異界の太極・外伝――異世界を赤く(紅く)染め上げて 作:夜叉烏
赤い(中国は紅い)お国たちはこういった場でも遠慮なく武力を見せつけます。
愚帝諸君はどう反応するか。
カルトアルパスにて、
「グラ・バルカス帝国艦隊到着!戦艦2、巡洋艦クラス8、駆逐艦クラス12!」
「あいつらが…」
スピーカー越しに緊張した声を聞くまでもなく、ブロントは海に浮かぶ艨艟たちを眺める。
ミリシアルが誇るミスリル級が巡洋艦程度にしか見えない巨艦2隻が先頭に立ち、いかにも戦闘を行う艦であることが窺える無骨な巡洋艦・駆逐艦が、カルトアルパスに入港してきた。
実を言うと、この他にも戦艦8隻、空母12隻という、地球でいうG7やG20に相当する世界会議の場へ向かう使節団護衛のためとしては明らかな過剰戦力が控えているのだ。
完全に戦争する気満々である。
ブロントにとって、先進11カ国会議における港湾管理責任者の仕事は退屈だった。
最初こそ各国自慢の船舶を見られると意気揚々としていたが、何年も経験すれば自ずと飽きが来てしまっていた。
だが、目の前を航行する鋼鉄の艨艟たちを一目見た瞬間、彼はこれまでにない高揚感を感じたと同時に、愚帝の力に対する恐怖を覚えた。
彼のみならず、周りの職員や既に到着していた各国の外交官や武官たちがその威容に驚愕する中、スピーカーが続けざまに新たな来客を報せた。
『そ、ソ連艦隊到着!戦艦3、空母1、巡洋艦5、駆逐艦4、艦種不明5!』
『…!?中国艦隊到着!空母2、巡洋艦8、駆逐艦12、艦種不明7!』
文明圏外にありながら、ロデ二ウス大戦および対パーパルディア戦争をクワ・トイネ、クイラとともに圧倒的な勝利を収めてきた、グラ・バルカス帝国と並んで話題になっている二カ国の艦隊が到着したのだ。
陣容は以下の通り。
・ソ連艦隊
戦艦:ソヴィエツキー・ソユーズ級『ソビエツキー・ソユーズ』『ソビエツカヤ・ウクライナ』
空母:アドミラル・クズネツォフ級『アドミラル・クズネツォフ』
ミサイル巡洋艦:キーロフ級『キーロフ』
スラヴァ級『スラヴァ』『アドミラル・フロタ・ロボフ』
ミサイル駆逐艦:ソブレメンヌイ級『ソブレメンヌイ』『オッチャーヤンヌイ』
ミサイルフリゲート:アドミラル・ゴルシコフ級『アドミラルゴルシコフ』『アドミラル・カスタノフ』
アドミラル・グリゴロビッチ級『アドミラル・グリゴロビッチ』『アドミラル・エッセン』
原子力潜水艦:アクラ級×2、ヴィクターⅢ級×4
補給艦:ボリス・チリキン級×4
客船×1
・中国艦隊
空母:001型『遼寧』『吉林』
ミサイル駆逐艦:055型『南昌』『拉薩』
052D型『昆明』『長沙』『合肥』『銀川』『西寧』『厦門』
ミサイルフリゲート:054A型『徐州』『舟山』『黄山』『衡陽』『運城』『玉林』『益陽』『常州』『煙台』『塩城』『衡水』『柳州』『臨沂』
原子力潜水艦:商級×4
通常動力潜水艦:元級×4
補給艦:福池級×4
複清級×2
客船×1
この場の者たちに知る由はないが、スピーカーの声の主はソ連艦隊のキーロフ級を戦艦と誤認してしまったようだ。
「こりゃぁ…たまげたなぁ…」
そうとしか言い表せない。
レイフォルを滅ぼした巨艦――グレートアトラスター級戦艦にほぼ匹敵するソ連艦隊の戦艦もそうだが、両艦隊の空母はそれ以上に大きい。
甲板上には、自国の最新鋭機であるエルぺシオⅢよりも遥かに洗練された大型の戦闘機に、ムーの飛行機械が搭載するプロペラをずっと大きくしたものを機体上部へ取り付けた機体が駐機されている。
両国艦隊は敢えて搭載機を見せることで、他国への威嚇と牽制を行っているのだ。
しかし、空母や戦艦を護衛する巡洋艦や駆逐艦は砲を1、2門しか搭載していないし、無数のアンテナや甲板上の蓋が気になるところ。
そんな彼らの疑問を尻目に、同行してきた客船が湾内へ入る。
港の規模的に係留できない護衛のソ連・中国艦隊は愚帝艦隊と同じように、沖合へ錨を降ろした。
両艦隊の戦闘艦艇が誇らしげに掲げている
閲覧ありがとうございました。
次回から早速戦闘です。
ソブレメンヌイ級は近代化改修によって全艦現役です。タイコンデロガ級もびっくり。
ソ連は現代でも大艦巨砲主義残ってるけど、中国は航空主兵主義です。
たまに行うソ中の機動部隊合同演習は大抵中国側の方が成績良いという。
よろしければ、ご感想の方をよろしくお願いします。