いつの間にか柱になりました。   作:マーブルチョコ

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推しは葵ちゃんです。


一話

「これからは柱として期待してるよ、秋月。」

 

親方様にそう告げられたのは鬼殺隊に入ってから三年たった十七になる誕生日のときだった。悲鳴嶼さんは涙を流しながら、宇髄さんはは派手に手を叩きながら、胡蝶さんからはニコニコと笑いながら迎えてくれた。他の柱の人たちも同様に歓迎してくれてる。そんな中ペコペコと愛想よく笑って頑張りますとか、嬉しいですとか強気になっているが内心は真逆だ。だって柱といえば…

 

「次ノ目的地ハ南西の山ァァァ!!麓ノ村ノ子供ガ神隠シ二アッテイルトノ噂ァァァ!走レ走レェェェ!!夜ハマダマダ長イゾォォォ!!」

「またやらないとダメなの?!もう次の任務で七個目だよね!?少し休憩したらダメなの?!」

「ダメダ!今日ハアト三ツアル!走レ走レェェェ!」

 

鎹烏に頭をつつかれながら渋々走る。そう、柱といえば仕事が多いことで有名なのだから。俺はひっそりと鬼を倒して生きていたかったのに…。

 

鬼殺隊に入るきっかけになったのは親の仇とか一族の思いを果たすためだとかそういうのではない。ましてや才能なんて無かった。藤の花が綺麗な場所に入ってたらそこに鬼がいて必死に逃げていたら何故か選抜試験を突破しており鬼殺隊の入隊が決まっただけだ。

最初はその場で説明して手違いだと説明したかったが、周りの目が気になったのでそのまま入隊した。今となっては宇髄さんや悲鳴嶼さんと酒を飲むときの笑い話になる。

 

とまあ、そんな感じで柱になった俺の一年は壮絶だった。任務を終わらせ呼吸法や技を見様見真似で一人練習。そしてまた任務。それのおかげで暦ノ呼吸が完成した。

 

「秋月ハ良ク頑張ッテルヨ。ホラ、オニギリデモクエヨ」

 

任務を終えて一息ついてると俺の鎹烏、烏丸はそう言うと俺の持ってきた風呂敷を持ってくる。こういうところは気が効くと思いながら中から任務前に作っておいたおにぎりを取り出し、朝日を見ながら食べる。いつどこから見ても変わらない朝日は一日の疲れを癒してくれる。今日は十個任務をこなした。俺頑張ったよね?って視線を烏丸に送るが烏丸は今日の任務の報告をしに親方様の屋敷まで飛んで行っていた。お互い大変だね。

 

しばらくぼーっと朝日を眺めていると、下から子どもの声がする。

 

「お兄さんそんなとこにいると危ないですよー!今はしごか何か持ってくるので待っててくださいね!」

 

どうやら俺が木の上から降りれなくなったと勘違いしたみたいだ。その必要はないのだが少年が走り始めたので急いでおり少年を止める。

 

「心配してくれてありがとう。でも、あの高さからなら落ちても平気だしいつでも降りれたよ」

「いや、でも結構な高さありますよね」

「あるけど大丈夫だよ。それよりこんな人のいないところに何しにきたのかな?」

「それは俺の聞きたい事なんですけど…。それに刀も持っているし」

 

無理に話題を逸らそうとしても澄んだ目でじっと見てくる少年。おまけに刀の事も指摘された。幸いこの近くには俺と少年だけなので鬼殺隊のことを素直に話す。疑う心がないのか少年はすんなりと信じ何故か日頃の感謝を込めてと家に案内された。

 

「わざわざありがとうね、炭治郎くん」

「いえ気にしないでください。今日は薪が売れたのでご馳走しますよ!それに鳴海さんからは少し疲れてる匂いがするので、休んでから仕事に戻ってください」

「そんな匂いする?血とか泥は落としたけど」

「いや、そんな匂いはしないですよ。俺鼻がいいので。人の感情とか性格が匂いでわかるんですよ」

「それは凄いな。炭治郎くんがよかったら鬼殺隊に来ない?」

「すいません、俺は家族を支えるのに必死なので…」

 

申し訳なさそうに笑いながら謝ってくる炭治郎に苦笑いで返す。そりゃあ普通この仕事を知ったら入りたくないよな。失礼だが見た感じ貧しそうだし、そんなことしてる暇もないと思う。なんか申し訳ないことしたな。

 

「家族を守るのは大切なことだから仕方ないよ。それに鬼を狩る人はたくさんいるし、鬼に襲われない方法もある。それの一つとしてこれを肌身離さず持っておくといいよ」

「お守り…ですか?」

「そう、鬼に襲われないためのね。今一個しかないけど夜外に出る事があればそれを持っていくといいよ。まあ夜に出歩かないことが一番だけど」

 

藤の花の入ったお守りを渡すと炭治郎はこんな貴重なものを、と返そうとするがご馳走になるお礼って事で渡しておいた。そんなやりとりをしているといつのまにか炭治郎の家に着き兄妹達の遊びに付き合ったり薪割りを手伝ったりと久しぶりに楽しい一日を過ごした。

 

一日過ごしたせいで柱の皆様にはたっぷりと怒られました。




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