●お話に関して
このシリーズは「もしも21歳腐男子が監督生としてナイトレイブンカレッジによばれたら」という作者の妄想を形にしたお話です。
ゲーム内の監督生とは言動・思考が異なることが非常に多いので注意してください。
それに伴い一部キャラクターの発言・シナリオ展開の改変・捏造がございます。
苦手な方はすぐにブラウザバックいただきますようお願いいたします。
まだ出てきていない設定に関しては自己解釈・捏造を多々入れておりますので、ご注意ください。
時間軸はマシュマロよりふわふわです。
●監督生に関して
監督生の名前は『ユウ』固定です。
そこそこキャラが濃い目なので、苦手な方はご注意ください。
中の人が雑食性なので、ユウくんも雑食性の腐男子です。推しCPはあります。
また、このシリーズでは今後不快な描写が出てくる可能性がございます。
別途注意喚起させていただきます。
すべての始まりはクリスマス一週間前のある日。
俺は彼女にフラれた。理由は彼女の浮気。なんと俺は親友だと思っていた男に最愛の彼女を寝取られたのだ。
……いや、それでフラれるのが俺って、それ、違くない? 普通、俺がフる立場じゃないの? どう考えてもおかしいと思うんだけど。
そう訴えれば、彼女は俺に酷いことをされたと非難してきた。なんでも、バイト三昧で構ってくれなくて寂しかったそうだ。そこで優しくしてくれた俺の親友に心を癒され、そして好きになってしまったと。
いや、あのさ、俺がバイト頑張ってたのは君が「春休みにヨーロッパ行きた~い!」って言ってきてからなんですけどぉ!?
お嬢様な君と違って俺は奨学金で大学通ってるような一般家庭の出身なの。1週間の海外滞在の費用なんてポンポン出せるわけないでしょーが!
それでもなんとか頑張って費用を捻出して彼女の要望を叶えようとしたところにこの仕打ちである。泣きそう泣いた。どっちが酷いことしてんだよ。
我が友よお前もお前でなにヒトの彼女寝取ってんの!? 俺寝取られ属性持ってないぞ!?
……なぁんて叫びも虚しく、聖夜を前にして1人寂しく過ごすことが決定してしまった。もう誰も信じられない。俺のソ●ルジェムは真っ黒だ。
彼女と別れたその足で向かった先は自宅近くのコンビニ。店内にいた他の客がドン引く勢いでカゴに酒とつまみを投入していく。
畜生! 酒でも飲まなきゃやってられん。ストゼロだけはいつだって俺を裏切らない。ありがとうストロングなゼロ。お前だけが俺の味方だ。
毎回毎回身分証を確認してくる店員も、今日だけは俺のただならぬ気配を察してか「年齢確認ボタンをお願いします……」と若干怯えた声で促してくるだけだった。悪いな、怯えさせて。でも今だけは許してほしい。
両手いっぱいに抱えた酒とつまみを供に家路を急ぐ。クリスマスカラー一色な街並みが恨めしい。本当なら今頃、海外旅行の計画を立てているはずだったのに。
もういい課題も翌日のバイトも知るかっ! 今日は酒盛りだこの野郎!!
と、まぁ家で浴びるように酒を飲んだ結果寝落ちし、二日酔いと寝違えで痛む頭と首を押さえながら起きるとそこはファンタジーな空間だった。
……どこ、ここ。
ふわりふわりと宙に浮かぶ棺桶の数々。やけに薄暗い室内には全長2mはあるかという大きな鏡が一枚置かれている。きょろりと周囲を見回してみれば、宙に浮いている棺桶と同じものがずらりと並べられており、俺はその一つから起き上がったようだ。
なんて冗談? って感じだがどうも冗談でもドッキリでもないらしい。喋る狸のぬいぐるみに燃やされそうになったり、ここが「ツイステッドワンダーランド」という名前の異世界(!)であると胡散臭い仮面を被ったどこぞの鬼の首領似のくせ毛の男に説明を受けたて。
その後衣食住を得るため喋る狸のぬいぐるみことグリムと一緒に雑用係になったり、エースとデュースという少年達と関わって億単位の借金を背負いそうになったり。
背負いかけた借金をどうにか回避するために俺とグリムとエースとデュースの4人で心霊スポットのような廃坑道に凸った結果やべぇバケモノに襲われてそれを撃退したりなんだり紆余曲折があった末、俺はこの異世界にある学校……ナイトレイブンカレッジの1年生として通うことになったのである。完。
あまりにも怒涛の展開過ぎて、途中から考えることを放棄した。もうどうにでもな~れの精神で行かないと知恵熱出るわ。
……ただ、ひとつ、これだけは言わせてほしい。
俺、21歳でとっくに成人済みなんですけど???
なに、俺、そんなに幼く見えるのか……? 嘘だろ……? いや、まぁ、酒買う時身分証提示必須だったから薄々は感じていたけどさ。
それでも、高校1年生……つまり15~6歳に見えるとかどういうことなんだよ……身長はそこそこあるのに……どうして……。
: : :
人間なにごとも適応力が大切である。
始めこそ異世界への戸惑いや実年齢と肩書のギャップによる羞恥なんかもあったけど。いろんな出来事に巻き込まれているうちに、俺はこのファンタジー魔法学校での生活に慣れてしまった。
その上、楽しみもできた。
「ふぁ……」
ナイトレイブンカレッジの朝は割と早い。全寮制の学校だから食堂での食事の時間がきっちり決まっていて、既定の時間内に食べ終わらなければ食いっぱぐれる。
一応購買で軽食が売ってたり、各寮に併設されているキッチンで料理が出来たりもするけれど、寮で朝食を作るのと食堂へ食べに行くのであれば、食堂へ行く方が主に後片付けとかの面倒がなくていい。気分次第で寮で作ることもあるが、基本的には食堂を利用している。
だから朝食の時間に間に合うように、それなりに早起きして準備をするようにしている。7時前に起きるのなんて、大学入ってから久しくしてなかったから最初こそつらかった。
でも1ヶ月近く経った今では身体が慣れて目覚ましがなくても起きられるようになった。慣れってすごい。
……実際のところ、グリムの寝相が悪すぎて……強制起床が6……いや7割なんだけどな。
朝食が乗ったトレーを手に、大食堂の中をぐるりと見回す。ぴょこんと跳ねた茶髪とさらりとした藍色の頭が並んでいるのを見つけ、そちら側へと歩み寄る。
「おはよう。エース、デュース」
「おっ。おはよーユウ」
「おはよう、ユウ」
ハーツラビュル寮の年下の友人たち、エースとデュースに声をかけて彼らが座っている席の向かい側に腰を下ろす。
「ユウ、グリムはどうしたんだ?」
「まだ寝てたから置いて来た」
「お前、それ後からうるせぇんじゃねぇの?」
「起こしたのに起きなかったグリムが悪い。ツナ缶置いて来たし大丈夫だろ」
ノリも要領も良く、明るい性格のエースと、真面目だけどちょっと要領が悪くて、実は元ヤンなデュース。そして俺と傍若無人毛玉のグリム。
入学式の翌日に知り合ったこの年下の同級生である2人と俺たちはつるむことが多く、気が付けば悪友のような関係を築いていた。元カノの相手とバイトに明け暮れていた大学時代に比べるとなんとも気が楽で、かなり居心地が良い。
あと健康に良い。すごく良い。
「あ、そういやデュース魔法分析学の課題終わってんの?」
「んぐっ……。……あとちょっとで、終わる」
「まだ終わってなかったのかよ。魔法分析学1限目だろ」
「……メシの後でも、十分終わる……はずだ」
「いやいや、あの量を一晩で片付けられなかったのに終わるわけないじゃん」
「勝手に決めつけるな!」
「『お願いします、エース様』って言えば見せてやってもいいけどぉ?」
「誰がそんなことを言うか!」
はぁ~~~~~~~そうこれこれこれ~~~~。
机を挟んだ向こう側でぎゃんぎゃんと騒ぐ2人に、思わず笑顔になる。
こう……喧嘩ップルっていいよなぁ……。普段人前では素直になれずに口論するけど、2人っきりになるとお互いがお互いに甘える、そんな関係性最高だよな。
好きなカップリング傾向をこんなに近くで吸えるなんて、それだけでも年齢サバ読みして高校生やり直してる甲斐あるわ。20歳超えると意外と恥ずかしいんだよなぁ、制服って。
エースとデュースの口論は正直ずっと見てられるけど、そろそろ止めておかないとデュースが課題をやる時間が無くなる。課題を終わらせられなくて怒られるのは流石にかわいそうだしな。名残惜しいけどここらで止めに入るか。
「……デュース。どこがわからないんだ? 写すのは抵抗あるかもだけど、教えるくらいならいいだろ? 時間もないし」
「えっ、あ、もうこんな時間だったのか!? ……あ、ああ……悪いな、ユウ」
「いいよ、気にすんなって」
時間がないことに気付いたのか、デュースはエースとの口論を止め、カバンの中から教科書とノートを取り出した。
「ここで躓いてるんだが……」
「んーと、……ああ、ここかぁ。ここは……」
頭を突き合わせてデュースに勉強を教えながら、ちらりと横目でエースの様子を盗み見る。
むすっとした様子で肘をつきながら朝食の残りをつついている姿は、まるでおもちゃを突然取り上げられた子供のようで大変よろしい。
これはあれだな、嫉妬だな!? 俺にデュース取られて拗ねてるんだろう? はぁ~~朝から元気になる。
というか、魔法分析学はお前の得意分野なんだから、昨日の夜の時点で素直に教えてやればよかったのに。……昨日の夜……夜の勉強会か……。ふむ……。なるほど……? 正解する度のゴホウビか、間違えるたびのオシオキか。どっちがいいかな。
……いやいやいや、さすがに朝からこの妄想はやばい。ステイステイ。
「……で、ここはこうなるんだけど、わかったか?」
「えぇと……あ、そうか。こういうことか?」
「うん、そう」
「……よし、終わった! ありがとうユウ!」
「どういたしまして。じゃあそろそろ行くか」
「そうだな。……おいエース、行くぞ」
「へいへい、言われなくても……」
デュースに声を掛けられて、エースはむすっとした表情のまま立ち上がる。
朝からいいもの見せていただきありがとうございます、だ。早くくっつかねぇかなここ2人……まっ、100%俺の妄想なんだけどな。
ナマモノBL妄想とかいう人には言えない趣味だから、出来るだけ控えてるんだけど……この学校属性持ってるやつ多いしそもそも顔が良いやつが多いしで環境が整ってて最高すぎるんだよ……。
友達でそういう妄想するのは罪悪感もあるんだけど、いやでもそれ以上に、どう見てもめっちゃ気にしてるのわかるんだよ!! どうしようもないだろ!! 悲しい性なんだ!
心の中で頭を抱えて煩悶としていると、食堂の入り口から猛スピードで近寄ってくる毛玉が見えた。あ、あれうちの毛玉だな。
「ふ゛な゛~~~~~~!ユ~~~~ウ~~~~!!」
「やっと起きたのかグリム。おはよう」
「おはよう、じゃないんだゾ! お前が起こしてくれなかったから朝飯食えなかったんだぞ!」
「いや俺は起こしたし、朝ご飯置いといてやったろ。ツナ缶。好きだろ?」
「ツナ缶は好きだけど、今朝はオムレツが食べたかったんだ!」
ぐるるるぅ、とう唸り声を上げながら、グリムが俺の頭に噛みついてくる。こらこら、俺の頭はオムレツじゃないぞ。
「わかったわかった。明日からはお前が寝ていてもカバンに詰めて連れてくるし、あとから購買で高級ツナ缶買ってやるから許せ」
「ぅ~~! ゼッタイなんだゾ!」
「はいはい、仰せのままに」
気が済んだのか、グリムは俺の頭をかじるのをやめ、肩の上に移動してくる。結構重いし毛皮が暑いから、自分で歩いてほしいんだけどなぁ……。
「早くしないと遅刻するぞ」
グリムと戯れているうちに先を歩いていたデュースが少し離れた位置から声をかけてくる。エースもさっさと来いよ、といった顔をしている。
俺達を置いていかず待っててくれるエースとデュースに感謝しつつ、古びたカバンを片手に2人の元へと駆け寄る。
さて、今日も学生生活を頑張りますか。
とっても簡単な監督生設定
ユウ(21歳/175cm)
クリスマスの1週間前に親友に彼女を寝取られてヤケ酒してたらツイステッドワンダーランドに来ていた人。
ナイトレイブンカレッジ1年生にしてオンボロ寮の監督生。
実年齢は21歳現役大学生だが、あまりにも童顔過ぎてみんなに10代後半と間違えられている。
本人的には別に年齢知られても良いしなんなら学生じゃなくて用務員さん辺りのポジションでいいとは思っているが、グリムがあまりにも学園に通いたさそうなのでグリムのために年齢を伏せている。猫派。
隠れ腐男子で、顔が良くキャラが濃い周辺の人々を観察しながら妄想するのが趣味兼日課。
ストゼロが恋しい。