第六天魔王の死神生活   作:七瀬一五

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ブリーチの死神の年齢がわからんからすごい作りづらい。


第2話 目覚めよ!儂の秘めたる力よ!

 流魂街第80地区『更木』。

 そこで、一人の少女が歩いていた。

 

 

「お嬢ちゃん、ここは危ないからおじさんと一緒にょえっ」

 

 わしはお嬢ちゃんと呼ばれるような年齢ではない。

 

「そんな服、ガキは勿体ねえ。置いてけ。なに、命までは取らねぶしっ」

 

 断る。この服はのう……この服は……この服は……儂、生前こんな服着ておったかのう。まあよい。カッコいいしな。

 

「殺されたくねぇならそのふげっ」

 

 この刀も、生前の物とは若干違うしのう。

 というかここマジで治安悪いのう。殺しても殺してもどんどんわいてくる。虫か何かか?

 けどまあ、腹が減らないのはいいことじゃ。とても大事なことじゃ。

 じゃが、いかんせん目的地がわからん。一応、死神になるという目的を立てたのはいいもののなりかたがわからん。

 とりあえず、奴の言っていた瀞霊廷を目指すとするか。

 

 というか、なんか生前より身体が軽いし、力がわいてくる。何より、自分の体の中を意識すると白いドロドロとした変なものを感じる。

 これは何じゃ?まさか……

 

「死したことにより儂の秘めたる力が目覚めたというわけかのう!」

 

 いやー中々に燃える展開じゃのう。まぁ、わしは燃えて死んだんじゃけどな。……無常じゃなぁ。

 それはともかく、この力をどうやって調べたらよいものか。どんな力か調べなければ、役に立つかもわからぬ。とりあえず目についたあばら家に入り、瞑想をしてみることにした。

 家の中は、畳が腐り落ち、床が剥き出しになっていたため、死体から剥ぎ取った衣服を敷き、座禅を組む。

 

 体内の力を感じ、ゆっくりと動かしてみる。粘着質な泥のような感覚でかなり動かしづらいが、何度かやっているうちにある程度は自由に動かせるようになった。

 なったが、なんとも奇妙じゃ。まるで、自分の血液を動かしているようなおかしな感覚じゃな。

 よし!次は全身に流してみるかのう。儂の考えが正しければもっと素早く、動くことができるはずじゃ。

 さっきの感覚を思い出しながら、血管に力を通すように循環を開始する。心臓から血液を動かすような感覚を意識しながら行う。

 おおっ、こんな感じか。なんだか身体の奥底から熱い何かが込み上げてくるようで、全身に熱を感じる。

 これは……うまくいったかのう?

 そう思った瞬間、信長は自身の視界が真っ赤に染まっていることに気がついた。

 

「ありゃ?」

 

 これは…どういうことじゃ?力を体に流した結果か?

 

 (いや、これは違う!)

 

 自身の身体の異変に気づいた信長は、すぐさま力を止めたが、少し遅かった。

 

「ガハッ!!」

 

 口からは多量の血液を吐き出し、全身から出血し、彼女の軍服が血で赤く染まる。

 

 本来、『霊力』というものは体内を循環させるものではない。霊力とは、この世界における純粋な力であり、死神はそれを使い、戦闘をおこなっている。

 だが、それはこの世界での話だ。異物である織田信長にはそれがない。ないが、魂はある。あるならば彼女にも使うことができる。霊力とは言ってしまえば、魂の力であるのだから。

 けれど、彼女は異物であり、彼女以外の人間にとっては考えないようなことを彼女はやってしまう。それが、今回の出来事だ。

 通常、死神は霊力を自分の肉体に循環させようなどとは思わない。それはなぜか?答えは簡単、意味がないからだ。霊力とは純粋なる力であり、死神にとって自身の肉体に流れているのが当たり前だからである。けれど、それはこの世界の人間にとっての常識だ。

 一度も霊力を使ったことがない人間が使うとどうなるのか。当然、死にかける。

 例えるなら、水道管にマグマを流したようなものなのだから。

 

「ゲッフ!ゲホ!」

 

 内臓は裂け、血管は破れ、筋肉が千切れ、骨にいくつも亀裂がはしる。それにより、大量の血が体外に出てしまい、意識が遠ざかっていく。

 …見通しが甘かった。まさか、ここまでの傷を負うとはのう。じゃが、まだ生きている。

 

「ぐっ…はぁ…はぁ…」

 

 激痛のおかげで意識を保つこともできる。それに、いくつかわかったこともある。この力は、儂の体にまだ馴染んでいない。時間をかけて、ゆっくりと行うべき事柄であった。

 とはいえ、まだ屋内でよかった。外でやっていたならば、死は免れなかったであろう。

 じゃが、このあばら家に入ってくる人間がいるかもしれん。警戒をするに越したことは…

 

「ふむ。おかしな気配があると思って来てみれば、まさかこんな存在を見つけるとはのう」

 

 そのにいたのは、膝まで垂れ下がっている髭に、真っ白な羽織、そして額に大きな十文字の傷を持つ、細目の老人であった。

 ここの住人ではないようじゃが、なぜこんなところに?見たところ、身分の高そうな人間のようだが。

 

「…誰じゃ?なぜ…こんな場所にいる?」

「ふむ。人に名前を尋ねる時は自分から名乗るものじゃが、まあ良い」

「ワシの名は、山本源柳斎重國(やまもとげんりゅうさいしげくに)。たまたまここらへんを散歩しておった、ただの死神じゃ」

「!…そうか。死神か…それは良いことを聞いた」

「それはどういうことじゃ?」

「…わしは死神になろうとしたのじゃが、なりかたがわからなくてのう。頑張って独学でやろうとしたのじゃが、この様じゃ」

「それは災難であったのう。…お主、名は?」

「…織田信長じゃ」

「織田信長か。では信長よ。儂とともに瀞霊廷に行かぬか?そこには、死神の養成学校もあるのでな、どうじゃ?」

 

 …この爺さん。嘘は言っていないようじゃな。それに、こちらの意識も限界に近い。できるだけ平気な振りをしているが、正直に言ってこの申し出はありがたい。

 

「…行くに決まって…い…る…」

 

 決断を下した瞬間、緊張の糸が切れ、急速に意識が遠のいていく。

 

「ぬ!こやつ…この出血で平然としておったのか。こりゃまずい!すぐに卯ノ花の所に連れて行かねば…」

 

 

 この日、織田信長は山本源柳斎という、後に自分の師となる人間に出会った。

 

 




【霊力】
 ちゃんと訓練してから手を出そう。
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