──それから数日間、ティッシュはチュートリアルで納得のゆくまで訓練を続けた。
(リミッターを設けるだけで、こんなに違うものなのか・・・これなら俺でも上手く扱える筈)
ティッシュの安定し始めた操作に機動型ザクが呼応するように正確にエネミーを撃破する。
あれだけ操作などで苦戦していたのが嘘だったかのようにティッシュの技量は上がっていた。
(よし。これなら足を引っ張ったりしないで済むだろう。
そろそろ、フォースに入る為にポイントとか貯めたいところだなあ)
「お~い、坊主」
次のステップを悩んでいると以前、彼を誘ってくれたジオンのスーツを身にまとった男性に会う。
「あ、あの時のおじ──おっさん!」
「相変わらず、チュートリアルで訓練しているのか?
だいぶ、動きが洗練されて来たじゃねえか?」
「まだまだですよ──じゃなかった。まだまだ、こんなもんじゃねえぜ!」
「ロールについてはまあ、及第点だな。まあ、坊主は根っからの真面目タイプみたいだし、ロールってのが、なかなか難しいのかも知れんがな」
ティッシュが困ったように頭を掻いて笑うと彼にロールを教えてくれた年輩のジオンスーツの男性が改めて自己紹介をしてくれる。
「覚えているかは解らんが、俺の名はアタリメって言うんだ。
まあ、周りの連中からはおっさんって呼ばれているがな」
「ティッシュです。改めて、宜しくお願いします、アタリメさん」
「そんな改まって呼ぶのはやめてくれ。こそばゆくなっちまう。
前のロールみたく、おっさんで構わんさ」
「わかりました。アタリメのおじ──おっさん」
アタリメと名乗る男性アバターは「本当に真面目な奴だな」と呟くとティッシュをバトルに誘う。
「そろそろ、チュートリアルで訓練するのにも慣れた頃だろう?
今回はあの時、組んでいた嬢ちゃんはいないが、また別の奴を誘ってある。チームバトルってのも初めてだろうたからな。
まあ、何事も経験ってもんだ」
アタリメはそう言って豪快に笑うとティッシュに改めてフレンド登録を申請する。
ティッシュも笑って頷くと改めて、アタリメとフレンド登録をするのであった。
「よし、これでまた一緒に組もうじゃねえか。
坊主の腕もだいぶ上がって来たようだし、これから面白くなるぜ。
そう言えば、坊主はもうフォースは決まっているのか?」
「え?ええ。知り合いの紹介で良ければって事で」
「ふむ。そうなのか。まあ、無理にフォースに誘うのも気が進まんしな。
因みになんてフォース名だ?」
「確か・・・進撃の覇軍でしたか」
フォース名を口にした途端、アタリメの笑みが凍りつく。
「・・・坊主。悪い事は言わん。考え直せ」
「え?」
「進撃の覇軍ってのはブレイクデカールを違法と知っていながら使っていたフォースの一つなんだ。
坊主みたいに楽しくガンプラバトルを楽しんでやっている奴が入る場所じゃねえ」
「・・・アタリメさん。以前にお会いした時にブレイクデカールの件を渋ってましたよね?
改めて、教えてくれませんか?・・・ここだけの話ですが、身内に関係のある話ですので」
アタリメはティッシュの真剣な眼差しにしばし考え込むと解ったと頷く。
「原理については俺も詳しい訳じゃねえ。
だが、GBNのデータ干渉に深刻なバグを植え付けて飛躍的に能力を上げる──所謂、チートの類いだ」
「・・・」
「しかもこのデカールは使用しても違法した痕跡をGBNのデータに残さねえ──となりゃあ、バトルで負け続きの奴や勝ち負けに拘る奴なんかが必然的に欲しがっちまう。
それによってGBNはバグが大量発生してシステムが崩壊寸前にまでなっちまった。
ビルドダイバーズの加入した有志連合が結束されるまではな。
こいつもどういう原理かまでは詳しい事は知らねえが、ビルドダイバーズのリクって奴の活躍でシステムは何故か回復した。
いま思えば、あれがELダイバーの影響だったのかもな」
「エルダイバー?」
「GBN内の思いの塊みたいなもんだ。当初はGBN内に生息するバグの類いとして公にされた。
その時に有志連合をまとめていたチーム・アヴァロンとビルドダイバーズが決別してな。
結果は有志連合の勝利になる筈だった──が、今回はビルドダイバーズの思いが勝った。
そんでもって、それから数年して、また色々とあってな。
いまのGBNってのはそのELダイバーと言う電子生命体とGBNアバターの溜まり場になった訳だ。
まあ、この辺りは坊主に関係あるか解らんが、進撃の覇軍ってのは、そのブレイクデカール絡みでひと悶着あったフォースの一つって訳だ。
毒を以て、毒を制すなんて、ことわざがあったが、それをしちまった事で姿を消したのが、進撃の覇軍ってフォースさ。
ブレイクデカールを潰す為に自分らもマスダイバーになってブレイクデカールで報復する負の連鎖に囚われた悲しい業を背負った連中さ」
「・・・それが、覇軍・・・姉さん達はそんなフォースを立ち上げていたのか」
「信じられんのも解る。だが、こいつはニュースでも話題にもなったくらいだ。
過去のニュースを遡れば、その時の事がいまでも閲覧出来るだろう」
浮かない顔をするティッシュにアタリメは「話はおしまいだ」と告げる。
「まあ、どうするかは坊主次第だ。流石の俺にも坊主に正しい道ってのを示してはやれそうもねえからな。こいつについては一人でじっくり悩む事だ」
「はい。教えて頂いて、ありがとうございます。
確かに身内が──あんなに優しい姉さんやポーさん達がそんな事をしていたなんて言われて、未だに信じられません。でも、だからこそ、きっと何か理由があると思うんです」
「・・・そうか。まあ、坊主にも何か理由があるみたいからな。それなら尚更、なんかあった時の為にバトルの経験は必要だろう?・・・話が逸れちまったが、今回はバトルに誘うのが目的だからな」
そう言ってアタリメはティッシュをバトルに誘うのであった。
次回より募集したアバターさんとガンプラが出ますので宜しくお願い致します。
次回もガンプラファイト!レディ・ゴー!
かなり前に投稿したものをサルベージ。いまからでも読者参加型にするか悩みまする。
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いまからでも参加するよ
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今更、更新されても