遊戯王GXの世界を拾ったカードで戦い抜く!   作:kajoker

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久しぶりの投稿です。

小説を書くのは久しぶりなので、どこかおかしな所があるかもしれませんが楽しんで頂ければ幸いです。

それでは本編をどうぞ!




オベリスクブルーの洗礼

「ついに来たぜ!デュエルアカデミア!」

 

船に揺られて、ついにやってきたデュエルアカデミア。

 

俺はラーイエローの制服を身に纏い、少しばかりテンションを上げて大声で叫んだ。

 

いやはや、自分でも驚くほどにテンションが高いな、まったく。

 

そうこうしていると、俺と同じく船でやってきた生徒達やヘリでやってきた生徒達が続々とやってくる。

 

それを見ながら、さきほど強化したデッキを確認する。

 

一応、デュエルアカデミアに来るまでの期間にカードを何枚か拾えたから船内で少々デッキを強化しておいた。

 

ちなみに、今回拾えたカードはこんな感じだ。

 

モンスターカード×8

 

 

風霊使いウィン×1

 

憑依装着ウィン×1

 

マンモスの墓場×2

 

砦を守る翼竜×2

 

ルイーズ×1

 

聖杯を戴く巫女×1

 

 

魔法カード×5

 

 

魔法効果の矢×1

 

スターブラスト×1

 

下剋上の首飾り×1

 

城壁壊しの大槍×1

 

折れ竹光×1

 

 

 

罠カード×2

 

砂塵の大嵐×1

 

ホーリーエルフの祝福×1

 

 

本来、俺がカードを拾えるのは3日に1度だけで、拾える枚数は最大5枚まで、ただ一番最初は40枚デッキを組むまで拾えたから試験にはなんとか間に合った。

 

どうやら、俺に与えられたカードを拾う能力はタッグフォースのゲームと似たようなもので、シンクロやエクシーズ、ペンデュラムやリンクといった未来の召喚法以外のカードをランダムに拾える能力のようだ。

 

何でそんなこと知ってるかって?紙にご丁寧に書いてあったんだよ…本当、一体誰が何の為にこんなことを…

 

「君は確か、ブラック・マジシャンを使って試験官に勝った受験生…」

 

そう声を掛けてきたのは、俺と同じラーイエローの制服を身に纏っている男子生徒、三沢大地だった。

 

「そうだけど…ちなみに、俺の名前は紡軌希望。君は確か、受験番号1番の…」

 

「三沢大地だ、よろしく。君もラーイエローなんだな…まぁ、君の実力なら当然か」

 

「いやいや、あれは運が良かっただけだよ…」

 

実際、あの時勝てたのは、ほとんど運によるものが大きい…運良く勝ち筋の1つを引き込めていなかったらどうなっていたか…まぁ、デッキを編成したから、あの時よりは上手く戦えるはずだ。

 

「まぁ、それはさておき、あのクロノスっていう実技担当の先生に勝った受験生がいたよな、HEROデッキ使いの…あの人のデュエルには心が踊ったよ…確か、名前は…」

 

そんな風に三沢と遊戯王GXの主人公である遊城十代の話をしようとすると、元気な声を上げながら本人がやってきた。

 

おぉー!マジで十代だ!なんか本人を間近にすると本当に遊戯王GXの世界にやってきたんだと実感するな…!

 

「あれ?こっちの奴とは初めて会うな…誰だ?」

 

「あぁ、彼が昨日言っていたブラック・マジシャン使いの受験生だよ」

 

「アレは本当にテンションが上がったッス…!まさか、ブラック・マジシャンが戦う姿をこの目で見られるなんて…」

 

「おぉ!お前がそうだったのか!俺も見たかったなぁ〜…そうだ!今からデュエルしようぜ!見せてくれよ!ブラック・マジシャン!」

 

「えっ…!?いや、その…」

 

どうやら、俺が感激している間に話が進んでいたらしい…どゆこと?何故にデュエルすることに…?

 

「アニキ、自己紹介もせずに失礼だよ…この人も困ってるッスよ」

 

「それもそうか。悪い…えっと俺、遊城十代!よろしくな!…んで、こっちが…」

 

「僕は、丸藤翔!よろしくね!」

 

「俺は紡軌希望、よろしく!」

 

そうして、2人と握手を交わし、雑談しながら島の中心へと歩を進めた。

 

///////////////

 

「どうすりゃ良いんだ…まさか、この年で迷子になってしまうとは…」

 

鮫島校長の話をデッキ編成を考えながらスルーし、その話が終わった後、寮にある自分の部屋へ荷物を置いていき、校舎内を見て回ることにしたのだが……気づけば自分がどこにいるかわからない状態、要するに迷子になってしまった。

 

「いや、本当にどうしよう…」

 

そんな風に途方に暮れていると、オベリスクブルーの制服を着た見覚えのある金髪の女性が目に入る。

 

あの人、天上院明日香さんだよな…アニメで何度も見た…というか、めっちゃキレイな人だな。

 

…って、見惚れてる場合じゃなかった!……よし!声を掛けてみよう!このままじゃ、無事に寮に帰れる気がしないし。

 

「あの、すみません…ちょっと良いですか?」

 

「はい…?って、あなた、ブラック・マジシャンを使ってた受験生…!」

 

「えっと、俺は紡軌希望…君は?」

 

「ごめんなさい。まずは自己紹介よね…私は天上院明日香。明日香で良いわ」

 

「じゃあ、明日香さんで…俺のことは希望で良いよ」

 

「わかったわ。よろしくね、希望。ところで何か私に用があったの?声を掛けてくれたみたいだけど」

 

「いや、実は…恥ずかしながら迷子になってしまって…できれば、明日香さんに道案内してもらえないかと…このままじゃ、永遠に抜け出せる気がしなくて」

 

あははと苦笑しながら、明日香さんにそう告げる。

 

いきなりこんなことを頼むのは申し訳ないが、無事に帰れるのか不安すぎるからな…ここは明日香さんを頼るしかない。

 

「あなた、迷子だったの?」

 

「あちこち回っている内に道がわからなくなって…自分でもこの年で迷子になるとは思ってなかった…」

 

「そうだったのね…わかったわ。案内してあげる」

 

「ありがとう!本当に助かる!」

 

感極まって、思わず明日香さんの手を握る。

 

マジで明日香さんに会えて良かった!さすがに永遠に出られないってことはないだろうけど、長い時間彷徨うことになったのは間違いないだろうからな…本当に感謝以外の言葉が見当たらないぜ。

 

「ちょ、ちょっと!?どうしたの?」

 

「ご、ごめん!」

 

そう言いつつ、慌てて明日香さんと距離を取る。

 

「構わないわよ……それにしても、よほど不安だったのね」

 

「いやはや、本当に申し訳ない…それじゃあ――「何だよ!お前達!」――なんだ?騒がしいな」

 

「誰かが言い争ってる?…行ってみましょう!」

 

「あぁ!」

 

――――――

 

――――

 

――

 

言い争う声がする方へと向かうと、そこには十代と翔、そして、オベリスクブルーの生徒が3人居るのが目に入った。

 

「あなた達!何してるの!?」

 

「その通りだよ…何やってんだ?トラブルにでも巻き込まれたのか?十代、翔」

 

「貴様は…試験の時にブラック・マジシャンを使っていた51番!…何故、天上院君と一緒に…?」

 

そう反応したのはオベリスクブルーの生徒の1人、ツンツンヘアーが特徴的な、皆大好き万丈目サンダーである。

 

あ、まだこの時はサンダーじゃないんだっけ…アニメを見たのは結構前だから、内容をあんまり覚えてないな。

 

まぁ、ともかく軽く自己紹介といこう。

 

「俺の名前は紡軌希望だ。51番じゃないって…まぁ、話せば長くなるんだけど、色々あってさ」

 

「ゆっくり話してるところ悪いけど、もうすぐ寮での歓迎会の時間よ。そろそろ戻った方が良いんじゃない?」

 

明日香さんのその言葉に万丈目と取り巻きの2人が渋々といった様子でその場を後にした。

 

そして、十代と翔も寮での歓迎会のことを聞き、慌てて走って行ってしまった。

 

まぁ、慌てても自己紹介を忘れずにしてから帰る辺り、十代達も真面目だな、なんて思ったりもしたが。

 

「あなたも気をつけてね。特にブラック・マジシャンという、伝説のデュエリストのエースモンスターを使っていることで注目も集めてるだろうから」

 

「…そうなんだよなぁ。みんな、俺というデュエリストよりもブラック・マジシャンの方に目が行ってて、俺を見てくれてない気がする…」

 

会った人がみんな、ブラック・マジシャンを使っているデュエリストだって印象を持ってる…そりゃあ、この世界でブラック・マジシャンが有名なのは知ってるけどさ。

 

なんか、それはちょっと寂しいな。

 

「希望…その、ごめんなさい。私はそんなつもりで言ったわけじゃなくて…」

 

「あっ…あはは…!いや、大丈夫。明日香さんがそんなつもりで言ったわけじゃないってことはわかってるから!じゃあ、俺達もそろそろ行こう!」

 

「えぇ…」

 

そうして、俺は明日香さんの案内の元、無事に寮へと帰ることができた。

 

ただ、心の中ではこの時の出来事がずっと引っ掛かったままだった。

 

///////////////

 

「ふぅ〜…良い湯だった。ん?PDAに何か届いてるな」

 

そうして、PDAを手に取ると万丈目からメッセージが届いていた。

 

内容としては互いのベストカードを賭けたアンティデュエルをしろということだ。

 

アンティデュエルは禁止されてるし、こんな時間にデュエルしたらダメなんだけどな。

 

でも、このデュエルを受けなかったら、あることないこと周りの人達に吹き込まれるかもしれないな…それはちょっと面倒だ。

 

「しょうがない…行ってやるか。学校側にバレたら万丈目達のせいにすれば良いし」

 

俺はそう考えて、万丈目達の待つ場所に向かって歩を進めた。

 

______

 

_____

 

___

 

 

「「デュエル!!」」

 

なんやかんやで、万丈目の取巻きの1人、眼鏡を掛けた方とデュエル開始の合図をする。

 

デュエルするまでの経緯は割愛する。特にこれといった出来事はなかったし。

 

「何、ボサッとしてる!もしかして、怖じ気づいたのか?アーハッハハ!ブラックマジシャン使いとはいえ、所詮イエローだな!!」

 

「あっ、ごめん。聞いてなかった…何笑ってるんだ?良い事でもあった?まぁ、良いか。それじゃあ俺のターン!ドロー!」

 

手札5→6

 

「俺はモンスターをセット、カードを2枚伏せてターンを終了する。さぁ、そっちのターンだよ」

 

「舐めやがって…!俺のターン、ドロー!《サファイア・ドラゴン》を召喚!」

 

サファイア・ドラゴン レベル4 攻撃表示(ATK1900)

 

「さらに、魔法カード《二重召喚》を発動!これにより、俺はもう1度通常召喚を行える!俺はもう1体《サファイア・ドラゴン》を召喚!」

 

2体目のサファイア・ドラゴンが現れ、眼鏡の取巻きは高笑いをあげる。

 

なるほど…確かに、サファイア・ドラゴンは割と協力なカードだ。

 

俺のデッキにはレベル4で素の1900打点なんていないから色々と工夫しなければ倒せない。

 

…ま、方法がないわけじゃないし、なんとかなるかな。

 

「どうだ!これがオベリスクブルーのデュエルだ!」

 

「え…みんな、同じデッキ構築なの?全員ドラゴン族使いなの?随分と偏った学生達だなぁ」

 

「いや、今のはそういう意味じゃ…えぇい!バトルだ!サファイア・ドラゴンでセットモンスターに攻撃!」

 

半ばヤケクソ気味に攻撃を仕掛けるブルー生。

 

だけど、冷静さを失くした攻撃はそうそう通らないよ。

 

「セットモンスターは《風霊使い−ウィン》守備力は1500だから、本来ならそのまま破壊されるところだけど…罠発動!《城壁》!このカードの効果で、ウィンの守備力を500ポイントアップだ!」

 

ウィンを守るように城壁が展開され、サファイア・ドラゴンの攻撃を跳ね返した。

 

「くっ…」

 

取巻き LP4000→3900

 

「そして、この瞬間にウィンのリバース効果発動!相手フィールドの風属性モンスターのコントロールを得る!俺はまだ攻撃をしていないサファイア・ドラゴンのコントロールをもらう!」

 

「チッ…俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

「なら、その瞬間に罠発動!《砂塵の大竜巻》!お前の伏せカードを破壊する!砂塵の効果で一応俺は手札から魔法・罠カードを1枚伏せることができるけど、特に伏せるカードもないからこのままで良いよ」

 

「わかった…これでターンエンドだ」

 

 

希望 LP4000

 

手札3

 

場 《風霊使い−ウィン》レベル3 守備表示(DEF1500)

 

 《サファイア・ドラゴン》レベル4 攻撃表示(ATK1900)

 

伏せなし

 

 

取巻き LP3900

 

手札2

 

場 《サファイア・ドラゴン》レベル4 攻撃表示(ATK1900

 

伏せなし

 

 

「俺のターン、ドロー!まずは、ウィンとサファイア・ドラゴンを墓地に送り、デッキから《憑依装着−ウィン》を特殊召喚!」

 

憑依装着−ウィン レベル4 攻撃表示(ATK1850)

 

「そして、俺は手札から魔法カード、《スター・ブラスト》を発動!このカードは500の倍数のライフを払うことで、払った500ポイントにつき、手札・フィールドのモンスター1体のレベルを下げるカード!俺は2500ポイントのライフを支払い、手札の《光をもたらす者 ルシファー》のレベルを6から5レベル下げる!」

 

LP4000→1500

 

「そして、レベルの下がったルシファーを通常召喚!」

 

姿を現したのは、神々しい雰囲気を纏う長いブロンドの髪の美女。

 

俺はそんな彼女の姿に思わず目を奪われる。

 

ルシファーはそんな俺を見つめて微笑んだような気がした。

 

光をもたらす者 ルシファー レベル6→1 攻撃表示(ATK2600)

 

「とんだプレイングミスだぜ!普通に召喚するなら、わざわざ2500もライフを払う必要はないのによ!」

 

「あぁ、そうだね…確かにただ召喚するだけなら、ここまでライフを払う必要はないよ。俺の狙いはこれだ…俺はルシファーに《下剋上の首飾り》を装備する!」

 

「下剋上の首飾り?そんなカードで何ができる!」

 

「効果を知らないのか…まぁ、俺にとっては好都合だけど。それじゃあいくぞ!バトル!ルシファーでサファイア・ドラゴンに攻撃!この瞬間、下剋上の首飾りの効果発動!装備モンスターが自身よりレベルの高いモンスターと戦闘を行う場合、相手モンスターとのレベル差×500ポイント攻撃力をアップするサファイア・ドラゴンとのレベルの差は3…よって、攻撃力は1500ポイントアップする!」

 

光をもたらす者 ルシファー(ATK2600→4100)

 

「いくぞ!ルシファーの攻撃!ダブルエナジーサークル!!」

 

ルシファーの攻撃により、サファイア・ドラゴンは破壊され、相手のライフを削り取る。

 

取巻き LP3900→1700

 

「これで終わらせる!憑依装着−ウィンでダイレクトアタック!!」

 

「嘘だ!俺がイエローのやつなんかに負けるはずが…!」

 

そんな絶叫と共に眼鏡の取巻きのライフは0になった。

 

取巻き LP1700→−150

 

////////////////

 

「俺の勝ちだな…十代!こっちは終わったぞ。そっちも頑張れ!」

 

「へへっ!やるなぁ!希望!俺も負けてらんないぜ!」

 

そう言って、十代は気合いを入れ直し万丈目に向き直る。

 

デュエルの結果は気になるところだけど、まずは…

 

「確か、互いのベストカードを賭けたデュエルだったよね…じゃあ、俺は君のベストカードを貰うことができるわけだ」

 

「や、やめろ…!俺のカードは渡さないぞ!」

 

「あぁ、わかってるって…デュエリストにとって自分のカードはかげがえのない大切なものだ。それを貰うことなんてできないって…だから、これに懲りたら二度とアンティデュエルなんてするなよ?」

 

「………」

 

眼鏡の取巻きは黙って頷いた。

 

「今度は普通にデュエルしよう!ブルーだから上とか、それ以外は下だとか、そんな凝り固まった考えは抜きにしてさ!心が踊るデュエルをしよう!」

 

俺はそう声を掛けて、寮に向かって歩を進める。

 

「紡軌君!アニキのデュエル、最後まで見ていかないんッスか?」

 

「うん。さっきから眠くてさ…十代なら、多分大丈夫だろう」

 

そう翔に告げて、俺はその場を後にした。

 




気づけばもう今年も終わりですね…最近、忙しくてバタバタしていたのでいまいち実感が湧きませんが。

これからも不定期更新になりますが、楽しんで頂ければ幸いです。

それでは今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます。


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