ガンダムビルドダイバーズー衝撃のZakuー   作:陰猫(改)

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第3話【ビルドアップ】

「お疲れ様。チュートリアルはどうだったかしら?」

 

 待っていたマギーにティッシュは後頭部を掻くと「まだまだですね」と呟く。

 

「チュートリアルでこれなら、これからが心配ですね。

 しばらくは慣れるまでチュートリアルで頑張ろうかと思います」

「そう。まあ、チュートリアルは何度でも受けられるし、気を落としちゃ駄目よ?」

「はい。ありがとうございます」

 

 ティッシュが頭を下げて礼を言うとマギーは「それよりも」と付け加える。

 

「まさか、スラスターのブースト消費の燃費があんなに悪いなんてね?

 もう少しガンプラを色々と試してみたら、どうかしら?」

「ガンプラを試すですか?」

「ええ。ガンプラは自由ですもの。

 それに素組みにも限界があるわ。

 アドバイスするとしたら、ガンプラにもう少し手を加えてあげたら、今より良くなるんじゃないかしら?」

「成る程。考えてみます」

「そうしなさいな。ガンプラバトルはセンスや技術もそうだけど、最終的には愛よ」

 

 マギーは微笑むと「頑張りなさいね、ティッシュちゃん」と最後に付け加えて去って行く。

 マギーと別れたティッシュこと岩戸はオフラインモードになって現実に戻り、一息吐く。

 

 初ダイブで少し疲れたが、チュートリアルは彼なりに白熱したバトルでかなり楽しめたーーとは言え、これが対人戦のバトルなら自身の敗北は確定している。

 せめて、初心者なりにガンプラを輝かせたい。

 勝つ事もそうだが、もっと自分の満足のいく結果を残したいと言う欲求が出て来る。

 それにマギーの言葉も彼の心に残っていた。

 

「ガンプラに愛を注ぐ、か・・・確かに素組みして塗装しただけだし、色々やってみるかな?」

 

 こうして、岩戸はあれこれと考える。

 出来れば、素体であるドズル専用ザクはあまり、弄りたくはない。

 この塗装をデカールタイプシール無しで製作するのにかなりの時間と情熱を注いだからと言うのもある。

 

 素組み部分は見直しが必要だが、今のザク自体に大きな変更をするつもりはない。

 

 ならば、どうするか?

 

 岩戸はあれこれ悩むが、答えが出ず、気分転換にでもとガンダムチャンネルを映像で見る。

 

(ああ。今はガンダムWが再放送されているのか・・・って待てよ?)

 

 ガンダムWの主人公のヒイロ・ユイが大破したウィングガンダムの代わりに搭乗するガンダムヘビーアームズとライバルのゼクス・マーキスの戦う姿を見たのをきっかけに岩戸は新しいアイデアを思い付く。

 その視線の先にはトールギスの背負うブースターを見ていた。

 

「これだ!」

 

 岩戸はスマートフォンから流れる映像を見て叫ぶと翌日、美術大学の帰宅にそのガンプラを購入しにガンプラショップを訪れる。

 彼が購入したのはトールギスであった。しかも二個買いである。

 

「あら。お兄さん、トールギスが好きなんですか?」

「ええ。でも、一番はやっぱり、ザクですね!」

 

 そんな他愛ない会話をした後、女性店員は最後に「素敵なガンプラを作って下さいね?」と彼にウィンクする。

 その仕草に少しドキリとしながら岩戸は「頑張ります!」と言って自宅へと戻る。

 

「ただいま!」

「お帰りなさい。ご飯出来ているわよ」

「あ、ありがとう、姉さん」

 

 帰宅した岩戸は姉のテラスに礼を言うと手短に食事を済ませ、急いでガンプラ製作に取り組む。

 そんな岩戸を見て、テラスは「あらあら」と苦笑しながら、岩戸の食べ終えた食器を片付ける。

 

 岩戸のガンプラーードズル専用ザクの問題点はスラスターことブースターの燃費の悪さである。

 これは岩戸のザク以外にも言える事であるが、初代のジムやザクはまだ世に知れ渡る以前のものなので基本設定が低い。

 アニメではその理由としてジムもザクも物量戦が主体のモビルスーツである為、量産しやすく、低コストである為となっている。

 故に専用機とは言え、多少カスタムしたから位では性能的な面では現在の量産型モビルスーツに遅れを取ってしまう。

 だが、それはあくまでもガンダムと言うアニメの世界での話である。

 

 ならば、もしも、ザクがそれ以上の性能を引き出せたのなら?

 

 例えば、他作品とオマージュした機体であれば?

 

 その自問自答の末に彼はザクにトールギスの一対のバーニアを追加した。

 これでかなりピーキーなザクとなるだろう。

 

 しかし、それだけでは彼の目指す殺人的な加速を越えるトランザムシステムなどには及ばない。

 そこで考えたのが更にトールギスのブースターを追加する事で馬力を増やそうと言う試みである。

 

 岩戸は元からあるザクのブースターに追加されたトールギス2体分のブースターを見て、これはきっと自分には勿体無いくらいのガンプラになってくれるだろうと一人で頷く。

 

 素組みもスマートフォンの動画で基本的な事を学習しながら見よう見まねで加工した。

 

 岩戸は徹夜までしてしまい、机に突っ伏して寝てしまうが、なんとか形にはなった。

 そんな岩戸にそっと掛け布団を被せ、姉のテラスがそのガンプラを見て微笑む。

 

「楽しめたようだね、岩戸。素敵なガンプラだよ」

 

 テラスは熟睡している岩戸に優しく囁くとそのまま、彼を起こさぬように足音を立てぬようにしながら、そのまま、彼の部屋から出て行く。

かなり前に投稿したものをサルベージ。いまからでも読者参加型にするか悩みまする。

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