魔法剣士の劣等生~劔神と呼ばれし14番目の戦略級魔法師~   作:桜華乱舞

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9話 決意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新歓週間が終わり数日が経ったこの日昼休み「学内の差別撤廃を目

指す有志同盟」という二科生の2、3年生による放送室占拠というテロ紛いの出来事が起きた、これにより達也君が放送室に向かい、七草会長の意向もあり生徒会と二科生による公開討論会が開かれることになったようだ。鼎にとって最悪の展開となってしまった。いや、最悪の予感が当たってしまったというべきだろう。先日も真夜からある程度の情報を聞いといて正解だったと鼎は思ってしまう。これまで世界各地で反魔法組織によるテロ行為が起きていて、その中のブランシュという反魔法組織があり、そしてそのブランシュの日本支部のリーダーが剣道部の主将である司甲の義理の兄に当る司一である。司甲も下部組織であるエガリテの構成員の一人であり、エリカから新歓期間中何度も達也を襲撃していたことも聞かされていた。此処までの一件で鼎は剣道部部員そしてエガリテに参加する生徒に催眠系の魔法による洗脳が施されていると鼎は予測する。そんな出来事があった日の放課後、鼎は面倒なことになったと憂鬱な気分になりながら教室を出るとエガリテの構成員による1年生の二科生への勧誘活動が行われていた。そんな光景を見てさらに憂鬱な気分になった。中身のない主張と、何を求めているのか理解できない要求を繰り返す彼らを見て、何故彼らはこの学校に入学したのか甚だ疑問に感じてならない。魔法科高校なのだから魔法で評価するのは当たり前であろう。調理専門学校が調理の技術で評価するのと何等変わらないはずだ。成績の評価基準が魔法で評価されるのは分かるだが、部活動やそれ以外で非魔法系が魔法による有劣で評価されるのはおかしい。多分それは部の予算や施設の使用頻度の割り振りで魔法系の部活と非魔法系の部活に多少の差があることがおかしい、不平等だ。だから平等にしろと駄々を捏ねているだけなのだと鼎は思う。そもそも魔法科高校自体実力至上主義なのだ勉学にしろ、部活動にしろ実力で判断されることに何に問題が有るというのだろうか。部活動に配分されるお金だって上限があり、施設だって限りがある。好成績を残す部に比重を置くことに間違いなんてない。一高の場合、非魔法系の部より魔法系の部の方が成績が良いから差があるだけだ。確かに一科生に見られる選民思想の如くプライドだけが高く中身が伴わないのに自分は一科生だから選ばれた存在なんだというバカな考えを持つ生徒も大半いる現状それ自体馬鹿馬鹿しく思うが、入試結果による区別なだけでそれが魔法師としての実力というわけではないというのに、実際達也やエリカ、西城君、それに柴田さんだって、学校の評価基準と合わないだけで才能があるものは二科生の中にもいる。ただそれだけのことで優越感に浸る者、劣等感を抱く者。ホントに馬鹿馬鹿しくて堪らない。何より大事なことはどのようにこの学生生活を送るかだけだろうに。二科生の生徒も中学生の頃は魔法師の才能がある者として、周りからチヤホヤされてきて井戸の中の蛙ではないが自分の思っていた実力と実際の実力のギャップが大きく、それが入試という場で表面化し絶望し悲嘆に暮れ、実際入学したら誰も自分の事を見てくれない、評価してくれない、チヤホヤしてくれず、ただ、子供の様に自分が出来ないのを学校のせいにしているだけなのだ。ただのかまってちゃんなのである。そんなに魔法による評価が不服なのであれば普通の高校に通うべきであった。入学するべきではなかったのだ。しかし、そんなこと誰も分かっていたのだ。ただ、それが自分自身に降りかかるとは思ってなかっただけなのである。正当な評価をされたければ評価されるだけの成績を出せるように勉学でも部活でも努力をすればいいだけなのだ。それすらしないで、こうなった原因は自分たちを見てくれない学校側が悪いと責任転嫁している幼稚なままの自分たちの考えが、自分は二科生だからという異常なまでの劣等感が二科生を二科生として足らしめている原因なのだろう。そんな大半の二科生のそんな感情に漬け込んでいるに過ぎない。ブランシュの本当の目的は魔法大学内でしか閲覧が許されない情報の採取だろう。そして来週行われる公開討論会が実行日。鼎はため息を吐きその場を去っていく。

 

「……だけど」

 

鼎は二科生の生徒が洗脳されていようがいまいがあまり興味がない。元来鼎は人見知り故にあまり他人に対しそこまで興味関心が沸くことが少ない。それ故に家族や友人、仲間、大切な人が害されたときの激烈なまでの怒りが沸くのである。故に今回の達也への襲撃は鼎にとって決して許せることではないのだ。達也自身が気にしていなくても関係ない意味のない劣等感を抱き、ただテロ組織に利用されているだけの人間に自分の友人が襲われるだけでも腸が煮え繰り返す思いである。鼎は強く拳を握りこの行き場の無い怒りを強く噛み締めながら帰宅するのであった。

 

 

 

 

「鼎くんも今帰りですか?」

 

校門を出たところで丁度帰る途中だっただろう美月に声を掛けられた。

 

「……うん。柴田さんも?」

 

「はい。それにしてもこんな時間まで鼎くんが残ってるなんて珍しいですね?」

 

「…そうかな?」

 

「はい、何時も終わると帰っているので鼎くんとこうして二人で帰るなんて新鮮です」

 

「……そっか」

 

美月の勘違いをしそうな言葉に少しドキッとしてしまう。

 

「柴田さんもエリカと今日は一緒じゃないんだね」

 

「エリカちゃん今日は用事があるらしくすぐに帰ってしまって」

 

「……そうなんだ」

 

「鼎くん何かありました?」

 

「……え!?」

 

突然の美月の言葉に驚き顔を上げると、美月が心配そうな顔をして見ていた。

 

「何処か鼎くんが最近浮かない表情をしていることが多かったんで何か悩み事があるのでしたら私で良ければ聞きますので、おっしゃってください」

 

「……優しいんだね柴田さんって、なんかお母さんみたい」

 

「…へぇ⁉」

 

美月は顔を赤らめながら思わず驚いてしまう。

 

「…一つだけお願いがあるんだけど」

 

「…お願い?」

 

「変な事なのは百も承知で、付き合ってるわけでも、姉弟でもないのにこういうお願いをするのってホントに可笑しいと思うし、軽蔑するかもしれないんだけど、少しで全然構わないので手を繋いで頂けると嬉しいです」

 

鼎は顔を俯かせながら美月に言う。鼎は恥ずかしさのあまり顔を赤らめていた

 

「…はい。それくらいならお安い御用です」

 

「…え⁉いいの?」

 

まさか了承してくれるなんて思ってもよらず驚く鼎

 

「はい」

 

美月はそう言って鼎の手を取り再び歩き始めた。鼎が自分で言いだしながらも恥ずかしさの余り卒倒しそうであった。しかし、美月の手から感じる暖かさに、先ほどまでの行き場のない怒りが何処か和らぐのを感じた。そして決意を固めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま、かえりました」

 

鼎は居候している水原宅に着き玄関を開けると鼎の帰宅に気付いた千恵子が声をかける。

 

「あら、おかえりなさい。今日は遅かったのね?」

 

「うん。ちょっと用事があって…」

 

「もう、そろそろご飯出来るから千鶴呼んで来て貰ってもいいかしら?」

 

「…分かりました」

 

そう言って千恵子の横を通り過ぎようとすると…

 

「…鼎くん。真夜によろしくって伝えてといてね」

 

「…え!?なんで?」

 

「ふふふ…なんとなくそんな顔をしていたから。伊達に史華や真夜の親友やってないわよ!」

 

千恵子の謎の所は一般人でありながら本来関わり合いがない筈の魔法師である史華、さらに四葉家当主である真夜と親友であるということだ。どういった経緯で成り立ったのか想像つかない。

 

(史華や真夜があそこまで溺愛するわけが分かった気がするわ。鼎くんあんな目をするなんて少し意外だわ。こんなおばさんじゃなければ一目惚れしちゃうところだったわ。フフフ…)

 

千恵子は優しく微笑みながら鼎の部屋をみつめるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼎は夕飯を食べ終え、自室に戻るとある人物に回線を繋げる。決意を行動に移す為。友人を傷つけようとした者共への報復の為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、運命の1日が始まる。今回の騒動の指導者である司一は、後にこう語る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神罰を下された悪夢の一瞬」

 

 

 

 

 

 

 

 

であったと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。

大変遅くなり申し訳ありません。

最近パソコンが壊れてしまったこと、仕事が忙しく余裕が無かったためです。

以前よりアンケートを実施させて頂いておりましたが、ここ数日変動が無かったため締め切らせて頂きました。

アンケートにご協力していただき誠にありがとうございます。

アンケートの結果は活動報告にて投稿させて頂いておりますので、そちらを見て下さい。

感想待ってます。

よろしくお願いいたします。

それでは皆さんさようなら
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