クジョウ・キョウヤがアメイジング・スターで戦っている最中、ロンメルのフォースとサクラのフォースが合流し、砂塵の舞うコロニー内部へと侵入するとお下からマシンガンの雨が降り注ぐ。
「拡張ツールで強化されたマシンガンの雨だな。総員、被弾に気を付けろよ」
ロンメルの指揮する中でサクラだけが微妙な違和感を覚えていた。
(……おかしい。相手はマスダイバーではない事が解ったとは言え、ここまで数が少ないのは何故だ?
何処かに伏兵がいると言う事だろうか?)
「へっ!マスダイバーじゃないのなら、こいつら、ただの素組みのガンプラだぜ!ここで稼がせて貰うぜ!」
「──待て!素組みのザクⅡ改が12体だぞ!なんか、罠がある筈だ!」
サクラの制止を無視して、そのダイバーの突っ込んだガンプラがザクⅡ改をビームサーベルで串刺しにした瞬間、サクラはある異変に気付く。
「ビームが装甲を貫通していない!?」
次の瞬間、ザクの皮が剥がれ、その正体が露呈する。
ザクのターミネーターアレンジであるザク・バーダインのリアルタイプモデル。12体のザクⅡ改全てがリアルタイプのザク・バーダインであったのだ。
「……おいおい。嘘だろ?12機もこんな極悪モンスターがいるのかよ?
しかも御丁寧にビームコーティングや強度具合とか、どんだけ、こだわっているんだよ?」
悪い夢でも見ているような気分で悪態をつくサクラ達をエルピーは静かに見据える。彼女に出来る事は観測する事だけである。
12体ものザク・バーダインのリアル化制作──本来ならば、キット化もする事すらないこのガンプラを1から作るのにどれだけの月日と心血を注いだかは覚えていない。そのせいでエルピーの手は今でも包帯で固定してないと人に見せられない程にボロボロであったのだ。
いまでもコントローラーを満足に握るのも難しい程、作り続けたその代償は大きかった。
故に彼女は進撃の覇軍の頭脳担当として今日まであり続けたのだ。
「奏でましょう……私達が捧げるレクイエムを……」
「エルピー。私も加勢します」
「皇帝……ティッシュさんは?」
「あの子は私達を止めるにふさわしくなかった。それだけよ」
「リアルではちゃんと仲良くしてね?……こんな事でティッシュさんと皇帝の仲が悪くなるのは流石に嫌だから」
皇帝の操る魔殺駆は闇のオーラを放ちながら刀を横薙ぎに一閃する。
それだけで黒い斬撃が放たれ、遙か彼方の背景の山が黒い炎で燃え上がり、爆散する。
「我が前に立ちし、脆弱なる者達よ。これがお前達がGBNで抱き続けた負の感情だ。
この斬撃にはいままでの負のオーラが宿っている。それをも恐れぬのなら掛かって来るがいい」
その一言一言に発せられる覇者の威圧感にサクラは疎か、ロンメルでさえ、動けなかった。
過去のGBNの厄災とは違うまた別の感情。いままで見たくなかった現実やガンプラバトルで抱く負の感情、それら全てが皇帝の振るう剣には籠められていた。
「……これは……厄介だな」
ようやく、ロンメルが口にした言葉に答える者はなかった。
それだけの負のオーラと絶対的強者の風格を覇軍の皇帝は身に纏っていたのだ。皇帝が踏み出す度に有志連合のフォースは気圧されて後退る。
そんな中、一体のガンプラが割って入った。
それを見て、誰よりも喜んだのはそのダイバーの姉であった。
「ああ。ティッシュ……そのガンプラに籠められた想いに気付いてくれたのね?」
「──みんな!遅れて、ごめんなさい!でも、もう大丈夫!皇帝は俺が止めます!」
ティッシュのその言葉と同時に斬撃が放たれるが、それをティッシュの新たなるガンプラ──ザクⅡ改・極は弾く。
「いまなら解るよ、姉さん!姉さんは確かにそのガンプラに負のエネルギーを蓄積していた!
でも、それだけじゃなかったんだ!姉さんはGBNに希望や未来とかも描いていたんだ!」
「ええ。そうよ。それがあなたに授けた新しい剣であり、私の憧れた極みの具現化よ……それに応えてくれたのね?」
黒と金の覇軍の皇帝の負のオーラを凌駕する青白い眩しい何処までも真っ直ぐな輝き──それは他のダイバーにも希望という名の光を与えた。
「あのザクに続け!今こそ、好機だ!」
「ティッシュさんのザクが戦い易いように援護を!邪魔が入らないように!私達が援護するわよ!」
かくして、有志連合と進撃の覇軍の最終決戦が幕を開けるのであった。
かなり前に投稿したものをサルベージ。いまからでも読者参加型にするか悩みまする。
-
いまからでも参加するよ
-
今更、更新されても