春日部探偵社へようこそ   作:断空我

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久方ぶりの投稿です。

急展開で申し訳ない。


第十七話:今回の黒幕

「ライブ終了してから同じクラスの友達から電話が来たの」

 

ライブが終わった風鳴翼と緒川を引き連れてジンは愛車でリディアン音楽院へ向かう。

未来は体を震わせながら話す。

電話の内容は学院をノイズが襲撃しているという事。

生徒達も避難をしているがノイズの他に白い怪物や蛇の怪物などの姿もあったという。

 

「あのドラゴンは囮か……大きな囮だ」

 

あれだけの強敵を囮として使うフィーネの大胆さか、それ以上にウェザーや他の相手が強いのかわからないが油断はできない。

 

「あ?国際警察の車がきたぞ」

 

後部座席にいるクリスが外をみる。

視線を隣へ向けるとトライドロンが近づいてきた。

 

「ジン!ベルトさんから話を聞いた!俺もリディアンへ向かう!」

 

助手席の窓を開けて進ノ介が叫ぶ。

 

「な、なぁ、ジン、何が起ころうとしているんだよ」

 

後ろにいる真司が戸惑いながら尋ねる。

――流れに任せて連れてきてしまった。

本来なら置いていきたかったのだが、ジンの真剣さに気付いた彼がついていくといって聞かなかった。

 

「良くないこと、かな」

 

城戸真司の疑問に自信なくジンは答える。

嫌な予感が彼らの胸中を突き抜けていく。

既にジンからの連絡で木場もオルフェノクになってリディアン音楽院へ向かっている。

 

「久しぶりに嫌な予感がここまで広がるなんて……」

 

ハンドルを強く握りしめてリディアン音楽院へ愛車を走らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「酷い……」

 

リディアン音楽院は悲惨な光景になっていた。

ノイズによって綺麗だった建物のほとんどが倒壊している。

周囲には人だったらしきものの灰。

 

「これ、マジかよ」

 

信じられないという風に真司は周りを見る。

 

「一人で飛び出すな!何があるかわからねぇだろ」

 

未来は今すぐ飛び出そうとしたがクリスに止められた。

 

「そのとおりね、独りは危ないわよ」

 

灰が周囲に広がる中で一人佇む者がいる。

 

「遅かったわね」

 

「櫻井女史!貴方が、貴方が黒幕だったのか!?」

 

信じられないという風に翼は叫び、緒川はいつでも撃てるように懐の拳銃へ手を伸ばしていた。

 

「正確に言えば、櫻井了子の魂に寄生した古き時代の巫女フィーネ、それが黒幕だろう?」

 

ジンの言葉に全員の視線が集まる。

 

「おや、気付いていたのか」

 

普段の彼女を知る者からすれば聞いたことのない低い声。

櫻井了子はメガネを投げ捨てて、まとめていた髪を解く。

 

「しかし、疑問だな。先ほどのやり取りでは確信している様子はなかったと思うが?東郷ジン」

 

「敵を欺くには何とやらという諺があるけれど、別に敵へ悟らせないのは当然だろう?不要なカードは切らない主義なんだよ。俺は」

 

肩をすくめながらフィーネを睨む。

 

「櫻井女史!貴方は何の為に、こんなことを!」

 

「私には私の目的がある」

 

「呪詛を壊して、奴に会うため、だろう?」

 

ジンの言葉に櫻井了子、否、フィーネは目を見開く。

 

「驚いたな。なぜ、わかった?流石の慧眼といいたいほどだが、不気味過ぎる」

 

「言っただろ?不要なカードは切らないって」

 

「仕方ない。貴様を無力化して話を聞くとしよう。カ・ディンギルの起動まで時間がかかるからな」

 

指を鳴らすとフィーネの傍に井坂深紅郎、メデューサ、そしてチェイスが現れる。

 

「お前は、死神!なんで」

 

「貴様に話す言葉はない」

 

叫ぶ進ノ介に対してチェイスは淡々と答える。

 

「さて、お前達がこいつらを倒せたのなら色々と話してやろう」

 

「高みの見物か!」

 

激昂して飛び出す風鳴翼。

弾丸のように飛び出しながらアームドギアの刃を振るおうとした。

 

「フン」

 

横から緑色の影が乱入する。

突然の不意打ちに対応できず、翼は近くの廃墟まで吹き飛ぶ。

 

「……師匠!?」

 

翼を襲撃したのはキックホッパー。

変身を解除して現れるのは矢車想。

驚く響を他所に、矢車は指をさす。

その相手は東郷ジン。

 

「お前の相手は俺だ」

 

「……そうか」

 

頷いて前に出るジン。

ジンは思い出したように懐からデルタギアを取り出す。

 

「小日向」

 

ぽいっと未来へデルタギアを投げる。

慌てて彼女はデルタギアを受け取った。

 

「これ……」

 

「木場が来たら渡してくれ。アイツに使えといえばわかるから」

 

「東郷さん!?」

 

「アイツとは一対一で話がある。クリス、響、他は任せていいか?」

 

「問題ない」

 

「上等!」

 

シンフォギアのペンダントとベルトを取り出すクリスと響。

 

「ベルトさん、俺達はアイツを」

 

「覚悟を決めたか、進ノ介、行こう!」

 

それぞれが戦うための準備を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、おい!ジン!何をするつもりだよ!」

 

状況を飲み込めず呆然としていた真司は慌ててジンの肩を掴む。

 

「城戸、小日向を連れて、安全なところへ避難してくれ。おそらく、どっかに旦那や二課のスタッフがいるはずだ」

 

「旦那?二課?一体、何の話だよ!」

 

「黙っていて、すまない。だが」

 

ジンは悲しそうな目で真司をみる。

 

「お前には知らないでいてほしかったよ」

 

飛来するダークカブトゼクターを掴んで歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いが、お前を潰す」

 

「そうか」

 

対峙する矢車とジン。

敵対するという宣言にジンは頷くのみ。

 

「聞かないのか?裏切るのかと」

 

「裏切るも何も、お前はただの居候のようなもので、探偵社にはっきりと入るといっていないぞ」

 

「そうだったな、あぁ、地獄を歩んでいる俺が忘れるほど、あそこは居心地がよかった」

 

「それは良かった。探偵社は家だとアイツは言っていた」

 

ぐるぐるとその場を回るように歩きながら会話をする二人。

 

「家か」

 

矢車は笑う。

これから戦うというのに殺意も敵意もない。

 

「お前を倒す」

 

「お前を止める」

 

ダークカブトゼクターとホッパーゼクターがぶつかりあいながらそれぞれの適合者の下へ向かう。

互いにゼクターを掴んで二人は起動の言葉を告げる。

 

「「変身」」

 

【チェンジ!ビートル!】

 

【チェンジ!キックホッパー!】

 

ヒヒイロノカネの鎧をまとうと同時にパンチとキックがさく裂して、衝撃波が周囲に広がる。

衝撃に真司達は飛ばされそうになった。

 

「ここは危険です!こちらへ!」

 

「あぁもう!一体、何が起こっているんだよ!」

 

緒川が先導する。

ベルトを抱えて走る未来。

頭を抱えたい気持ちにかられながらも真司は後を追いかける。

響は彼らが離れたことを確認してパンチホッパーに変身した。

 

「おや、シンフォギアを纏わないのですか?」

 

井坂深九郎は首を傾げた。

 

「ノイズをぶっ潰すのに有効かもしれないけれど、アンタは異常なくらい頑丈……だったら」

 

体をほぐすような動きをしながらパンチホッパーは静かに告げる。

 

「こっちの姿の方が何発でも撃てるし、アンタを確実に壊せる」

 

「壊せる……ですか、いいですねぇ、私もそろそろ貴方を解剖したくてウズウズしていたのですよぉ」

 

【ウェザー】

 

ウェザーメモリを起動して体に差し込み、ウェザードーパントへ変身する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、貴方の相手はお前?」

 

「だったらなんだ?」

 

メデューサとクリスは向かい合う。

クリスは胸元のペンダントを握り締める。

 

「可愛い女はすりつぶしてあげる。フィーネの邪魔はさせない」

 

「ハッ!お前みたいなおぞましい奴に好かれるなんてフィーネも大変だな」

 

「うるさいな、お前」

 

「こっちを見下しているんだ。安い挑発にのるなら」

 

ニヤリとシンフォギアを纏ったクリスはガトリング砲の砲口を向ける。

 

「ハチの巣だけじゃすまねぇぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ!ノイズがうじゃうじゃいるじゃないか!」

 

城戸真司は小日向未来の手を引きながら緒川の後を追いかける。

振り返りながら緒川が拳銃やクナイを投擲しているがノイズに効果はない。

 

「どこかに」

 

「緒川さん!」

 

未来の叫びに瓦礫の向こうから飛来するノイズに気付かなかった。

弾丸のように突撃してくるノイズ。

緒川に躱す手段はない。

 

「フン!」

 

上空から疾走形態のホースオルフェノクが落下と同時に後ろ脚で地面を抉る。

大量の瓦礫がノイズへ直撃、炭化した。

 

「小日向さん!」

 

「木場さん!」

 

ホースオルフェノクから人の姿へ戻った木場勇治は未来へ駆け寄って来る。

未来は木場の姿を見て安堵の表情を浮かべた。

 

「え、木場?」

 

「城戸君……」

 

真司は信じられないという表情で木場をみている。

オルフェノクであるということを知られた木場は動揺しつつ、未来へ尋ねた。

 

「東郷君達は?」

 

「戦っています……これを東郷さんから、木場さんへ渡してくれって」

 

未来は腕に抱えていたデルタギアを木場へ差し出す。

 

「ありがとう」

 

「木場さん、すいません。二課に繋がる入口まで案内してもらえますか?」

 

「二課の?」

 

「はい、フィーネがここを襲撃したという事は狙いがあると思います」

 

「それって、デュランダル?」

 

「おそらく……二課のメンバーが、司令がどうなったかわかりませんが、もしかしたらまだ」

 

その時、至る所からノイズが現れる。

身構える緒川を制して木場がデルタギアを装着した。

 

「こいつらは僕が蹴散らします。下がっていて」

 

銀色の輝きと共に木場はデルタへ変身してフォンブラスターを用いてノイズを一掃する。

 

「行こう」

 

「木場……」

 

振り返らずに先を行くデルタの姿に真司は苦悶の表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に頑丈だな」

 

パンチホッパーは攻撃の手を緩めない。

飛来する雷撃や放たれる竜巻を躱しながら何度もパンチを叩き込む。

しかし、ウェザードーパントは致命傷を受けた様子がない。

 

「どうしました?私はまだ一歩も動いていませんよ?」

 

「チッ」

 

舌打ちをしながら何度繰り出したかわからない拳をぶつける。

シンフォギアのガングニールの拳でもすぐに壊せるかわからない。

ウェザードーパントは酷く頑丈。

そのことが響をより苛立たせていた。

 

「その程度かなぁ?」

 

「黙れ、お前は必ず潰す」

 

「無駄なことだ。それに」

 

ちらりとウェザーが視線を向けた直後、体が鉛のように重たくなる。

 

「これは……」

 

「重加速現象というそうですよぉ?その状態でどこまで」

 

【クロックアップ】

 

「ふぅ、これで動ける」

 

「成程ぉ、そういう力がありましたね、興味深い!」

 

ウェザーは笑いながら拳を振るう。

パンチホッパーは拳をいなしながらさらに攻撃を入れていく。

 

「しかし、これはこれで困りますねぇ」

 

ちらりと遠くをみると魔進チェイサーによって放たれた重加速によってメデューサやクリスは動きが鈍っていた。

ドライブはタイプフォーミュラになってチェイサーと戦っている。

 

「さてさて」

 

「余所見、すんな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聞かないのか?俺があの女に加担する理由を」

 

「なんとなく予想がつくよ、影山だろ」

 

ダークカブトの言葉にキックホッパーは舌打ちする。

 

「お前のそういうなんでも詳しいというところが嫌いなんだよ」

 

高速空間の中で両者は拳をぶつけ合う。

 

「フィーネが言ったか?私に加担すればお前の大事な存在を取り戻してやると」

 

「だったらなんだ!」

 

「これは受け売りなんだが」

 

振るわれる蹴りを躱しながらダークカブトは距離を詰めていく。

同時にベルトのボタンを押す。

 

「失った人を蘇らせようと考えるよりも、その人との思い出を大事にして毎日を生きる方がいいと」

 

「ふざけるな」

 

【ライダーキック】

 

「お前に何がわかる!俺は相棒を殺した!殺すしかなかった俺に相棒との日々を思い出す資格などない!」

 

【ライダーキック】

 

タキオン粒子のエネルギーを集めたキックがぶつかりあう。

 

「本当にそうか!?俺はそうは思わない!お前は影山と一緒に生きてきた。そんなお前以外に誰が影山のことを覚えていてやれる?お前だけだろ!」

 

「黙れ!お前がいうのか!?お前は」

 

互いの必殺技がぶつかりあう。

大きな爆発と衝撃が周囲に広がる。

しばらくして、地面に大の字で倒れる矢車の姿がそこにあった。

 

「笑えよ、願いを叶えることができない無様な俺を」

 

「誰が笑うかよ」

 

大きなダメージを受けていたダークカブトの鎧が解除される。

肩を抑えながらジンは首を振った。

 

「俺だって、生き返るなら生き返ってほしいと失った時は思った。だけど……」

 

――俺は前に進むことを決めた。

 

「だから、お前にもそう思ってほしいと、俺は――」

 

【トリプルスキャニングチャージ!】

 

ジンの最後の言葉はオーズの放った必殺技によってかき消されてしまう。

放たれた攻撃を躱すことも防御することもできないまま攻撃を受けたジンの体は宙を舞い、そして、近くの廃墟の中に落下した。

突然のことに誰もが言葉を失った。

 

「なっ」

 

「ハハハッ、アハァ!」

 

言葉を失っている矢車の前でオーズは、イリスは変身を解除する。

 

「あーぁ、愛しい人も油断するんだねぇ、まさかぁ、こんなことであっさりと潰せるとは思わなかったよぉ」

 

狂ったように笑いながらイリスは瓦礫の方へ歩もうとする。

イリスは飛来する拳をギリギリのところで回避した。

 

「お前ぇえええええええ!」

 

「あれぇ、お前の相手はウェザーのはずだったんだけど?」

 

「うるさい、よくもジンを!お前はぶっこわすぅぅぅぅぅぅぅう!」

 

怒りに支配されたパンチホッパーの拳をイリスは躱す。

オーズドライバーを装着せずに次々と迫る拳に当たらないように動く。

 

「くそっ、くそっ、お前は壊す!壊してやる!」

 

「おやおや、私のことを忘れていいのですかなぁ?」

 

背後からウェザードーパントの雷撃がパンチホッパーを襲った。

回避することも出来ず、攻撃を受けたパンチホッパーの鎧が消えて、響の姿へ戻る。

 

「グッ……うぅ」

 

「キミも頑張るねぇ、でも、無駄。愛しい人を手に入れるのは私なんだからさぁ」

 

ニヤリと笑った直後。

 

「隙だらけなんだよぉ!」

 

横からクリスの放ったミサイルとガトリングの嵐がイリスへ襲い掛かる。

 

「うわぁ、オリジナルまできたの?あれ?メデューサは?」

 

「任せてきた」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ、何なんだ、お前は」

 

「指輪の魔法使いって奴だ!覚えておけ!」

 

「追跡!撲滅!いずれもマッハ!仮面ライダーマッハァ!」

 

メデューサはクリスと入れ替わるように現れた金色のビースト、白色のマッハとの交戦に圧され始めていた。

いきなりの乱入に戸惑いながらもメデューサは自らの武器で応戦しようとする。

ビーストとマッハの即席コンビは己の武器を使いながらメデューサを追い詰めていく。

 

「ぐぅ!こんなところで、この私が終わってなるものかぁああ!」

 

「悪いけど、お前みたいな雑魚を相手している時間はないの!」

 

「こっちだってみさえさんの後を追いかけないといけないんだ。さっさと俺に食われろ!」

 

【ハイパー!ゴー!】

 

【マッハ!デッドヒート!】

 

青い魔法衣、ビーストキマイラの頭部に似た形状の鎧のビーストハイパー。

ドライブとどこか似ている姿のマッハデッドヒート。

二人は同時に必殺技を放つ。

逃げる暇もないまま、攻撃の渦に飲み込まれてメデューサの体が崩壊していく。

 

「あぁ、フィーネ、様」

 

最後に敬愛する主の名前を呟きながらメデューサは消滅した。

 

「ごっつあんです!」

 

「うし!」

 

二人がそれぞれ武器を下す。

 

「って、そっち誰だ?」

 

「みなまで言うなって!お前も仮面ライダーなんだろ?だったら助け合いは大事だ」

 

尋ねるマッハにビーストはいつものペースで会話をする。

 

「駄目だ、こりゃ……てか、進兄さんの手伝いでやってきたものの……とんでもない事態になっているみたいだなぁ」

 

マッハが呟いた直後、地震が起こる。

 

「なんだ!?」

 

「おい、あれ!」

 

ビーストが驚く中、マッハがある場所を指さす。

倒壊したリディアン学院の場所から伸びて来る巨大な塔。

塔は不気味な光を放っている。

二人は本能的にあれがよくないものだということを理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛来する弾丸を躱しながらイリスはため息を吐く。

 

「その様子だとあの蛇女はやられたみたいだねぇ、ま、あてにしていなかったからいいけどさぁ」

 

ため息を吐きながらイリスはオーズドライバーを装着する。

 

「お前だけは赦さない、お前だけは私の手で」

 

 

――壊す。

 

 

パンチホッパーが力を込めた時。

 

「待てよ」

 

瓦礫を蹴散らしてふらふらとジンが現れる。

 

「ジン!?」

 

驚く響達。

 

「あれぇ、あれで死ななかったの?確実につぶしたはずなのにぃ」

 

不思議そうにみてくるイリス。

ジンは額から流れていた血を拭うと冷めた目でイリスをみていた。

 

「響、悪いが、ソイツは俺の獲物だ。お前達はフィーネを潰してくれ」

 

「ジン、けど!お前!」

 

「わかった」

 

クリスは渋るが、響は了承する。

 

「すぐ来るんだよね?」

 

「当然だ、フィーネの奴に一発与えないと気が済まない」

 

「わかった、先に行くから必ずきてね」

 

「わかっている」

 

響はそういうと走り出す。

クリスは二人のやり取りを見て、顔を歪めつつ。

 

「すぐに来いよ!来なきゃ、アタシが全滅させるからなぁ!」

 

「わかったよ」

 

手を振りながらクリスが離れるのを待つ。

 

「その顔、嬉しいなぁ、ようやく本気を出してくれるんだね?愛しい人」

 

「……悪いけどさ」

 

ジンは体をほぐしながら無表情でイリスをみた。

 

「手加減はしない。全力で叩き潰す」

 

ダークカブトゼクターを掴んでジンはベルトへ装着する。

 

【Henshin】

 

銀に輝くヒヒイロノカネの鎧を纏う。

専用武器、カブトクナイガンを構えてゆっくりと歩き出す。

 

「あぁ、楽しみだ、楽しみだ!楽しませて!」

 

【タカ!トラ!バッタ!】

 

オーズに変身してトラクローを展開して接近する。

振るわれる刃をいなして腹部にダークカブトの拳がめり込む。

 

「愛している!」

 

トラクローがダークカブトの肩を掠める。

焦げるような臭いが漂いながらも距離を詰めてダークカブトは近距離でカブトクナイガンをガンモードにして撃つ。

 

「愛している!愛している!愛している愛している!」

 

光弾を浴びながらも平然としているオーズの姿にダークカブトはため息を漏らしながら近距離で刃を振りおろす。

 

「ひぃぃはははぁああああああああああああ愛しているぅぅぅぅぅぅぅ!」

 

「面倒だな、本当に」

 

ため息を零しながらダークカブトは攻撃の手を緩めない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこへいくつもりですかぁ?」

 

フィーネのところへ向かおうとした響達の前にウェザーが現れる。

 

「お前に構っている暇はない」

 

「そんなつれない態度を取らないでくださいよ。こっちはそちらを解剖したくて」

「おい」

 

コツンとウェザーの肩に石が当たる。

 

「矢車師匠!」

 

ウェザーへ石を投げたのはジンに敗北した矢車想だった。

 

「おやおやぁ?敗北者のゴミムシ君が何の用事ですかぁ?」

 

「お前ぇ、今、俺のことを笑ったか?」

 

「えぇ、笑いましたよ?仲間を裏切り、敗北して、今度はこちらの邪魔をしてくる。ただ流されているだけのゴミムシ君」

 

苛立ちを隠さない矢車へ挑発するウェザー。

 

「そうか」

 

飛来してきたホッパーゼクターを掴んで矢車はキックホッパーに変身する。

 

「お前は叩き潰す理由が出来た。お前に地獄を見せてやろう」

 

「貴方程度が語る地獄のぬるま湯など興味はありませんよ」

 

鼻で笑うウェザードーパントだが、気付いた時には体が宙に舞っていた。

 

「あ?」

 

ウェザーが事態を理解した時は瓦礫に体を打ち付けた時だ。

 

「どうした?ぬるま湯なんだろう?呆けた顔をしているぞ」

 

キックホッパーの挑発にウェザーはゆっくりと起き上がる。

 

「あまり図にのらないことです。貴方等、すぐに黒焦げ――」

 

瞬時に接近したキックホッパーの蹴りがウェザーの顔面にめり込んだ。

彼のいた場所に小さなクレーターができる。

 

「すげぇ……」

 

「全くみえなかった」

 

「流石、師匠だ」

 

「何をやっているんだ?早くフィーネを潰しに行け」

 

キックホッパーは振り返らずに呆然としていた三人へ告げる。

 

「早くしないと、アイツが全て終わらせるぞ?」

 

「師匠!任せた!」

 

響はそういって駆け出す。

彼女達の姿が完全に見えなくなってから足蹴にしているウェザーに視線を向けた。

 

「さて、あいつらにこれをみせるわけにいかないからな」

 

「ぐっ、貴様ぁ」

 

「お前に見せてやるよ。地獄をさぁ」

 

【ライダージャンプ】

 

【ライダーキック】

 

同じ動作を繰り返して次々とウェザーに攻撃を繰り出していく。

一撃。

二撃。

三撃。

四撃。

その回数が二桁を超えたあたりになってキックホッパーは動作を止める。

 

「う、ぐぅぅ、貴様……これだけの力を持って――」

 

「頑丈だな。まぁいい、これで終わらせる」

 

【ライダージャンプ】

 

「ライダーキック」

 

【ライダーキック】

 

ウェザーが雷撃や氷の塊を咄嗟に作ってキックホッパーへ投擲する。

攻撃を受けながらもキックホッパーは止まらない。

タキオン粒子のエネルギーを纏ったキックがウェザードーパントを貫く。

 

「貴方ぁ、死ぬのが怖くないのですかぁ」

 

「くだらない」

 

震えながら問いかけるウェザードーパントにキックドーパントは無感情で答える。

 

「面白い、あぁ、面白い。貴方がどんな最期を迎えるのか、あの世とやらでみさせてもらいますよぉ!」

 

笑いながらウェザードーパントの体は灰になって消えていく。

キックホッパーはそのまま瓦礫の上から降りて、歩き出す。

ヒヒイロノカネの鎧が解除されて、一瞬、バランスを崩しそうになりながらも矢車は去っていった。

 

 

 

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