大丈夫だけど大丈夫じゃなかったぁああああ!!!
「っしゃぁ! 死ねやぁ!」
「やかましい!」
思わず裏拳で、襲い掛かってきたはぐれ悪魔祓いを叩きのめす。
なかなか鍛えられた動きで突きを繰り出してきたが、殺気が駄々洩れなので後ろから突いてきた意味がない。
ったく。ここまで大騒ぎになるとは思ってなかったな。
俺たちが追いついた時点で、すでにコカビエル一派と代行大隊は戦闘を開始していた。
……問題は、敵が結構戦力を集めていた……どころではないことだ。
「……これはいったいどういうことでしょうか?」
同じく襲い掛かってくる敵堕天使に、攻撃を最小限に動きで回避しつつ聖鍵を叩き込んだリアが、怪訝な表情を浮かべる。
敵陣営の人数は精々50人程度。堕天使も一割程度いたが、まあこの程度なら人数は大したことがない
対して代行大隊はすでに二個中隊が合流。代行大隊では五人一班で構成し、単位が増えるごとに三倍するといっていい。つまり90人いるわけだ。
人数的にはこちらが圧倒しており、防衛戦であることを考慮しても、聖剣使いがいることを考慮すれば有利なはずだった。
が、ここで想定外の事態が頻発する。
「ひゃぁ! 死ねやぁ!!」
その原因がやってきた。
明らかにテンションがアレなモヒカンのはぐれ悪魔祓いが、俺たちを狙って飛び降りて斬撃を振り下ろす。
この技量なら紙一重レベルの動きで回避することは余裕だった。普段なら追加効果などを警戒しても、そこまで派手に回避行動をとるような攻撃ではない。
だが、今回は事情が違う。
「鶴来!」
「リア!」
俺とリアは同時にお互いを蹴り飛ばし急速回避。多少痛くても確実に距離をとることを優先した結果、一気にお互い20メートル離れることができた。
そして、飛び降りながら振るわれた相手の斬撃は、地面に叩きつけられると同時に直径15mほどのクレーターをぶちかます。
近接攻撃であることを考慮すれば、上級悪魔クラスの難敵だと判断するだろう。少なくともこの程度の動きのはぐれ悪魔祓いができることじゃない。
だが、持っている獲物を見れば一発で納得できる。
そしてそれを一番許せない相手が、遠慮なく怒りを叩きつけた。
「貴様ぁ! そのまがい物をすぐに捨てろ!!」
「ぬぉっとぉ!」
豪快に振るわれるゼノヴィアの
そしてその攻撃は、盛大にぶつかり合いながらも拮抗する。
驚くべきことだけど、驚くべきことじゃない。
その矛盾した事実は、お互いの
そして年期と技量と才能の差でゼノヴィアが攻防を制して相手をぶった切り、めちゃくちゃ歯噛みした。
「……どういうことだ! なぜエクスカリバーが5本も敵にわたっている!」
そう、この敵共は、5人が分割されたエクスカリバーを持っていたのだ。
……冗談抜きでありえないだろ。エクスカリバーは七本あるけど、それぞれすべてがオンリーワンだってのに。
破壊の聖剣、
教会が死守した
本物持ってるゼノヴィアやイリナは、それに血が上っている。そして代行大隊もそれに面食らって連携が崩れ、こうしててこずってるわけだ。
だが、腐ってもエクスカリバーは性能を発揮している。そのせいでこっちもかなり苦戦気味だ。
死者は特に出てないようだが、重傷者は多数。だいぶ削れているけど、エクスカリバー使いが残っていることと代行大隊に転生含めた悪魔が結構いることもあって厄介だな。
しかも―
「戦士イリナ! しっかりしてください!」
「……大丈夫よ~。だっていま、主とミカエル様がニコニコ笑顔で手を振ってるわぁ~」
「だめだ! 幻覚見えてる!!」
―イリナが開幕速攻の集中攻撃でリタイアしている。
むしろ集中攻撃からカウンターで一人ぶった切っていることも考えると大金星なんだけど、この状況下でこれはまずいな。
「まずいですね。というより、ロザールたちはどうしました?」
「まずいです。あちらも同数の敵に襲撃を受けている模様です!」
リアの質問に返ってきた答えは、面倒なことの証明だな。
……だが、肝心のコカビエルが行方不明ってのはきついんだが―
「……おい、やばいぞ!」
と、そこで通信機を片手に連絡を取り合っていた代行大隊の戦士が声を張り上げる。
「今度はなんだよ!」
「コカビエルは駒王学園です! そこでエクスカリバー合一化の儀式を行い、この町の住民ごとリアス・グレモリー達を殺すことで、開戦の狼煙を上げるとのことです!」
やばすぎだろ!
「……残敵掃討にはどれだけの人員が必要ですか!?」
「
リアに答える通信担当の考えている内容は、何となくだがわかる。
生粋のタカ派である埋葬連隊の一員としては、こちらが命を懸けてまで、悪魔や堕天使側を助ける必要性を感じないのだろう。
だけどなぁ……。
「悪いが、俺は悪魔=で断罪対象って判断はしない主義なんでな」
「この町に住む無辜の民も守る。少なくともそれはいいことである以上、彼女たちに共闘するには十分な理由です」
俺もリアも、その辺はしっかりきっかり同意見なんでな。
だからこそ―
「行きますかね」
「行きましょう」
お互いそこは、確定事項だ。
「そういうことなら私も行こう」
っと、そこでゼノヴィアさんまで来ますかい。
「いいんですか?」
「ああ。コカビエルやバルパー・ガリレイには、聞きたいことが山ほどあるんでな」
ならいいか。
さて、堕天使側の増援とやらが来るまで、凌がさせてもらいますか!
はい、イッセーです。お約束潰しって概念を、俺は現実に目のあたりしています。
というより、状況が大ピンチすぎる。
まず第一に、俺たちは堕天使コカビエルに追い込まれてる。
戦争が起きなくて退屈だから、エクスカリバーを盗んだりリアス部長を殺したりして、天界や魔王様を挑発しようとか言うとんでもない奴だ。
しかも、開戦の狼煙としてこの町の人間ごと殺すとか言ってきやがった。
だから何とかしようと出てきたけど、前座のケルベロスだけでてこずったし。
しかもコカビエルについてきやがった奴が、バルパー・ガリレイ。
こいつが語った聖剣計画の真相が最悪だ。
なんでも、聖剣使いの適性は肉体にある因子で決まるとか。で、バルパーはその因子を人から摘出して、移植することで聖剣使いを人工的に生み出す技術を作り上げた。今の教会でも技術そのものは流用してる。
……だけど、こいつは因子を抜き取った後の木場や同僚たちを、用済みとして殺しやがったんだ。
そしてその時の因子の結晶を投げて飛ばしたけど、そこから奇跡が起きた。
俺の
その名も、
聖魔剣の力は絶大だ。間違いなく、俺が代償を払って至る疑似的な禁手以外なら、俺たちの中で最強だろう。
その力は本当に絶大で―
「―だがたりないぜええええええ!」
「……くぅっ!」
―それでも、フリードを崩せない!
フリードのエクスカリバーは、まるでゼノヴィアやイリナのエクスカリバーの力まで取り込んだかのように、変幻自在で威力もでかい。
それどころか、フリードがまいた聖水が、まるで俺が赤龍帝の籠手で強化したときみたいに強い浄化の力で木場の動きをけん制する。
なんだよこれ、ちょっとは空気を読めよ!
「ふむ、さすがに本来の力通りなら、エクスカリバーでどうにかできるということか。ありえない聖と魔の融合と言えどこの程度……いや、むしろフリードがまだ慣れてないとはいえ食い下がられているあたり、絶大というほかないな」
バルパーの野郎は、余裕の表情を浮かべながら、足元を見る。
そこにはでかいクレーターができていて、中央部にはまだ光の槍が残っている。
バルパーがなんか言いかけた時、コカビエルが放った槍だった。
それを躱したバルパーのやつは、苦笑しながら飛んでるコカビエルに視線を向ける。
「まったく。確かに秘匿事項なのは想像できるが、どうせばらしても問題ないだろうに。なぜ隠す」
「……それもそうだな。なら、ちょうどいいしグレモリー共に冥途の土産でも」
その時、なんかすっごい聖なるオーラが感じた。
「コカビエルぅ!」
突貫するゼノヴィアに、それを追い越して援護射撃で飛んでくる、十字架っぽい聖剣が合計12本。
たしかリアや麻宮が使ってたのと同じ聖剣! ってことは、あいつら戻って来たのか!
そしてその十字架を翼で吹き飛ばしたコカビエルは、ゼノヴィアを見て面食らった。
「……デュランダルだと!?」
「ああ、貴様相手では手抜きはできん!!」
ゼノヴィアの一撃を、コカビエルは光の剣で受け止める。
その光景を見て、バルパーのやつは口をあんぐり開けていた。
「馬鹿な! 私でも出来なかったデュランダルの適合者製造を、バチカンのやつらができているだと!?」
「安心しろ。私は天然物でね。デュランダルは強すぎて加減ができないから、
すごいこと言ってるんですけど、ゼノヴィアのやつ。
だけど、バルパーはともかくコカビエルのやつは、なんか残念そうにため息をついた。
「デュランダルはさすがに驚いたが、使い手がこの程度ではな」
そうため息をつくと、コカビエルはいったんゼノヴィアから距離をとると、光の剣を消して―
「先代はお前ぐらいの時に俺を一人で追い詰めたぞ? その程度では拍子抜けだな」
―なんか両手からほとんど透明なガトリングガンを出してきたんですけど。
「蜂の巣になるといい」
しかもなんかほんとに弾丸ばらまいてきたんだけどぉおおお!?
「チッ! 数が多い―」
「させると思いますか!」
リアがゼノヴィアの前に躍り出て、そしてさらにその前の前に鱗みたいなオーラが表れた弾幕を防ぐ。
おお、なんか頑丈だな、これは!
ってそんなこと言ってる場合じゃない。こっちも反撃しないと。
「雷よ!」
そこで朱乃さんが雷を叩き込む。
と、思ったらコカビエルが片手をふるった瞬間に氷の壁ができてそれを受け止めた!?
え、なんなのアイツ。氷魔法の使い手か何かかよ!
「……なかなかに便利だな。だが、これを突破できんとはバラキエルの血が泣くぞ?」
「私を、あのようなものと一緒にするな!」
コカビエルによくわからないことを言われて、朱乃さんがなんか切れた!?
だけどコカビエルは雷を無視しながら片手をふるうと、今度は氷でできた鳥が舞い踊って、朱乃さんを叩き飛ばす!
ってまずい! 頭から落ちてる!
「うぉっとぉ!? 朱乃さん、無事ですか!?」
「……っ。あ、イッセーくん……」
よし。まだコカビエルに怒ってるのか顔は赤いけど、大丈夫そうだ。
あの野郎、絶対許さねえ!
しかもコカビエルの野郎、なんかめちゃくちゃ余裕そうじゃねえか、っていうか退屈そうじゃねえか。
「どいつもこいつもこの程度か。ま、仕えるべき主を失った勢力などその程度なのかもな」
あの野郎、馬鹿にしやがって!
っていうか、仕えるべき主ってどういうことだよ。
「まだリアス部長は健在だぜ、この野郎!」
俺が大声で文句を言うけど、コカビエルは「お前何言ってんの?」とでもいいそうな目をむけてきやがった。
「お前は何を言っている。少しは周りを見てみろ」
ほんとに言うかコラァ!
……ん? 周り?
なんとなく周りを見てみると、誰もがちょっと動きを止めている。
え、なに? どういうこと?
「使えるべき主……? 悪魔は初代の魔王だろうけど、
麻宮が首をかしげるけど、どういうことだ?
まあ初代の魔王様はみんな死んでるのは知ってる。だけど、教会の仕える側って、神様だよな?
ん? どういうこと?
俺が首をかしげていると、バルパーがため息をついた。
「いい加減気づいたらどうだ。聖と魔は本来交じり合わないのが世界の在り方。それが起きているということは、世界の在り方すら揺るがすほどの事態が起きてバランスが乱れているということだ。……図らずも、聖魔剣こそが物的証拠なのだよ」
「僕達の聖魔剣が……証拠だと?」
木場がそう吐き捨てるけど、なんか顔色が悪くないか?
え、なに、どういうこと?
俺が首をかしげていると、バルパーとコカビエルがため息をついた。
「……今代の赤龍帝は察しが悪いな」
「同感だ。
こ、この野郎……っ!
馬鹿で悪かったな。だったら教えろよ。
そう思ったそのとき。フリードが授業中の生徒みたいに手を挙げた。
「せんせーい! もしかして聖書の神のくそったれって、とっくの昔に死んじゃってるんですかー?」
……………
はい?
俺が、その質問に固まると同時に、バルパーはちらりとコカビエルに目を向ける。
「だそうだが、答えは知っているやつが言え」
「正解だ」
………え?
あの、それって……。
神様死んでるのかよぉおおおおお!?
「嘘だ……嘘だ!?」
「そんな……では、救いは……主の救いは?」
「………ぁ………」
っていうか、ゼノヴィアのアーシアが今にも倒れそうになってる。リアさんも茫然自失になって、手に持っていた聖剣を何本か落としている。
そんな様子を見て、コカビエルはつまらなさそうに鼻を鳴らした。
「フン。事実だから、お前たちのような熱心な信徒にも取りこぼしが出ているのだろうに。聖書の神はシステムを作って奇蹟を起こしているから死後も多少は機能するが、それでも神が生きていた時のようにはいかん。ミカエルたちはよくやっているが、これまで通りにいくわけがないさ」
「……ぁ………っ」
ってアーシア!?
俺は全力で走り寄ると、倒れたアーシアを抱きかかえる。
くそ、めちゃくちゃ茫然としてやがる。ゼノヴィアも崩れ落ちてるし、リアも今度こそ全部の聖剣を取り落とした。
「ふん。デュランダル使いも、至っていないのに俺の攻撃を
コカビエルは二人を馬鹿にしながら、そんなことを言ってきた。
「結局人間のほとんどはすがるものがいなければ碌に立つこともできん生き物。ミカエルはもちろん、我々堕天使やお前たち悪魔すら上層部以外にはこの事実を伝えんのもまあ、わからんではない」
「だったら……っ」
そのコカビエルの言い草に、リアス部長が歯を食いしばって吠えた。
「だったら、今更何でこんなことをするというのよ!!」
「逆だ。だからこそだよ」
コカビエルは、なんか即答する。
「むしろそんな情勢下になっているのにのうのうと縮こまっていることの方が問題だ。ただでさえその影響か来訪者がいつ来るかわからんというのに、いまだほかの神話どころか三大勢力の覇権すら握らないなどばかげている。……アザゼルめ、なにが「二度目の戦争はない」だ!」
コカビエルは最後にそうなんか勝手に怒ると、拳を掲げて大きく吠える。
「貴様らがやらんのなら俺がやってやろう。堕天使が最強だということを……否、堕天使が最強になるのだと、今この場で世界全てに宣戦布告をしてくれる! そうすれば鎖国に興じている馬鹿な神どもも目を覚ますだろうしなぁ!!」
そして、コカビエルは魔法陣を展開した。
「教えてやろう。本当はエクスカリバー合一の余波で生まれるエネルギーを使って街を吹き飛ばすつもりだったが、技術試験もかねてそのエネルギーを利用して住民事貴様らを殺す存在を具現化することにシフトしたのだよ。それを、貴様ら見せてやろう」
何のつもりだよ、てめえ!
「第一の命令を下す。宝具、
な、なんだなんだ?
「第二の命令を下す。ただしこの魔法陣に登録された者たちには宝具の鰐も含めて汝が危害を加えることを禁ずる」
いや、誰に言ってんだよ?
俺が首をかしげていると、コカビエルはどこからともなくなんか銃を取り出した。
ら、ライフル銃?
「第三の命令を下す。……貴様に向いた武器を用意したから、この
た、たましいぐい? わに?
ど、どういうこと―
「その三種の命を専攻契約として、さあ、我が命に従い分身を下ろせ、バーサーカー……ジョーボール!」
ば、バーサーカー!?
ど、どういうことだぁ!?
はい、ついに出てきましたFate! サーヴァントが出てきました! あともう一つクロス作品出てきましたが、これに関しては種を語るのにもうちょっとかかるので、もう少しお待ちください。
まあ、いきなりオリジナルサーヴァント出てきてますけど、そこはご了承ください。サーヴァントステータスは結構後になってしまうことをご了承ください。
まあ、基本は幻霊側な手合いを出しましたが、これに関しても裏があります。連続殺人鬼系列は変なキャラ付けしてもあまり気にならないんで、怪人ポジションレベルで出していこうかと思っております。