ーーーーーー
「……」
何が、起きたのかわからない。理解できなかった。
今、目の前にいるのは、一瞬しか見えなかったが、上半身をほとんど露わにしていたモモ。
の顔しか見えない。
顔すらも、全体は見えない。
視界に入るのはモモの閉じられた目蓋と少し癖のある前髪。
そこで、お互いの唇が触れ合っている事に初めて気づく。
ミカンとの、事故のような一瞬ではない、キス…
「んっ…」
「ふあ…っ」
唇が、離れた。
気持ちいいという感覚。
モモを好きだという感覚。
このまま、モモの全てを奪ってやりたい衝動。
いろんなモノが脳内を駆け巡る。
「………」
「私のはじめて、奪われちゃいましたね♡」
「……はじめてって、どこまでの事で…?」
自分の様子を確認するも、下着はまだ履いている。上は、シャツがはだけてほぼ上裸。モモも、俺と似たような状態。
最後まで…は無いよな?俺自体経験が無いのに、無意識で喪失してたりしないよな…?
「うふふ…どこまででしょう♡」
「キス、まで……?」
笑顔でそう言うモモだけど、俺が唇に指を添わして答えてると、モモの顔は、いつもより赤いような…
意識を無理やり覚醒させようと頑張っているが、頭は一向に働いてはくれない。
「あの、モモ…」
「…わかってますよ。ユウリさんの心の中に、まだ答えが出てない事。でも、曖昧なままは嫌なので、やっぱり私の気持ちも知って欲しくて…。
いろいろ考えたんですよ。ユウリさんにデビルークの後継者になってもらって、
「ハーレムって…」
「でも、私は一番が良いんです。ユウリさんには、私を一番好きになってもらいたいです。だから、キスは…思わずしてしまいました♬」
「…モモ」
いつもの微笑みではなくて、歯を出してニッと笑う。いつもと違う可愛い笑顔にドキリとさせられた。
── ドタドタドタドタ
「兄上〜!朝食の準備がで……きた……」
「あらナナ、おはよう♬」
部屋の扉が開き、ナナが入ってくる。
半裸のモモが半裸の俺に跨っている状態をたっぷり凝視した後…
「朝からモモと何やってんだーーーっ!!」
「ちょっと、一回説明させてくんない?ってか、モモから説明してくんない!?」
モモを俺から引っ剥がし、モモの代わりに俺に馬乗りになるナナ、俺の脱げかけたシャツの襟を掴み叫ぶがモモの時よりも位置が低い、そこは…
「なんだよ兄上、あれ、お尻になんか硬いモノが……
○%$€〆!?!?」
「まぁお兄様ったら♡」
「ナナさん、これはですね、男の生理現象というやつで……」
「あ、兄上の、ケダモノ〜〜〜ッ!!!」
──ガシャン!!──
ナナにぶん投げられて、窓を割り外へと吹き飛ばされる。
──こう言うのは、リトの役目のはずだろ……
でも、モモ可愛かったな。
少し頭を冷やして冷静になろうと、吹き飛ばされるままに海へと頭から飛び込んだ。
ーーーーーー
「まさか兄上がリトと同じでケダモノだったなんて…」
朝食会場にて、朝のプリンセス・モモとユウリとの一件を全員に周知させていたプリンセス・ナナ。
「ユウリさんが、まさか…」
「モモ、あんまりイタズラしちゃダメだよーっ!」
「あらお姉様、私はイタズラのつもりなんてないですよ」
プリンセス・モモはこの反応。
おそらくではあるが、たまに感じるユウリの部屋からの気配は、まさか…?
「ユウリ様が戻られないのはララの妹のせいですの!?それに先程の話も、嘘に決まっておりますわ!私と言うものがありながら、そんな筈がありません!!」
「七瀬さんまで、結城くんに毒されていたなんて…」
「…俺に毒されるってなんだよ」
「あははっ。おにーさん、綺麗なおねーさんともヤミちゃんともイチャついてたし、不思議じゃないけどねー♬」
「ちょっとリサ!」
「…私が、ですか?」
西蓮寺春菜の友人である籾岡里紗はそう言うが、私にはそんな事…身に覚えが無い。
「ちょ…あれは違うんですって!」
なぜか焦るミカン。
どうやら私とカラダが入れ替わっている時の話らしい。
プリンセス・ナナの話を聞いてから、なんだか心がモヤモヤとする。
こんな感情は初めてだ。
原因は、たぶん……
「あっ。ユウ兄はそのまま仕事に行くって」
結城リトが地球の携帯端末を片手に呟くと、たしか、猿山…だったかと籾岡里紗と沢田未央は逃げたなと騒いでいた。
ーーーーーー
「………子供ですか、貴方は…」
「いや、なんて言ったら、どう答えたら良いかもわかんないんすよ」
呆れたように、あからさまにやれやれと言った感じを全面に出す、加賀見さん。誰が見ても綺麗で淑やかな見た目とのギャップもあり、自分がとことんクズなのだと思わされるような気さえ感じる…
「七瀬さん、良いですか。女性というものはですね────」
なんでこんな事になったか振り返る。
朝のモモとの一件から、結局どんな顔してみんなの元へと帰ろうか悩んだ末に、逃げるように事務所へと来た俺は、俺の事を覗き見ていた加賀見さんに早々に捕まり説教を受けている。
恋愛年齢5歳児などとさんざんな事を言われるも、耐え忍び、大人な女性の話を真面目に聞いていた。
「──というわけで、貴方が今思っている事をきちんと伝えてあげてください」
「あのですね、それがわからないわけでして…」
「好きなのでしょう?それでいいじゃないですか。神界でも一夫多妻は当たり前ですし、何が問題なのですか?」
「いや、それをこの国に当てはめますと…」
「あなたは異世界からの来訪者ですし、お相手二人は宇宙人、義妹さんだけがこの国の方ですが、そこまで問題ではないでしょう」
「えー……どうなんでしょうね…?」
ミンメイさんの恋愛講座。結局、好きならモノにしろとの事…
加賀見さんの人格はそれぞれが意志を持ち、レンとルンのように一つの体に同居している。表に出てくる人格だが、実はヘスティアが出てくることの方が稀で、基本わりと自由に変わっているらしい。よく話すのは数人だが。
今話している、髪の毛に宿るミンメイさんは松戸さんの元メイドで恋愛好きなザ・女の子な人間の女性。
鼻に宿るレイカさんは元々リイサさんの親友だそうで、松戸さんの元で働いていたそう。大人な女性なのだがからかい癖があるのがたまに傷。
大概表に出ているのはミンメイさんかレイカさんだけど、元々メイドだし、掃除したり買い物やらコーヒーを入れてくれたりと言った事務的な事をする事も関係しているんだと思う。
血液に宿る真弓さんは宇宙人だが、種族で言うとまだまだ少女らしい。幼いままにこの状態となったためかずっと少女の感覚のままだそうだ。
耳の沙世子さんと左足のヒロミさんは人間だが無口なので業務的な会話しかしない。
親指に宿るモモゼさんともたまに話していたのだが、ある時を境にまったく出てこなくなったので、恐らくは……
あとは腎臓に宿るメグさんは宇宙人でそもそも言葉を話せないし、その他の人はベスさん含め悪魔なので表に出る事は滅多にない。
リイサさんだけは、おそらくだけど俺の前に出てきた事は一度もない。
この人たちとの付き合いも思えば一年以上経つんだなと思っていると、おそらくレイカさんに変わったか?
「とにかく、大事にしてあげてください。彼女たち自身も、その思いも、ね」
「そっすね。ま、自分の気持ちを伝えますよ」
「それがいいと思いますよ」
ーーー
「…ユウリ」
「あ、帰ってたのか。ただいまヤミ」
ユウリが帰ってきたようだ。
ユウリは仕事道具など特にないので、買ってきたであろう夕食の材料を持ってキッチンへと向かっていく。
私はこのモヤモヤをはやく消したいので、原因であろうユウリに聞いてみる事にした。
「…あなたは、プリンセス・モモと添い遂げるのですか?」
「──なっ、んだいきなり!?」
話すタイミングを間違えたようで、ユウリは飲んでいたお茶を吹き出しそうになっていたけど、気にせず続ける。
「…ユウリが帰ったあと、そんな話になっていましたので」
「──正直、わかんない」
「………」
「ヤミはさ、こうして生活してて家族ってのは、わかってきたか?」
ユウリは夕食を作ろうとしていた手を止めて、お湯を沸かし始めていた。
「…私は、まだよくわかりません。でも、ユウリとの生活は、心地よいですよ」
「そうか。俺もなんとなくわかり始めた気がするよ。ヤミとの生活を経て、いろんな気持ちと感情が芽生えた気がする」
「…あたたかい気持ちですか?」
「そうだなーあったかい感じするな。誰かといるのって。孤独な時は、ツライとか哀しいとか思った事なんかなかったけど、これを知っちゃうとな」
孤独じゃない。それはわかる。私も一人でいた。それが哀しいなんて、思ったこともなかった。でも今は…
「…そう、ですね」
「じゃあ、恋だの愛だのって、わかるか?」
コーヒーを持って、リビングのダイニングテーブルに座る私の向かい側へと座るユウリ。
私の方にもそっとマグカップを置いてくれている。
「…よく、わかりません…」
「── 俺さ、モモの事は好きだし、今朝二人でいたのもホント。まぁ、気付いたら俺のベッドの中にモモがいたんだけど」
やっぱり、ユウリはプリンセス・モモが好きらしい…
心のどこかに穴が空いたような、喪失感を感じた。
「……そうです…か」
言葉に詰まる。
私は今、どんな顔をしてるんだろうか。
「でもさ、俺はヤミも好きなんだ」
────── この男は……
いつも私を落として上げる。なんだというのだ。
「ちょ、
無意識に
ひとまず続きを促し、刃を納める。
「ふぅ。でも、好きなのはホントだよ。恋愛ってのが俺にもよくわからなくて、でも、ヤミの事も、モモの事も…… ミカンの事も好き。これって変なんだろうかと思ってて」
「結城リトのような事を言いますね」
「だろ?自分でもそう思うよ。ある人には、好きなら全部自分のモノにしろって言われたし、俺も似たような事言ってたんだけど……自分の事となると、俺はそれで良いのかも、相手はそれで良いのかも、その後どうしたいのかもわかんなくてな」
そう言って頬を掻くユウリ。
こうして暮らすようになってわかる、自分の言葉に自信の無い時、自身に罪悪感を感じている時、大抵ユウリは頬を掻く。今のは、どちらものようだ。
「なら、わかったらで、良いんじゃないですか?…私も、わかりませんから」
「そうか、そうだよな。ありがとな」
「…いえ、私も、あなたを独占したい…と言う気はありません。この生活を、もう少し続けたいとは思いますが」
なぜ、私はこんな事を…
ユウリといると、何故か心の声が出てしまう…
「──俺も、今の生活を続けたいよ。そんな優しいヤミちゃんがダイスキだからな」
「調子にのらないでください…!」
「あぶなっ!我が家で
今度は明確に意識して
カウンター越しに眺める、私を好きだというこの男。その言葉を聞いた時、確かに私の心は波打った。
たぶん、私も……
先程まで感じていた喪失感は、既に無くなっていた。
ーーーーーー
「ゆ、結城さん!オ…オレと!付き合ってください!!」
「あ〜〜〜…えっと…ゴメンなさい。私、好きな人がいるから…」
「そ、そんなーーーっ!」
泣きそうな顔になる、えーと、誰だったっけ?
男の人の泣き顔。同級生だったりがワンワン泣いているのは見た事がある。目の前の男の子みたいに、うるうる泣いてるのも。
「すげーーー!」
「C組の大好くんまで撃沈!」
だけど、静かに涙を流してたあの顔が、忘れられない。
哀しいんじゃなくて、嬉しくて流す涙。
すごく特殊な状況で育ち、今この街にいるユウリさんは、誰よりも人になりたい人だったから。
認められた事が嬉しかったんだと思う。
「ねーねー美柑ちゃんの好きな人って誰なのー?」
友達の、マミの声で我に帰る。
「え?ごめん、なんだったっけ?」
「マミ、美柑の好きな人はお兄ちゃんに決まってるでしょ!」
「は!?なんでそうなるのよっ!」
「でも、美柑ちゃんがよく話してくれるお兄ちゃん会ってみたいなぁ」
サチもマミも、お兄ちゃんに合わせて欲しいとよく言ってくるけど、
リトは……何か起きそうで不安だから、会わせたくない。
ユウリさんだとしても、なんとなく、会わせたくない。
最近は、仕事も増えてるそうだから、余計な気はつかわせたくないし……
ないとは思うけど、この間のビーチでの一件もある。
ユウリさんに想いを寄せていそうな女性が増えていた。
─── 特に、モモさんは要注意だ。
やっぱり、会わせたくないな。
「んー今日は、ちょっと用事が……」
「またまた〜いつもそうやってはぐらかすんだから…」
「そりゃーイケメンで背が高くて頭が良くて優しいお兄ちゃんを一人じめしたいのはわかるけどさァ」
サチの中でリトがかなり美化されてる…
その後何を言ってもシツコクくらいついてくるし、今日はなかなか折れないな……
どうやって煙に巻こうかと考えていると、通りの奥から叫び声が聞こえてきた。
「まうまうーーーっ!!」
「うわぁぁーーーっ!くるなぁーーーっ!」
あれ、この声は……まさか…
「結城くーん♡好き好きーーーッ!!」
「待てーーーッ!!」
「お待ちになってーーー♡」
リトが、男女問わず大勢の人に追いかけられている。
セリーヌを抱えて走ってるから、また花粉の被害がでてるのかな…
いずれにせよ、いつも通り、タイミングは最悪。
「え、結城…って、もしかして今のが美柑のお兄ちゃん?」
「あ、はは…美柑ちゃんよりも、モテモテだね……」
状況が状況なだけに変な感じになってしまった。
「いや…あれはたぶん違くて…」
「うひょーーーっ!!!」
「「キャーーーッ!!」」
次から次へと……
この街はいったいどうなってるんだと思ったけど、そういえば神様が好きなくらいに騒がしい土地なんだったと思い出す。
「み、美柑!早く逃げなきゃ…」
普段だったら、自分も走って逃げているんだろう。
でも……今の私は安心していた。
あの神様の寝床の、繋ぐ者として、連れて行かれた時から、ユウリさんが近くにいたら、わかる。繋がりを、感じるから。
「先日の逸材&新たな逸材!!やはりこれは運命の赤い…」
「いい加減、自重してくださいよ。小学生にはトラウマもんっすよ」
ほら。
空から舞い降りて来たユウリさん。
変質者であるリトの高校の校長の首に、後ろから手刀を振り下ろし意識を狩り取ると同時に着地した、もう一人の兄。
「ん?ミカンの友達?今後このおっさん見たら一目散に逃げなよ。──ほら、立てる?怪我してないか?」
逃げようとしてこけてしまったサチの手をとり、起こしながら言うユウリさん。
こんなベタな展開で……サチ、顔赤いんだけど…
「だ、大丈夫です…あ、ありがとうございます…」
「え、?美柑ちゃんの、お兄ちゃん?あれ?」
「…七瀬さん。急に女性に荷物を持たせて置いていくのはどうかと思いますよ?」
「いや、加賀見さんも理由はわかってんでしょ…」
綺麗な女性。
この人が、西蓮寺さんや籾岡さんの言ってたユウリさんの職場の人、加賀見さん……
想像よりずっと綺麗で、胸も大きい……
私だって、大人になったら…
「ミカン?」
「噂通りの可愛らしい妹さんですね。七瀬さんが良く話してくれますよ」
え…職場で私の話を…?
どんな事、話してるんだろう…
それに、この人からもオーラが…
でも、ユウリさんと同じで宇宙人退治とかをしているなら、普通…なのかな?
「あ、すみません。ユウリさん、ありがとうございました。お仕事、頑張ってくださいね」
「ん。ありがとな。ミカンも気をつけて帰れよ。お友達も、ミカンを宜しくな」
「それでは、失礼しますね──」
ユウリさんは手を振って振り返り歩き出した。
ユウリさんに聞こえないようにか、加賀見さんが私のそばまできてボソリと呟く。
「──七瀬さんも美柑さんが好きだと思いますよ?」
「え…!?ちょっ、なんですかっ!?」
「ふふふ。頑張ってくださいね」
とても綺麗な笑顔で、優雅に去っていく。
ウェーブがかった長い黒髪は風に靡いて、その美貌と相まって妖艶さも醸し出していた。
……同性であっても、思わず魅了されてしまう程に。
私も、大人になったらあんな感じに……
「美柑ちゃん!お兄ちゃんと、彼女さん…?二人ともすっごいカッコ良かったねっ!」
「義理の、お兄ちゃん……というか、色々あって少し前まで一緒に住んでた人と、その職場の人だよ」
「義理の?という事は…昔から言ってる美柑の好きな、お兄ちゃんって?」
「……うん」
思わずうなづいてしまったから、この友達二人には質問責めにあってしまった。私とした事が…
ユウリさんも、私の事が好き…
家族として、妹として好きでいてくれてる事は知ってるけど、
今の加賀見さんの言い方は、女性としてって意味だよね…?
ユウリさんと加賀見さんは籾岡さんが言うような関係じゃあ本当に無いだろうし…会社でも私の話してるんだ。
モモさんにも、ヤミさんにも負けたく無い…曖昧なユウリさんに、少しだけ、詰め寄ってみようかな。
ーーーーーー
校長に制裁を加え、ヤミとの夕食を終えた後、俺はララのラボ、という名のデビルーク三姉妹の住居へと訪れていた。
「あ、兄上、こんな時間に…まさか、モモのところへ来たのか…?」
「ばっか。モモとの事はナナの勘違いだっての。ララと話したい事があってきたんだけど、ララは部屋か?」
「姉上は部屋にいると思うけど……変なことしないよな!?」
「少なくとも、ナナの思ってるような事をする気はねーよ。そんなに信頼ないか?」
「んー…わかった。兄上を信じるよ。リトと違って、まだ一度だしな。」
「なんだそれ。まぁ、信じてもらえて光栄だよ」
門番のようにナナに止められたが、どうやら信じてもらえたようでララの部屋へと向かう。
日頃の行いは大事という事を痛感しながら、ララの部屋の扉をノックしながら声をかけた。
「ララー、入るぞー?」
「あ!お兄ちゃん!」
「よぉ。催促しにきたわけじゃ無いんだけど、頼んでたやつって、出来たかなって」
「うん。出来たよーっ!でも、この街以外のプログラミングは全然だけど、それでもいいんだよね?」
「おぅ。地形と色がだいたい合ってれば十分だよ。ありがとな」
「でも、ここで何するの?またゲームでもするの?」
「んー、一回入ってみて良い?」
「良いよーっ!お兄ちゃんと二人って、なんだか久しぶりだねっ♬」
「ふふっ。確かにそーかもな。じゃ、行こうか」
ララに頼んでいたものはできていたようで、確認がてら、中を見る事にした。
ーーーーーー
金髪の男性が部屋へ入ると、すぐに跪き、口を開く。
「お呼びでしょうか、白様」
「あぁ。第一次地球襲撃を任せたいのだが、まずは地球の星神、異界への出入り口を探ってほしい」
「解りました…」
「何人か、連れていっても構わん」
「は、必ずや白様のご期待に添いましょう」
金髪の男性は白へと跪いていたのだが、立ち上がり、背をむけて、部屋から出て行った。
ーーー
「これはこれは…私に何か御用でしょうか?」
「あなたも、ボクと手を組みまセンカ?」
「…御冗談を」
「ボクは支配に興味はありません。あらゆる知識が欲しいだけデスヨ。あなたが協力してくれるのなら、星神の居場所をお伝えしまケド?」
「……」
── そうして、金髪の男性は、何人かを従えて黒い城から、地球へと向かって飛び出した。