biohazard Four heroes“NT” 作:ナッツガン
この事態に対して最も早く対処したのはBSAAだった
ネオアンブレラ対BSAAのウイルス戦争が幕を上げる
大きなビルの屋上はヘリポートになっており、多くのヘリが離陸できるようになっている。これは簡単に言えば、多くの首相陣を素早く非難できるようにと考えられている。
「しかし、こう雨が続いていては非難もできないか……」
先ほどから雨が激しく、雷雲が空を覆っている。これらが原因で先ほどから首相陣おびえたり、興奮状態だ。それ以外に最も大きな原因があるとすれば、この人工島のあちらこちらから上がっている火の手だろう。
少し前から人工島内でウイルスがまかれ、それと連動するようにBOWも確認された。これはネオアンブレラが人工島にウイルス攻撃を仕掛けてきた証拠だ。
「バロクは島内にはいないだろうな……」
バロクの心理はうかがえないが、考えている事は何割か分かる。あいつは今周囲の戦艦内で待機しているはずだ。
あいつの計画を遠隔に進めるためには、戦艦からの弾道ミサイル攻撃で一気に片づけるつもりだろう。そうだとしたら素早く戦艦に入らなければならないだろう。
俺は歩きながら屋上の端に移動する。屋上のフェンスを乗り越えて人工島内を見回す。ここからなら外の戦艦も確認ができるだろう。戦艦はこの人工島の港口を中心に三隻確認できる。
「恐らく中心の戦艦だろうな」
あれだけがミサイルの発射準備をしていないし、弾道ミサイル搭載艦で来ている。コントロールを別にするという案もあるが、バロクがそんな事をするとは思えない。バロクは今かなり追い詰められている所だろう。
「バロク…………今、俺はお前を…………」
そこまで言うと、俺は屋上からダイブした。
俺はお前を止めに行く。
覚悟しろ!バロク!
一年前 BSAA北米支部にて
BSAA北米支部内は今まさに混沌としている。多くの人が電話を持ったり、書類を持って行きかったり、武器を持っている奴までいる始末だ。
「状況を正確に理解できている奴で良い、俺とジル、そして後ろにいるレオンと大統領に教えてくれ」
そうすると、奥から1人の女性が出て来て話を始めた。
「代表!今……」
「落ち着け。正確に、落ち着いて話せ」
「はい……」
俺は管制室に入って行くと、パソコンの前で電話をしていたり、書類をもって忙しそうにしている。
「先ほど、ネオアンブレラと名乗る人物が宣戦布告をしました」
「そこは先程聞いたよ」
大統領は俺の隣で喋り始める。
「誰なんだ?」
「そこはまだです」
「で?宣戦布告した相手は?」
聞かなくても代々分かる。
「国連と国連に加盟している国が対象だと…………」
やはりというべきだろう。そして俺には宣戦布告した人間の顔を思い浮かべる事が出来る。
「これが犯人の顔です」
そこにいたのは、俺の良く知る兄の顔だった。
「バロク……生きていたか……」
俺は室内にいる、連絡を取り合っている奴らに向けて叫んだ。
「各国首相陣に向けて警戒を出せ。ネオアンブレラの標的はおそらく……軍事基地、および軍事都市だ」
一瞬静止すると、多くが動き出す。
「どうしてそこなのだね?首脳陣を叩くなら首都を襲うべきではないのかね?」
「それは無いな」
俺は断定する。
レオンを含めるその場にいる人間は首をかしげる。
「どうして言い切れる?」
「首都を襲っても無理だと言うのは目に見えている。だとしたら襲うべきなのは軍事都市が可能性が多い。首都を狙うと見せかけて軍事基地に襲撃し、軍事力を停止させる。これが狙いだ」
さらに俺は更に思考のギアをフル回転させてバロクの狙いを考える。
「そして襲撃する内容は、弾道ミサイルによる“Cウイルス”を撒く事。これで効率よくウイルスを撒くことが出来る。これは旧ネオアンブレラのカーラ・ラダメスが実行した方法に似ている」
カーラ・ラダメス、シモンズの部下で裏切られた女性だ。そして彼女は裏切られた上に、復讐として世界を滅ぼそうとした。その過程で、彼女は中国のある都市にウイルス攻撃を仕掛けた。
「少ない戦力で都市を滅ぼそうと思うと、この方法が一番手っ取り早い」
俺は冷静にそう説明すると、首脳陣に連絡を取る。
「まあ、遅いとは思うけど」
俺はコーヒーの飲みながら状況を窺う。そして、パソコンをいじっていた奴の一人が叫んだ。
「代表!」
「なんだ?」
「フランスのある都市に“Cウイルス”搭載ミサイルが……」
やはりというべきだろう。俺の予想は完全に当たった。
「クリスの部隊が近くに向かわせろ!」
俺はそう叫ぶと大統領は俺に頭を下げて部屋から出て行った。
数時間前にネオアンブレラが国連に対して宣戦を布告した。それらに対してBSAAは部隊を編成し、迎撃に入る。
「アベル。準備は良いか?」
目の前にいる人は俺の兄でBSAAの代表を務めている男だ。今回の宣戦布告を受けて真っ先に動いた男だ。
「出来たけど何?」
「クリス率いるアルファー隊がフランスの軍事都市である場所で停滞している。お前の任務はアルファー部隊の接触救出だ」
「クリスなら何とかできるだろう?」
「クリスの所には民間人もいるみたいだからな。それが原因だろう」
軍事都市と言ったら民間人が住んでいる。それが原因だろう。クリスの部隊は民間人を助ける事が出来たが、肝心なところで逃げられずにいる。
「作戦内容は?」
「クリスの接触および救出で、内容は…………」
おいおい、考えてませんは無いよな?
「考えてない」
言い切りやがった。
いい加減な兄貴だと今でも思う。
「いい加減な……」
「まあ、がんばれ」
「兄貴は来ないのか?」
「代表が本部を離れるわけにはいかないだろ?」
「ここは本部じゃないだろ?それにお前がここを離れるなんていつもの事だろ?」
「何のことやら?」
しらを切ろうとする兄に俺は苛立ちを向ける。
「分かったよ」
そう言うと俺は近くのヘリに乗り込んだ。
「いってらっしゃい」
俺は兄貴を睨みつけると、ヘリは離陸した。
ヘリの窓から外の風景を眺める。街中は今まさに火の海状態だった。大きなビルも住宅街も火で包まれている。
「ひどいもんだな」
「中国での一件を思い出しますね」
「ああ、あれもひどかったな」
中国の達芝(ターチィ)も同じような光景だった。俺は当時カーラ・ラダメスとシモンズの跡を追って達芝にたどり着いた。そして、兄貴に言われ行動した。
「見えますか?」
ヘリの操縦者がそう言うと、俺は目的のビルを直視した。
「ああ、あのビルか?」
「はい、あのビルの地下にクリス隊長はいます。しかし、ここからは入る事が出来ません」
そう言うとヘリは目的の場所から大きく移動していしまう。
だいぶ離れただろうか?もう一つの大きめのビルにたどり着くと、ヘリポートについた。
「アベルさん。ここから降りて、訓練施設を通れば目的のビルです」
「分かったここまでありがとう」
「クリス隊長にはポイントΔで待つと伝えてください」
「了解だ」
俺はヘリから降りると、屋上の出口に向かって走り出した。
ビルの中から出ると、俺は真っ先に端末から訓練施設の場所を探し出した。
「全くちゃんとした指示を出してほしいもんだな」
訓練施設は北東にまっすぐ進んだところにあるらしい。
俺は大きな通りを走り出すと、大掛かりなゾンビの群れを発見した。そのゾンビが奥先に一組の親子の姿も。
「仕方ない!」
俺は走りだすとなりふり構わず親子とゾンビの間に入った。ハンドガンを構えると、ゾンビに向けて躊躇なく引き金を引く。しかし、ゾンビの数が思いのほか多い。
「ここから走って離れろ。町の広い場所に行くんだ!」
俺がそう言うと親子は走り出す。視界の端で確認しながら戦っていると、親子は俺の周囲から消えた。
俺がここで戦う理由もないだろう。
「お前達と戦う事が目的じゃないんでな」
俺は手榴弾でゾンビの群れを吹き飛ばすと、訓練施設に向けて走り出す。
訓練施設と言っても、今では兵の一人もいない。兵の殆どが先ほどの攻撃でゾンビ化してしまったからだ。故にこうして俺達が出て来ているのだ。
「兵が訓練していない訓練場というのも、寂しいものだな」
訓練施設はかなりの広さで、入ったばかりだが、さまよいそうな勢いだ。
「訓練施設と言いつつ、なんで建物がこんなに多いんだ?」
建物が8割を占めている訓練施設では、ここからクリス達の元にたどり着こうと思えば、訓練施設の建物内に入らないといけない。これが意外とめんどくさい。
「えっと。中央の大きな建物に入ればいいのか?」
端末で確認をしながら進むが、ここでいきなり躓いてしまう。
「開かないんだけど……」
どうやら鍵がかかっているらしい。
俺は「仕方が無い」と言いつつ、鍵を探す為に周囲の建物に入った。
「ここは?訓練道具をしまう倉庫か?」
ここにはなさそうだな?そう思った所だった。俺の入って来た出入り口が突如しまった。
「ここならゆっくり話せそうだな」
俺の良く知る声だ。俺が最も復讐したい相手の声だ。
「貴様は…………ハンク!!」
俺はナイフを構えると、一気に走って行く。
「落ち着け」
俺の振り下ろしたナイフを片手で受け止めると、俺に近づいてきた。
「お前と話がしたいだけだ」
「俺の方はお前と話したいことはない!」
「俺はあるんだな」
俺の目の前に憎い仇が居る。
「ハンク!!!」
ナッツガンです!
いよいよ“NT”シリーズが完結編に入りました。
今回は主に四人の兄弟の視点で語ろうと思います。
というわけで早速今回はベルトウェイとアベルの視点で語りました。
次回は多分バロクとハンクだと、思います。
次回も見てください!
感想待ってます!