元々、それがやりたいがきっかけですし。
今回はちと、しんみりした話し。
「なんのかんの言いつつ、5機も撃墜するとはやるじゃないか!」
ロビーに戻るとポーはティッシュを褒めるが、ほとんどがポーのアトミックデストロイヤーのおこぼれなのでティッシュは素直に喜ぶ事が出来なかった。
「ほとんどポーさんのお蔭ですよ。
俺は援護射撃して、たまたま5機も撃墜出来ただけです」
「そう謙遜するなや。それでも撃墜したのはあんたなんだから」
「それでもポーさんには敵いませんよ。
それにガンプラの完成度の違いを見せられた感じです。
それだけ、愛がーー」
「愛なんてモノはないよ」
ティッシュの言葉を遮るようにポーがそう告げる。
はにわザクの顔の為にその表情まではティッシュには解らないが、発言には先程にはない冷たいモノがあった。
「進撃の覇軍はそんな甘いフォースじゃないんだよ。
皇帝は何も言わなかったんだろうけれど、私達のガンプラに愛なんてものはないさ」
「でも、こんなに思いが詰められているのに?」
「確かに籠められているだろう。憎悪に復讐とかマイナスの思いがね。
私だって奴等がいなければ、もっと・・・」
表情は解らないが、何かしらの負の感情をティッシュは感じ、「すみません」と謝る。
ポーはそれに対して我に返ると先程までの態度に戻る。
「まあ、気にするな。こう言う奴もいるってだけさ。はっはっは!」
「でも、俺からも良いですか?」
「ん?なんだい?」
「確かに憎しみとかから作ったガンプラかも知れませんが、それでもポーさんは今のガンプラを愛しているんじゃないですか?
でなきゃ、今でも使おうとなんてしませんよね?」
その言葉にポーが再び無言になるが、ティッシュはそれでも続けた。
「俺はGBNに来たばかりでまだ解りませんが、何人かのガンプラを見せて貰いました。
その人達のガンプラにはそれぞれの思いが籠められていましたが、みんな、愛を感じました。
それはポーさんのガンプラからも感じられました」
「・・・」
「だから、思うんです。はじめは違う目的かも知れませんが、ポーさんのガンプラへの愛は本物だって」
ティッシュがそう言い終えた後、ポーはしばらく沈黙した後にログアウトしてしまう。
言い過ぎてしまっただろうかと思ったが、本当の事を言ったつもりなのでティッシュはログアウトしたポーを見送る事しか出来なかった。
(・・・きっと、大丈夫だよな?)
ティッシュはそう思いつつ、自身もログアウトして一息吐く。
そして、ベッドに横になりながら、ここまでポーや姉の引きずるマスダイバーについて考える。
(奴等って、きっとマスダイバーって人達の事だよな?
ポーさんも姉さんも多くは語らないけれど、それだけマスダイバーって言うのに酷い事をされたのか・・・マスダイバーって一体、なんなんだろう?)
ティッシュこと岩戸はベッドに仰向けになりながら、自分に何か出来ないか考えつつ、眠りに落ちる。
ーーー
ーー
ー
『皇帝。あんたの弟さんは優しすぎる。
私達のフォースに入れるべき人間じゃないよ』
岩戸が寝ている間、姉のテラスにポーがスマートフォンに電話して来る。
「・・・そうかも知れないですね。でも、岩戸なら・・・弟なら何か変えてくれるかもと期待してしまうんです」
『期待って、なんだい?
私ら、マスダイバーの被害で報復する為に作ったフォースに今更、何を期待するんだい?』
「時代は変わったんですよ、ポーさん。
マスダイバーの脅威はもう、ありません。
なら、そろそろ、その呪縛から解放されても良いんじゃないですか?」
テラスの言葉にポーはしばし、沈黙した後、どこか悲しむように呟く。
『・・・無理だよ。あの娘がマスダイバーに殺されて、テラスが皇帝を名乗るようになってから私達は変わったんだ。今更、戻れないよ』
最後の方はスマートフォンの向こうで泣いているのか、掠れて聞こえなかったが、テラスにはその気持ちが痛い程、解っている。
そして、そんな気持ちを一番重く受け止めているのは他でもないテラス本人だと言う事も。
『・・・なんで、こんなになっちまったんだろうね、私達は。
ただ、あの娘とガンプラで楽しんでいたかったのに・・・』
「ポー」
そんなポーにテラスは厳しいーーというよりも威厳に満ちた声で答える。
「皇帝として、あなたに命じます。弟を補佐しなさい」
『・・・皇帝直々の御命令とあらば』
そこで通話が切れ、テラスはGBNで撮影された一枚の写真をスマートフォンの画面に写す。
「・・・貴女を失った私達はマスダイバーのいない新しい時代について行けるんでしょうか、マリア?」
かなり前に投稿したものをサルベージ。いまからでも読者参加型にするか悩みまする。
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いまからでも参加するよ
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今更、更新されても