魔法剣士の劣等生~劔神と呼ばれし14番目の戦略級魔法師~   作:桜華乱舞

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6話 千鶴との出会い

 

大学の講義が終わり陽が傾き始めた頃ようやく帰路に就く。今日から母の親友の息子の鼎が第一高校に入学する為内に居候することを1月程前に母から聞かされた。最初に聞かされたときはビックリしたが、また鼎くんと会えるそう思うと嬉しくもあり、同時に不安もあった。私にとって鼎くんは命の恩人であり、女優という夢を進もうと覚悟を決めた私にとってとても大切な人である。鼎くんと会うのも数年ぶりで私のこと覚えているのか、忘れていないか。もし忘れられていたらと思うとゾッとする。それに、鼎くんは魔法師。一般人の私とは住む世界が違うのだ。どう接すれば良いのかわからない、それに母から鼎くんのことをある程度聞かせれた。鼎くんは3つの魔法しか扱うことが出来ないBS魔法師であること。それが原因でいじめのようなことを受けてきたこと。正直魔法のことがわからない私にとってどうしていいか分からない未知の領域だ。鼎くんの気持ちを何も知らない私が分かった気になって慰めてあげることなんて出来ない。だけど、こんな私でも何か役に立つことが出来れるのならただ自己満足かもしれない。だけど、だけど、それでも例え鼎くんに嫌われる結果になったとしても私はなんでもする。それが私に出来る精一杯の恩返しだから。そんなことしか出来ない私自身が嫌になる。なんで魔法師として生まれてこなかったのだろうか。もし、もし私がタラればを言ったところで現実は変われない。そんなの誰だって分かっている。だからこそ住む世界は違うけど、自分にしか出来ないことがもしあれば精一杯したい。それが私の偽りのない願いなのだ。私がここまで鼎くんを意識するようになったのかというとそれは私が高校2年生の時のことである。日本の沖縄に大亜細亜連合が進行したその日私は茨城にある鼎くんの実家に遊びに母と行ったときである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高校2年の夏休み母に誘われ渋々母の親友である都城史華の実家のある茨城県にまで来ていた。そもそもなんで私まで着いてこないといけないのだろうか。今日だって本来なら友人と遊ぶ予定つもりだったのに…母から聞いた話によると今から会いに行く都城家は魔法師の家系であり母の親友である都城史華も例外に漏れず魔法師である。何故魔法師の史華と一般人である母と親友になれたのか甚だ疑問である。そうこうしているうちに目的地に到着したようで、門をを通ると昔ながらの道場のような建物の横に3階建ての家が建っている。私の想像とは少し違ったことに少しだけショックを受けたことは今でも覚えている。都城家は昔剣術を用い戦闘を行うことに長けた魔法師の一族であったことから剣術道場を設け沢山の門下生もいたが、今では見る影もないほどに衰退し、都城家を知っている者はほとんどいないとのことだ。母は呼び鈴を押すと一人の着物を着た美しい女性が出てきた。余りの美しさに目を奪われてしまった母と同級生で4人の子持ちにはまるで見えない。私がその女性に目を奪われていると後ろから3人の女性が顔を出した。少し茶髪の入った長い髪をサイドテールのように纏めた今年から魔法大学に通う苗華さん、少し赤みの掛かった長髪の魔法科大学の付属高校である第一高校に通う冬華さん、そして茶髪でショートでなぜか両サイドの髪が跳ねている小学生の芳華ちゃん各々自己紹介をしてくれたのだが、史華さんはあることに気付く「あれ、かなくんは?」と史華さんは3姉妹に聞く。苗華さんが道場にいるよと答え、史華さんは「ごめんなさいね」と言いながら家の中に案内されリビングに通され、しばらくすると冬華さんたち3人は学校に行かないといけないらしくそれぞれ出かけて行った。かなくんと呼ばれていた子は道場で一人で稽古をしているとのことでまだ会っていない。暇になった私は初めて来たこの街を見て回ろうと外に出た。しかしこの選択が間違いであったことを後で知ることになる。

 

 

 

 

 

「……へぇ~なかなかいい感じなんだ」

 

普段都会で暮らしている私にとって新鮮な光景であった。今時珍しい小さな商店街レトロな雑貨屋に、喫茶店、八百屋に、コンビニ、本屋と軒並んだ風景に私は見入っていた。そんな時であった。突然爆音のような音とともに悲鳴が聞こえてきた。私は突然の出来事に最初理解が追い付かなかったが、すぐそれは分かった。遠くを見ると物凄い火が立ち上り黒煙が立ち昇っていた。最初は火災かと思ったが、すぐに違うと感じた火災ならばあそこまで大きな爆音も鳴らない筈、それにこの場にいてはヤバいただ直感で感じた。逃げないと思いすぐさまもと来た道へ引き返そうと思ったが、時既に遅く、今度は銃声が鳴り響いた。

 

「全員そこから動くんじゃねぇ‼動いたら殺すぞ‼」

 

突然の怒鳴り声とともに黒ずくめにマシンガンのような大きな銃を持った十数人の男たちが現れた。当然これはドラマでも小説の物語の話しではない。現実で私は恐怖のあまりその場に立ち尽くしてしまう。後から知ったことではあるがこの日後に沖縄海戦と呼ばれることになる。大亜連合による沖縄襲撃があり、こいつらはそれに乗じテロを企てた反魔法組織の集団だと言うことであった。するとテロリストの1人が私の方に顔を向けると何を思ったのか私に向かって歩きだした。

 

「へぇ中々の上玉じゃねぇか」

 

「え……あ…い…いや……」

 

テロリストの男は私の腕を取り連れていこうとする。私は余りの恐怖に上手く声が出ない。すると30代くらいのスーツを着た男性がこっちに走って来るのが見えた。私は漸く助かると安堵仕掛けた時突然銃声が聞こえた。その瞬間一発の弾丸が男の子眉間に突き刺さり私を助けようとした男性はその場に大量の血を出しながら倒れ、近くにいた女性は悲鳴を挙げる。

 

「……あ…あ…」

 

私は最早声が出せない程恐怖に駆られどうすることも出来ないでいた。

 

「動くんじゃねぇ!次おかしな真似したら直ぐ皆殺しだ!」

 

「お前はこっちに来い!」

 

そう言って私の腕を強く引っ張った。すると突然男は私の腕から手を離し自分の左腕を押さえ始めた。私、いやその場にいた全員突然の奇怪な出来事に驚きを隠せないでいた。

 

「…ふ、ふざけやがって、もういい全員皆殺しだぁ!やt…なぁ!?」

 

一番早く正気に戻り突然の出来事に怒り仲間に命令した瞬間、その男以外のテロリストが体から血を吹き出しながら倒れた。

またも奇怪な出来事に衝撃を受ける。

 

「だr…なぁ!?」

 

男が声を発しようとした瞬間、突然男の目の前に刀を2本腰に指した小柄な少年?が姿を現した。多分今までの不可解な現象はこの少年?によるものだろう。ただこの少年が何をやったのか誰も分からない。そもそもこの少年がこの場にいたさえ誰も分からないのだ。

 

「…だ、誰だ、貴様は!?」

 

「……」

 

「黙りか!ふざけやがって!どんな小細工を使ったか知らねぇがこの距離じゃよけれねぇよ!」

 

そう言って男は持っていたマシンガンのような銃を少年に向けた瞬間……カランという金属が落ちてきたような音が聞こえ、発生源男の数メートル後方に先ほどまで男が持っていた銃と持ち手には男の右腕が落ちてきたのが見えた。

 

「……え?ぎゃぁぁぁぁ!!!!!!…………腕が!俺の腕が!あぁぁぁ!!!!!!!」

 

一瞬の出来事であった。男は余りの出来事に認識が出来ず何が起きたのかすら、理解できず遅れてきた腕が切り落とされた現実を激痛によって初めて理解した。男は両膝を地面につき余りの激痛に踞る。

 

「ねぇ、今回の首謀者とアジトの場所教えて欲しいのだけど?」

 

初めて少年は声を発した。

 

「……あ…あ……あ……」

 

男は痛みと恐怖に上手く声が出ない。先ほどまで最も優位な位置にいたにも関わらず一瞬に死の恐怖と隣り合わせとなるという非現実のような出来事に恐怖し、絶望した。

 

「あ、あって言ってるだけじゃ分かんないですよ?日本語で話してくださいよ」

 

「………」

 

「…仕方ないですね。あまりこういったことはしたくはないですが、これも貴方が望んだ結果ですから」

 

そう言うと鼎は持っていた刀を逆手に持ち替え男の右膝に突き刺した

 

「ギャァァぁ‼‼‼‼‼‼ァァァ‼‼?わ、分かった‼全部話す‼話すからもう、もうやめてくれ!」

 

男は自分の持ってる情報全てを話した。鼎は知りたい情報を聞き終え男の右膝に突き刺していた刀を抜き、刀に着いた血を落とす為刀を振ってから納刀した。その瞬間男は恐怖と激痛により失神し、その場に崩れ落ちる。

 

「…あ、あの大丈夫ですか?」

 

「…え、えぇ」

 

私は一瞬の出来事とこの少年の変わりように驚いた。少年は私の様子を確認すると安堵した表情をした。

 

「水原千鶴さんですよね?」

 

「え、えぇ。でもどうして?」

 

「あ、僕都城鼎って言います。母さんから貴方がここら辺にいるから様子見てきてって言われたので、後を追ってきたのですが、怪我がなくて良かったです。もし貴方に何かあったら母さんに殺されちゃいますから」

 

鼎くんは先ほどまでの怖い感じではなく優し気に冗談交じりに私のことを気に掛けてくれている。

 

「水原さん、こんなことがあって少し大変かもしれないんですが、僕この後少し用があってそこに向かわなくちゃいけないのですが、水原さん一人で家に帰れますか?もし駄目なら直ぐ軍の方が来ると思うので保護して貰って下さい」

 

「……私の事は気にしないで、一人で帰れるから安心して」

 

「………そうですか。分かりました。だけど絶対に無理だけはしないで下さいね。僕が言うのも変ですが、これ母さんの電話番号です。ダメそうならここに電話してください。きっと直ぐに助けてくれますから」

 

「ありがと。都城くんこそ無理しないでね」

 

「はい、ありがとうございます。では、先に家に戻っていてください」

 

そう言った鼎くんは私に背を向け駆け出した。私より小柄な体躯なのにもう姿が見えなくなっている。改めて魔法師の凄さを実感するのであった。鼎くんが私と別れた後どこに向かったのか、後日テレビのニュースで知ることになる。

 

 

 

 

 

2093年8月中旬、大亜連合の沖縄侵略があったこの日、反魔法組織のアジトが消滅し、その数分後茨城県沖に停泊していた大亜連合の一艦隊が消滅したというニュースが流れた。このニュースを偶々見ていた私はすぐ鼎くんの仕業だと理解した。ニュースのコメンテイターが誰がやったのかどうやってやったのかコメントしているのだが、未だ誰がやったのかわからない様であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、数日鼎くんの家に滞在した。その際鼎くんと話したり、出かけたり、その時苗華さん達に睨まれていたけど、私は命の恩人であり、一目惚れした年下の男の子との貴重な時間を過ごせたことに胸を躍らせた。これが私と鼎くんの出会いである。これから鼎くんと一つ屋根の下で生活すると思うと嬉しくもあり、恥ずかしくもあり、緊張し、胸を躍らせる。そんな何とも形容し難い気持ちでいつもより少しだけ速足で帰路に就くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがっだたでしょうか?

投稿が遅くなり大変申し訳ございません。

今回初めて戦闘シーンを少し入ったのですがやっぱりむずかしいですね…

千鶴の家族構成ですが、原作では両親とも既に他界しているようですが、この作品は生きているという設定で行こうと思います。

よろしくお願いします。

感想ありましたらお願いします。

ただ誹謗中傷はやめて下さいね。

豆腐メンタルなのですぐ挫けますw

それではまた次回お会いしましょう。

さようなら
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