ガンダムビルドダイバーズー衝撃のZakuー   作:陰猫(改)

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久々に書きたい気分になったので更新です。
放置して三年くらいか、だいぶ時間が経っているな。


第12話【チュートリアルで再訓練】

「えっと・・・エルピーさん?」

 

 ティッシュが恐る恐る声を掛けるとエルピーは顔だけを動かし、彼の顔を黙って見据える。

 返事を期待したが、エルピーは何も言わないので会話が終わってしまう。ある意味でポーよりもやりにくいかも知れないと思いつつ、ティッシュはポーが戻って来るまで待つ事にする。

 しかし、ポーが帰って来る気配は一向にない。

 

「・・・ポーさん、遅いですね?」

「・・・」

「原点に帰るって言ってましたけれど、もしかしてガンプラを作っていたり?」

「・・・」

 

 エルピーからの返事はないのでティッシュは手持ち無沙汰になり、次第に落ち着かなくなって来る。

 

「・・・あの、まだ時間掛かるようでしたらチュートリアルに行っても構いませんか?・・・もう少しガンプラに慣れておきたいので」

 

 そこでようやく、エルピーから反応があった。

 相変わらず、返事はなかったが首を縦に振り、肯定の素振りを見せる。

 その反応にホッとしつつ、ティッシュはカウンターへと向かう。

 その後ろからエルピーが無言でついて来る。

 

「・・・あの、何か?」

 

 立ち止まって無言でついて来るエルピーに尋ねるが相変わらず、彼女からの返事はない。

 流石に焦れて来たが、ふと、ある考えが頭をよぎり、ティッシュは質問を変えてみる事にしてみる。

 

「もしかして、喋ったりするのが苦手だったりとかですか?」

 

 その言葉にエルピーは再度頷く。それを見て、ティッシュは彼女がわざと無言で自分に返事しないのではないと理解してホッと胸を撫で下ろす。

 どうやら、喋らないのは初対面だからなのもあって上手く喋らないのもあるかも知れないと自分の中で納得し、悪意がある訳ではなさそうである。

 

「良かったら一緒にチュートリアルに行きませんか?」

 

 その言葉にエルピーが初めて表情を崩し、ティッシュはその笑顔を見て、ドキリとして自分の顔が火照るのを感じた。

 エルピーの笑顔はそれだけ破壊力のあるあどけなさと可愛さのマッチした素敵なものであった。

 

(・・・可愛いなあ)

 

 ティッシュはそんな事を考えながらエルピーが喋らない事への不満が落ち着くのを感じた。

 

「そ、それじゃあ、よろしくお願いしますね、エルピーさん!」

 

 ドギマギするティッシュにエルピーは頷くと二人してチュートリアルを受注し、格納庫へと移動する。

 

(──って、あれ?)

 

 そんなティッシュが格納庫へと入ると自分のガンプラの隣に佇むガンプラに首を捻る。

 自分の隣にあるガンプラは無改造なザクⅡ改であった。

 しかもどう見ても素組みであり、技術面で言えばティッシュより下に思えた。

 

「えっと、これがエルピーさんのガンプラですか?」

 

 念の為に本人に確認するとエルピーはコクンと頷く。

 

「えっと、エルピーさんも出戻りか何かなんですか?」

 

 ティッシュが再度、質問するがエルピーは首を横に振ってから初めて口を開く。

 

「・・・これが私のガンプラ」

「──っ!? そ、そうなんですね!?」

 

 改めて、エルピーから響いた声を聞いて、ティッシュは再び顔が熱くなるのを感じた。

 抑揚はなかったが、エルピーの容姿を表すかのような中性的な女性の声で何処かあどけなさの残る声であったのでティッシュは彼女が喋らない理由が破壊力があり過ぎるからだと理解する。

 

(なるほどな。容姿だけでなく、中身も可愛いから喋らないのか・・・納得)

 

 ティッシュは勝手に納得しつつ、エルピーと一緒に各々のガンプラに乗り込む。

 

(・・・あれ?)

 

 自分のガンプラのコックピットに乗り込む際にほんの一瞬、ガンプラに乗り込むエルピーに目をやった時、ティッシュは再び頭の中にハテナが浮かび上がる。

 

(エルピーさんのガンプラの中を一瞬、見えたけれども随分、作り込まれていた気がするなあ。素組みな理由って内部へこだわっているからかな?)

 

 そんな事を思いつつ、ティッシュはエルピーと一緒に出撃するのであった。

 

「・・・エルピー、出る」

「本当に可愛いなあ・・・おっと、ティッシュ!ドズル専用殺人機動型ザク!行きます!」

 

 ティッシュはスラスター加減を調整しつつ、なんとか無事に出撃する。

 

(よし。もう少しで出撃時のバーニア調節のコツは把握出来そうだな。

 あとは練習あるのみって感じかな?)

 

 そんな事を考えつつ、ティッシュはザクマシンガンを構え、チュートリアルでバトルする専用機体との交戦準備に入る。

 そんなティッシュのザクの後方からエルピーのザクが追い掛ける。

 エルピーのザクはバーニアを吹かすでなく、ゆっくりとした足取りで大地を踏み締めて歩き、とてもティッシュの機動力には追い付きそうになかった。

 

「エルピーさん、エリアポイントまで歩く感じですか?」

「・・・この子、飛べないから」

「・・・えっと良かったらエリアまで運びましょうか?」

「・・・重いよ?」

「ガンプラの一体くらいなら大丈夫ですよ。多分ですけれど」

 

 ティッシュはそう返すとエルピーのザクの手を取り、引っ張り上げようとする。

 

 しかし──

 

「えっ?」

 

 引っ張り上げようとした瞬間、機体がガクンと揺れ、ティッシュは困惑する。

 エルピーの言う通り、彼女のザクはティッシュが思うよりも遥かに重かったのだ。

 

「──え?え?どうして?」

「・・・ギミックを詰め込み過ぎて通常のガンプラより重いの、この子」

「いや、だからって、この重量はなんだかおかしくないですか?

 なんだか鉛でも入っているような重みを感じましたよ?」

「・・・今度、教える」

 

 ティッシュは仕方なく、エルピーの機体から手を放すと1人で先にチュートリアルポイントに入る事にする。

 元々、自分の練習に彼女を誘ったのでエルピーが悪い訳ではない。

 それにただの素組みにしては重量がおかしかった。

 彼女の言うように何らかのギミックがされているのだろう。

 そう思いながらティッシュは機動型ザクに慣れる訓練を開始するのであった。

 

 ティッシュの操作技術は確実に少しずつ上がっていた。

 しかし、戦闘技術と絡めるとやはり、まだ爪が甘かった。

 

 射撃の回避でスラスターを使用する際に想定より踏み込み過ぎて機体が振り回されるし、その後の姿勢制御での硬直を踏まえると回避後の次の回避に手間取ると言った感じである。

 

(もう少し機動力を低下させるべきかな?・・・やっぱり、ピーキー過ぎてしまったかも)

 

 そんな事を考えながらティッシュはCPU相手になんとか勝利するのであった──とは言ってもまだまだ本当に実戦で使用するにはいまの機動力維持しつつ、ヒット&アウェイをものにする。

 これがティッシュの次の課題であった。

 

「うむむ・・・困ったぞ」

「・・・リミッターをセットしたら?」

 

 悩むティッシュにそう告げたのはエルピーである。彼女は続けた。

 

「ガンプラの出来は確かに初心者とは思えない出来だと思う。

 でも、機体のスピードに振り回されて本来のポテンシャルを発揮出来ていない。

 なら、ヅダとかみたいにリミッターを付けるとティッシュさんも安心出来ると思う」

「・・・成る程。ずっと、このスピードに慣れる事だけを考えてましたから、リミッターを設定するのは盲点でしたね」

「少しずつ慣れて来てから、本来のスピードに慣れれば良い。そうすれば、ガンプラも答えてくれるから」

 

 ティッシュはエルピーの言葉に頷くとしばし考えた後にエルピーに照れたように笑う。

 

「・・・えっと、エルピーさんが色々と話してくれるようになって良かったです」

「──っ!?」

 

 そう告げた途端、エルピーが耳まで真っ赤にして照れているのを隠すように脱兎の如く逃げ出してしまう。

 

(・・・くそっ。本当に可愛いな。本当に俺よりも歳上なのか?)

 

 そんな事を考えながらティッシュはメッセージを開く。

 相手は自分の姉であるテラスからであった。

 

「姉さんからですね。ご飯の準備が整ったから早く戻って・・・って、もうそんなに経っていたのか」

 

 ティッシュはウィンドウメッセージを閉じ、恥ずかしがるエルピーに軽く手を振る。

 

「エルピーさん、また今度」

「・・・うん。またね?」

 

 こうして、有意義な時間を過ごし、ティッシュはGBNからログアウトするのであった。

かなり前に投稿したものをサルベージ。いまからでも読者参加型にするか悩みまする。

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