個性故に死ぬ、これはこの世界ではたまにある事だった。
だから、周りも何も言わなかった。不幸だった、それしか言えないのだ。
ここまで言うのにも理由は勿論存在する。
私は、お腹の中の子供を個性の暴走によって殺してしまった。私の個性は、『発熱』しかもこの能力は痛みによるトリガーがないと発動できないものだった。
最初に子どもができた時は、それはもう嬉しかった。
「私たちの元に生まれてきてくれてありがとう…私を母にしてくれてありがとう…あの人を父にしてくれてありがとう…」
本当に心の底から感謝した。
問題はここからだった。私の個性は先程言った『発熱』だ。しかも、痛みがあると発動する個性だ。出産時は痛みが凄いとよく聞く。
私の個性で私達の子どもを殺してしまうんじゃないのかと、義父母に言われる日々が続いた。ただ、孫は無事に生まれるのかと思う心配だったのかもしれない。
義母「あなたの個性で孫を殺したりしないよね?」
義父「お前…麻酔を打って出産しろ」
こう言わてる日々だった。確かに麻酔を打てば痛みを軽減できるのかもしれない。それを医者に相談したら
「痛みは確かに襲います。この個性社会ですから、痛みをトリガーに個性が発動する方を何人も見てきました。ですが、意味がまるで無かったのです。お力になれずにすみません…」
私はこの言葉で本当に息子を殺してしまうんじゃないのかと、思う。
旦那からこういった提案が出た日もある。
「お腹の子供を堕ろさないか?」
どうして?どうしてそういうことを言うの?これは私とあなたの愛の結晶なのに…一緒に頑張って育てようね?これからは、お腹の中の子供と一緒に笑顔で暮らそうね、って言ってくれたじゃない…私は旦那の言葉に息が詰まり、
私は倒れてしまった。その衝撃はとても『 痛い 』個性を発動してしまった…
私達の子供を私のせいで殺してしまった…
私は、周りから哀れな目で見られるようになった。
個性が自分の思いがけない事で発動するのはしょうがないのかもしれない。この世界は、いくつもの理不尽に見舞われている。
私は、子供を殺したストレスと…離婚した元旦那の義父母のせいで実家で引きこもってしまった。どうして、こんな個性を持ってしまったばっかりに…どうして…どうして…
個性があるからこんな悲劇が起こるのだ。私は、個性を批判する。私は、死穢八斎會に所属する事にした。入団する時にどうして、敵になろうと思ったのか聞かれた。
「個性があるから悲しむ人が出てくる。仕方無いで済ますことができないから私が動いて個性を無くしたい。」
この答えで頭領、治崎廻は満足したようだった。
ぶっちゃけ、自殺にしようか悩んだ。
死ぬよりも苦痛な道を彼女に進んでもらう事にしました。
9月18日に訂正箇所を訂正しました。