広域探査艦『冥王』発進!   作:白ノ宮

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あぁ...眠い...。
暁ちゃんにナデナデされながら眠りたい。
ん?膝枕?
なんか暁ちゃんの血行が悪くなりそうだからヤダ。


次元の歪み

我らが存在しているこの地球の他に同じ様な世界があるのでは無いかと模索する研究者がいるのは致し方ないことだ。

 

ある世界では研究者というものはお金持ちが趣味でやる様なことであり、研究に使う機械などの発注で企業は莫大な収入を得ていた。

 

そういった研究は長い事続けられて早200年。

 

研究は宇宙進出へと乗り出していた。

 

宇宙船の開発方法が公にされてから一部の民間企業が宇宙船開発に着手し始めた。求められるのは様々で居住性重視のものがあれば安全性重視のものもあった。

 

とにかく優秀な宇宙船が売れる時代となり、研究拠点となる別の惑星の探索も平行して行われる様になった。

 

結果、研究者は火星に移り住んで一大国家が形成された。

 

研究文明アースは更に過酷な旅に耐えられる様に造船技術やそれに伴う機械や装甲の物質や新たな動力を開発した。

 

その際に個人造船会社の注目されていた最新鋭の軍用艦が試験運用の際に姿を消したのは研究文明アースに大きな衝撃をもたらした。

 

今回焦点を当てるのはその消えた軍用艦と一人のパイロットの話。

 

惨歴2260年、250年前に始動した国総出の『宇宙進出プロジェクト』で宇宙船の設計法が政府から民間企業に公開された。

 

企業はとにかく利益を独占するために持てる技術の全てを持ってそれに臨んだ。

 

結果として激しい開発競争によって宇宙船の造船技術が爆発的に向上した。今では宇宙関連は日本に任せろといった感じである。

 

さて、先程注目されし期待の軍用艦と一人のパイロットが姿を消したと書いたがどんな様子だったかを記しておこう。

 

惨歴2260年3月18日木曜日

 

宇宙船の造船が簡単になったお陰でこんな若造である僕にも宇宙船開発競争に参加できるのはとても嬉しいことだ。

 

これで軍に採用されれば一生遊んで暮らしていける保障が国から貰える。

 

僕が今回開発した軍用艦は見た目はのっぺりしていてカッコ悪いが安全性と居住性の面と武装面もバッチリ。

 

全長375m 全幅93m 全高30mの黒い戦隊は華やかさこそ無いがただならぬ威圧感を発していた。

 

動力8つ(主力機1 予備機7)と艦内AI5つによって構成された軍艦は正に要塞と表現するしかなかった。

 

副砲が48基、主砲が10基、ミサイルサイロが4基、ここで注目すべき兵器のアースロイドノール高濃度粒子砲が3基搭載されている。

 

アースロイドノールとは地球に存在するエネルギーを全て混成し、

触れた生物を死滅させる有毒物質である。

 

アースロイドノールはただの有毒物質ではなく高純度のエネルギーで10ml分あれば戦艦大和を5ヶ月航行させる事が出来る程のものだ。

 

それを精製させるのはこの艦の動力源であるアースクリスタルドライブだ。

 

ヒヒイロカネと微量の地球のコアで形成されたソレは無限にエネルギーを生み出す永久機関となった。

 

因みにこの技術は主人公の独自の技術で開発されたものでまだ政府から認可を貰っていないのである。

 

そして極め付けは5つのAIだ。全てが全てを補い合って存在しているため1つのAIが何かで潰れても一瞬で復元される。

 

このAIは1つで艦の操縦を全て担うことができる。

 

正に神の所業。

 

そしてその軍用艦『冥王』の運用試験を実施したのは良いものの、晴天のはずの東京湾は濃霧に覆われていた。

 

ただ上に飛べば問題は無いと楽観していた僕は冥王を発振させてしまったのだ。

 

ーーーーーーー

惨歴2260年3月19日金曜日

 

天気予報で晴れと書いていたのの薄気味悪い濃霧で周りが見えない。

しかし、今回の運用試験は宇宙に行けるかと大気圏突入にどれだけの揺れがあるのかを検証するだけなので気にする必要は無いだろう。

 

僕は5つのAIの内、メインAIのヒドラに発進シーケンスをする様呼びかける。

 

「ヒドラ、発進シークエンス要請」

『要請確認。

冥王メインシステム:異常無し

冥王サブシステム:異常無し

防衛システム:異常無し

兵装:異常無し

戦略・戦術プログラム:異常無し

メインエンジン:異常無し

サブエンジン:異常無し

兵装残弾:満

非常用エネルギー残量:100%

周囲の敵性反応無し。よって通常航行モードで起動します。

全システム異常ありません』

 

「全システムオールグリーン、冥王メインエンジン点火!」

 

『冥王メインエンジン点火します。...10%....40%....70%....100%、主力安定しています』

 

「冥王はこれより大気圏を抜けて第1宙域に出る。メインエンジンをギガブースターに接続し、浮上・上昇せよ!」

 

『冥王、発進します』

 

微々たる揺れとともに冥王は東京湾上空へと進んでいく。

(よし、あとは第1宙域まで待機...)

『周囲に異常発生!周囲に異常発生!』

途端に艦内に警告音が鳴り響く。

 

「ヒドラ!何があった!?」

 

『当艦の周囲に謎のエネルギーを感知しました。同時に計器の数値が狂い始めています。次元の歪みと推測します』

 

「まずは重力波を展開しながら姿勢制御を行え、ヒドラはその事に集中しろ。『了解』カロン!」

 

『メインカメラとレーダーマップの注視ですね?』

 

「その通りだ、頼む。『お任せを』ニクス!」

 

『何でしょうか?』

 

「艦のモードを臨戦モードに切り替えろ」

 

『畏まりました。当艦の航行モードを通常航行モードから臨戦モードに切り替えました』

 

「そのまま武装を使用できるようにしておいてくれ」

 

『畏まりました』

 

「ケルベロス!緊急信号を上げよ」

 

『はっ』

 

「ステュクスは東京湾管理局と第1宙域管理局に緊急定型通信を送信せよ」

 

『了』

 

さてこれで何も無いのが一番幸せなのだが...。

と、次の瞬間に視界がホワイトアウトした。同時に僕の意識は暗転してしまった。




夕立と暁のキマシ展開もどこかで書いてみたいよね。
咲かせよう、百合の花を!
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