燐子編は次回で最終回です!最後まで宜しくお願いします!
「…………ん?」
目を開けるとそこは病室だった。
「蒼司……さん?」
声のする方に視線を向けると、そこには俺の寝ているベットのすぐ横で座っていた。燐子だけじゃない。Roseliaの皆もそこにいた。
「燐子……皆……」
「蒼司さん!!」
「うおっ!?」
直後、燐子が俺の名前を叫び抱き着いた。
「蒼司さん!」
「蒼兄!」
「蒼司!」
「蒼司!」
燐子に続くように他の4人も俺の周りに駆け寄ってきた。
「皆……ただいま」
「!!……蒼司さん。身体……少し起こして……ください」
「え……わ、分かった……」
直後燐子は俺から離れてそういった。俺は上半身を起こして燐子の方に身体を向けると……
バチィンッ!!!!
「ッ!」
「し、白金さん!?」
「りんりん!?」
「り、燐子!?」
「燐子!?」
一瞬、何が起こったか分からなかったが、燐子に思い切りビンタされたのだと悟った。
「先生から……全て聞きまた。蒼司さんの身体のこと……蒼司さんがまた病院に来た時のこと……全部……」
そこまで言うと燐子は泣き出した。
「どうして……私達に何も言わなかったんですか?自分の身体は自分がよく知ってるから……長く生きられないなら自分の命尽きるまで精一杯生きるって……そんなの身勝手過ぎます!!」
「!!」
「私……そんなに頼りない彼女ですか?……私に……私達に迷惑を掛けたくないからそう言ったって理解できます……だけど……!」
「少しくらい頼ったって……良かったじゃないですか!?」
「私……蒼司さんの力になりたい……蒼司さんが元気な姿をずっと傍で見ていたいのに……どうして……どうして……」
「燐子……」
遂に燐子は耐えきれず嗚咽を漏らし泣き始めてしまった。
「蒼司さん……」
「紗夜……」
今度は紗夜が燐子の背中を擦りながら話し始めた。
「私も……白金さんと同じです。このミサンガに誓ったんです。蒼司さんにとって1番の友達になるって……1度はその誓を違えても、変えたりはしてないです。貴方と白金さんに幸せになって欲しいから……」
そして紗夜は「だから」と付け加えて話を続けた。
「だから……もう1人で悩まないで下さい。1人で乗り越えられなかったら私を……私達を頼ってください。何度も言いますが、貴方と私は友達です。そして……」
「それ以前に私達はRoseliaです。挫けそうになったら……どうしようもなくなったら……いつでも仲間を……友達を頼ってください」
「紗夜……」
紗夜を見て……燐子を見る。
そして友希那、リサ、あこを見る……。
(俺……最低だな。こんなに身近に信頼出来る人達がいたのに……)
「皆……ごめん……心配かけて……」
「嫌です!!」
「!?……り、燐子……ち、近い……」
さっきまで泣いていた燐子が自分の顔をずいっと目の前に寄せた。
「ほんとに悪いって……思うなら……あ、謝るだけじゃ……駄目……です!せ、責任を……とって……下さい!!」
「せ、責任!?」
えっ?責任って……てか燐子そんなこと言うキャラだったか!?思い当たるとすれば……
俺はもう一度紗夜を見て、あこ、友希那、リサを見渡す。4人とも揃って声を出さずに
(う、恨むぜお前らぁ……)
俺は深くため息を付き頭を掻きむしった。
責任……つまり、そういう事さ。(いや、どういうことですか?)
「えっと〜……燐子さん?詰まるところ俺は何をすればよろしいのでしょうか?」
「そ、それは……ですね……///」
燐子は顔を赤くしながら俺の耳元で囁いた。
「退院したら……よく熟れた林檎……召し上がりたく無いですか?」
「!!??……燐子がそれで満足するなら……喜んで」
俺がそう答えると今度は明るくなって「退院……楽しみにしてますから♪」……そう言って病室を出ていった。
それにつられてあこ、友希那も病室を出る。
「蒼司さん」
「ん?」
「お大事に。退院……楽しみにして待ってます」
そう言って紗夜も出ていったのだった。
……1人、リサを残して……
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「…………」
「…………」
4人が病室を出たが、リサだけがここに残っていた。
「リサも病室出なくていいのか?」
「蒼司……少し、話がしたいの」
「俺に?」
どうやらリサは俺と話がしたいがためにここに残ったらしい。
「その……ごめんなさい蒼司!!」
「リサ?」
俺は驚いた。リサがいきなり謝った事に……何か気に触るようなことでもしたのだろうか?
「アタシ……蒼司に酷いことした……アタシがあの時友希那や皆に蒼司を下着泥棒に仕立てあげようなんて言わなければ……蒼司は……蒼司は……」
「何言ってるんだよ……その事はもういいって……それに、俺が今病室いるのは自分の身体のせいで……」
「違うの!そうじゃなくて……!アタシのせいで蒼司は……Roseliaを辞めるって……アタシがあんな事しようなんて言い出さなければ……こんな事に……ホントにごめんなさい!!」
「リサ……」
リサは……自分のせいで俺がRoseliaを辞めるって言い出したと言っていた。
「蒼司だけじゃない!燐子にまで酷いことして……辞めるのは……アタシの方なのに……アタシ、Roselia失格ーー」
「それは違うぞリサ」
「!!」
これ以上自分を責めないようにと俺はリサの言葉を遮った。
「お前は何一つ間違っちゃいない。そりゃ……俺を下着泥棒にした手上げたことは今でも少しだけ怒ってるけどさ……それは俺が燐子にだけ依怙贔屓してるのを見てそうしたかっただけだろ?それに関しては俺にも悪い所がある……だから謝るのは俺の方だ」
「で、でもアタシ……蒼司だけじゃなく燐子まで傷つけーー」
ペシッ!
「ッ!?」
「燐子も言っていた筈だ。自分も共犯だって……だからもうこれ以上責めるのはやめろ」
「アタシ……アタシ……!!」
俺は両手を広げた。
「……ほら、おいで、リサ」
「ううっ……うあああああんんん……!!」
……しばらくりさは俺の胸元で泣いたが、しばらくしてようやく泣きやんでーー
「蒼司、……アタシも蒼司の友達としてそばにいてもいい?」
そう聞いてきたのでーー
「……何時も胸元空いてはないけど……もちのローンで♪」
「!?っ///……もうっ!蒼司ったら!」
「「アハハハハ♪」」
……いつの間にか、互いに笑いあいリサは「退院、楽しみにしてるよ♪」といって病室を出ていったのだった……。
〜END〜
《次回予告》
「蒼司、実は今度の主催ライブなのだけど……」
「蒼兄!凄い似合ってるよ!」
「似合ってるよ、蒼司♪」
「貴方のギターテク……存分に見せてください!」
「蒼司さん。きょ、今日は……よろしく……お願いします!」
「……満足させてくれよ!!」
次回、『清純な彼女と歩む軌跡』!お楽しみに!
次回で燐子編ラストです!お楽しみに!
紗夜編後投稿して欲しいストーリー
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リサ編
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あこ編