第一章は三大勢力同盟に至るまでの流れで行く予定です。
第一章 1 薄氷の共同戦線
『『『『『『『『『『はぁああああああああ!?』』』』』』』』』』
どうも。いまかなりの人数とともに絶叫した、麻宮鶴来です。
さて、
なぜか俺の後ろ(かばってるからね)の後ろにいるリアス・グレモリーの分家と思われる(リアス・グレモリーが本家の娘だからね)、スピネルとかいう人が、堕天使側の人員として来訪。
チームカルンウェナンとかいうグループの一員とか言った彼女は、コカビエルが
おかげでいま大合唱。俺も含めてほとんどの連中が大声を上げたよ。
そしてそれを想定してたのか、スピネルは俺たちを軽く見渡して顔の認識とかやっているようで―
「「―――ッ」」
―俺と目が合った瞬間、なんかビビっときた。
こ、これは―
「……まさか運命の相―」
「―ああ、スマンが私は同性愛者だ。自分でも困っているんだが異性に恋愛感情が抱けなくてな。女装してから出直してこい」
バッサリ切られた。
あ、でも―
「……すいません。俺教会に行く前にいた実験施設で、
「―教会に入る前とはいえ、そんなとんでもない性に対する暴走具合を暴露しないでください」
絶対零度の視線とともに、リアのかかとが俺の背中にめり込んだ。
こ、この女! 蹴り倒したうえにそれかよ!!
「……それぐらいの捨て身が必要なのか。なんて厳しいんだ、エッチなことをするのは……っ」
なんか赤龍帝が戦慄している!?
あれ? 俺なんか変なこと言った?
「おいおい。男は〇ナ〇で感じるようにできてるんだから、前をお姉さんでいっぱいにしておっぱいにうずめれば問題ないだろ? むしろ後ろも前も気持ちよくて総合的にプラすぶろぉ!?」
「それ以上、教会の戦士が語ったら異端審問抜きで殺しますよ?」
真剣に痛い! 殺意が、かかとに殺意が!?
「……はぁ。来歴を聞いたこともあったので、多少の性欲処理は見過ごしてきましたのは手ぬるかったようです。……私の努力は何だったのか……もうっ」
すいません。ため息つきながら聖鍵を具現化しないでください。
それなに? 処刑する気満々? 殺害後の取り調べの予行演習かなにか?
ヘルプミー! ヘルプミー!
「……割と高確率で地獄に落ちるね、君」
ロザールぅううううう! 心底見下げ果てたなんて表情を浮かべるんじゃねえええええええええ!!!
男だろ! エッチなことしたくなる年頃だろ!? 何もなくても股に血流があつまる年代だろ!?
なんでそんな他人事なんだよ!
「いや、スコプツィを見習って切り落としているけど、肛門も切除した方がいいんだろうか?」
こいつ去勢してやがった! ロシアの少数派閥を参考にしてるんじゃねえよ!
童貞のままちょん切るとか、男としてどうなんだ!? しかも十代でやるとか正気じゃねえ、掘られる専門のホ〇か!
「……スコプツィも子供を設けるまでは切除しないと聞いたが?」
ゼノヴィア、そこじゃねえ!
俺を助けろ、フォロープリーズ!!
「実は生まれつき無精子症でね。必要性がかけらもないなら、余計な重荷は捨てた方がいいじゃないか」
そうですか。それは大変ですねロザール。
でもインポじゃないならもっと入れたいと思って大切にしていいよね!?
やっぱ正気じゃねえ!
っていうか誰か助けてくれ。っていうか紫藤イリナは何か言えよ!
「……スケベも度が過ぎるとこうなるのね。主は許さないでくれると嬉しいけど、イッセー君もスケベはほどほどにね?」
「………ああ、俺はこんな風にはならない!」
特に兵藤一誠。お前はもう少しロザールにツッコミを入れたらどうだ。
「俺は麻宮もロザールも見習わない。一生現役のまま、ついでに後ろもかわいがってくれるお姉さんとエッチなことをして、ハーレム王に俺はなる!」
……おい、おしりをいじられる想像したのか鼻血が出てるぞ?
「まずイッセー君のほうを裁くべき気がしてきたわ。悪魔になったからって汚れすぎよ!」
「……なる前からこんなので有名です」
おい紫藤に悪魔のロリっ娘。なにを兵藤と俺に冷たい視線を向けてから視線を交わして頷きあうんだ。
兵藤のアレっぷりに引くだけにしろよ。なんで俺の合理的な判断にドン引きするんだ。
「……まあ、性器は
「スピネル。再開していきなりすごいこと言うのやめて」
なんかありがたいことを言われたら、リアス・グレモリーがツッコミまで入れてきたぞ。
「……合理的と言ってほしいな。リアス嬢のような当主を継ぐ者からすれば、こういう合理的判断はした方がいい時もあるぞ?」
すごい合理的な対応ありがとう! 俺が教会出身でなければ逆ルパンダイブだったよ!
と、そんな返答にリアス・グレモリーが顔を赤らめて周りを見る。
「私は普通に男が好きだからいいのよ。……この状況で言わせないでよ」
……視線が結構な頻度で兵藤一誠に向けられてないか?
ふと、俺たちの視線はリアス・グレモリーと兵藤一誠を交互に向けてしまう。
「あらあら。わかりやすいですわね、部長」
「……気づかないのは当人ばかりなり」
「ぶ、部長さん! 木場さんの治療をしてる時にずるいです!」
「え、ど、どういうこと? ……まさか、部長についに恋人が!? 嘘だぁあああああああ!?」
……あー。女性陣の対応で現状がわかって来たわ。
つまり、兵藤一誠は主と同僚から想いを寄せられてるけど、一切気づいていないと。
どこのハーレム物主人公だよ。リアルにこんな鈍感がいるとか驚きだな。
っていうか、今緊張状態だから絶望すんなや。
「……スピネル様。そろそろ入ってもよろしいでしょうか?」
と、そこで更に扉の向こうから声が届く。
みればそこには、三人の男女の姿があった。
全員まじめな表情をしてるけど、年齢は一人の男が二十代で、あとの男女は俺と同じぐらいか?
いや、悪魔が率いる堕天使のチームだ。わけがわからなさすぎるけど、外見年齢で惑わされてはいかんいかん。
実は数百歳とか普通にあると考えるべきで―
「……ちょっと」
と、そこで少女の方が俺に視線を向けてきてた。
「なに? 逆ナンパ」
「………私はまだ十九歳だから。これでもスピネルさ……様より年上だけど、それでも変に年長者扱いしないでよね」
あ、そうですか。
っていう心読むなや。
「ちょ、ちょっとミーラ。この緊張してるのか混乱してるのかわからない状態で、あまり刺激するのは―」
「まあ落ち着けラルド。見る限り、彼はこちらに対する敵意はないようだ。……別の意味で不安だからこそ、ミーラが警戒するのもわかるものだけどな」
と、少女の後ろで少年の方が二十代の男に止められていた。
「……あ、ごめんラルド、ナクサ先輩も」
と、少女のほうが振り返りながら軽く頭を下げる。
なるほど。どうもこの三人はプライベートでも気安い関係ということか。
そして年長の男がナクサで、少年がラルドで、少女がミーラと。
そしてスピネルの方はどこかほっこりした表情でそれを見ていることと言い、結構カルンウェナンとかいったチームはフレンドリーなのかもな。
ちょっとうらやましいぜ。教会組織はどうしてもお堅いから、俺みたいないい加減なタイプは時々だらけたくなるからなぁ。
……さて。それじゃあそろそろ気を取り直して真剣になるか。
「……で、堕天使さんがどういうことで? できればさっきの話を真剣に考えるぅぶろぉおおおおお!」
「ちょっと黙っててください。……ですが、この状況下で入ってくるのは命知らずと言えるものではないでしょうか?」
俺がバカを言ってリアが二重の意味でシメる。これまでやってきた円滑な話を持っていくためのコンボを叩き込みつつ、俺たちはそれとなくロザールを見る。
見るからに「殺す相手が増えた」程度の認識の目線をしているロザールに、正直不安だ。
下手をしなくても大惨事になりかねない。タカ派からすれば、教皇猊下や高位の天使に匹敵する信奉者を持つ埋葬師団の四聖座。本人がちょっと前に言った通り、こいつの現場の判断は、冗談抜きで下手な枢機卿を超える発言力を持つだろう。
だからこそ、こいつが黒といえば、即座に直下の代行大隊がこの街が戦場になる。冗談抜きでリアス・グレモリー及びソーナ・シトリー達上級悪魔とその眷属に、同時にスピネル・
何せ文字通り代行大隊とは、歩兵一個大隊規模の大勢力。さらに全員が、基本的に俺たちイスカリオテの聖剣の戦士たちと同様に聖錠と聖鍵を保有している。
つまりは全員
そんな連中が歩兵一個大隊規模。堕天使最強格のコカビエルを相手にするならまあ納得物で、
……まずいな。確実にまずい。
「……さて。
そう。ロザールは遠慮する気がかけらもない。
微笑みすら浮かべて、いつでも殺せる体制に入っている。遠慮する気が全くなく、すでにグレモリーとシトリーの眷属ごと殺せる体制に入っている。
そんなマジヤバイ状況下に、スピネルは―
「―安心してくれ。今から言う共闘要請は、四大魔王とバチカンにも、時間差はあれど届くからな」
―そのロザールすら一瞬固まるほどの内容をたたき出した。
共闘要請……は、コカビエルが暴走しているといっていたからまだいい。
だけど待て。四大魔王とバチカンにも?
……それってつまり―
「現四大魔王には冥界と地続きだし、バチカンも地球ならつながっているから連絡はできる。私は現地の担当かつ時間稼ぎ担当だ」
「……お兄様たちにも!? ちょっと待ちなさい!」
リアス・グレモリーが泡を食ったかのように食って掛かる。
なんかマジで焦ってるみたいなんだが、何事?
「……今のお兄様に心配をかけさせるわけには―」
「―リアス嬢」
そんなリアス・グレモリーを、スピネルは遮るように告げる。
そこには同年代とは思えないほどの、年長者が幼子を気遣うような労りがあった。
「自分の力量を越えている問題というのは、可及的速やかにできるものに助けを求めるべきだ。追い詰められた状態でいきなり伝えられるよりは、初期段階で伝えて準備をする余裕があった方がマシだろう」
スピネルの言葉に、リアス・グレモリーは反論したそうだったけど、できないと判断したのか我慢して座った。
「……でも、セラフォルー様がソーナの窮地を知って冷静になれるかしら」
「……フリーダムすぎるからな、異形社会は」
グレモリーの二人が遠い目をする。
あのすいません。現四大魔王って、戦争継続とかを好んでないとかって話では?
「……それで、時間稼ぎというのは?」
話を進めようと、リアがため息交じりにそう促す。
それに対し、答えるのはスピネルではなくナクサだった。
そしてスピネルも文句を言わない。むしろ部下にも役割を与えないとと言わんばかりのその態度は、自分一人で何でもしないという雰囲気が見せられた、人を動かすものとして優秀な奮起が見せられる。
外見年齢はリアス・グレモリーと同じ感じだけど、もしかして百年ぐらい生きてる感じか?
俺がそんなことを考えながら、ナクサはしっかりと背筋を伸ばして口を開く。
「僭越ながらこちらが説明を。まず前提として、現状の
……独断でこんなことしてるの?
とんでもない事態を起こしてくれたと思ったりしてたんだが、どうやら堕天使側もそんなことを思っていたらしい。
大半の連中が堕天使側に同情の視線を向ける中、ナクサはしれっと話を続ける。
「そのため本来は我々がどうにかするべき状況なのですが、事情と思惑が一つずつありますので、共闘という形にもっていこうとしております」
「……というと?」
リアス・グレモリーが促し、それにうなづいたナクサはさらに続けた。
「……まず事情の方ですが、戦争継続は筆頭のコカビエル殿は強化装備をいくつも用意しております。また奪取したエクスカリバーの使い手も見繕える状況です」
え~。まさかと思ってたけどそれができるのかよ。まじで面倒なんですけど。
俺たちがちょっと警戒度合を上げる中、ナクサは申し訳なさそうに目を伏せる。
「対しこちらは、コカビエル殿をどうにかできる人員が手を離せない状況です。コカビエル殿もそのタイミングを見計らっており、現状最も早く動ける白龍皇も、どれだけ早くとも明日になってからでしょう」
『……ほぉ。白いのは堕天使のところにいるのか』
と、そこで兵藤の籠手から声が聞こえる。
どうやら赤龍帝ドライグの意識らしい。楽しそうだな。
と、そこで兵藤の方が首をかしげる。
「……確か、お前と一緒に三大勢力に迷惑かけまくったっていう?」
どうやら、兵藤一誠はこちらの業界に入って日が浅いらしい。
ある程度の知識を持ってれば、仮にも赤龍帝が対を成す白龍皇に対して知識を持っているべきだろう。こと、堕天使を意識せざるを得ない悪魔になったのなら。
ゼノヴィアがそこに対してぽつりとつぶやく。
「白龍皇は堕天使勢力でも五指に入る実力者になっているそうだな」
「ええ。
そう返答したナクサは、そのまま静かに告げる。
「つまり、現状では悪魔や教会ともめつつ状況を打開することは困難なのが実情。彼はどうやら政権奪取でセラフを刺激し、その足で現魔王の親族を殺して開戦の火ぶたを切ろうとしている様子。余計な四つ巴になっては世界にとっても神の子を見張る者にとっても理にならないと判断しております」
そして、そう言い切ると同時にスピネルが静かに手を上げ、そこからは自分でいうと示しながら口を開く。
「それが事情で、そして思惑もつながるのだよ。……神の子を見張る者は、この事態を終えた後に三大勢力で会談を申し込みたいと願っている」
『『『『『『『『『『!?』』』』』』』』』』
俺も含めて堕天使側以外の全員が驚く中、スピネルは指を鳴らす。
そしてナクサ以外の二人が、それぞれ悪魔側と教会側に見えるようにタブレットを取り出すと、画像を見せる。
そこには、メールが広げられていた。
内容はそれぞれ現魔王政府及びバチカン市国に向かった人員からの報告書。
その内容は単純明快。
―了承得たり
その事実に、ロザールが本気で苦虫をかみつぶした表情を浮かべたその瞬間。
「と、言うことだ。とりあえず明朝には増援も来るようなので、全員でそれまで警戒をしていようではないか」
勝者の余裕を見せつけながら、今ここに三大勢力の共同戦線が成立した。
アザゼル「この流れを利用して、いっそのこと和平の流れを作っちまった方がいいんじゃねえか?」
ってな感じで堕天使側が先手を取った形です。
ちなみに、コカビエルが本格的に動くまであと二話ぐらいなのじゃよ。
あとクロスオーバーする作品、増やそうか悩み中です。
いや、この作品のクロスの方向性的に、クロスオーバーといっていいのかというツッコミは飛んできそうですけどね?