を開始している。

 

 これは、僕達も黙って見ているわけにはいかないようだね。

 

「……ルインに関してはまあいいか。メルガス、私達はクロッサーを足止めするぞ。……転生悪魔相手では懸念材料がある」

 

「そうですね。では眷属悪魔の皆さん、特に聖書の教えに縁深い方々はクロッサーには近づかないようにしてください」

 

 そう言いながら、スピネルさんとメルガスさんは、それぞれ銃器を構えながら飛び降りる。

 

 それに対して、あえて乗る形でクロッサーも移動を開始。それを見たカテレア・レヴィアタンは軽く息を吐きながらセラフォルー様を睨み付ける。

 

「では私はセラフォルーを。……積年の恨みを晴らすと致しましょう」

 

 そして魔力をたぎらせるカテレア・レヴィアタン。

 

 恐ろしいことに、その魔力はグレイフィアさんやセラフォルー様に匹敵するレベルにまで高まっている。

 

「オーフィスに力を借りたことで、貴方を殺すことも可能になりました。そして世界は我々によって新たな秩序が敷かれるのですよ!」

 

「ブフォッ!?」

 

 ………。

 

 今、アザゼル総督が盛大に吹いた。

 

 戦闘態勢をとっていたネオ・スローネやネオ・キュリオテスも止まった。

 

 それぐらい、これ以上ないタイミングで水が刺さった。

 

「アザゼル? 今私は、冗談を言った覚えはないのですが」

 

 誰が見ても分かるぐらい、カテレア・レヴィアタンは切れている。

 

 にも関わらず、アザゼル総督は肩をプルプル震わせていた。

 

「ならどうしようもねえなぁ。血筋至上主義の旧体制が、新たな秩序とかギャグでなきゃ言えねえだろ。ぶっちゃけ三下のセリフすぎだぜ? 死亡フラグを盛大に立ててるって自覚あるか?」

 

「……よくもまあここまで愚弄してくれるものです。セラフォルーの前に貴方を滅ぼしてあげましょうか?」

 

 完全に殺意の矛先を向けられたアザゼル総督は、それでも余裕の表情で肩をすくめる。

 

 そして、ちらりとセラフォルー様に視線を向けた。

 

「セラフォルー。お前はグレイフィアと一緒にミカエルに突っかかってくる神の天使様とやらを相手してろ。カテレアは、俺がやる」

 

 ……これは、正真正銘で凄い事になって来たようだ。

 

 和平を望んだ三大勢力のトップたちが、それに反対する三大勢力の反乱分子と乱戦にもつれ込んでいる。

 

 そこまで思って、僕はふとあることに気が付いた。

 

 そういえば、彼女はいったいどこに……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし! これでこの辺の敵は片付いたな!」

 

「ご苦労様、イッセー。それにあなた方も、ギャスパーを守ってくれてありがとう」

 

 一生懸命頑張って、ギャスパーをいまだに狙ってきた連中を殴り飛ばした俺達。

 

 リアス部長は、メルガスって人が派遣した人達にお礼を言うけど、その人達はもう跪いて頭を下げていた。

 

「い、いいえ! 元七十二柱次期当主のリアス様にお褒めになられるようなことでは!」

 

「そ、そそそそうです! 職務として行っておりますので、お礼のお言葉ならメルガス様にしていただければ!」

 

 おお、やっぱりリアス部長って人気あるんだなぁ。

 

 そして、部長も、震えているギャスパーを抱き寄せながら、それでもにっこり微笑んだ。

 

「勿論メルガスにもお礼は言うけれど、現場で助けてくれたのはあなた達だもの。私のギャスパーを守ってくれてありがとう」

 

『『『『『『『『『『お、お褒めにあずかり恐縮です!』』』』』』』』』』

 

 ……俺の主のアイドル的なアレがすごい。

 

 こんな主様と恋人とかそんな感じになれたら……とか思ってもできるか自信がね~。

 

 だってほら、これはもう俺もジャニー〇とかそんな感じにならないと無理でしょ? 何年かかるんだろうって感じなんだけど。

 

 いや、ここは気合を入れ直せ!

 

 なってやろうじゃねえか! 魔王様も俳優とかやってるみたいだし、俺だってそれぐらいできるようにならなきゃ、リアス部長をハーレムに入れるなんてマネできるわけがねえ!

 

 ……でもあの人魔法少女だし、俺もニチア〇キッズタイム的なあれを目指すべきなの……か?

 

「ギャスパー。俺って特撮向きなキャラしてるだろうか?」

 

「え? あ、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)は基本的に全身鎧の禁手(バランス・ブレイカー)ですし、相性はいいんじゃないかと……?」

 

 ごめんね、いきなり変なこと聞いて!

 

 でも一生懸命応えてくれて嬉しいよ。持つべきものはいい後輩だな!

 

 それはそれとしてアーシア達は大丈夫だ―

 

「ぬぉっとぉ!?」

 

 いきなり、俺の隣で大きな轟音が響いた。

 

 盛大に土煙まで浮かぶ中、何かが飛び出してくる。

 

 え、なになに!?

 

 思わず俺が身がまえるけど、そこにいたのは―

 

「あ、兵藤。……って、こんなところまで吹っ飛ばされてたのかよ!」

 

 麻宮だ。ヴァーリと戦ってたんじゃなかったのか!?

 

 っていうかボロボロじゃねえか。大丈夫かよ!?

 

 ……ん? ボロボロで吹っ飛ばされたってことは、つまりヴァーリに叩きのめされたってことか?

 

 それって、つまり―

 

「……わりと歯応えのあるね。何より半減をしのぐっていうのがいい」

 

 ―なんか楽しそうなヴァーリが来やがったよ!

 

「ヴァーリてめえ! まだ戦えてたのかよ!」

 

「まあね。前座としては中々楽しめているよ。メインディッシュが肩透かしな気がするなら特にさ」

 

 ……メインディッシュが肩透かし?

 

 麻宮って間違いなく強いと思うんだけど、それより強くない相手が本命ってことか。

 

 待てよ? それってつまり―

 

「……俺?」

 

「そりゃそうだろ。だから頑張ってどうにかしようとしたんじゃねえか」

 

 麻宮に半目で見られた!

 

 おいおい冗談だろ!

 

 俺は、二天龍の因縁とかどうでもいいんですけど!?

 

「しかし残念だ。この程度の魔法使いをたった一人で一蹴することもできないなんてね」

 

 凄い馬鹿にする言い方もあったもんだな。

 

 普通にリアス部長も中級悪魔クラスとか言ってたぞ。俺、まだ下級悪魔なんだけど。

 

 なのにヴァーリは、滅茶苦茶残念そうな顔をしている。

 

「まったく。白龍皇と魔王ルシファーの血を併せ持つ俺は、アザゼルから「現在過去未来全てにおいて最強の白龍皇になる」とまで言われたんだ。それなのに、記念すべき対を成す赤龍帝がこの程度とは、笑うを通り越して涙が出てきそうだ」

 

 滅茶苦茶酷いこと言ってきやがったな、オイ。

 

「……ルシファーのひ孫の白龍皇に、ルシファーの妹に仕える赤龍帝とか、十分対照的じゃないか?」

 

「そういう問題じゃないよ、麻宮鶴来。一応俺も、彼のことは調べてきているんだ。……驚くほどの普通過ぎる」

 

「普通で悪かったな!」

 

 麻宮の言ってことだけど、また馬鹿にされた感じなんで思わず怒鳴ったぞ俺は。

 

 だけどヴァーリは気にも留めない。滅茶苦茶やる気がなさそうな感じだった。

 

「先祖代々、調べた限り異形との縁はおろか異能とも縁がない。刃狗(スラッシュ・ドッグ)の鳶雄や紫炎のヴァルプルガみたいな鳴り物入りの来歴とまではいわないが、せめてもう少し何かないのかと思ったものさ」

 

 心底残念そうによく分からん事を言うヴァーリ。

 

 それに対して、麻宮は半目を向けてため息をついた。

 

「……70億近い人間にランダムで宿るたった一つの神器に、そんなレア要素を求めるなよ」

 

「求めたいさ。俺が知る限り、同期の神滅具保有者としては彼が一番普通なんだ」

 

 普通で悪かったな。

 

 なんか本気で腹立ってきた。俺だってハーレム作れるだけのかっこよさとか、なんかこう自慢できる特権とかいろいろ欲しかったよ。いや、歴代赤龍帝はもてるらしいから十分持ってるけど。

 

 俺がそんなことを言うべきか迷ってると、ヴァーリは肩をすくめて首をやれやれと言わんばかりに振ってくる。

 

 この野郎……っ。

 

煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)は現役最強格のエクソシストに宿っている。最強の神滅具である黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)は英雄派の曹操という、伝説の英雄の末裔にして、仮面ライダーという俺たちも知らない新技術を持ち寄って参戦している俺並みの特別。その曹操のもとに神滅具保有者は二人ほどついている。蒼き革新の箱庭(イノベート・クリア)究極の羯磨(テロス・カルマ)は二つを一人の男が使っているという。誰もかれも神滅具を持つだけではなく、それ以外にも特別を持つ俺の同期にふさわしい存在だ」

 

 そこまで言ってきて、ヴァーリは俺を冷めた目で見てきやがった。

 

「……にもかかわらず、俺と対を成す二天龍がこの体たらく。正直肩透かしもいいところだ。これでは二天龍同士の決着は簡単についてしまうじゃないか」

 

 そこまでボロッカスに言ってから、ヴァーリは指を一つ立てる。

 

「仕方ないから、俺は一つ思いついたことがある。より深い因縁を俺と結び、大きなモチベーションとなる出来事を作ればいい」

 

「………おい」

 

 そのヴァーリに、麻宮は声のトーンを一つ落とした。

 

「お前、何考えてる」

 

「簡単だよ。俺は俺の宿敵の憎しみの対象になろうと思ったんだ」

 

 ………は?

 

 俺が、わけがわからず声を漏らすと、ヴァーリは俺にしっかりと視線を向ける。

 

「俺が君に両親を殺せば、俺と君には特別な因縁ができるだろう? そうなれば君もモチベーションが上がり、普通ではありえないような成長を遂げそうだ」

 

 ……………は?

 

「正直いい考えだと思っている。君の両親もただのありきたりな人間だし、これぐらいのイベントの対象となった方がまだましだろう? そうなれば、君もかなり素晴らしい存在となりえるんじゃ―」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと黙ってるといいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その声が、ヴァーリのセリフを背中ごと叩き切った。

 

 

 

 

 

 

 

「……総督は育て方を間違えたね。ほんと、人ってのは魂が驚くほどに腐りやすいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 絶対零度の殺意を目に込めて、イルマ・クリミナーレさんがヴァーリを絶大な聖なるオーラを纏った剣で切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあいいんじゃない? 黄昏の聖槍で殺される魔王末裔とか、テンプレっぽいけど絵になるでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「え?」」」

 

 今なんて言いましたかイルマさん!

 

 俺も麻宮もリアス部長も驚いたよ!?

 




 鶴来はさすがに苦戦するけど、本作のイルマはめっちゃ強いのじゃよ。具体的には次回をまて!
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