魔法剣士の劣等生~劔神と呼ばれし14番目の戦略級魔法師~   作:桜華乱舞

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8話 四葉真夜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新歓の週間となり、鼎は第二小体育館で剣道部の模擬演武を見ていた。

 

「…あれ?鼎くん?」

 

鼎が演武を見ていると後ろから声を掛けられ、振り返るとエリカと腕に風紀委員の紋章を付けた達也が立っていた。

 

「…あ、エリカさんに達也くん?珍しい組み合わせだけど、もしかしって二人ってそういう関係だったの!?」

 

「…なぁ!?違うから!鼎くん勘違いしないで!」

 

エリカは鼎の言葉に顔を赤くしながら否定する。

 

「俺は風紀委員の見回りをしている時エリカと会ってな。成り行きでだ」

 

「そうなんだ」

 

達也は冷静に否定をする。

 

「鼎くんこそ意外だよ。てっきりこういうのに興味ないのかと思ったよ」

 

「…まぁね。今日は時間もあったし、偶にはこういうのもいいかなって、それに剣道に限らず部活動には興味あったから、どういう感じなのか見たかったというのもあるかな」

 

鼎は人見知りで内向的な性格が災いし今まで部活というものに縁がなかった。だから一度は部活というものがどういうものなのか知りたかったのもまた事実であった。剣術に携わる者として確認しておきたかった強者となりうる存在を。そうこうしているうちに剣道部の模擬演武も終盤に差し掛かった。

 

「お気に召さなかったようだな?」

 

「…だってつまらないじゃない。見栄えを意識した立ち回りで予定通りの一本なんて」

 

「武術の真剣勝負って要するに殺し合いだから」

 

鼎はそんな達也とエリカの会話を横で聞いていた。

 

(……殺し合いか)

 

鼎は達也の言葉に深く心に刺す何かを感じた。確かに剣術に関わらず武術の根幹は的確かつ効率的に敵を殺す術なのもまた事実。そんなこと鼎自身一番分かっている。ふと鼎は未だ下で演武が繰り広げられており一人の剣道部員に目が留まった。精錬された太刀に、一糸の乱れもない足捌きに鼎は目を奪われた。他の剣道部員と一線を画すその剣の腕に鼎はフッと此間のエリカとの立ち合いを思い出す。実践剣術と道場剣術の差はあるがエリカといい勝負出来るだけの才能を有しているとみる。ただ何処か自分と似た何かを感じた。ある種彼女の剣に何処か迷いのような、卑屈ともいえる感情が見て取れた。実力は高いがマイナスな感情が邪魔をし実力を出し切れないでいるように感じ取れた。過去の確執が原因か。性格的なものなのか。第三者によるものなのか。何れにせよ早期解決が彼女の為であろう。そしてもし第三者によるものであれば最も深刻なのは間違いない。考えうるに洗脳、催眠系の魔法によるものが一番可能性として高い。首謀者の狙い、理由は何なのか。そしてそれは彼女だけなのか。他の人に及んでいないのか。若し及んでいるのならば規模、質は如何ほどなのか。それが分かんないことにどうしようもない。ただ、第一高校にとって何かしらの厄介ごとが起きていることに間違いないであろう。そうならないことだけ祈っておこうと心に誓う鼎であった。鼎がそんなことを考えて込んでいると下では、どうしたことか剣道部の演武中に剣術部が乱入するというトラブルが発生、急遽剣道部の壬生紗耶香と剣術部の桐原武明の両先輩による演武が始まる。結果は僅かの差で壬生先輩が勝利したが、桐原先輩が壬生先輩の「実践だったら」という言葉に感化され、高周波ブレードを発動し、壬生先輩に切り掛かるも、横にいたはずの達也が間に入り特殊なサイオン波により高周波ブレードを打ち消し桐原先輩を拘束した。鼎は達也の今の一連の動きに凄く感心していた。魔法式を打ち消し拘束するまでの一連の動きに一切の無駄もなく最も理想に近い動きに驚き以上に感心してしまった。ある種武に精通していないと難しく、武に携わるか、実戦経験がなければあそこまでスムーズにいくことはないであろう。そうこうしていると他の剣術部の部員が激情し達也に襲い掛かるも全て躱され、逆に鎮圧されていく。すると横にいたエリカが話しかけてくる。

 

「凄いね、達也君」

 

「…そうだね」

 

「鼎くん達也君ともし戦うことがあったら勝てる自信はある?」

 

「……どうだろ。勝負はやってみないと分かんないからね」

 

「………そっか」

 

「ただ、魔法無の勝負で有れば多分負けることはないと思う」

 

「魔法無なら勝てると?」

 

「…絶対まではいかないけど7:3の確率で自信はあるよ。多分達也君接近戦による徒手格闘戦より中距離による魔法戦の方が得意なんじゃないかな?わかんないけど。それに何故か二科生にいるけど魔法有の実践だったら多分この日本に達也君に勝てる人物なんていないんじゃないかな」

 

「へぇ~そこまでわかるの?」

 

「なんとなくね」

 

そもそも何故達也が二科生にいるのか鼎にとって一番の謎である。魔法師としての実力、知識量どれを取っても今の一高生の中でもトップで有ろう。事実践においては日本、いや世界中でどれだけ互角に渡り合える人物がいるのか分からない。そこまでの実力なのだ。流石あの四葉深夜の息子だと改めて実感する鼎であった。実を言うと鼎と達也は入学式が初対面ではないのだ。数年前に一度鼎は四葉の本家に行っているだ。多分このことは達也は覚えてはいないであろうが、そん時に鼎は達也と深雪と会話も交わしている。それに何故か今でも四葉家現当主である四葉真夜から秘匿回線で連絡がくるのだ。とはいえ、鼎自身も達也と戦いたいとは一切考えてはいないし、敵対する意思は今の所考えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、夕食を食べ終え自室に戻った鼎は本を読んでいると突如、秘匿回線によるデバイスがなる。鼎はそれに出ると、モニターに一人の女性が映し出された。

 

「…お久しぶりでしゅ、真夜しゃん」

 

「…フフフ、落ち着きなさいな」

 

「………は、はい」

 

電話の相手がまさかの四葉家現当主四葉真夜その人であり、驚きのあまり噛み噛みとなり恥ずかしさのあまり赤面になりながら俯く。真夜はそんな鼎を微笑ましく見ていた。

 

「…一先ず、入学おめでとうございます。鼎さん」

 

「ありがとうございます。それで今日はどういったご用件でございますか」

 

「あら、用件がなければ電話しちゃいけないのかしら?」

 

「…い、いえそんなことはないのですが…」

 

「フフフ、ごめんなさいね。冗談よ。ただ私は少し怒っています」

 

「…え!?」

 

真夜の怒っているという発言に体が強張る。それもそうであろう「夜の女王」「極東の魔女」といった異名をとるほどの人物にそんなこと言われれば萎縮してしまうのは仕方のないことと鼎は思う。

 

「入学式から何日も経つのに一切連絡もないことにです。以前も言いましたわよね?偶には連絡してくださいと」

 

「…はい。すみません」

 

真夜は少し拗ねたような表情をしながら言う。40後半の年齢なのだが30代にしか見えない外見に相俟って一瞬ドキッとしてしまう鼎であった。

 

「まぁ、今回は許しますが次はないですからね。分かりました?」

 

「は、はい!」

 

「期待していますよ。それで達也さんと深雪さんにはもう会いましたか?」

 

「はい、達也君とはクラスも一緒なので仲良くしてもらってます。深雪さんとはクラスも別なのでまだ挨拶はできていませんが機会があれば…」

 

「達也さんも勿論ですが、深雪さんとも仲良くより親密になってくださいね。特に深雪さんとはね」

 

「…は、はい!頑張ります」

 

真夜何故か最後の部分をより強調し鼎に告げる。そんなこと緊張のあまり鼎は気付くことが出来なかった。

 

「それで、鼎さん今年のGWは何か用がおありでしょうか?」

 

「…い、いえ今の所なにもないですが」

 

「そう、それはよかったわ。申し訳ないのだけれど5月3日に四葉本家に来てもらえないかしら?」

 

「分かりました」

 

「ありがとう。もう少し鼎さんとお話をしたい所ですが、もう夜も遅いので通話を切らせてもらいますね。今後は週に1回は必ず電話をすること。良いですわね?」

 

「は、はい」

 

「フフフ、よろしい。それではおやすみなさい」

 

真夜はそう言って通話を切った。鼎は緊張が解け、ベットに腰掛けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。

四葉家当主の登場。

今作は、原作とは真夜さんの性格を変更しています。

現在アンケートを実施していますが、深雪さんの人気が凄い。

意外に五輪澪の人気があってビックリです。

後2日ほどアンケート実施していますのでご協力お願いします。

感想待ってます。

ただ、誹謗中傷は辞めてください。

お願いします。(土下座

それでは次回またお会いしましょう。

それではさようなら~


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