Troubる   作:eeeeeeeei

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二十六話 噂調査×暴走

ーーーーーー

 

 

「………ここが……さすがに長いこと使われていないだけあって、ボロボロですわね」

 

 暗い廊下の中を、三人の女性がひとつの懐中電灯の光を頼りに恐る恐る歩いている。

 長い黒い髪を額で左右均等に分け、ポニーテールにしている女性、九条凛が、長い金髪をドリルのように巻いている女性であり自らの主人でもある天条院沙姫へと提案をする。

 

「沙姫様…やはり、もう戻りませんか?」

 

「何を言うの凛!」

 

 だが、その提案を沙姫は否定する。

 

「言ったはずですわよ。この学校の女王(クイーン)たる(わたくし)がこの学校で知らない事などあってはならないと…ウワサの真相を確かめるまでは戻りませんわ!!」

 

「でも…」

 

 自称、この彩南高校の女王(クイーン)である天条院沙姫に二言は無い。

 九条凛はなおも止めようとし、もう一人の従者である、丸メガネを掛け、黒髪は腰まで伸ばしているが、前髪は眉毛の上で切り揃えている藤崎綾も同意する。

 

「そうです!沙姫様にもしもの事があったら……」

 

「も…もしもの事って何ですの!!」

 

 

ーーーザザザザザザザ!!

 

 何かが這い寄るような音が床の方からしたかと思うと……

 

「キャアァアァアァア!!?」

 

 悲鳴とともに、三人の姿は廊下から消えた。

 

ーーーーーー

 

 

「おーい、幽霊さんいますかー?」

 

「ラ…ララさん、別に呼ばなくても……」

 

 人の滅多に入ってこない旧校舎を、5人の男女がびくびくとしながら歩いている。先頭を行くデビルーク第一王女だけは全くびくついておらず、堂々と散歩しているように歩いているが。

 なぜこんな事になっているかは、旧校舎にでる幽霊のウワサ話を本当かどうか確かめにきた。という至極学生らしい理由だった。

 

「キャーーーー!!!!」

 

 その中でも最もビクビクとしていた、西蓮寺は足元をネズミが走っただけなのだが、恐怖のあまり叫び声を上げた。

 

 そんな事をしながらも奥へと進み、図書室でリトがセクハラをしつつもヤミと合流した。

 同じクラスである、リト・ララ・ハルナ・リサ・ミオを立ち入り禁止である旧校舎に入っているので注意するために追ってきた古手川も合流した。

 

ーーー

 

 

 そんな少年少女たちの様子を遠巻きに見る者たちがいた。

 

「くそ、まさかここにこんなに地球人が来るなんて……ユウリさん呼びに行ったやつはまだか!?」

 

 ユウリと親交のある、ピンクの肌で三つ目に三本ツノが特徴的な中級悪魔のような見た目をした宇宙人、ベンドットは苛立ったように叫ぶ。

 

「あいつ、昨日落ちてきた床に潰されてボロボロだったからなぁ…」

 

 なんでそんな奴にいかせたんだと思うが、もう遅い。

 

「仕方ない、少し驚かして帰そう。地球人に手を出したら俺たちがユウリさんに皆殺しにされちまう」

 

 自分たちを唯一知る人間である七瀬ユウリに説得して出て行ってもらおうと思ったが、ここまで踏み込まれては自分たちの寝床である地下にすらたどり着きかねないので、いつものようにちょっと怖がらせることにした。

 

 

ーーー

 

 

 

「クソッ!!まずいぞ、透明も、チビたちもばれた!!こうなったら地下に籠城するしか……」

 

 はぐれ宇宙人達は焦っていた。驚かして恐怖を煽り追い出すつもりが、こちらの正体を次々と見破られ、向こうはズンズンとこちらへと進んでくる。

 透明になれるものと、体が小さなものが、それぞれ人体模型や、その辺のものを動かしたり投げたりしてポルターガイストのように振る舞っていたのだが、どちらもバレて逃げ帰ってきていた。

 

「あの、いつも本を読みにくる金髪の子がやばいよ!あれはもはや地球人かどうかも怪しーよー!!」

 

 逃げ帰ってきた透明人間の言葉に、地球人って実は凶暴だったんだと知り焦っている宇宙人たち。

 しかし、一人だけ焦っていないものがいた。

 

「ぐふふふふふ。俺が止めてこよう。殺さなければいいんだろう?」

 

「おぉ!!新入り!任せたぞ!よしっお前らは俺についてこい!地下にバリケードを作るぞ!」

 

 紫色の巨体を揺るがし、タコのような一つ目の宇宙人は殿を務めるべく、まずは凶暴な金髪を止めるために動き出した。

 

 

ーーーーーー

 

 

 旧校舎が見えた。

 隕石の如く、上空から地面へと斜めに落ちるように飛ぶ。

 

 旧校舎は、あの子とコイツらの家。破壊はしたくない。

 

 地面にも粘度の高い結界を生成。落下スピードによる加速エネルギーの方向を無理やり変えて、弾丸のように旧校舎入口から突入、同時に【円】を展開し、全てを把握する。

 

 旧校舎内の一階に、なぜかリトの仲良し一行。地下には天条院たち三人組。そしてリトたちと天条院たちの間にはぐれ宇宙人たちがいる。はぐれ宇宙人たちは地下へ向かっているようだが、あいつらなら天条院にも手を出す事はないだろう。

 

 見た事のない紫色の巨大なタコが、その多くの足で、ヤミとララと古手川となぜかリサミオだけはセットで同じ足で捕らえており、近くでは西蓮寺が壁に持たれて座り込むように気を失っている。

 そんな巨大なタコに、無謀にもリトがフライパンで襲いかかる瞬間だった。

 

ーーーコイツが、原因か……!!

 

 弾丸のようなスピードは落ちてきており、地面を一度蹴りさらに速度を落とす。殺さない程度に、ぶちのめす。

 

「うおおおおっ!!」

「おっっらぁっ!!」

 

 リトのフライパンがペチンと当たり、

 同時に俺の蹴りがズドンとタコに減り込む。

 

「ぐぼおぉぉぉおっ!!!」

 

 旧校舎は壊さない。俺をタコごと結界で囲み、タコは吹き飛ぶこともできず、勢いのついている俺はタコの体内に腹まで埋まり、止まった。

 

「結城くん、すごい……」

「結城、こんなに強かったの?」

 

 俺とは逆側の足に掴まっていた古手川とリサミオのリサは、リトのフライパンの威力かと思い、感嘆の言葉を漏らす。

 緩むタコの手から落ちる五人を粘度を高めた結界でそれぞれ受け止めるべく生成。

 

ーーーぼよんーーー

 

「……ユウリ」

「お兄ちゃん?」

「た、助かったの!?」

「「何これ!?」」

 

 全員無事のようだな。

 この気絶していたはぐれ宇宙人の子も壁際に寝かせる。

 

「おいこら、寝てんじゃねぇ。覚悟は、できてんだろうな?」

 

 そして動かないタコのデカい目の上に手をかけ、下に足を掛けて瞳を無理やり開きながらも脅す。もちろん殺意を込めたオーラで囲みながら。

 だが、返事を聞く前に別の方向から叫び声がする。

 

「な、なんなんですのぉ〜〜〜〜!!?」

「沙姫様早く!」

「キャアァアァア!」

 

 天条院たち三人がこちらへと走ってきており、

 

「ユ、ユウリさん、違うんです!そいつは俺たちの……」

 

 その後ろには、ベンドットたち、見慣れたはぐれ宇宙人たちがこちらへ走ってきている。

 

「さ…西蓮寺!」

 

「う…う〜ん……結城くん…?私…どうして…」

 

 気絶していた西蓮寺が起きたようだ。

 ちょうど西蓮寺の前を天条院たちが通り過ぎ、西蓮寺の前にはベンドット達がいる。

 

「へっ!?」

 

 西蓮寺はリトの腕を掴み、そのままリトを、まるでヌンチャクのように振り回し始めた。それも、

 

「キャーーーーー!!!いやあぁあぁあぁあ!!!来ないで〜〜〜!!!」

 

「ギャァァアアア!!」

「ウワァァアアア!!」

 

 ベンドット達に向けて。

 

 リトを武器として使い、逃げ惑う宇宙人達をなぎ倒す西蓮寺。

 振り回す速度が速すぎて、もはや薄っすらと見えるリト。まるで西蓮寺がリトをドレスとして纏って踊っているかのようにすら見える。

 

ーーーキレイだなーーー

 

 やべ。見惚れてる場合じゃない。遠心力と衝撃で、リトが死ぬ!!

 高速回転しているリトを無理やりに受け止める。

 

「うげっ!!!」

 

 突如遠心力から解放されたリトから呻く声が聞こえたが、大丈夫そうだ。回転が止まったためかリトはそのままフラフラとヤミの胸にダイブしていた。

 リトは置いといて、いまだ暴れそうな西蓮寺の両腕を掴み、顔を覗き込む。

 

「落ち着け!!ーーー大丈夫だから」

 

 少し大きな声と、腕の力を少し強めて焦点の合っていない目をしている西蓮寺を覚醒させる。

 

「あ……あ、私…」

 

「大丈夫だから。落ち着け、ほらリトがヤミに殺されそうだ。介抱してやってくれ」

 

「え、あ、はい!」

 

 はぁ。西蓮寺もようやく落ち着いたか。これで全箇所一旦落ち着いたかな。いや、あの紫のタコ野郎を……!

 

「ユウリさん!すみません!コイツは新入りなんすよ!殺さないで!」

「あ、貴方様は!!お名前を……」

「卒業したのに、なんでお兄ちゃんが学校にいるのー?」

「なんでララちぃのお兄ちゃんが……それに何その格好…?」

 

 また、面倒な……重力加速の方向を変えた時の衝撃でフードが後ろに取れていた。

 

「とりあえず、ベンドットからだ!このタコは仲間か?」

 

 うんうんとはぐれ共全員が頷く。

 勘違いから起きた事か。紛らわしい事するなとタコを小突く。

 

「ラ、ララのお兄さま、ですってぇぇえぇえ!!?」

「そーだよーお兄ちゃんはユウリって名前だよー」

 

「そんな、この聡明で誠実で美しくて…そして優しくて……それが、ララのお兄様………み、認めませんわーーー!!!」

 

「「沙姫さまーーー!」」

 

 後ろで天条院が叫んで、三人で走っていったが…とりあえずほっとく。一個ずつ片付けよう。

 

「こいつらは、宇宙のはぐれもの達だ。居場所がないからここにいる。見なかった事にしてやってくれ」

 

「…なるほど、七瀬くんが宇宙人たちを匿っていたのね」

 

 みんなに向かって行ったのだが、後ろから声がした。

 

「まぁ、そうっすね」

「御門先生!」

 

 なぜかミカド先生が現れ、ララが呼ぶ。そのミカドという名前を聞きベンドット達はドクターミカドだとざわついているが、なに?有名人なの?

 話を聞くと宇宙でもかなり有名な医者らしい。俺を治してくれたのもミカド先生だったし、凄腕だったんだな。

 

「にしても、あなた達、この子たちに手を出してよく無事だったわね」

 

 ララが銀河大戦の覇者の娘という事と、ヤミが金色の闇という事を知り震えている。

 

「まさか、今まで来ていた子が、こ、金色の闇だったなんで……ユウリさん!そんな事を黙ってるなんて人が悪いっすよ!!」

 

「いや、でも今までなにも起きなかったろ?」

 

 その後はワイワイとしたムードになり、ミカド先生がみんなに仕事を紹介してくれるとなってベンドットたちは大喜びしていた。

 

 なんだかそれを見て俺も嬉しかったのだが、なぜか、サイクロくんの様子がおかしい。ワナワナと震えており……

 

 ーーーっ!まずい!!

 

「グゥオ……アァァ…アァアアア!!!」

 

「な、なに!?」

「キャア!?」

「おい、いったいどうしたってんだよセドカン!?」

 

「ーーちっ!」

 

 小さな結界をいくつか生成し、サイズを大きくする事で、叫びだしたサイクロくんことセドカンから全員を押し出し距離を取らせる。

 

 即座に部屋ほどのサイズの結界を何重にも生成し、外からは中が見えなくした。

 その部屋のような結界の内側には俺、ベンドット、ミカド先生と、セドカンだけがいる。

 

ーーバァン!!!

 

 地面に力一杯両腕を打ち付ける。地面は今結界なので貫くことはできなかったようだが、打ち付けた自身の腕は、ところどころ骨が飛び出しており血も吹き出していた。明らかに重傷だ。

 

 仕方がないのでセドカンを結界で囲い、身動きが取れないほどの大きさに縮めていき動けないようにした。

 

「グ、クググガ、」

 

「おい、いったいどーしちまったんだよ!?セドカン!?」

 

 ミカド先生は顎に手を当てて考えているようだ。

 

「……先生、治せますか?」

 

「…無理、ね。もっと早ければどうにかなった可能性はあったでしょうけど……おそらく寄生している種のようなものが脳幹に根を張っている…外せば死ぬしかない…」

 

「そうですか」

 

 コイツは、運良く逃げれたんじゃなかった。埋めて置いて、わざと逃したのか……

 

 全てを理解したのか、ベンドットが泣きながらお願いをしてきた。

 

「…ユウリさん、治らないなら、もう楽にしてやってください……こいつの一族も、黒蟒楼(こくぼうろう)に、入ろうとするくらい元々は凶悪なタイプの種族ですから…気には、せんで……いいですから…」

 

「……お前も俺の結界で滅してやる。そして、同じ場所にお前の一族の仇も送り込んでやる。だから、まずは腕直して、爪研いで待ってろ………」

 

 彼を囲っていた結界に触れる…そして、

 結界を絶界へと変えて、塵ひとつ残さずこの世から消し去った。

 

 今までは、どうでもいいやつばかり殺してきた。

 ムカつくクソばかり殺してきた。

 

 こんな、殺りたくもないのに誰かを殺すのは、初めてだ……

 

ーーーゾクッーーー

 

「七瀬くん…」「ユウリさん…」

 

「大丈夫。さっき言ったのは嘘じゃない。黒蟒楼の奴らは俺が消してやる」

 

 クソが、胸糞悪い事させやがって……

 

 

ーーーーーー

 

 

「……お兄ちゃん…」

 

 どうなったんだろう……?

 

「………」

 

 ヤミちゃんは、青い壁を睨むように見ている。中で何が起きてるのか、わかってるのかな……?

 

「しっかし、さっきの格好といい、この訳わかんない壁といい、結城のお兄ちゃんも宇宙人なの?」

 

「いや、ユウ兄は…」

 

よかったですね…皆さんお仕事が見つかって…

 

「え?」

 

 今のは、誰の声だろう?

 リサがリトと話しているのは聞いていたけど、急に聞いたことのない声がした。

 

 声のした方を向くと、なんだかぼやけてて見えないなー?

 

これで、私も静かに過ごすことができます。どうもありがとう。

 

 綺麗な着物を着た女の子がいる!周りに浮いてる火みたいなのはなんだろ?

 あれ?みんな、どうしてボーとしてるんだろう?

 

あ、申し遅れました。私、400年前にこの地で死んだお静といいます♪

 

 

「ギャ〜〜〜

 ホントに出た〜〜〜!!

 うわぁあぁ〜〜〜!!!」

 

 みんな、走ってどこかへ行っちゃった。

 でも、なんだか透けてるし、不思議な子だなぁー。

 

あれ…皆さんなんで…?ユウリさんのお友達なんですよね…?

 

「あれ?お兄ちゃんの事わかるのー?」

「なぜ、ユウリの事を?」

 

え、ユウリさんは、私の唯一のお友達ですから

 

「えー!お兄ちゃんの友達なら、私も友達だよー宜しくね!お静ちゃん!」

 

ーーーパァンーーー

 

 お静ちゃんと友達になったところで、突如青い壁が消えて、中にいたはずの、さっき変な声を出していた大きな宇宙人の人がいなくなっていた。

 御門先生と、ピンク色の宇宙人の人と、怖い顔をしたお兄ちゃんだけ…

 

「……ユウリ」

 

あ、ユウリさん!妹さんもユウリさんに似てすごく可愛らしい方ですね!

 

「………おぉ。静ちゃん。ーーーいや、顔から髪から全部似てないだろ。ちなみに、義弟の方には会ったか?」

 

 良かった。怖いお兄ちゃんからいつものお兄ちゃんに戻ったみたい。

 ホントに、なにがあったんだろう…

 

おとうとさん、ですか?いえ、お会いしてないと思いますけど……あのいなくなられた方の一人ですかね?

 

「ん、確かに、みんないない。そうか、みんなお静ちゃんにビックリしちゃったんだな……まぁ、あいつがいると周りはうるせーけど楽しいから、静かに飽きたらリトんとこ行ってみなよ」

 

 そのままお静ちゃんと宇宙人さんにばいばいして、どこかへ行っちゃったみんなのところに戻ろうとしたんだけど…

 

「…ユウリ、中でなにが…」

 

「また、夜話すよ」

 

 ヤミちゃんが聞いてるのに、お兄ちゃんは途中で遮ってしまった。

 

「仕事の報告に行ってくる……じゃあな」

 

 そう言って、行っちゃった。

 ヤミちゃんは唇を噛み締めて俯いていた。

 とても、悲しそうに見えた。

 

「ヤミちゃん、お兄ちゃんも夜話してくれるって言ってたから、そんなに悲しそうにしなくても大丈夫だよ」

 

「……私の、今のこの気持ちは、本当の家族なら生まれないものですか…?」

 

 本当の家族、偽物の家族、そんなものは無いよ。

 私はお兄ちゃんの事を本当の家族のように思ってる。

 

「うんん。そんな事ないよ。でも、お兄ちゃん、全部自分でやろうとするところあるからなー。よしっ!ヤミちゃんのためにも今度私の発明で…」

 

「金色の闇さん、デビルークの王女様!!」

 

 もともとここに住み着いてたって言う宇宙人の人が、土下座をしてる……しかも、三つの目全てから涙を流しながら……

 

「ユウリさんを、助けてやってください!!」

 

 そう言って、中で何があったか、お兄ちゃんの目的も全部教えてくれた。でも、中であった事以外はほとんど知ってたけど、目的の、地球人のような宇宙人って言うのが、わからなかった。

 パパに、聞いてみようかな…?

 何か私も、お兄ちゃんの助けになれたらいいな。

 

「勝手に話して、呆れた人ね。まぁいいわ。さ、みんなも昼休みも終わりよ。教室に戻りなさい」

 

 御門先生に言われて、私は教室に、居なくなったみんなのところへと戻った。

 

 

ーーーーーー

 

 

「その前に、なによ?」

 

「近くにいる種を地球で暴れさせる」

 

「へぇー。そんな遠隔で動かす事できんだ?」

 

「距離があると撒いてる種から種へと伝達させる命令になる。単純な事しかできんがな」

 

「ふーん。ま、暴れろでも壊せでもいーしね」

 

「そうだ。……あと、お前の言う面白い奴の情報が欲しい。黄透にはわざと少ししか話さなかったな?」

 

「ははは。別に全部話したつもりだけどなー。まぁ今どんなことできるかまでは知らねーけどね……でも、取るなよ」

 

「いいから、話せ」

 

「はいはい。身体エネルギーを体に纏わりつかせてて、それを武器化できるってくらいだよ。棍と、刀みたいなん。あとは、そのエネルギーのおかげで貧弱な星人の中ではだけど、かなり硬いってくらいだよ」

 

「……本当だろうな?」

 

「俺が、嘘ついたことあった?」

 

「………」

 

 

ーーー

 

 

 よーやく行ったか。

 ま、信じてないわな。

 とはいえ、本当のことなんて言うわけないだろ。

 

 身体エネルギーじゃなくて生命エネルギーだもんな、言ったら欲しがるに決まってる。

 手に負えない俺より、手に負えるやつのが楽だもんな。

 

 でもな、俺のおもちゃなんだから、遊ぶのも、壊すのも俺だけなんだよ。

 

 

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